「絶対に勝つこと」を軸としてファーストキャリアから人材業界を選んだ、株式会社フォースタートアップスの岡本麻以さん。「ヒューマンキャピタリストは人、企業、日本の未来を一気通貫でつなぐ仕事」そう語る岡本さんに、ヒューマンキャピタリストとはどのような職業なのか、企業と求職者とのマッチングで大事にしていることをお聞きしました。
岡本さんがそっと教えてくれた市場価値を上げるコツや、転職先の選び方もお伝えしましょう。
ファーストキャリアの判断軸は絶対に勝てること
ー岡本さんのご経歴をお聞かせいただけますでしょうか。
岡本さん:私は立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科にてスポーツビジネス・マネジメントを学びました。卒業後スポーツ関連の人材ビジネスを手掛けるウィルグループに入社し、2016年に現職フォースタートアップスに転籍しました。
ー岡本さんが新卒時から人材業界を選ばれた理由をお聞かせください。
岡本さん:自分の特性を考えたときに、人にかかわる仕事に対する苦手意識がなかった事が大きいです。また、「自分自身がバリューを発揮できるか」という基準で考えたとき、規模としては中規模が適切だと思いました。同期が100人以内なら勝てる、勝てたらいい役割・ポジションを選べる、と判断したんです。
新卒時にウィルグループを選んだのは、大学院時代の研究内容を活かしたい、と思ったからです。それまで積み上げた経験を武器に、勝負できるところでしっかりと勝つこと、これがファーストキャリアを選ぶときの大きな判断軸となっていました。
ヒューマンキャピタリストは人、企業、日本の未来を一気通貫でつなぐ仕事
ーキャリアアドバイザーでもない、転職コンサルタントでもない、ヒューマンキャピタリストとはどのような職業でしょうか?
岡本さん:キャリアアドバイザーの方も、転職コンサルタントの方も、人にかかわって向き合う、という点では共通しています。しかしもう一歩踏み込んで、その方の未来やご縁をつなぐ企業様の未来、さらにいうと双方のマッチングによって形成される日本の未来まで、一気通貫したビジョンをもとにサポートする、という点がヒューマンキャピタリストの特徴です。求職者と企業と、未来を一緒に創っていくことがヒューマンキャピタリストの仕事だと考えています。
ー求職者と企業をつないでいくとき、重要視しているポイントはなんでしょうか?
岡本さん:1番意識しているのは、「求職者と企業をつなぐ」というご支援が、日本のためになるかどうか、ということです。スタートアップ企業の市場規模はまだ小さいですが、5年、10年先を考えたとき、必ず拡大すると私たちは確信しています。将来大きくなる市場に対し、ご活躍できる方をご支援する、それにより日本の成長に寄与できると考えています。
もちろん求職者や企業のためになるのか、ということも考えなければならないポイントです。適切な人材配置による企業の成長、そして、市場拡大による個人の成長を重要視します。市場が成長すれば個人も成長するんです。それは求職者の方にとって大きな価値だと捉えています。
ー企業の成長のためには優秀な人材をより早く獲得することが大事とのこと、適性がある人材をご紹介するうえで、企業様に対しどのような提案を行っているのか、お聞かせください。
岡本さん:企業様の採用課題を特定するとき、本来の企業のミッションや、目的をすり合わせることからスタートします。事業内容や差別化ポイント・競合との違い、今後の戦略をまずは起業家や経営陣からお伺いし、その上でそれをどんな人材が担うのか、といった会話をするんです。
ー支援する企業とかなり深いところまでお話をされるんですね。
岡本さん:そうですね。そもそも、その企業が何のために存在するのか、社会でどのようなことをなし得たいのか、といった、本質・インサイトに迫る課題について、経営者の方と直接会話をしなければ、本当の意味で企業の成長に必要な人材のご支援は難しいと思います。
共通の志を持つヒューマンキャピタリストたちが人生をかけてコミット
ー岡本さんはヒューマンキャピタリストのアサインも担当されているとのことですが、担当企業決めはどのような基準で行うのでしょうか?
