FXのスイングトレード手法とは?損切り幅や4時間足などの初心者向けの実践的なコツを徹底解説!
NET MONEY編集部作成

FXのスイングトレードとは、数日から長くて数ヵ月間、ポジションを保有する取引スタイルです。スイングトレードなら、忙しくて値動きを細かくチェックする時間が取れない人や経験が浅い初心者でも落ち着いて取引できます。

しかし、基礎的な知識やトレードのポイント、コツを知らずに取引すると損をしてしまうリスクがある点では他の取引スタイルと変わりません。

本記事では、FXのスイングトレード手法についての基礎知識や損切り幅や4時間足の活用法などの初心者向けの実践的なコツを徹底解説します。FXのスイングトレード手法についてしっかり学んでから、口座を開設して実際の取引にチャレンジしてみましょう!

  1. FXのスイングトレード手法とは?向いている人の特徴や4時間足について解説!
    1. FXのスイングトレードに向いている人の特徴3選
    2. FXのスイングトレードでは最強の4時間足を活用しよう!
    3. FXのスイングトレードの損切り幅のおすすめは100pips
  2. FXのスイングトレードのメリット5つ
    1. 時間がない人にも取り組みやすい
    2. スワップポイント収入が見込める
    3. 一度の取引きによる利益が大きくなりやすい
    4. 短期売買と比べて精神的に余裕が持てる
    5. 取引コストが抑えられる
  3. FXのスイングトレードのデメリット4つ
    1. 取引経験が増えづらい
    2. 損切り幅が大きくなりやすい
    3. 情報に左右されやすい
    4. スワップポイントを気にしなければならない
  4. FXのスイングトレードで勝てない?稼ぐためのコツ6つ
    1. テクニカル分析をマスターする
    2. ファンダメンタルズ分析をマスターする
    3. 先進国通貨ペアを取引する
    4. 少額取引から始める
    5. 練習で短期売買をやっておく
    6. 積極的に利確する
  5. FXのスイングトレードにおすすめのセットアップ
    1. 通貨ペアは米ドル円
    2. 複数時間足分析には日足、4時間足、5分足を使う
    3. テクニカル分析には移動平均線を使う
    4. オシレーターで相場の過熱感を把握する
    5. トレンド転換をテクニカル指標で測る
  6. FX初心者がスイングトレードで成功するための心構え4つ
    1. 利益が小さくてもOK
    2. 勝率を上げる
    3. 必ず損切りを設定する
    4. 相場とニュースは毎日チェック
  7. スイングトレードで稼げるFX会社を選ぶコツ5つ
    1. スワップポイントが大きい
    2. 情報コンテンツが豊富
    3. 少額取引が可能
    4. 分析機能が充実
    5. スマホアプリでチェック可能
  8. FXのスイングトレードに関するよくある質問
    1. FXスイングトレードにおすすめのインジケーターは?
    2. FXスイングトレードで勝てないのはなぜですか?
    3. FXスイングトレードでおすすめの手法を教えてください。
    4. FXスイングトレードは難しいといわれるのはなぜですか?
    5. FXスイングトレードで4時間足が最強といわれるのはなぜですか?
    6. FXスイングトレードの勉強におすすめの本を教えてください。

FXのスイングトレード手法とは?向いている人の特徴や4時間足について解説!

FXスイングトレードとは?
(画像=NET MONEY編集部)

FXのスイングトレードとは、数日~数週間で取引を完結させるトレードスタイルです。

相場の大きな流れ(トレンド)を捉えて売買する手法であるため、スキャルピングやデイトレードと比べると1回の取引で得られる利幅も大きくなる傾向があります。

3つのFX取引スタイル
NET MONEY編集部作成

また、数週間以上の長期でポジションを保有することも多いため、短期の値動きはあまり気にする必要はありません。こまめにチャートを見れなくても取り組めるので、副業にも適しているでしょう。

ただし、為替は米国時間(日本時間の夜)に動くことも多いため、寝ている間に大きく動いてあっさりロスカットされるといった事態に陥ってしまう危険性があります。

東京時間・ニューヨーク時間・ロンドン時間の比較
NET MONEY編集部作成

初心者がオーバーナイトする(翌日もポジションを保有し続ける)場合は、経済指標の発表やFOMCなど海外でおこなわれる重要イベントのスケジュールにも敏感にならないといけません。

テクニカル分析だけなく、ファンダメンタルズ分析に関する専門的な知識を身につけてトレンドをとらえないと、ポジション保有中に損失を抱えることも多いため、知識や経験が求められるトレードスタイルになります。

テクニカル分析とは
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ファンダメンタルズ分析とは
NET MONEY編集部作成

当メディア「NET MONEY」がFXの口座を有する国内の20歳~69歳の男女500名に独自に行った利用実態調査では、全トレーダーの約40.4%がスイングトレードを行っていました。(複数回答あり)

FXのスイングトレードはデイトレードの次に活用されている
(画像=NET MONEY編集部作成)

FXのスイングトレードに向いている人の特徴3選

FXのスイングトレードは、スキャルピングやデイトレードよりチャートのチェック頻度が少ないため、時間的・精神的に余裕を持つことができるため初心者でも取り組みやすいトレードスタイルであるといえます。

ここからはFXのスイングトレードに向いている人の特徴を3つ紹介します。

1回の取引で大きな利益を狙いたい人

FXのスイングトレードでは、数日~数週間の期間で取引を行うため、1回の取引で数十pips~数百pipsの利益を狙うことができます。そのため、スキャルピングやデイトレードに比べて、1回の取引で大きな利益を上げることが可能です。

初心者におすすめのトレードスタイル
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また、スイングトレードでは、トレンドに乗って利益を上げることが重要です。トレンドは、数日~数週間にわたって続くため、大きな利益を狙うことができます。

そのため、1回の取引で大きな利益を狙いたい人には、スイングトレードが向いていると言えます。

なお、スイングトレードでは、大きな利益を狙うためには、相場分析のスキルが重要です。トレンドの方向性や勢いを判断するために、テクニカル分析やファンダメンタル分析を活用する必要があります。また、経済指標の発表や政治情勢などのニュースにも注意して、相場の動向を把握する必要があります。

副業でFXに取り組みたい人

FXは、24時間365日取引が行われる金融商品です。そのため、副業でFXに取り組む場合、本業と並行してチャートを見たり、注文をしたりする必要があります。

スイングトレードは、数日~数週間の期間で取引を行うため、スキャルピングやデイトレードと異なり、1日に何度もチャートを見る必要はありません。そのため、本業で忙しい人や、チャートを見るのが苦手な人も、副業でFXに取り組むことができます。

ただし、スイングトレードでも、相場分析のスキルは必要です。トレンドの方向性や勢いを判断するために、テクニカル分析やファンダメンタル分析を活用する必要があります。また、経済指標の発表や政治情勢などのニュースにも注意して、相場の動向を把握する必要があります。

スマホから取引をしたい人

FXネオの週足画面
GMOクリック証券のFXネオの実際の取引画面から引用

FXのスイングトレードでは、数日~数週間の期間で大きなトレンドに乗って利益を狙います。そのため、チャートを確認し、大まかなトレンドを把握できれば、スマホからでもスムーズに取引を行うことができます。

FXのスイングトレードでは最強の4時間足を活用しよう!

