データの分散管理という視点で注目を浴びる仮想通貨オントロジー。投資対象としての将来性はあるのでしょうか?オントロジーは2021年に日本国内の仮想通貨取引所に上場したことからも、今後ますます注目度が高まっていく可能性があります。

この記事では、今後の見通しや過去の価格推移、オントロジーの特徴について詳しく解説します。

オントロジー(ONT)とは?

(画像=PIXTA)
 

まず、オントロジーの基本情報について見ていきましょう。

オントロジーの基本情報

オントロジー(Ontology)は、中国のOnchain(オンチェーン)社が開発した企業向けのブロックチェーンおよび仮想通貨です。オントロジーの仮想通貨としての単位は「ONT」です。

オントロジーはもともと、仮想通貨NEO(ネオ)のブロックチェーンをベースに作られました。その後、独自のメインネットを立ち上げて独立した経緯があります。

Coin Market Capによると、2021年10月28日時点のオントロジーの時価総額は868億2,547万3,642円で、オントロジーの価格は99円です。また、オントロジーの総供給量は10億ONTと定められています。

企業が分散型台帳として利用できる

オントロジーはガバナンスやプライバシーを重視して作られており、高い安全性や透明性を確保しています。そのため、企業が情報共有を行う「分散型台帳」として活用できます。

ブロックチェーン技術を用いたオントロジーは、従来の中央集権的な情報管理とは異なり、1カ所で情報を管理するわけではありません。そのため、より安全にプライバシーを保ちながら、情報共有できるというメリットがあります。

オントロジー(ONT)の価格推移

データの分散管理は、ブロックチェーン技術の中でも注目度の高いテーマです。続いては、オントロジーの過去の価格推移を見ていきましょう。

これまでの価格推移

オントロジーは2018年3月にローンチされました。ローンチ直後の価格は175円でしたが、2018年5月には1,000円を超えました。5月末に637円に下落するも、6月に持ち直し、943円となっています。

しかし、そこから一気に急落し、8月には147円となり、ローンチ直後の175円を下回りました。12月には54円となり、ローンチ直後の価格は3分の1以下になりました。その後、長く200円未満で推移する状況が続きます。

2021年以降の価格推移

オントロジーは、2021年に入って急回復しました。

2021年1月1日には46円でしたが、4月に入り200円を突破し、4月16日に256円まで回復しました。4月25日には一時144円まで下落するも、再び上昇して5月9日には292円を記録します。

しかし5月に、テスラ社およびスペースXのCEOであるイーロン・マスク氏が、ビットコインのエネルギー消費量が多いことに否定的なツイートをし、ビットコインによるテスラ車の購入を停止する考えも示しました。

その影響で、ビットコインをはじめ多くの仮想通貨が一気に下落へと転じました。オントロジーも巻き込まれ、5月23日には101円まで下落しました。7月20日には62円となり、そこからやや回復に転じるも、150円未満で推移しています。

オントロジーはいまだ、過去の最高値には回復していません。仮に99円の今100万円を投資し、過去の最高値まで回復したとしたら、資産は約10倍の1,000万円まで膨らみます。

オントロジー(ONT)の今後の見通しは?

オントロジーは、ローンチ後すぐに最高値をつけて急落してから、いまだ最高値に回復していません。今後、最高値まで回復することを見込んで投資するのも1つです。続いて、オントロジーの今後の見通しについて見ていきましょう。

多くの企業との提携が進む

ヨーロッパを中心にプライバシー意識が高まる中、データの分散管理は企業にとって重要なテーマです。今後、情報管理の重要性が増す中、データを分散管理できるオントロジーの活用の幅も広がっていくと考えられます。

オントロジーは現在、自動車業界ですでにさまざまな企業と提携しています。今後は、医療業界で患者データを管理する方法としてオントロジーが活用される可能性もあります。

あらゆる産業・領域でブロックチェーン技術の活用が広まるにつれ、オントロジーも存在感を増していくでしょう。そうなれば、必然的に投資対象としての価値も上昇していくと考えられます。