岡本さん:ヒューマンキャピタリストのアサインにおいて重視している点は、マインド面です。スキルだけでなく人となりや、性格がマッチするかどうかが起業支援においては重要になります。
もちろん業務経験・企業が属する業界に対する理解は必要ですが、それだけだとヒューマンキャピタリストとしての面白味がありません。
市場における事業の成長可能性のほか、起業家の魅力を理解した上でサポートすることで、本質的な起業支援が可能になります。
起業家の方は、年齢層も幅広いですが、外交的な方や内向的な方、話が上手い方、口下手な方など、性格もさまざまです。マインド面をしっかりとみて、それぞれのタイプの起業家にフィットするヒューマンキャピタリストをアサインします。
ーさまざまな価値観を持つヒューマンキャピタリストの方がいると思いますが、何か共通点がありましたら教えてください。
岡本さん:1番の共通点は、「志」を持っていることです。志という言葉には、いろいろな定義があると思いますが、グロービスの田久保さんのお言葉を借りていいますと、「一定の期間、人生をかけてコミットできるようなこと(目標)」です。
年齢層も幅広く、さまざまなバックグラウンドを持つヒューマンキャピタリストがいますが、「世界で勝負できる産業、企業、サービス、人を創出し、日本の成長を支えていく」という志が共通しています。今の日本の景気や状況はポジティブとはいえないかもしれません。しかし、メンバーは皆、共通の志のもと、未来をよくしていくためにはどうしたらいいか、前向きに考え課題を解決しようとします。
ーヒューマンキャピタリストの方の仕事にかける熱量が伝わってきますね。
岡本さん:人の人生にかかわる仕事なので、私たちは企業と求職者と本気で向き合います。特に起業家の方は人生をかけているので、私たちヒューマンキャピタリストも同様に課題の解決に取り組みます。私たちが本気だからこそ、起業家も本気になってくれるんです。
ーヒューマンキャピタリストの方の指導において、岡本さんが大切にされていることをお聞かせください。
岡本さん:私がヒューマンキャピタリストたちに伝えているのは、「モラルと教養が大事だ」ということです。ヒューマンキャピタリストはフォースタートアップスの顔・代表として企業や求職者と接することになります。
未来を見据えて企業と求職者の両方と向き合うには、経営、組織、市場といったことに関する情報のインプットが不可欠です。モラルとは、「インプット・アウトプットする情報の確からしさ」を指します。情報の正確さは測りようのないものですが、だからこそ、責任をもって扱うべきだと思います。
そしてもうひとつ、教養とは「情報を蓄積した知識」を指します。モラルをより堅固なものにしていくためにも教養をアップデートしなければなりません。モラルと教養の強固な二軸を据えPDCAを回していけると、ヒューマンキャピタリストとして、ないしは人として成長していけるんです。
求職者のサポートで大切なのは正しい情報提供
ーフォースタートアップスさんの場合、求職者が転職を考えていないけれどなんとなくスタートアップ企業が気になる、どこか挑戦したいと思っている、という温度感であっても相談できるのでしょうか?
岡本さん:もちろんです。「スタートアップに興味があるけれど、何をしたらいいかわからない」そんな方も多くいらっしゃるので、まずは、どんな企業があるのか、実態はどうなのか、という話から始めます。
スタートアップについて実態を知らない方は、非常に多いです。そして私たちとしても「スタートアップを一緒くたにしてほしくない、正しく知ってほしい」という思いがあります。フェーズが浅い、少数精鋭でやってる企業もあれば、300人以上の規模で複数の事業を運営している企業もあります。異なるスタートアップで得られる経験は、まったく異なってきます。
こういったフェーズの違いに、さらに事業領域の違いがかけ合わさってくるので、得られることもメリットデメリットも属する企業によって千差万別です。世の中、スタートアップか大企業か、という二元論で語られがちですが、本来は企業の数だけ論じられるべきであり、スタートアップと一言で言ってもさまざまなスタートアップが存在し、その違いを正しく伝えられているものは多くありません。
そんな中、求職者の方が自分だけで、たったひとつの企業を選ぶのは、なかなか大変な作業です。ですから私たちヒューマンキャピタリストが、スタートアップ企業に関する膨大な情報を整理する、求職者に必要な情報を伝える、といった役割を担う必要があるんです。各スタートアップの特徴について、正しい情報を伝えることを意識しています。
ー求職者の方が志願する企業を選ぶ段階で、ヒューマンキャピタリストはどのような提案をされるのでしょうか?
岡本さん:まず、スタートアップ市場がどうなっているのか、どのような企業があるのか、現状を伝えます。次に、求職者の方がどのような路を歩んできたのか、何をしてきたのかヒアリングします。スタートアップ企業と求職者と、それぞれに関する情報整理をしてから、順番をつけていく、という流れです。
スタートアップの現状と本人のできることとやりたいことを明らかにし、優先順位をつけることで、「スタートアップ企業に参画したいけど漠然と不安」という状況が変わります。スタートアップの現状と求めるものとのギャップを知り、不安材料を可視化することから始めるんです。
可視化された不安材料について私たちヒューマンキャピタリストと、求職者とで対話して解消する、というプロセスを繰り返すことで、どんなスタートアップ企業が自分にフィットするのか、そもそも自分はどういう方向性に進むべきなのかが見えてきます。
私たちとの対話を通して、最初は「スタートアップ」という単語しか知らなかったのに、情報の解像度が上がり、「自分はこういうスタートアップは好きだけど、こういうスタートアップには興味がない」という風に判断できるようになるんです。
求職者の中には、最終的に「スタートアップに行かない」と判断される方もいます。一通り見たうえで、そのように決めることはいいことだと思っています。反対に、最初はスタートアップに興味がなかった方が、「自分はスタートアップに行きます」と決断されることもあり、スタートアップを見ずして最初から「スタートアップは違う」とならないように、私たちは、正確な情報を伝えることに徹します。
求職者とは真剣に向き合い、思いを持ち、最後に伝える
ー求職者の方と向き合うときに大事にされていることはありますか?
