FXの成果は情報収集で決まる

いざFX取引を始めようとしたものの、取引に必要な情報が多すぎて何を指標にするべきか迷っている人も多いのではないでしょうか。「どの情報が重要なのか」「どの情報媒体を使えばいいか」など、見るべき指標は多くあっても、すべて見るのは難しいでしょう。

今回はFXの情報収集の基礎や方法、重要な経済指標などについて解説します。

FXで必要な最低限の情報は金利の変動

FX取引で成果を上げられるかどうかは「情報」で決まるといっても過言ではありません。安定して勝ち続けているトレーダーは、必要なニュースや経済指標を日々チェックしています。

どんなに多くの知識や経験のあるトレーダーでも、情報収集することなく、勝ち続けることは難しいでしょう。ではなぜFXで継続的に勝ち続けるには、情報収集が必要なのでしょうか?

その理由は、取引には判断材料が必要だからです。有益な情報を集めることで「売るタイミング」と「買うタイミング」の判断が可能になります。

また、あらかじめ発表する時間が決まっている経済指標は、発表する時間を事前に把握することで、どの時間にチャートが動くかを予測できます。効率よくFXで成果を上げるためには、事前の情報収集が必須であると言えるでしょう。

FX取引の基準となる経済指標とは?

FX取引の基準となる経済指標

FX取引の重要な基準となるのが「経済指標」です。経済指標とは、経済の状況を構成する物価や金利、景気、貿易などを数値化したもので、各国の公的機関などが発表しています。

経済指標は種類が多く、すべての経済指標を基準にするのは難しいので、おすすめの経済指標をいくつか紹介します。

・2つの通貨ペアがかかわり合う通貨相関

FX取引で「通貨相関」は重要な基準の一つです。通貨相関とは、簡単に言えば「一方の通貨が変化すれば、もう一方の通貨も同じく変化する」という関係性のことです。

例えば「米ドルが多く買われると、ユーロも同じく買われる傾向にある」といったように、通貨同士の関係性を基準とすることで、為替の動きを予測できます。

実際に取引する通貨だけを見て、取引することも可能ですが、通貨ペアの相関関係をもとに取引の判断をすることで、取引精度の向上が期待できます。

・米国企業の景況が分かる米国雇用統計

もう一つ、必ず基準としたい経済指標に「米国雇用統計」があります。その名のとおり米国の雇用情勢を調べた経済の指標のことです。

米国の雇用状況は、米国企業の景気をそのまま表しており、個人の消費にも大きな影響を与えます。個人と企業の両方の視点から「社会」を見ることができる指標と言えるでしょう。

その中でも「非農業部門雇用者数の増減」と「失業率」についてはチェックすることをおすすめします。

・国のもうけが分かるGDP

FX取引の基準として「GDP」も欠かせません。GDPとは国内総生産のことで、「一定の期間内に国内で生み出された製品とサービスの付加価値の総額」という意味です。

つまり「その国がどのくらいもうけたのか」ということです。どちらかと言えば、中長期的な基準として活用される場合が多いでしょう。

FX取引の基準にするのであれば、「実質GDP」を参考にすることが一般的です。GDPには「名目GDP」と「実質GDP」があります。

名目GDPは国内で一定期間に生産されたモノやサービスの価値の合計額のことです。実質GDPは名目GDPから「物価の変動」による影響を差し引いた合計額となります。

正確な「国のもうけ」を知るには実質GDPで見なければなりません。

金融比較
金融比較

無料でFXの情報収集をする方法とは?

無料でFXの情報収集をする方法とは?

FX取引に関する情報は、インターネットを通じて無料で収集できます。もちろん、お金を払って有料の情報を仕入れることも重要です。

しかしどんな情報が必要で有益かの見極めができるようになるまでは、無料で情報収集することをおすすめします。

ここからは無料で情報収集をする方法を紹介します。

・FXに関連するニュースサイトをチェック

代表的な方法として、FXの情報を発信するニュースサイトがあります。まずは、数多くあるサイトの中から、日々チェックするべきサイトを自分で探し出しましょう。

自分の得たい情報が多く掲載されているニュースサイトを日々チェックすることで、FXに関する知識が増えるだけでなく、世界の金融市場や経済、為替の流れをつかむきっかけにもなるでしょう。

・有名トレーダーのブログやTwitterをチェック

FXに関する有名トレーダーのブログやTwitterからも情報収集が可能です。その中でも重要な判断材料に「要人発言」というものがあります。

影響力のある人物の発言が、為替相場に大きな影響を与えることは多々あります。経済指標やアナリストの情報も重要ですが、要人発言が為替相場に大きく影響することを理解しておきましょう。

・FXニュースをまとめるアプリをダウンロード

FXに特化した情報を知りたい人は、FXニュースをまとめるアプリのダウンロードもおすすめします。アプリをスマートフォンに入れておくことで、いつでも最新ニュースを受信できます。

アプリによって情報量や提供速度などに違いがあるので、さまざまなアプリを試してみて、自分に合うものを見つけることをおすすめします。

為替相場が動きやすいニュースがある?

