老後資金であったり、子どもの教育資金であったり、生活をするうえで必要なお金は思った以上にあります。しかし給料だけでは、すべてを賄いきれない可能性もあり、資産運用をしている人も多い傾向です。

この記事では、資産運用の定義や初心者ができる資産運用、おすすめの証券会社など資産運用について解説します。

資産運用とは

(画像=PIXTA)
 

そもそも資産運用とは、どのようなものかを見ていきましょう。

資産運用と投資の違い

資産運用と同じように捉えがちな言葉に「投資」がありますが、資産運用と投資とは異なるものです。資産運用とは、名前のとおり資産を運用していくことです。自分の資産を上手に運用してお金を増やしていきます。一方で投資とは、事業やアイデア、株などにお金を投じることです。ただしそこには利益を得る目的があります。

投資や貯金などは、すべて資産運用の手段です。しかしどちらかというと、資産運用はお金を増やしていくことを目的としているため、リスクが少ない運用方法を取ります。一方、投資は利益を得ることを目的としているため、リターンの多い(リスクの高い)運用方法を取ることが多い一面があります。

資産運用の種類一覧

資産運用と一口に言っても、以下のようにさまざまなものがあります。

資産運用の種類 備考
債券 社債、国債など
預金 普通預金、定期預金、外貨預金など
投資信託 ETF、iDeCo、NISA・つみたてNISAなど
株式 現物取引、信用取引
FX  
先物取引 金、農作物など
不動産 不動産運用、REITなど
仮想通貨 ビットコインなど

上手に資産運用するためには、自分にあった種類のものを選択することが必要です。

初心者におすすめの資産運用

ここからは、初心者におすすめの資産運用について見ていきましょう。初心者におすすめの資産運用には、次のものがあります。

NISA・つみたてNISA

NISAやつみたてNISAは、簡単にいうと資産運用における一定金額の非課税制度のことです。

・NISA
株式や投資信託などへの投資で受け取る配当金や分配金、売却時の利益に対する税金が非課税となる制度です。ただしNISA口座の開設はすべての金融機関で1人1口座まで、毎年120万円(新規投資額)が上限かつ5年間といった一定の要件があります。

・つみたてNISA
対象を公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定された長期つみたてを目的としたNISAです。一定の投資信託から得られる分配金や売却時の利益に対する税金が20年間非課税となります。ただしNISA同様に口座開設はすべての金融機関で1人1口座まで、毎年40万円(新規投資額)が上限といった一定の要件があります。

なおNISAとつみたてNISAは、同時に口座を保有することができません。利用したい場合はどちらかを選択します。

iDeCo

iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことで公的年金にプラスできる私的年金のです。掛金の拠出や掛金の運用のすべてを自分で行うため、人任せにせずに年金の支給額を増やすことが期待できます。iDeCoの大きな魅力は「掛金の全額が所得控除」「運用中の運用益が非課税」「給付時に非課税枠がある」といった節税効果が享受できることです。

投資信託

投資信託とは、証券会社などの投資のプロが多くの投資家から集めた資金を運用し、獲得した利益を出資額に応じて投資家に分配する投資商品です。少額から投資できるほか、資産運用の知識がなくても利益を得られるなどのメリットがあります。ただし元本保証がないため、当然マイナスが出る可能性もある点は押さえておきましょう。

債券投資

債券投資とは、国が発行する国債や企業が発行する社債などの債券に投資し、資産運用する方法です。債券投資をすると定期的に利息を受け取ることができたり、償還時に額面金額の償還を受け取ることができたりします。国や倒産リスクの低い大企業であれば額面金額が戻ってくる可能性が高いため、低リスクで資産運用をすることが可能です。

【共通】資産運用を始める準備

ここからは、実際に資産運用を始めるために、どのような準備が必要なのかを見ていきましょう。

証券口座を開設する

基本的に、投資は証券会社などを通じて行います。証券会社であれば、証券総合口座を開設します。口座開設の際は、申込書や身分証明書などの書類(証券会社によって必要な書類は異なる)が必要です。

窓口では手数料がかかるのでネット証券がおすすめ

証券会社の口座開設は、ネットで行うことも可能です。ネット証券会社だけでなく大手の証券会社もネット証券に参入しています。ただし大手証券会社の窓口で証券口座を開設すると、口座維持手数料が必要なところもあるので注意しましょう。ネット証券の場合は「手続きが簡単」「口座開設までの時間が短い」「口座管理手数料も無料の場合が多い」といった一面があります。

そのため初心者には、ネット証券がおすすめです。

初心者が資産運用をするならこのネット証券がおすすめ

証券口座を開設し資産運用する際には、ネット証券がおすすめです。ここでは初心者が資産運用をするのにおすすめのネット証券会社を6つ紹介します。

楽天証券

楽天証券は、楽天グループの証券会社です。株式だけでなく投資信託やNISA・つみたてNISA、iDeCo、FXなどさまざまな資産運用のための商品が用意されています。手数料がリーズナブルなうえに資産運用によって楽天グループで使える楽天ポイントが貯まるため、非常にお得です。