岡本さん:1番最後に、自分の意思を伝えるようにしています。ご支援する求職者の方の進路について、こちらも思いを持つものです。ヒューマンキャピタリストとして、その方の人生に真剣に向き合う以上、何も思いを持たないというのも悪だと思うんです。
目の前の求職者や企業がとるべき進路については、私なりの解釈として「こうしたらいいのに」という思いを抱えて接します。しかし最初から「あなたはここに行ったほうがいい」と伝えてしまうと、求職者や企業の考えをそぐうことになってしまうので、まずは、おのおの話を聞く、というところからスタートします。そのうえで意見を求められたときは「私はこう思う」と伝えるよう、意識しています。
ー求職者と企業のお引き合わせにおいて重視していることを教えてください。
岡本さん:スキルや実績はもちろんなのですが、スタンスやマインドが大切だと思っています。
みんなでワイワイがやがや明るくやっていきたい、というスタンスを好む方もいれば、黙々と作業に打ち込みたい、という方もいます。
どういうときに1番パワーを発揮できるか、というのは個人によって異なります。個人のスタンスに関する情報と、どんな方が企業で活躍されているのかという情報をもとにスタンスやマインド面のマッチ度合いを精査することが大事です。
ー「日本の未来のために」これが岡本さんの、お仕事に対する信念だったと思います。今、日本の未来を明るくするような、企業に求められる人材とはどのような方なのでしょうか?
岡本さん:自分の信念を持っているかどうか、に尽きると思います。変化が激しく、予測ができない世の中だからこそ、自分がブレない必要があります。日々生じるさまざまな問題に対する意思決定をする上で、最終的には自分が正しいと思うものを選び、それを正解にしていくことが重要だと思います。強い信念をベースとして持つ方はどんな社会になっても、どんな会社に入っても活躍できるはずです。
―信念というのは、例えば私なら、「編集職では正しい情報を自分のことばで伝える」といったものも該当するのでしょうか?
岡本さん:そうですね。これだけは曲げない、というこだわりです。それはビジネスパーソンとしての個性にも通じるものです。そして普段から「自分が信じていることは何なのか」を認識しておくと、自分と違う意見に対峙したとき、それを排除するのではなく、違うものだと認識し、受け入れることができます。
自分が何を大事にしているのかを知り、相手が何を大事にしているのかを知ることで、組織としての拡張性を高めることができるのではないかと思います。
ー自分のことを知ることは難しいですよね。
岡本さん:そうですね。自分のことを知るのは1番難しいことです。ですので、私たちと会話をしていく中で発見していってくれたらと思います。ご相談に来る前に、徹底的に自己分析して来なければならない、というわけではありません。求職者の方が「自分を知る」ためのサポートもヒューマンキャピタリストの仕事です。
ービジネスパーソンに大切なスキルとして御社が掲げる「国際競争力」とはどのような能力を指すのでしょうか?英語力も含まれますか?
岡本さん:はい。英語力は国際競争力に通ずるベースのスキルといえますが、しかしそれだけではありません。国を跨いで世界で勝負できるような人は意思決定の数が圧倒的に多いと思います。
決断とは何かを選び、何かを断つことであり、さまざまな選択肢があるなかで決断し、その意思決定を正解にしていく経験を積むことで個としても強い人材になると思います。
そんな個人を増やすことで、日本全体としても国際競争力の向上が期待されます。
市場価値を上げるコツは選ぼうとする市場・マーケットがどれだけ広がるのかに着目すること
ービジネスパーソンにとっての市場価値とは何を指すのでしょうか?