プラチナチャートの4時間足画面
GMOクリック証券の「プラチナチャート」の実際の取引画面から引用

FXのスイングトレードでは4時間足を活用しましょう。

FXのスイングトレードは、数日~数週間の期間で取引を行うため、中長期のトレンドを見ることが重要になります。4時間足は、1時間足や5分足などの短期足と比べて、トレンドの方向や勢いを把握するのに適しています。

プラチナチャートの5分足画面
GMOクリック証券の「プラチナチャート」の実際の取引画面から引用
アイコン
5分足などの短期足で見られるダマシ(=トレードの判断に役立つ情報を妨げるランダムな値動き)もないから4時間足は初心者でも使いやすいにゃ!

トレンドの方向や勢いを把握するのに適していることは、エントリーポイントを見つけやすいというメリットにつながります。例えば、4時間足でトレンドラインやレジスタンスライン、サポートラインなどを活用することで、トレンドの方向性が明確になり、エントリータイミングを判断しやすくなります。

また、4時間足は、1時間足や5分足などの短期足と比べて、損切りがしやすいというメリットがあります。例えば、4時間足で損切りラインを設定しておくことで、短期足の乱高下に振り回されずに、損切りを実行しやすくなります。

ただし、4時間足はあくまでも中長期のトレンドを見るのに適した時間足であるため、短期的な動きを捉えにくいというデメリットもあります。そのため、スイングトレードを行う際には、4時間足に加えて、1時間足や日足なども併用して分析することが重要です。

プラチナチャートの日足画面
GMOクリック証券の「プラチナチャート」の実際の取引画面から引用

FXのスイングトレードの損切り幅のおすすめは100pips

FXのスイングトレードでは、数日~数週間の取引期間で大きなトレンドを狙います。そのため、利確幅は数十pipsから数百pipsと大きくなります。

プラチナチャートの週足画面
GMOクリック証券の「プラチナチャート」の実際の取引画面から引用

もし損切り幅を狭くしすぎると、わずかな為替変動でもすぐに損切りされてしまい、大きなトレンドに乗ることができません。また、損切りが遅れると、利益が全く出ないという状況になりかねません。

損切りとは
NET MONEY編集部作成

例えば、利確幅を100pipsと設定した場合、損切り幅を50pips以下に設定すると、わずか50pipsの為替変動で損切りされることになります。これは、トレンドの波幅の一部に過ぎません。

そのため、スイングトレードでは、損切り幅は100pips以内を目安に設定するのが一般的です。

損切り幅を決める際には、利食い幅の半分以下にするのがポイントです。利食い幅の半分以下に設定することで、損切り幅と利食い幅の比率を1:2にすることができます。これは、一般的なリスクリワード比率です。

また、損切り幅を100pips以内とすることで、調整局面にも耐えられるような損切り幅を設定することができます。

初心者のうちは、損切り幅を狭めに設定して、徐々に慣れてきたら広めに設定していくようにしましょう。

スイングトレードのメリット5つ

スイングトレードには、以下の5つのメリットがあります。

それぞれ、詳しく確認していきましょう。

時間がない人にも取り組みやすい

FXのスイングトレードは、ポジションを長期的に保有する取引スタイルのため、時間がない人にも取り組みやすい手法といえます。

チャート画面に張り付いて細かい値動きを常時観察するような短期売買と比較して、観察時間は短く済みますし、頻度も高くなりません。世界経済の動向に変化がありそうなイベントや、政治的な動向を定期的にチェックし、相場の値動きを観察しましょう。

スイングトレードにおいて、特にチェックしておくべき経済指標やイベントは以下のとおりです。

スイングトレードでチェックすべき指標
  • 米国雇用統計
  • 各国の消費者物価指数(CPI)
  • 各国政策金利発表
  • FOMC
  • 米国大統領選挙
  • 戦争などの地政学的リスク

特に米国の動向は、あらゆる通貨ペアに影響を与えますので、必ず確認しておきましょう。

スワップポイント収入が見込める

スイングトレードでは長期のポジション保有となりますので、スワップポイント収入が見込めます。

スワップポイント収入が見込める
(画像=NET MONEY編集部)

スワップポイントとは、2ヵ国間の金利差調整分です。FXでは、低金利通貨を売って高金利通貨を買うと、ポジションを保有している日数だけ、金利差分の利益を得られます。

引用元:外為どっとコム

例えば、高水準のスワップポイントで人気のGMOクリック証券(FXネオ)は、2023年8月15日時点で米ドル円1万通貨の買いスワップが1日につき約200円です。

同時期に米ドル円1万通貨を保有するのに必要な証拠金額は約5万8,000円ですから、30日間ポジションを保有すれば必要証拠金に対する利率は約10.0%となります。外貨預金や積立投資と比較しても、非常に高利率であることがわかるでしょう。

ただし、価格変動リスクによって受取スワップ以上の損失が発生する可能性がある点や、高金利通貨の売りポジションを保有するとマイナススワップが発生する点には注意が必要です。

一度の取引きによる利益が大きくなりやすい

FXのスイングトレードは、長期的な値動きの方向性に従って取引を行いますので、一度の取引による利益が大きくなる傾向があります。特に長期的なトレンドの発生時が取引チャンスです。

一方、短期売買では細かい値動きの動向を考えて取引を繰り返すため、利益になるトレードを何度も繰り返さなければなりません。未熟なトレードでは、損失を繰り返してしまいます。

