クレジットカードは、社会人になると「1枚だけ持っている」という人のほうが珍しいようです。複数枚を使い分けるのと1枚を集中して使うでは、どちらが賢い方法なのでしょうか。
今回は、クレジットカードの使い分けについてメリットとデメリットやうまく使い分ける方法、メインカードにおすすめのクレジットカードを紹介します。
クレジットカードは何枚まで持てる?
はじめに持つことができるクレジットカードの枚数について解説していきます。
所持数に上限はない
クレジットカードを持つことができる枚数には、決まりも上限もありません。クレジットカード会社の審査にさえ通れば何枚でも持つことができます。ただしあまり短期間の間に複数の同時申し込みをすると、クレジットカード会社から資金繰りが厳しいのではないかなど警戒されて審査に通らなくなる可能性があるため、注意が必要です。
世間のクレジットカード保有枚数の平均値
一般社団法人日本クレジット協会が公表している「クレジットカード発行枚数調査」によると2020年における1 人あたりのクレジットカード保有枚数は2.8枚でした。意外と少なく感じる人もいるかもしれません。しかしこれは、成人人口全体からの比率となっているため、実際はさらに多い人や0枚という人もいるかもしれません。
一方で2020年にJCBが行った「クレジットカードに関する総合調査」によると、平均保有枚数は、約3枚でした。年代別では50代男性3.6枚・女性2.4枚、60代男性4枚・女性2.4枚と、男性は年齢層が上がるにつれて平均保有枚数も増えていくことが分かります。また20~40代では、それぞれ3枚に満たない枚数です。
複数枚のクレジットカードを使い分けるメリット
複数枚のクレジットカードを使い分けするメリットを見ていきましょう。
「お店によって使えない」状態の回避
クレジットカードには、決済できる国際ブランドとして「VISA」「JCB」「Mastercard」「AMEX」などがあり、店舗によっては決済が可能なブランドが限られている場合もあります。しかし異なる国際ブランドのクレジットカードを複数持っていれば、そんなときでも安心です。また磁気不良などカード自体に問題がある場合でも、支払いができない事態を回避できます。
カードの利用シーンが増える
店舗で利用可能な国際ブランドで使い分ける方法以外に、店舗やエリアによって「ポイントが2重に付く」「該当するクレジットカードを使うことで割引やクーポンが使える」といったケースもあります。その時々に合わせてクレジットカードの使い分けをすれば、お得な気分を味わえる利用シーンを増やせるでしょう。
ポイント合算ができてお得
カード会社によっては、同系列のクレジットカードのポイントを合算できるところもあります。同じクレジットカード会社のカードで国際ブランドを変えておけば、さまざまなシーンで利用しながらポイントを一括管理できて便利です。お得に幅広い使い方ができるでしょう。
複数枚のクレジットカードを使い分けるデメリット
複数枚のクレジットカードを使い分けると、主に以下の3つのようなデメリットがあります。
ポイントや金額の管理が大変
複数のクレジットカードのポイントを合算できればいいですが、そうでない場合はポイントが分散してしまい、どのカードでどの程度ポイントがたまっているのか管理が大変になります。利用明細も別々になるため、利用した金額の管理も大変です。利用料の引き落とし日は、クレジットカード会社によって異なるため、引き落としのスケジュールについても把握しておきましょう。
年会費がかかればそれだけ負担増
クレジットカードによっては年会費がかかるものもあるため、枚数が増えるほどコストが増えていく可能性がある点はデメリットです。中には、年1回の利用で年会費が無料になるクレジットカードもありますが、複数枚持っているとうっかり使い忘れてしまい、年会費負担が発生してしまうこともあり得ます。
紛失、盗難のリスクも増える
クレジットカードの枚数が増えることで、紛失や盗難の危険性も高まります。1枚しかない場合は、紛失しても気がつきやすいですが、複数あると見落としてしまい何日も気づかずに過ごしてしまう可能性もあります。
クレジットカードを上手に使い分ける方法
クレジットカードを上手に使い分ける方法を紹介していきます。
汎用性の高いカードをメインカードとして使う
メインカードの条件は「使える場所が多い」「還元率が高い」といった点が挙げられます。国際ブランドとしては「VISA」「Mastercard」がおすすめです。国内であれば対応している数が多い「JCB」がいいでしょう。「VISA」「Mastercard」にはプロパーカードがなく、多くのクレジットカード会社や量販店などで発行しています。