SBI証券

SBI証券は、SBIグループが運用する証券会社です。株式や投資信託、債券投資などでの資産運用も可能です。手数料が安いだけでなく資産運用でTポイントが貯まったり、Tポイントを使ったりすることもできます。

岡三オンライン証券

岡三オンライン証券は、「2021年オリコン顧客満足度調査 分析ツール1位」のネット証券です。オリコン顧客満足度調査で1位になっただけのことはある多彩な取引ツールが魅力で、取扱商品も豊富です。

マネックス証券

マネックス証券は、ビットコインや米国株にも強みのある証券会社です。少額投資にも力を入れており、iDeCoやNISAなどのほか、100円から始められる投信つみたてもあります。少額から資産運用を始めてみたい人にはおすすめです。

松井証券

松井証券は、HDI-Japanが主催する「2020年度問合わせ窓口格付け(証券業界)」で10年連続三ツ星を獲得した初心者も安心できる老舗証券会社です。パソコンやスマートフォン、タブレット用に豊富な無料情報ツールもあり、手数料が安いことも投資初心者に人気の高い理由です。もちろん取扱商品も豊富にあります。

LINE証券

LINE証券は、スマートフォンで簡単に資産運用ができる証券会社です。1株数百円から株やETF・REIT、投資信託に投資でき、分散投資や積立投資もできます。お得なキャンペーンが多いことも魅力です。

初心者が資産運用で失敗しない鉄則の投資方法

資産運用を始めるにあたって心配になるのは、「資産運用をうまくできるのか」ということではないでしょうか。実は、初心者が資産運用で失敗する可能性を下げられる投資方法があります。それが「長期投資」「分散投資」「積立投資」です。それぞれについて見ていきましょう。

長期投資

長期投資とは投資商品を長い期間にわたって保有し、利益を得る方法です。保有期間が長いほど値動きは平準化されていきます。リスクのコントロールがしやすいため、資産運用に普段それほど時間をかけられない人でも失敗しにくい運用方法です。

分散投資

分散投資とは複数の商品を対象に資産運用する方法です。複数の投資商品を対象に資産運用することで、たとえ一つの商品で資産運用に失敗しても、他の資産運用でカバーすることが期待できます。リスクを軽減して高いリターンを狙うためには、分散投資がおすすめです。

積立投資

積立投資とは、決まった期間に一定金額積立投資をする資産運用方法です。毎月コツコツと積み立てできるので購入価格を平準化(ドルコスト平均法)でき、無理なくリスクを抑えながら資産運用ができます。

資産運用がこれほど注目を集める社会的背景

一昔前は、投資と言えば、ギャンブルと同じように考える人も多くいました。しかし現代において資産運用は、多くの人から注目を集めています。なぜなら以下のような社会的背景があるからです。

貯蓄では資産が増えないから

資産運用が注目を集めている理由の一つは、世界中で低金利政策が進んでいるからです。低金利のため、銀行口座に預金をしてもほとんど利息がつかない状況になっています。資産を増やすためには、貯蓄以外の資産運用方法が必要となったため、注目されるようになりました。

給与所得だけでは生活が厳しいから

給料だけでは、生活が厳しい点も資産運用が注目を集める理由の一つです。2021年9月に国税庁が公表した「令和2年分民間給与実態統計調査結果」によると、平均給与は2008~2020年まででほとんど上昇していません。給料だけでは生活が厳しいと感じている人も増えていることが理解できるのではないでしょうか。生活を楽にするために資産運用が注目されるようになりました。

老後資金の不足のおそれがあるから

上述したように給料だけでは生活が厳しいと感じている人が多い傾向です。目先の生活が厳しいわけですから、老後のための貯蓄が十分でない人も多いでしょう。そこで老後資金を作るためにも資産運用が注目されるようになりました。

資産運用は始めるタイミングが早いほど有利

資産運用を失敗しないためには、リスクを低減できる「長期投資」「分散投資」「積立投資」が必要です。しかしリスクをコントロールしながら一定の運用益を上げるためには、長期的な運用が重要となります。資産運用を考えている場合は、できるだけ早いタイミングで始めたほうがよいでしょう。

まとめ

資産運用とは自分の資産を上手に運用してお金を増やしていくことです。資産運用にはさまざまな種類がありますが、その中でもNISAやつみたてNISA、iDeCoや投資信託などがおすすめです。

資産運用の商品を取り扱っているネット証券も多くあります。大事なのは自分に合った証券会社を選ぶことです。ライフスタイルに合った運用商品や証券会社を見つけて、賢く資産運用を行っていきましょう。