その点、スイングトレードのように一度の取引で大きな利益を得やすい取引スタイルは、FX初心者にもおすすめです。

短期売買と比べて精神的に余裕が持てる

スイングトレードは、短期売買と比べて細かい値動きに振り回されることなく、落ち着いて値動きを観察できるため、精神的に余裕が持てる取引スタイルです。

例えば下のチャートを見てみると、値動きが大きく上下していることがわかります。

値動きが大きく上下

このチャートは米ドル円の15分足チャートですが、この日は日銀総裁の会見があり、金利政策等の方向性が示されました。

このようなときは一時的に大きな値動きが発生するため、短期売買をメインとするトレーダーは神経をすり減らしながらチャートを見守ります。保有ポジションがあればその評価額がプラスとマイナスを行ったり来たりすることになりますので、祈るような気持ちでチャートを観察しているトレーダーも少なくありません。

一方、日足チャートを見てみましょう。

日足チャート

矢印部分が同日の値動きを示しています。

15分足チャートでは大きな値動きに見える部分も、日足チャートでは通常の値動きの一部にすぎません。

ゆったりと相場動向を観察できるスイングトレードは、取引経験が浅い人でも慌てず落ち着いて取引できる手法といえます。

取引コストが抑えられる

FXのスイングトレードは、取引回数が少ないため取引コストを抑えられる取引スタイルです。

ほとんどのFX会社は取引手数料を無料としていますが、実質的な取引手数料としてスプレッドがあります。

スプレッドとは
NET MONEY編集部作成

スプレッド(spread)とは、直訳すると「広げる」「広がる」などの意味があり、売値(Bid)と買値(Ask)の差を指します。
FXでは、米ドルや日本円を売ったり買ったりして利益を狙いますが、通貨を売る価格と買う価格では異なる価格が設定されています。

引用元:OANDA証券

取引ごとにスプレッドによるコストがかかりますので、取引回数が多いほど取引コストがかさみます。取引が積み重なれば利益を圧迫することを考えれば、取引回数が少ないスイングトレードはコスト減にもつながる取引スタイルです。

大きな利益が期待できるうえ、コストを抑えられる点は、スイングトレードの大きなメリットといえるでしょう。

FXのスイングトレードのデメリット4つ

取引コストを抑えられる、時間がない人も落ち着いて取引できるなどのメリットがあるスイングトレードですが、以下の4つのデメリットもあります。

取引経験が増えづらい

スイングトレードは長期的なトレードになるので、落ち着いて取引できる一方で、取引回数が少ないため、経験を積み重ねづらい取引スタイルです。

FX初心者にとって、スイングトレードは比較的取り組みやすいといえますが、取引経験を増やしたい時期にはデメリットにもなります。トレードスキルの向上やチャート分析力を身につけたい人は、経済指標の勉強や取引の練習を行うなどの工夫が必要です。

例えば、重要経済指標の発表結果と値動きの関係性を過去にさかのぼって確認したり、デモ口座や練習ツールで短期売買の取引を経験したりすることもスイングトレードの役に立つでしょう。

損切り幅が大きくなりやすい

スイングトレードは、短期売買に比べて一度の取引による利益が大きくなりやすい一方で損切り幅も大きくなりやすいです。

例として米ドル円の4時間足チャートを見てみましょう。

米ドル円の4時間足チャート

上値が重く、価格がこれ以上上昇しないと判断し、「SELL」のポイントで売り取引を行い、黄色の破線に損切りラインを設定すると、売り取引を行ったポイントから損切りラインまでの値幅は170pipsです。

pipは「percentage in point」の頭文字をとったもので、通貨の共通単位としてFXで使用されるものです。(中略)1pipがいくらを表しているのかは、通貨ペアによって異なります。
たとえば、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円、ポンド/円など)の場合、1pip=0.01円(1銭)を表しています。

引用元:みんなのFX

一方、短期売買だと5分足などを分析してトレードを行うことが多くなります。

5分足

4時間足チャートとは異なる場面ですが、似たような値動きが見られます。先程と同様の根拠で取引を行ったとすると、売り取引から損切りラインまで20pipsです。

取引の根拠となる値動きの大きさが異なるため、損切り幅も異なります。損切り幅が大きくなりやすいスイングトレードにおいては、取引量を少なくして損失額を抑える工夫が大切です。

また、1,000通貨取引などの少額取引を行えるFX口座を使用することも検討しましょう。

情報に左右されやすい

スイングトレードは長期的な値動きの方向性を判断して取引を行う手法です。為替相場の長期的な値動きは、世界経済の動向に左右されるため情報の収集がとても大切です。

インターネットが発達して様々な情報を収集できるようになりましたが、1つの経済情報に対する見解は人によって様々で、信頼できそうなプロのアナリストでも意見が分かれることは珍しくありません。

また、意図的に投資家に混乱を招くような情報を流す組織があったり、情報を求める人をターゲットにした悪質な詐欺があったりすることも事実です。

そのため、スイングトレーダーには情報の真偽を確かめたり取捨選択したりする力が求められます。

スイングトレードの経験が浅い初心者は、あらゆる情報に触れながら時間をかけて情報収集能力を高めるとともに、自分自身のトレードスタイルや手法を作り上げましょう。

トレーダーとしての方針や考え方の軸ができてくれば、あらゆる情報に振り回されずにトレードできるはずです。

スワップポイントを気にしなければならない

FXのスイングトレードは、ポジションを長期的に保有することでスワップポイントが得られるというメリットが得られる一方、マイナススワップを気にしなければなりません

通貨ペアの金利差が大きいほどマイナススワップも大きくなります。高金利通貨の売りポジションを保有しているとマイナススワップが発生し、マイナス分は証拠金残高から差し引かれますので注意が必要です。

スイングトレードにおいて、マイナススワップとなるようなポジションは保有しない方が賢明といえます。なるべく買いポジションを保有して利益を得られる通貨ペアを選択すると良いでしょう。