仮想通貨取引所への上場見通し

オントロジーは2021年7月にDeCurret(ディーカレット)で上場し、8月にはBitTrade(ビットトレード)で上場しました。10月現在、日本国内の仮想通貨取引所でオントロジーに投資できるのはBitTradeとDeCurretのみですが、オントロジーへの期待感が高まるにつれ、新たな仮想通貨取引所に上場する可能性があります。

一般的に、仮想通貨が取引所に新規上場すると、価格が上がる傾向があります。新規上場のニュースがメディアで報じられることで知名度が高まることや、仮想通貨取引所が新規上場にあたりお得なキャンペーンを実施することなどが影響していると考えられます。

今後、新たな仮想通貨取引所に上場すれば、オントロジーの価格も急上昇する可能性があります。注目が集まり始めた今、オントロジーに投資しておけば、上場のタイミングで大きなリターンを狙えるかもしれません。

オントロジー(ONT)の特徴

2021年に上場が相次ぎ、投資対象として注目を集めているオントロジーですが、どんな特徴があるのでしょうか。続いて、オントロジーの特徴や今後の価格上昇に影響を及ぼす可能性のあるニュースを4つ紹介していきます。

パブリック向けのブロックチェーン

オントロジーはパブリック型ブロックチェーンです。パブリック型ブロックチェーンとは、インターネットに接続すれば誰でも参加できるブロックチェーンのことです。ブロックチェーンの中で基本形とも言える形で、ビットコインやイーサリアムなど、多くの仮想通貨がパブリック型ブロックチェーンです。

パブリック型ブロックチェーンでは、基本的に中央管理者がいないため、ユーザー同士の相互監視が働き、高い透明性が保たれます。

優秀なトランザクション処理速度

パブリック型ブロックチェーンは透明性が高い一方で、処理速度が遅くなるというデメリットがあります。しかし、オントロジーは独自のコンセンサスアルゴリズム「VBFT(Verifiable-random-function Byzantine Fault Tolerance)」を採用することで、処理速度を上げることに成功しました。

ブロックチェーンでは、ユーザー同士の合意によってブロックが生成されますが、このときの合意形成の仕組みをコンセンサスアルゴリズムといいます。

ビットコインやイーサリアムでは、「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」というコンセンサスアルゴリズムが採用されています。しかし、計算量に応じて発言権が与えられるPoWでは、膨大な量の計算をこなさなければなりません。そのため、手数料(ガス代)が高騰したり、処理の遅延が発生したりするスケーラビリティ問題が発生しています(イーサリアムはPoSへの移行を目指しています)。

VBFTを採用し、優秀なトランザクション処理速度を誇るオントロジーの活用は、今後ますます広がっていくと考えられます。

スマートコントラクトを採用している

スマートコントラクトとは、契約を自動実行する機能のことです。スマートコントラクト機能を持つ仮想通貨としては、ビットコインに次いで時価総額2位を誇るイーサリアムが有名ですが、オントロジーもスマートコントラクト機能を有しています。

スマートコントラクトは、2020年から2021年にかけて注目を集めたDeFi(分散型金融)やDApp(分散型アプリケーション)で重要な役割を果たす機能です。オントロジーは、これらの分野に積極的に取り組むことも表明しています。

2021年6月に、オントロジーはオントロジーEVMの開発が完了したと発表し、これによってイーサリアムとの互換性が生まれました。互換性が生まれたことで、オントロジーを活用する開発者の増加が予想されます。

NEOとの合併

2018年5月、仮想通貨NEOとオントロジーは、戦略や技術に関して統合するという覚書を交わしました。覚書の締結によって、研究開発やサービス展開などさまざまな分野で協力が進み、オントロジーの成長が加速すると予想されます。

