FXは手数料として、スプレッドが発生します。スプレッドとは、通貨ペアの売り値と買い値の差であり、1回の取引にかかるコストのことです。スプレッドはFX会社により異なるので、比較してコストの低いFX会社を選ぶことが大切です。

今回は、スプレッドの計算方法やスプレッドが低いFX会社を紹介します。FXのトレードにかかるコストを抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. FXにおける手数料(スプレッド)って?
    1. スプレッドはどのように決まるの?
    2. 「原則固定」とは?
    3. スプレッドコストの計算方法
    4. スプレッドの提示率や約定率には注意!
  2. スプレッドが広がりやすい時間帯(タイミング)は?
    1. 取引量が少ないとき
    2. 重大な経済指標が発表されるとき
    3. 国際的なニュースがあったとき
  3. 初心者におすすめ!スプレッドの低いFX会社4選
    1. 1 マネーパートナーズFX
    2. 2 SBI FXトレード
    3. 3 みんなのFX
    4. 4 ゴールデンウェイ・ジャパン
  4. FAQ
    1. 銭とpipsって何が違うの?
    2. スプレッドは低いほど有利なの?
    3. 通貨によってスプレッドの幅は変わらないの?

FXにおける手数料(スプレッド)って?

スプレッドとは、トレードをする通貨ペアの売値(Bit)と買値(Ask)の差額のことです。多くのFX会社が取引手数料を無料としているため、スプレッドが実質的な取引コストとなります。

スプレッドとは
NET MONEY編集部作成

たとえば、米ドル/円の買値が130.000円、売値が130.002円のときにトレードをすると、スプレッドが0.002円となります。スプレッドは、FX会社や通貨ペアによって異なるので、どれほどのスプレッドがかかるのかを口座開設前に確認しておきましょう。

スプレッドはどのように決まるの?

スプレッドは、外国為替市場のレートをもとにFX会社が決定しています。

取引量が少ない通貨ペアは、値動きが安定しづらいため、スプレッドが大きく変動しやすいのが特徴です。このような通貨を「マイナー通貨」といい、「トルコリラ」や「南アフリカランド」などが該当します。

FX会社を選ぶときは、スプレッドの低さだけに着目するのでなく、「安定したスプレッドを提供できるかどうか」にも着目することが大切です。例えば「原則固定」を採用し、通貨ペアごとのスプレッドを固定しているFX会社であれば、大きなコスト損失を防げます。

なお、スプレッドはエントリー(新規でポジションを持つこと、買うこと、売ること)ときだけでなく、決済する際にもかかることを認識しておきましょう。

「原則固定」とは?

原則固定とは、通貨ペアごとに決められた基準価格からスプレッドが基本的に変動しない仕組みのことです。原則固定が採用されている通貨ペアは、取引コストの計算がシンプルになるので、トレードに集中しやすくなるでしょう。

なお、原則固定はスプレッドが確実に変動しないわけではなく、取引量が少なかったり相場変動が大きかったりすると、一時的にスプレッドが変動する可能性があります。スプレッドが広いタイミングで取引をすると、差額分の利益が減ってしまうので注意しましょう。

スプレッドコストの計算方法

FXトレードにかかるスプレッドコストは「(売値 ー 買値)× 取引通貨量」で求められます。

たとえば、米ドル/円の買値が130.002円、売値が130.000円のときに10,000通貨で取引した場合のスプレッドコストは、以下のように計算します。

(130.002円 ー 130.000円)× 10,000 = 20円

スプレッドは取引ごとに発生するため、取引回数が増えるほどコストが高くなる仕組みです。

1注文あたりの利益が少ないトレードを繰り返すと利益よりも取引手数料が上回る「手数料負け」を起こしてしまうので注意しましょう。

通貨量 スプレッド 取引回数/日 取引コスト/日 取引コスト/月
10,000 0.001円 5回 50円 1,500円
10回 100円 3,000円
0.002円 5回 100円 3,000円
10回 200円 6,000円

スプレッドの提示率や約定率には注意!

スプレッドの提示率とは、一定期間中に原則固定で公表している基準価格の範囲内で取引が成立した時間の割合です。提示率を見ることで、どれほどの取引が基準価格で成立しているかを確認できます。

FX会社によっては、スプレッドの提示率とともに、基準価格と異なった原因を公表しています。

参照:松井証券「提示スプレッド等に関する実績情報」

また、FX会社を選ぶ際は「約定率」にも注目しましょう。約定率とは、出した注文が、意図した通りに成立する確率のことです。約定率はFX会社のシステム処理能力やサーバースペック、提携先金融機関の数に左右されます。

意図した売り値・買い値で約定させて利益を狙うには、FX会社の約定率にも着目する必要があるのです。

FXトレードで効率的に利益を狙うためにも、FX会社の提示率や約定率を確認しておきましょう。

スプレッドが広がりやすい時間帯(タイミング)は?