FXのスイングトレードで勝てない?稼ぐためのコツ6つ

スイングトレードは時間がない人や初心者にもおすすめされる取引スタイルです。しかし稼ぐためのコツを知らずに誰でも稼げるわけではありません。

スイングトレードで稼ぐコツについて確認し、要点を押さえた取引を心がけましょう。

テクニカル分析をマスターする

テクニカル分析とは
NET MONEY編集部作成

スイングトレードで稼ぐために、テクニカル分析をマスターしましょう。

FXにおけるテクニカル分析とは、チャートを用いて過去の値動きや取引量などの市場データを分析し、今後の為替相場の動向やトレンドを予測する方法です。

<チャート>

チャート

テクニカル分析では、主に以下のような要素をもとに分析します。

ローソク足 形状や色によって相場の動向を把握
ローソク足
ライン サポートライン
レジスタンスライン
トレンドライン
チャネルライン など
ライン
テクニカル
指標
移動平均線
フィボナッチ・リトレースメント
ボリンジャーバンド
RSI
MACD など
チャート
パターン
ダブルトップ
ダブルボトム
ヘッドアンドショルダー
フラッグ
ペナント
ロールリバーサル など

テクニカル分析の利点は、チャートをもとに視覚的に過去の相場を観察するため、客観的に将来の動向を予測でき、取引チャンスを絞れる点です。

一方、将来の動向を100%予測することはできない点に注意しましょう。またチャートの解釈はトレーダーによって異なるため、自分の分析方法を構築する必要があります。

チャート分析の限界を理解し、ファンダメンタル分析と組み合わせて、スイングトレードで稼げる可能性を高めましょう。

ファンダメンタルズ分析をマスターする

ファンダメンタルズ分析をマスターする
(画像=NET MONEY編集部)

FXにおけるファンダメンタルズ分析とは、主に経済指標、金利政策、政治的な出来事などを調査し、その国の経済や通貨に影響を与える要因から為替相場の変動を予測しようとする方法です。

ファンダメンタズ要因で相場が動くとき、長期的なトレンドが発生することは少なくありません。スイングトレードは長期的なトレンドの発生によって利益を大きくできる手法ですから、相性が良いといえます。

スイングトレードをするうえで、特に注目しておきたいファンダメンタルズ要因を把握しておきましょう。

米国経済 米国は世界最大の経済大国です。米国経済の動向は世界経済に大きな影響を及ぼすため、多くの国や企業が敏感に反応します。
金利政策 各国の中央銀行は金利政策を通じて通貨の供給量や金利レベルを調整します。金利を引き上げると、その通貨の利回りが上昇し、投資家にとって魅力的な通貨となります。
地政学的
リスク
政治的な安定性は通貨の価値に影響を与える要因の1つです。政治的な混乱や紛争の発生は市場の不安定化を招くため、投資家は注意深く監視しています。
経済指標 経済指標は各国経済の健全性を示す重要な指標です。GDPや失業率、消費者物価指数(CPI)などが含まれ、経済の成長や景気の動向を反映します。特に毎月第1金曜日に発表される米国雇用統計は必ずチェックしましょう。

ファンダメンタルズ分析は為替相場の長期的な動向を予測するのに役立ちますが、細かい取引タイミングを計るにはテクニカル分析との組み合わせが必要です。

また、必ずしも予測どおりの値動きになるわけではない点を忘れてはいけません。

先進国通貨ペアを取引する

スイングトレードでは、先進国通貨ペアの取引をおすすめします。

スワップポイント狙いで新興国の高金利通貨をおすすめされることがありますが、トルコや南アフリカ、メキシコなどの経済的な不安定さは否めません。

一方、先進国は経済や政治が安定しているうえに、流動性も高いため一般的にリスクが低いとされています。長期的なトレードが前提になるスイングトレードでは、価格変動リスクを考慮して取引する通貨ペアを選定しましょう。

また、先進国通貨は新興国通貨に比べて、情報収集がしやすい点も利点といえます。

以下の表は、高水準のスワップポイントで人気のGMOクリック証券(FXネオ)のスワップポイントです。米国と日本の金利差の拡大により、スワップポイントが大きくなっています。

なお、スワップポイントは2023年8月15日時点の数値を掲載しています。

少額取引から始める

スイングトレードで稼げるようになるには、まずは少額取引から始めましょう

少額取引から始めることで、FXにおけるリスク管理の重要性を学ぶことができます。FX取引においてリスクは避けられない要素であり、大きな損失を防ぐためにはリスクをコントロールすることが必要です。少額取引ではリスクが限られるため、トレードの結果を冷静に分析し、リスク管理の方法を習得することができます。

一方、大きな金額で取引を行うと、取引に対する心理的な負担が高まります。特に初心者の場合は、大きな取引によって感情的になり、冷静な判断が難しくなってしまうことは珍しくありません。

少額取引では心理的な負担が軽減され、冷静な判断がしやすくなります。少額取引を通じてトレードのスキルを向上させ、成功体験を積み重ねることで自信をつけ、徐々に取引額を増やしていきましょう。

練習で短期売買をやっておく

スイングトレードで稼げるようになるために、練習で短期売買を経験しておきましょう。短期売買で練習しておくと、取引頻度が低いスイングトレードのデメリットを補えるためおすすめです。

短期売買では高頻度でトレードを行うため、相場の小さな変動にも素早く反応する必要があります。この経験を積むことでテクニカル分析や為替相場の値動きを把握するスキルを向上させ、相場の動きをより正確に把握できるようになるでしょう。

さらに、短期売買は取引頻度が高くリスク管理がより厳格に求められるうえ、小さな時間枠でのトレードでは、的確なタイミングでの損切りや利確が重要です。短期売買を通じてリスク管理の訓練を積み、大きな損失を避ける力を養いましょう。

短期売買の練習は、少額取引や無料デモトレードの利用がおすすめです。

デモトレードとは
NET MONEY編集部作成

積極的に利確する

スイングトレードで稼ぐためには、積極的に利益を確定させましょう

スイングトレードの魅力として、取引頻度を抑えて大きな利益を得られる可能性が挙げられますが、いつも思惑どおりに価格が動くわけではありません。

大きな利益を前提にトレードしていると、状況が悪化していることに気づきながらも決済できず含み益をマイナスにしてしまう可能性もあります。

決済していれば利益になっていたはずのトレードがマイナスに転じることによる経済的なダメージや精神的な動揺は、次のトレードにも影響しやすく悪循環を招いてしまうこともあるでしょう。

スイングトレードであっても、大きな利益を過度に期待せず迷ったら利確する習慣を身につけられると、少しずつ利益が積み上がっていく感覚が掴めます。長期的な計画で欲張らずに少しずつ、トレーダーとして成長していきましょう。