それぞれポイントシステムを付帯していますが、使える場所が多くても還元率が低ければ利用する旨味が少なくなってしまいます。メインカードは、日常的に出番が多いため、利用額も高くなります。しっかりとポイントをためることを考えれば、基本的な還元率が1%以上のカードを選ぶのがおすすめです。
さらに使い勝手を考慮した場合には、タッチレス決済やスマホ決済などに対応していると、利便性が高まります。
サブカードはメインカードのサービスを補う役割として利用
サブカードは、メインカードで不足している部分を補えるカードを選ぶことが大切です。例えば「旅行保険が充実している」「特定の店舗での割引率や還元率が高い」「誕生日月や入会月に大きなポイント還元率アップがある」などが考えられます。その他自分の趣味の分野での利用に強いカードを選ぶことも方法の一つです。
サブカードは年会費がかからないものを選ぶ
サブカードは、年会費負担をかけずに保有できればコスパがよいでしょう。年会費無料でも有料に劣らない優れたサービスのカードはたくさんあります。サービスの内容を吟味して探すようにしましょう。
メインカードとして使い分けるべきおすすめのクレジットカード5選
クレジットカードの使い分けでは、メインカードの選び方が大切です。メインカードにおすすめのクレジットカードを5つ紹介していきます。
JCB CARD W
JCB カードWは、申込年齢が18~39歳に限定された若年層向けのクレジットカードです。JCBのプロパーカードでありながら年会費は永年無料。40歳以降も年会費無料で継続できるため、メインカードを決めておきたい若手社会人にはぴったりです。
還元率1%という、JCBブランドのカードの中では高い還元率に加えて、Amazonやスターバックス、セブンイレブンなどのパートナー店での利用では、2~10倍のポイント加算があります。1ポイント3円としてカード利用料に使えるため、利用が多いメインカードには最適です。日本発の国際ブランドJCBならば、信頼性や安全性ともにメインカードとして申し分ありません。
楽天カード
楽天カードは、人気のカードランキングの常連となっています。その理由は、1%という高い還元率としっかりとためられるポイントシステムがあるからです。2021年6月から本格的に開始した2枚目発行カードも含めると、楽天カードの会員数は2300万枚を突破と順調に推移しています。
楽天グループはさまざまな分野に拡大しています。例えば「お買い物」「旅行」「本の購入」「株の売買」などで楽天ポイントをためることが可能です。楽天ポイントは、街で使える共通ポイントとしての強みもあり、楽天カード1枚あればどこでもお得な利用ができるでしょう。「メインカードにするのならばステイタスよりも使い勝手の良さ」と考えるタイプには、一押しのカードです。
三菱UFJカード VIASOカード
三菱UFJニコス株式会社が発行する三菱UFJカード VIASOカードは、年会費無料のクレジットカードです。ポイント還元率は0.5%~1.0%と平凡ですが、ポイントが1ポイント1円相当として口座に自動で振り込まれる特徴があります。メインカードとして多用すれば、いつの間にか口座にキャッシュバックされているため、ポイント管理の手間がありません。
海外旅行傷害保険の死亡・傷害補償が最高2,000万円(利用付帯)、携行品損害限度額1旅行につき20万円(自己負担額:1事故につき3,000円※保険期間中100万円)、もちろん治療費用限度額(傷害・疾病による)補償も100万円付いています。年会費無料でこれだけ充実の補償はなかなか見当たりません。自分好みの券面デザインを選べることもうれしいポイント。また以下のような多数のデザインから好みに合ったものを選択できる点もメリットです。
・サンリオ
・くまモン
・スヌーピー
・ファイナルファンタジー
・けいおん!
・浦和レッズサポーターバージョンなど
自分が大好きなデザインを選べば気分も上がり、お気に入りの一枚となるでしょう。
クレジットカードの使い分け情報まとめ
各社のクレジットカードには、それぞれに魅力的な特典が付帯しているため、一枚にまとめるのは難しく「ついカードが増えてしまう」というのもうなずけます。クレジットカードは、各カードの特徴をよく見極めてメインカードとサブカードに分けて使うのが合理的です。あまり枚数が多すぎると管理が大変ですが、適度な枚数に整理し直し、最も活用度の高い一枚をメインに決めるのがよいでしょう。