前述した通り、スプレッドが原則固定となっている場合でも、取引量や相場変動によってスプレッドが広がる可能性があります。スプレッドが広がる主なタイミングには、次の3つが挙げられます。

取引応援ポイントサービスの利点
  • 取引量が少ないとき
  • 重大な経済指標が発表されるとき
  • 国際的なニュースがあったとき

これらのタイミングに取引をすると、想定以上の取引コストが発生してしまう可能性があります。取引コストを抑えるためにも、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

スプレッドが広がりやすい時間帯(タイミング)は?
  1. 取引量が少ないとき
  2. 重大な経済指標が発表されるとき
  3. 国際的なニュースがあったとき

取引量が少ないとき

取引量が少ないタイミングは、注文が一方向に偏りやすくなるため、スプレッドが広がりやすい傾向があります。

取引量が少ない時間帯は、世界三大市場のニューヨーク・ロンドン・東京が閉場している午前5~8時ごろが該当します。加えて、市場ごとに取引ができない休場日が設けられているので、取引日によってはスプレッドが広がりやすくなることも認識しておきましょう。

また、取引量が少ないマイナー通貨は、時間帯に関わらずスプレッドが広がりやすい傾向があります。取引コストを抑えるためにも、取引量が多い時間帯にトレードするように意識しましょう。

重大な経済指標が発表されるとき

世界一の経済大国といわれるアメリカ、ヨーロッパ内で経済規模が大きいイギリスやドイツ、GDP世界3位の日本(※2022年)といった主要国の経済指標が発表されるときはスプレッドが広がりやすくなります。

主な経済指標として挙げられるのは、失業率や雇用状況がわかる「雇用統計」や、物価の変動を表した「消費者物価指数」です。さらに各国の中央銀行による金融政策の発表も、相場に大きな影響を与える可能性があるので、経済ニュースに注目しておきましょう。

為替レートは、経済指標の発表内容によって大きく変動する可能性があります。そのため、重大な経済指標が発表されるタイミングは、急激な値動きに巻き込まれないように投資家がトレードを控え、取引量が減少する傾向があります。

その後、経済指標の発表により急激に取引量が増えることで、スプレッドが広がってしまうのです。

このように主要国の経済指標が発表されるタイミングは、思わぬ値動きをするだけでなく、スプレッドが広がることも考えられます。スプレッドや値動きが読めないときは、エントリーを控えることも視野に入れておきましょう。

※参照:22年日本GDP、世界3位維持|埼玉新聞22年日本GDP世界3位維持|北日本新聞webunプラス

国際的なニュースがあったとき

国際的なニュースがあったときも、スプレッドは広がる傾向にあります。各国の通貨価値によって変動する為替レートは、特定地域での紛争や国家間の対立などの影響を受けるからです。ロシアのウクライナ侵攻や米中対立のような主要国が関わっている国際的なニュースは、為替相場に影響を与えやすい傾向があります。

これらの国際的なニュースが発表されたタイミングは、取引量が急激に増減することがあり、一時的にスプレッドが広がる場合があるので注意が必要です。国際的なニュースがあるときは、エントリーを控えたりポジションを整理したりすることで、想定外の損失を防止しましょう。

初心者におすすめ!スプレッドの低いFX会社4選

ここでは、初心者におすすめのスプレッドが低いFX会社を紹介します。

  米ドル/円 ユーロ/円 ポンド/円 豪ドル/円 公式サイト
マネーパートナーズマネーパートナーズFX 0.3銭
※原則固定(例外あり)
0.4銭
※原則固定(例外あり)
0.7銭
※原則固定(例外あり)
0.5銭
※原則固定(例外あり)
SBI FX トレードSBI FXトレード 0.18銭 0.48銭 0.88銭 0.58銭
みんなのFXみんなのFX 0.2銭 0.4銭 0.9銭 0.6銭
FXTFゴールデンウェイ・ジャパン 0.1銭 0.3銭 0.6銭 0.4銭
※SBI FXトレードは、注文数量1~1,000,000通貨までの基準値(2024年3月22日調査時点)

なお、取引時間や通貨量によってスプレッドが変動する場合があるので、どのタイミングでどれほどの通貨量でトレードをするかを想定しながらFX会社を選びましょう。

マネーパートナーズFX

マネーパートナーズFXのメリット

  • ◎ 1米ドル円などのスプレッドが1万通貨まで0.0銭
  • ◎ 100通貨から取引できるため、数百円で取引可能
  • ◎ 最大20回まで同じ注文を繰り返せる
  • ◎ 情報配信が充実している

マネーパートナーズFXのデメリット

  • △ デモ口座が無い
  • △ スワップポイントが低い
  • △ スキャルピングが禁止されている
米ドル/円 0.3銭
ユーロ/円 0.4銭 ユーロ/米ドル 0.3pips
ポンド/円 0.18銭 ボンド/米ドル 0.8pips
豪ドル/円 0.2銭 0.5銭 豪ドル/米ドル 0.8pips
※2023年5月26日現在
※取引時間を12~25時として記載
※原則固定(例外あり)