スイングトレードにおすすめのセットアップ

FXのスイングトレードにおすすめのセットアップをご紹介します。セットアップとは、取引条件や環境のことです。

このセットアップがおすすめの理由と詳しい使い方や注意点を解説します。じっくり読んで、デモ口座や少額取引で試してみましょう。

通貨ペアは米ドル円

FXでスイングトレードをするのが初めての人には、米ドル円がおすすめです。

長期的な取引になることを前提に通貨ペアを選択するに当たって、まずスワップポイントを把握しておかなければなりません。そして、通貨発行国が突発的な経済危機に陥らないことや、情報収集がしやすい点にも注意を払いましょう。

スイングトレード:通貨ペア選び 4つのポイント
  • スワップポイントを必ず確認
  • プラススワップの方向にポジション保有
  • 経済的安定感
  • 情報収集のしやすさ

これらの点に配慮すると、米ドル円の通貨発行国はどちらも先進国で経済的に安定しており、高金利の米ドル価格が上昇する円安方向にトレンドが発生しやすい状況です。

また、米国は世界経済の中心で日本のメディアでも頻繁に経済情報が取り上げられていますし、日本は自国のため情報収集がしやすく、スイングトレードに取り組みやすい通貨ペアといえるでしょう。

複数時間足分析には日足、4時間足、5分足を使う

スイングトレードのテクニカル分析には、日足、4時間足、5分足の観察がおすすめです。

どれか1つのチャートではなく、複数時間足(MTF=Multiple Time Frame)分析といわれる、異なる複数の時間足チャートを組み合わせた分析を行いましょう。

複数時間足分析の手順
  1. 大まかな相場状況を日足で確認
  2. 取引を行いたい価格水準とタイミングを4時間足で確認
  3. 取引を行うかどうかを5分足で判断

まず日足を見て、相場状況を確認します。具体的にチャート分析の手順について解説しますので、一緒にチャートを見ながら読み進めてみましょう。

複数時間足分析

こちらは、米ドル円の日足チャートです。BからCへの上昇のあと、少し下落しました。レートはAB間の中間にあり、トレンドが発生しているというよりはレンジ相場を想定できるような状態です。しかし直近のローソク足は大きな陽線となっています。

米ドル円の日足チャート

この大きな陽線によって上昇する準備が整ったと考えるトレーダーもいるでしょう。

日足を確認した限りでは、これから上昇が強まりそうという分析が可能です。

次に4時間足を確認して、実際に取引を行うポイントを探ります。

4時間足

一度値動きが止まり、トレンド転換が起こっているレート水準では、同じような値動きを繰り返しやすいという考え方があり、この部分をレジスタンスやサポートといいます。この4時間足チャートを分析する限り、少なくとも3つのレジスタンスやサポートが描けます。

間もなく価格は白く描いたレジスタンスに到達しますが、日足の分析を加味すると、ここを上抜けたらCの水準まで上昇すると分析しても不自然ではありません。つまり4時間足チャートの分析によって、青矢印のような値動きを狙って買い取引を行うことが想定できます。

最後に、5分足チャートを観察しながら、実際の値動きに従って取引を行いましょう。想定の値動きと異なる値動きになれば、取引は見送ります。小さな時間足の値動きは早く、大きく見えますが、落ち着いて観察することが大切です。

5分足の分析が難しければ、1時間足や30分足などの大きな時間足で判断しても構いません。また、チャンスを逃しても大丈夫です。利益を欲しがって雑に判断するよりも、チャンスを逃すほど慎重に判断しましょう。

テクニカル分析には移動平均線を使う

テクニカル分析には、移動平均線を使ってみましょう。

「移動平均線」とは、一定期間の価格(通常は終値)の平均を結んだものです。移動平均線は、上向きなら上昇トレンド、下向きなら下落トレンドのように、相場のトレンドを一目で読み取ることができるため、初心者にも扱いやすいテクニカル指標です。

引用元:外為どっとコム

FXにはあらゆるテクニカル指標がありますので、分析に利用する指標やインジケーターに迷ってしまうかもしれません。もし分析方法に迷ったら、まずは移動平均線を使った分析をおすすめします。

移動平均線を使った分析方法は様々ですが、ここでは特に有名な分析方法を解説します。

ゴールデンクロス・デッドクロス

ゴールデンクロス、デッドクロスは移動平均線を利用した分析で有名な方法の1つです。

ゴールデンクロスとは、ニ種類の異なる期間を設定した移動平均線が底値でクロスする現象をいいます。次のチャートを見ると、底値で21期間移動平均線が100期間移動平均線を上方向に超えて、クロスしています。これがゴールデンクロスです。

ゴールデンクロス

ゴールデンクロスは、ダウントレンドがアップトレンドに転換することを示唆します。ただし、ゴールデンクロスが発生してすぐに買うのはおすすめできません。

ゴールデンクロスが発生してから、長期の移動平均線も上方向に動き始め、その後一旦下落してから再上昇を始めるタイミングが最適です。画像内のエントリーポイントを参照ください。このチャートでは、ゴールデンクロスからエントリーポイントまで約1週間かかっています。

デッドクロスは、ゴールデンクロスと逆方向の動きです。

デッドクロス

取引上の注意点もゴールデンクロスと変わりません。ただ、FXの値動きにおいて上昇よりも下落の方が値動きが早くなりやすいという傾向があります。

そのため、エントリーポイントを慎重に見極めようとすると、エントリーする前に大きな下落が発生してしまうかもしれません。焦って取引を行わないように気をつけましょう。

想定していたエントリーポイントから大きくレートが離れてしまったら、取引を見送るか、取引量を大幅に減らすといった対応が大切です。

パーフェクトオーダー

パーフェクトオーダーは、期間が異なる複数の移動平均線がすべて同じ方向を向いている状態です。短期(21)、中期(100)、長期(200)の移動平均線を表示させたチャートを確認してみましょう。

パーフェクトオーダー

異なる期間の移動平均線すべてが上を向いています。明確な上昇トレンドが発生していて、一方向の値動きが継続する可能性が高いと判断される状態です。

値動きに勢いがあると中長期の移動平均線から価格が大きく離れることも珍しくありません。行きすぎた価格は移動平均線付近に戻り、そこから再度上昇していることがわかります。

このように、複数の移動平均線が同じ方向を向くパーフェクトオーダーは、トレンドの発生やその強さを察知するために役立ちます。

好ましい期間設定はトレードスタイルや手法によって異なりますので、自分自身がトレードしやすく、チャートに表示させてわかりやすい期間を設定して、値動きと移動平均線の関係を観察してみましょう。