為替相場が動きやすいニュースがある?

FXに関するニュースの中でも為替相場が動きやすいニュースがあります。どんなニュースが為替相場に影響を与えやすいのか、注目するべきニュースを見ていきましょう。

・国際的に大きな資金のやりとり

為替相場が動きやすいニュースに「国際的に大きな資金のやりとり」があります。例えば国際的な大企業の吸収合併やM&Aなどが実施されると、為替相場が大きく動く場合があります。

買収で数兆円規模の資金が動く際は、短期的ではあったとしても、為替相場に影響を与えやすい状況と言えるでしょう。企業間のM&Aなど国際的に大きな資金が動くようなニュースには特に注意が必要です。

・物価や金利政策にかかわる発表

物価や金利政策に関するニュースは、為替変動を起こしやすいのでチェックが必要です。つまり通貨当局の動きにかかわるニュースということになります。

通貨当局とは、各国の中央銀行のことで、日本では財務省や日本銀行があたります。通貨当局の発表は国の公式発表であり、その信ぴょう性の高さから影響力は計り知れません。

国の物価や金利政策に関するニュースはとても重要度の高い情報です。

・世界情勢が悪化するような出来事

政治的、軍事的なニュースについてもチェックが必要でしょう。世界情勢が悪化すると、安全な通貨が買われやすくなります。

なぜなら、いつどうなるか分からない不安定な通貨を買う人は少ないからです。なかでも日本円は金利が低く、対外純資産が多い特徴があり、安全な通貨とされています。

リスク回避のために円を買うことを「有事の際の円買い」と呼びます。軍事的なニュースや世界情勢の悪化に関するニュースが流れてきたら、円が買われる傾向にあることを知っておきましょう。

FX会社の独自ツールも有効活用しよう

FX会社で口座を開設すると、最新の為替情報やニュース、各国の経済指標などさまざまな情報やツールを利用できます。基本的にはFX口座の開設自体は無料である場合がほとんどです。

例えば「毎日の相場見通しをまとめた戦略レポートの配信」や「代表的な通貨ペアの戦略レポートの閲覧」など各社独自に用意しています。実際に取引しないとしても、これらのツール利用や情報収集のために口座開設しておいても十分メリットがあるでしょう。

FX会社ごとの情報収集ツールは、公式ホームページから確認してみることをおすすめします。

大手銀行やエコノミストのレポートも有効

金融機関が出している為替レポートやメガバンクの為替ディーラー、エコノミストが書いているレポートも、最新情報を知るうえで有効です。日次や週次でレポートが発行されている場合もあり、毎日読み続けるだけでも実力が身に付くでしょう。

金融市場の最前線で活躍している人のレポートは、内容に信ぴょう性があり、参考になります。一方、専門用語が多いレポートもあるので、FX初心者には難しい内容かもしれません。

そんなときは、分からない内容について自分で調べてみることで、よりFXへの理解を深めることができるのではないでしょうか。

FXの情報にはフェイクニュースもある

FXの情報の中には、フェイクニュースがあることも知っておきましょう。

経済指標の数値であれば間違いは起こりづらいでしょう。しかし、その経済指標から予想される動向の分析や要人発言の解釈などは、発信する人の解釈によって違いが生まれることがあります。たとえ影響力のあるニュースメディアであっても、間違った解釈で情報を発信してしまう可能性はあるでしょう。

フェイクニュースにだまされないためには、SNSのような発信元が分からない情報や、あくまで個人の解釈による情報については、参考程度にとどめておくことが重要です。
さらに、フェイクニュースを避けるために、発信元を特定できる通貨当局や国が公式に発表している情報や数値を参考にするようにしましょう。

アメリカの経済指標だけは絶対に確認

数あるFX情報の中でも「アメリカの経済指標」だけは必ず確認することをおすすめします。アメリカの経済指標が、世界に大きく影響を与えるといっても過言ではありません。

なぜなら、米ドルが世界の基軸通貨だからです。例えばユーロでFXの取引を行う場合、まず米ドルを購入してからユーロを購入することになります。

直接米ドルで取引をしない人も、実は米ドルを仲介して取引をしているのです。アメリカの経済指標は必ず細かく確認するようにしましょう。

FXの情報を正しく収集して確実な取引をしよう

ここまでFXの情報収集の基礎や方法、重要な経済指標などについて解説しました。FX取引をするうえで、正しい情報を得ることが重要だとお分かりいただけたのではないでしょうか。

常に最新の情報を集めて、為替相場を的確に予想することが勝率を上げる最大の近道です。紹介した方法やポイントなどを参考に、FXの収益アップにつなげましょう。