マネーパートナーズFXは米ドル/円だけでなく、ユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円などの円を含んだ通貨ペアのスプレッドが低いのが特長です。また、マネーパートナーズFX nanoを利用すると、10,000通貨までの注文による米ドル/円のスプレッドが「0.0銭」になるので、少額取引にも向いています。

PCからのPFXストリーミング注文での約定率が100%とされているため、狙った価格で約定できる点も魅力です。

SBI FXトレード

SBI FXトレード公式サイト
引用:SBI FXトレード公式サイト

SBI FXトレードのメリット

  • ◎ 米ドル円のスプレッドが0.18銭と狭い
  • ◎ 1通貨から取引できるため、数円で取引可能
  • ◎ 取り扱い通貨ペア数が34種類と多い
  • ◎ 積立FXで長期的な視点の投資ができる

SBI FXトレードのデメリット

  • △ 取引量が多くなるとスプレッドが広くなる
  • △ デモ口座が無い
  • △ スキャルピングが公認されていない
米ドル/円 0.18銭
ユーロ/円 0.48銭 ユーロ/米ドル 0.38pips
ポンド/円 0.88銭 ボンド/米ドル 0.90pips
豪ドル/円 0.58銭 豪ドル/米ドル 0.80pips
※2023年5月26日現在
※取引通貨量を1,000,000として記載
※注文数量1~1,000,000通貨の場合の基準値(2024年3月22日調査時点)

SBI FXトレードは、米ドル/円のスプレッドが業界最狭水準です。業界トップクラスとなる34通貨ペアを取り扱っており、メジャー通貨からマイナー通貨まで幅広いトレードができるのも魅力です。

みんなのFX

みんなのFX公式サイト
引用:みんなのFX公式サイト

みんなのFXのメリット

  • ◎トレーダーを選ぶだけで自動売買ができる
  • ◎ バイナリーオプションができる
  • ◎ スワップポイントが高い
  • ◎ 取り扱い通貨ペア数が34種類と多い

みんなのFXのデメリット

  • △ オンラインセミナーの開催や情報配信が少なめ
  • △ 証拠金維持率100%以下で強制ロスカットされる
  • △ デモ口座がスマートフォンに対応していない
 
米ドル/円 0.2銭
ユーロ/円 0.4銭 ユーロ/米ドル 0.3pips
ポンド/円 0.9銭 ボンド/米ドル 0.8pips
豪ドル/円 0.6銭 豪ドル/米ドル 0.8pips
※2024年2月現在
※取引時間を8~翌5時として記載

みんなのFXは、米ドル/円のほか、ユーロ/円などの通貨ペアのスプレッドが業界最狭水準なのが特徴。業界トップクラスの34通貨ペアを取り扱っているので、幅広い通貨ペアでのトレードを楽しめるでしょう。

また、約定率が99.9%と高水準であることから、注文が成立しやすいのも大きな魅力です(調査期間:2022年10月3日~2022年10月31日)。

ゴールデンウェイ・ジャパン

ゴールデンウェイ・ジャパン公式サイト
引用:ゴールデンウェイ・ジャパン

FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)のメリット

  • ◎ 世界で最も利用されている取引ツールMT4が使える
  • ◎ 米ドル円のスプレッドが0.1銭と非常に狭い
  • ◎ 24時間のサポート体制を取っており、FX初心者でも安心

FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)のデメリット

  • △ スキャルピングが禁止されている
  • △ 通貨ペアによってはMT4の自動売買で手数料がかかる
  • △ スワップポイントが低め
米ドル/円 0.1銭
ユーロ/円 0.3銭 ユーロ/米ドル 0.2pips
ポンド/円 0.6銭 ボンド/米ドル 0.7pips
豪ドル/円 0.4銭 豪ドル/米ドル 0.6pips
※2023年5月26日現在

ゴールデンウェイ・ジャパンは、米ドル/円が0.1銭、ユーロ/円が0.3銭とメジャー通貨のスプレッドが低いのが特長です。取引コストが抑えられるので、複数回のトレードを繰り返す取引スタイルの方におすすめです。

FAQ

銭とpipsって何が違うの?

pipsは、異なる通貨ペアの変動幅を表すために使われるFXの共通単位です。

pipsがいくらになるかは、円を含んでいるかで異なります。円を含んだ通貨ペアは「1pips = 0.01円(1銭)」、円を含まない通貨ペアは「1pips = 0.01セント」となります。

スプレッドは低いほど有利なの?

スプレッドは実質的な取引コストとなるため、狭ければ狭いほど利益を獲得しやすくなります。FX会社や通貨ペアによってスプレッドが異なるので、取引前に確認しておくとよいでしょう。

通貨によってスプレッドの幅は変わらないの?

通貨ペアによってスプレッドは変わります。

トルコリラや南アフリカランドのように取引量が少ない通貨ペアは、スプレッドの変動が大きくなりやすいので注意が必要です。このような取引量の少ない通貨は「マイナー通貨」と呼ばれています。