期間の設定について迷ってしまう人には、まずは上の画像で示した短期(21)、中期(100)、長期(200)をおすすめします。特にスイングトレードでは、中長期の移動平均線が重要です。キリの良いナンバーが意識されやすいという特性も利用した期間設定を利用してみましょう。

グランビルの法則

グランビルの法則は、アメリカのジョゼフ・E・グランビルというアナリストが考案した、移動平均線と価格変動の関係性に着目した取引理論です。

OANDA証券
引用元:OANDA証券

画像内では株価と記されていますが、FXでも同様の考え方を適用できます。なお、グランビルの法則で利用する移動平均線は短期設定は避け、中長期の移動平均線を利用しましょう。

①~④が買いを狙える場面、⑤~⑧が売りを狙える場面です。

買いサイン①
価格と移動平均線が下落後、移動平均線が横向きまたは上向きに方向を変え、価格が移動平均線を上抜いたタイミング。

買いサイン②
①のあと、価格が移動平均線を下抜けるが再度上昇して上抜けたタイミング。

買いサイン③
②のあと、上昇が継続し移動平均線から離れた価格が移動平均線まで下落し、上昇していくタイミング。

買いサイン④
上昇後、価格が移動平均線を大きく下回ったタイミング。

買いサイン
移動平均線を大きく下回ったタイミング

売りサイン⑤
価格と移動平均線が上昇後、移動平均線が横ばいまたは下向きになり、価格が移動平均線を下抜けたタイミング。

売りサイン⑥
⑤で価格が大きく下落したあと、一度移動平均線を上抜けて離れたタイミング。

売りサイン⑦
価格が大きく下落し、移動平均線付近に戻って下落を再開するタイミング。

売りサイン⑧
価格が移動平均線を上抜け、大きく離れたタイミング。

売りサイン
移動平均線を上抜け
売りサインのタイミング

グランビルの法則を利用してトレードするときに気をつけなければいけないことは、必ずしも法則のとおりに値が動くわけではないということです。

また、移動平均線だけを根拠にしたトレードもおすすめできません。特に経験が浅い初心者のうちは、補助となるオシレーターやその他のテクニカル指標で根拠を積み重ねましょう

オシレーターで相場の過熱感を把握する

FX取引で利用されるオシレーターとは、相場の行きすぎや過熱感を示すテクニカル指標です。売られすぎや買われすぎといった状態が視覚的にわかるので、トレンド転換を事前に察知したり、一方向の値動きが止まるタイミングを検討したりするのに役立ちます。

RSI

RSIは有名なオシレーター系のテクニカル指標の1つです。The Relative Strength Indexの略で、日本語では相対力指数といいます。

RSI

RSIは相場の買われすぎと売られすぎの状態を示す指標です。0から100の範囲で変動し、一般的にはRSIが70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎと判断されます。買われすぎの状態では売りを、売られすぎの状態では買いを検討してみましょう。

また、価格が切り上がっている(切り下がっている)にもかかわらずRSIが切り下がっている(切り上がっている)状態をダイバージェンスといい、逆方向に価格が変動する可能性を示唆しています。

ただし、RSIが70以上の高い値や30以下の低い値で張り付いて離れないときは、強いトレンドが継続している状態です。逆方向への取引は危険なため、すぐに取引せずしばらく様子を見ると良いでしょう。

RSIが70以上

トレンド転換をテクニカル指標で測る

スイングトレードにおいては、トレンド転換にいち早く気づいたり、事前にめどを立てたりすることで利益を最大化できます。

ここでは、トレンド転換を察知するためのテクニカル指標を紹介します。移動平均線などの指標と併せて利用してみましょう。

フィボナッチ・リトレースメント

フィボナッチ・リトレースメントとは、フィボナッチという比率を用いて、トレンド相場における押し目買いや戻り売りを狙う指標です。

押し目買いは、上昇トレンド中に、一時的にチャートが下がったタイミングで買いを入れる方法です。その逆となる戻り売りは、下降トレンド中に一時的にチャートが上がったタイミングで売りを入れる方法になります。

引用元:SBI FXトレード
押し目買い

押し目買いや戻り売りを狙うことで、トレンド発生中に有利な価格で売買できます。しかし、一時的な下落(上昇)がどこまで下がり(上がり)どこから再びトレンドが始まるのかを判断するのは簡単ではありません。多くのトレーダーが押し目や戻りの水準を探し当てるのに苦労します。

フィボナッチ・リトレースメントは、多くの取引ツールに初期搭載されている描画ツールです。最初からフィボナッチ比率が設定されていることが多いため、初心者でも簡単に利用できます。

フィボナッチ・リトレースメント

FXの押し目買い、戻り売りで使用される主なフィボナッチ比率は、61.8%、50%、38.2%です。上のチャートでは、ABの上昇に対して61.8%の水準で再上昇していることがわかります。

ここに、グランビルの法則で学んだ買いサイン③を組み合わせるなどすると良いでしょう。

ピボット

ピボットは、7本のラインで構成される値動きの目標値を予測できるテクニカル指標です。

主に逆張りや利益確定のラインに利用されますが、大相場では順張りのための指標として利用されることもあります。

表示の仕方は取引ツールによって、価格の上下にバンドで表示されたり、水平ラインとして表示されたりと様々です。

外為どっとコム
OANDA証券
引用元:OANDA証券

表示されている7本のラインの詳細は以下のとおりです。

表示 役割 計算式
HBOP
(R3)
ブレイクアウト
ポイント
上抜けたら買いを想定
R1+
(前日高値-前日安値)
R2 レジスタンス
到達で売りを想定
P+
(前日高値-前日安値)
R1 レジスタンス
到達で売りを想定
P×2-前日安値
P ピボットポイント
前日の終値・高値
・安値を基に算出
(前日高値+前日安値
+前日終値)/3
S1 サポート
到達で買いを想定
P×2-前日高値
S2 サポート
到達で買いを想定
P-
(前日高値-前日安値)
LBOP
(S3)
ブレイクアウト
ポイント
下抜けたら売りを想定
S1-
(前日高値-前日安値)

基本的には逆張りや利確目標として利用しますが、BOP(ブレイクアウトポイント)を超えたら、大相場と判断してトレンドに乗るトレードを想定します。

また今回は日足での表示をご紹介しましたが、各時間足で計算が可能です。取引ツールがMT4やMT5であれば、日足のピボットを5分足に表示させるなどのカスタマイズもできます。