仮想通貨NEOは「中国版イーサリアム」とも呼ばれ、DApp開発の分野で存在感を示しています。また、2021年に入って価格が高騰したことから、投資対象としても注目を集めました。

オントロジー(ONT)の購入方法

オントロジーは2021年に入り、DeCurretとBitTradeで立て続けに取り扱いがスタートしました。そのため、日本国内の仮想通貨取引所で投資できるようになりました。

日本国内の仮想通貨取引所でオントロジーを購入する手順は次のとおりです。

1.仮想通貨取引所(DeCurretもしくはBitTrade)で口座開設手続きをする
2.口座開設したら、日本円(もしくは暗号資産等)を入金する
3.オントロジーを購入する

口座開設時は、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類の提出が必要です。口座開設手続きについて、詳しくはそれぞれの仮想通貨取引所の公式ホームページを確認してください。

仮想通貨は値動きが激しく、チャンスを逃さず投資することが大切です。口座開設までに時間がかかるケースもあるため、オントロジーへの投資を考えているなら、早めに手続きしておきましょう。

なお、海外にもオントロジーを取り扱っている仮想通貨取引所がありますが、海外の仮想通貨取引所は必ずしも安全とは限りません。2018年に、金融庁は認可を受けずに運営する無登録の暗号資産交換業者に対して警告を発しています。日本国内の仮想通貨取引所を利用した方が安全と言えるでしょう。

オントロジー(ONT)の取扱取引所一覧

2021年10月現在、オントロジーに投資できる日本国内の仮想通貨取引所はDeCurretとBitTradeの2つです。それぞれの仮想通貨取引所の特徴を整理しました。

DeCurret

DeCurretは株式会社ディーカレットが運営する仮想通貨取引所です。自動積立機能や仮想通貨を電子マネーにチャージできる機能など、個性的なサービスの提供にも力を入れています。

2021年10月現在、DeCurretはオントロジー(ONT)・ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・リップル(XRP)・クアンタム(QTUM)・ライトコイン(LTC)の6種類の仮想通貨を取り扱っています。

DeCurretには、ユーザー同士で仮想通貨を取引する取引所と、ユーザーと取引所で仮想通貨を取引する販売所という2つの機能がありますが、オントロジーは取引所での取り扱いとなります。

取引手数料が0%になる、スプレッドが最狭水準(原則固定)になるなど、さまざまなお得なキャンペーンが実施されていますが、2021年10月現在残念ながらオントロジーを対象としたキャンペーンは実施されていません。

BitTrade

BitTradeは、中国の仮想通貨取引所Huobi.Proが世界的に展開する取引所Huobi Global(フォビグローバル)の日本法人です。Huobiグループは、世界170カ国でサービスを提供しており、数千万人のユーザーを持ちます。

2021年10月現在、BitTradeはオントロジー(ONT)・ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・リップル(XRP)・ライトコイン(LTC)・フォビトークン(HT)・ビットコインキャッシュ(BCH)・ステラルーメン(XLM)・ネム(NEM)・トロン(TRX)・モナコイン(MONA)・クアンタム(QTUM)・ベーシックアテンショントークン(BAT)の13種類の仮想通貨を取り扱っています。

オントロジー(ONT)の今後の見通しまとめ

多くの企業にとって、データを安全に管理することは重要度の高い事項です。高い透明性や安全性を有し、データを分散管理できるオントロジーは、今後さまざまな領域で活用の幅が広がっていくことでしょう。

それと同時に、投資対象としてのオントロジーの価値も高まっていくと予想されます。ビットコイン以外のアルトコインの中でも、時価総額や知名度の低い仮想通貨を草コインと呼びます。多くの草コインは1桁から3桁で購入できますが、将来的に大きく価格が上昇し、数十倍から数百倍になる可能性を秘めています。100円前後で購入できるオントロジーは、今が買い時と言えるかもしれません。