エンベロープ

エンベロープは移動平均線の上下に一定幅で乖離(かいり)させたラインを表示させるテクニカル指標です。

移動平均線から離れた価格は平均に回帰するという考え方をもとにしており、エンベロープに価格がタッチしたところで逆張りしたり、利益を確定したりするために利用されます。

エンベロープも移動平均線と併せて利用すると、トレンド発生中のエントリーポイントを見つけやすくなるでしょう。

逆張り

また、逆張りで利用するときはRSIなどのオシレーターで相場の過熱感を把握できるようにしておくと取引の確実性が高まると考えられます。

なお、強いトレンドが発生しているときには、価格がエンベロープに到達していても値動きが反転しないこともありますので、軽はずみな逆張りには十分に注意しましょう。

FX初心者がスイングトレードで成功するための心構え4つ

FX初心者がスイングトレードで成功するための心構えは、以下のとおりです。大損を避け、長くFXを続けるためにとても大切な要素ばかりです。

最低限の心構えは身につけておきましょう。

FX初心者がスイングトレードで成功するための心構え4つ

利益が小さくてもOK

スイングトレードの特徴として、一度の取引の値幅が大きくなりやすい点が挙げられます。取引期間も長くなりますので、大きな利益を期待するトレーダーも多いでしょう。

しかし、相場の値動きは予測したとおりに動くわけではありません。もちろん、思惑とは逆方向に進行することもありますし、時間をかけた割には利益が大きくならないケースもたくさんあります。

FX取引において大きな利益を期待していると、状況が悪化していることに気づいているにもかかわらず、途中で手じまえなくなってしまうため注意が必要です。

取引にかけた時間や期待値、思い入れなどにとらわれず、相場の値動きに従って取引し、小さな利益でもプラスならOKという気持ちで取り組みましょう。

勝率を上げる

スイングトレードは、損を小さく利益を大きくすることができるため、勝率は低くてもトータルでプラスにできる可能性があるトレードスタイルです。そのため、勝率を気にしないトレーダーも少なくありませんが、特にFX取引を始めたばかりの時期は勝率をないがしろにしてはいけません。

最初から勝率が低くても良いと考えていると、雑な取引が増えてしまうためです。

丁寧にエントリーポイントを見極め、大きな値動きが発生するタイミングやレートの水準で取引するからこそ低い勝率でもプラスになります。雑なトレードをしても大きな利益で挽回できるから大丈夫ということではありません。

また、プラスになる経験が積めないと、証拠金残高が増える感覚を掴めません。まずは適切なエントリーポイントを見極めて勝率を上げ、FX取引によって少しずつ利益が積み重なる経験をしましょう。

必ず損切りを設定する

どのような取引スタイルであっても、FXをする以上は必ず損切りを設定しましょう。

損切りについて解説
NET MONEY編集部作成

損切りとは、相場の値動きが思惑とは逆方向に進み、損失を抱えた状態で決済することです。つまり損切りは損失を確定する作業で、慣れないうちはつらく感じるかもしれません。

ただ、損切りを設定する習慣をつけておかないと、いずれ大きな損失を被り、FX取引を続けられなくなってしまう可能性もあります。

損切りせずに放置しておけばいずれプラスになるだろうという考えは捨て、取引がうまくいかなかったことを認めて損失を受け入れられるようになったら、トレーダーとして成長していると考えましょう。

相場とニュースは毎日チェック

スイングトレードは取引回数が少なく、短期売買ほど細かくチャート分析を行う頻度も少なく済みます。しかし、値動きや経済動向をまったく気にしなくて良いわけではありません。

毎日相場をチェックしていれば、現状を把握し今後の動向を想定できるようになっていきます。今の相場がレンジ相場なのか、トレンドが発生しているのかを確認したり、レンジ相場からトレンドが発生する過程を確認したりすることでトレードのタイミングを掴めるようになりますので、非常に重要です。

また経済指標や政治的なニュースを確認し、その情報によって為替相場がどのように反応するのかをリアルタイムで確認すれば、情報と相場の関係性が掴めてくるでしょう。

ポジションを保有しているときにトレードプランを変更したり、決済の時期を考えたりするためにも、相場とニュースを毎日チェックすることをおすすめします。

スイングトレードで稼げるFX会社を選ぶコツ5つ

スイングトレードで稼げるFX会社を選ぶコツをご紹介します。

スイングトレードの特徴と、FX会社の強みを生かして、できるだけ利益が残る環境を構築しましょう。

スワップポイントが大きい

スイングトレードをするうえで、大きな魅力の1つがスワップポイントです。価格変動による利益に加えて、ポジションを保有していることでスワップポイント収入が入ってくるため、なるべくスワップポイントが大きいFX会社を検討しましょう。

スワップポイントはFX会社が独自に設定しているため、同じ通貨ペアでも差があります。

保有期間が長くなるほど、スワップポイントによる収益差が広まりますので、取引したい通貨ペアに絞って、比較してみると良いでしょう。

FX会社ごとのスワップポイントの比較は、以下の記事が参考になります。

情報コンテンツが豊富

外為どっとコム経済情報画面

FXのスイングトレードにおいて、経済情報の収集や分析は非常に重要です。FX会社の公式サイトには、多くの情報コンテンツが用意されていますが、充実度には差があります。

また、豊富なマーケットニュースや取引の参考になる取引高などのツールをそろえていることもあるため、できるだけ有益で豊富な情報コンテンツを提供しているFX会社を探してみましょう。

コンテンツの閲覧については、口座開設が条件になっている場合があります。基本的に口座開設は無料ですから、複数のFX会社で口座開設しても良いでしょう。

少額取引が可能

スイングトレードをするなら、少額取引が可能なFX会社を選びましょう

スイングトレードは、一度の取引による値幅が大きくなる傾向があります。利益ばかりでなく、思惑とは逆行した値動きが発生することも考え、許容できる損失額を想定しておきましょう。

損切りまでの値幅が大きくなるときは、取引量によって損失額を調整するべきです。最低取引量や取引単位はFX会社によって異なります。

1通貨
単位
100通貨
単位
1,000通貨
単位
SBI FXトレード
OANDA証券
松井証券
パートナーズFX
nano
GMOクリック証券
外為どっとコム
ヒロセ通商
みんなのFX
など

分析機能が充実

スイングトレードで的確に取引ポイントを判断するためには、分析機能が充実したFX会社を選びましょう

短期売買ほど厳密な分析が必要ないとはいえ、やはりテクニカル分析は大切です。FX会社はそれぞれ取引ツールを提供していますが、その機能は大きく異なります。

スイングトレードでは相場の長期的な動向を把握し、新規取引や決済のタイミングを見極めることが重要です。分析機能が充実している取引ツールなら、豊富なテクニカル指標、多様な時間軸のチャート、あらゆる市場のデータを提供してくれます。

豊富な分析機能は、相場動向を予測するのに役立つでしょう。

スマホアプリでチェック可能

スイングトレードで稼ぐなら、スマホアプリで相場動向をチェックしやすいFX会社を選びましょう。

スマホアプリを使用することで、居場所にかかわらずどこでも手軽に相場動向をチェックできます。外出先や移動中でも情報を確認できるため、想定していない出来事が起きても数分で対応可能です。

スイングトレードは長期的にポジションを保有しますので、決済する予定がなかったときに決済せざるを得ない事態も想定しておかなければいけません。リアルタイムで情報収集し、いざというときに迅速な対応ができる柔軟性は非常に重要です。

どこにいてもリスク管理ができるように、スマホアプリで取引しやすいFX会社を選びましょう。

FXスイングトレードに関するよくある質問

FXのスイングトレードに関するよくある質問をまとめました。手法やインジケーターなどに関する質問にも具体的に回答しています。

取引を開始する前に確認しておきましょう。

FXスイングトレードにおすすめのインジケーターは?
FXのスイングトレードでは、トレンド状況を把握するために移動平均線を利用することをおすすめします。複数の移動平均線が絡み合っているような相場はレンジ相場といって一方向の値動きが発生していない状況であり、スイングトレードでは利益を望みづらいと考えられます。

また、相場のトレンド転換を察知するためにRSIなどのオシレーターを利用しつつ、値動きの到達点を測るためにフィボナッチ・リトレースメントやピボット、エンベロープの利用がおすすめです。
FXスイングトレードで勝てないのはなぜですか?
スイングトレードに限らず、FXで勝てない理由は主に以下の4点です。
FXで勝てない理由
  • 情報の取捨選択が難しい
  • テクニカル分析が難しい
  • セルフコントロールが難しい
  • リスク管理が難しい
FXで勝つためには、あらゆる情報に左右されずに自分のトレードスタイルを貫きつつ、感情や欲をコントロールする必要があります。

また、リスク管理を行ううえで損失を受け入れるマインドも重要なため、これらの要素が身につくまでは大きな取引を避けましょう。
FXスイングトレードでおすすめの手法を教えてください。
FXのスイングトレードでは、順張りの押し目買い、戻り売りがおすすめです。

スイングトレードは、1つのポジションを長期的に保有して利益を狙うトレードスタイルなので、トレンドの発生が勝つための条件となります。しかし、トレンドが発生する前にトレードするのは難しく、無理に予測してトレードすると、損失を繰り返してしまう可能性が高いので注意しましょう。

トレンドが発生したことを移動平均線などで確認し、価格が戻ってきたところでトレンドの再開を狙った取引を検討してみてください。

ただし、必ずしもおすすめされている手法が利益に結びつくわけではありません。自分で手法の有効性を確認したり、損失を受け入れる心構えを身につけたりすることも重要です。
FXスイングトレードは難しいといわれるのはなぜですか?
FXのスイングトレードが難しいといわれるのは、主に次のような理由です。
FXのスイングトレードが難しい理由
  • 評価損益が大きく増減する
  • 世界経済の動向による突発的な値動きがある
長期的にポジションを保有するスタイルなので、保有ポジションの評価損益が大きく増減します。昨日はプラスだったのに、今日はマイナスということも珍しくありません。損失を受け入れるマインドができていないと、取引が怖くなってしまい、調子を崩してしまいます

また、世界経済の動向や地政学的なリスクによって、突発的な値動きが発生する可能性があります。避けられないケースもあるため、その可能性があることも十分に理解しておきましょう。
FXスイングトレードで4時間足が最強といわれるのはなぜですか?
FXのスイングトレードで、4時間足が最強といわれるのは、主に以下の理由です。
FXスイングトレードで4時間足が最強といわれる理由
  • 長期的なトレンドを捉えられる
  • 取引頻度が高くなりすぎない

4時間足は5分足などの短期チャートと比較して、長期的な価格変動を表示できます。スイングトレードが主に数日から数週間のトレードだということを考えると、最も適した時間軸といえるでしょう。
 
4時間足は5分足

また、短期的な時間足を分析していると、頻繁に取引サインが発生しますが、確度が下がる傾向にあるため、長期的なトレンドの発展する適切な取引タイミングの見極めが難しいという特徴があります。一方、4時間足チャートはスイングトレードに見合った頻度の取引が可能です。
FXスイングトレードの勉強におすすめの本を教えてください。
FXのスイングトレードについて勉強したいと思ったら、以下の本の中から選んでみましょう。
本気で稼ぎたい人のためのFXファンダメンタルズ分析の教科書 永久保存版: ファンダの勉強はこれ1冊でOK!元手取り15万円のサラリーマンで年収5000万円達成の現役FXトレーダーが分かりやすく解説
本気で稼ぎたい人のためのFXファンダメンタルズ分析の教科書
引用元:Amazon
著:FXトレーダーZ
スイングトレードにおいて重要なファンダメンタルズ分析について、わかりやすく解説している書籍です。為替だけでなく金利や株についても記述しているため、経済の勉強としてもおすすめの1冊といえます。
FXデイトレード・スイングトレード
FXデイトレード・スイングトレード
引用元:Amazon
著:キャシー・リーエン
投資銀行として世界的に有名なJPモルガン出身の著者が、ファンダメンタルズとテクニカル分析を併せて為替市場の成り立ちから金融政策まで網羅的に解説している書籍です。

具体的かつ実戦的な解説が多いので、上級者の学び直しにもおすすめです。
マーケットの魔術師 - 米トップトレーダーが語る成功の秘訣
マーケットの魔術師
引用元:Amazon
著:ジャック・D・シュワッガー、横山 直樹
世界的に有名なトレーダーのインタビューを掲載した書籍です。株式市場、先物市場、為替市場などあらゆるマーケットで成功したトレーダーも、多くの苦悩を抱えていたことがわかります。

FXのスイングトレードで成功するために読んでおきたい1冊です。
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