岡本さん:ビジネスにおける市場価値というのは、希少性だけでは定義できない、マーケットの成長と関連して決まる相対的な価値のことです。一般的に使われる希少性とは「ヴィンテージで数が少ないから、価値が高い」という状態を指します。ただし、ビジネスにおいて希少性のみで市場価値を語ると、ニッチなもので終わってしまいます。
キャリアにおける市場価値を捉えるとき、自分が身を置くマーケットが将来どのくらい拡大するかという視点が大事です。例えば「市場価値が高い」といわれるビジネスパーソンがいたとします。しかし時間とともに、彼が属するマーケットが縮小すれば、彼の市場価値もシュリンクして低くなってしまいます。
反対にマーケットの拡大により市場価値が上がる、ということは実際あります。例えば、リーマンショック後、ソーシャルゲーム業界が急成長し、組織も急拡大していきました。あの時代、ソーシャルゲーム業界にいた方は今、スタートアップ企業でCTOやCEO、CxOクラスの人材になっています。
マーケットが未成熟の時代にバリューを発揮して、マーケットの拡大とともに市場価値があがった例です。どこからも欲しがられる人材ですね。ですので、転職で市場価値を上げたいと思うなら、選ぼうとする市場・マーケットがどれだけ広がるのか、という点を併せてみることがポイントです。
ー納得のいく転職にするための転職エージェントの選び方・付き合い方をお聞かせください。
岡本さん:転職成功とは内定のタイミングでなく、活躍して初めていえる言葉だと思います。
求職者の方が活躍できる企業を選ぶために、私たちができることは、納得感の醸成や、正しい意思決定のために、情報提供することです。
おんぶにだっこだと、どのような企業がマッチするのか、不明瞭になってしまいます。「最終的に決めるのは個人である」。求職者の方は、その前提を認識していれば、転職エージェントといい関係性で併走していけると思います。
私たちフォースタートアップスでいうなら、「どういう未来を創っていきたいのか」を軸として持っていただくことが大事です。もし軸が決まっていないなら会話を通して一緒に考えることもできます。
転職エージェントの選び方、スタートアップの向き不向きとは?
ー転職エージェントをどのように選ぶべきか、岡本さんの意見をお聞かせください。
岡本さん:未経験職種も含め広く検討するのであれば総合大手型の転職エージェントと話をされていみるといいと思います。今までの経験やスキルを踏まえてよりチャレンジをしたいと思われたり、やりたいことのイメージがある場合は業界に特化した転職エージェントがおすすめです。業界特化のエージェントは業界のことを深く理解しているので業界全体の動向や個別企業について詳しい情報を持っています。例えば弊社であれば、「スタートアップ」というマーケットの求人は網羅しているわけです。
ーフォースタートアップスさんの具体的な強みを教えてください。
岡本さん:まずは本質のマッチングにこだわるヒューマンキャピタリストによる支援が挙げられます。さらに成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB(スタートアップデータベース)」を軸にした価値の高い情報提供だと思っています。ベンチャーキャピタルや起業家など、実際のマーケットの有識者に定期的にヒヤリングを実施し、成長性の高い有望なスタートアップから順に序列化しています。それにより精度が高いマッチングを実現できます。
ースタートアップに関心があるならフォースタートアップスが適切な相談先になる、ということですね。
岡本さん:そうですね。一方、時間があって、まっさらな状態でいろいろ見てみたいという方は総合型をご利用されるのもいいでしょう。今でこそスタートアップの認知や、裾野は広がってきています。しかし、経営リソースが潤沢でない企業も多く、参画は厳しさを伴います。
それに、多くのスタートアップ企業が短期間で急拡大・急成長しようと試みている状況にあることをふまえると、誰でも彼でもウェルカムな状況でないことを理解する必要があります。「整った教育環境の中で成長していきたい」という方に、スタートアップ企業はあわないかもしれません。
また、大きくキャリアチェンジしたいという方もたまにいらっしゃるのですが、営業職だった方がクリエイティブ職に就きたいとか、そういうケースだとスタートアップへの転職は厳しいと思います。特に速い速度で成長しているスタートアップ企業では、即戦力が求められますし、どれだけバリューを発揮できるか、という点が重視されます。
ですので大きく職種を変えたい、という方は総合大手型の転職エージェントで幅広く探すほうが、キャリアチェンジのチャンスはつかみやすいかもしれません。
正しい情報をもとに誰もが挑戦できる未来へ
ー岡本さんのキャリアビジョンを教えてください。
岡本さん:まだまだやりたいことがたくさんあります(笑)。個人としてはスタートアップという自分がかかわる業界について、正しく伝えたい、という思いがあります。大学院で研究に打ち込んだ経験を活かし、スタートアップ業界について溢れる、バラバラの情報を1ヵ所に集約して、何らかのコンテンツを形成して世の中に発信したいです。
スタートアップ業界に関しては、まだまだ情報が正しく伝わっていないと思うので。正しい基礎知識があれば、挑戦できる人が増えるのではと思います。
ー瞳がキラキラしてわくわくしている岡本さん、仕事が辛い、やりたいことができない、といったモヤモヤを抱える人たちに、メッセージをお願いいたします。
岡本さん:私は「やりたいことをやるならえらくなれ」といわれてきたんです。今の仕事環境で目の前のことをやり切れないなら次の場所でもやり切れないし、やりたいこともできません。
偉くなるというのは一つの例ですが、選ばれるよりも選ぶ側に回れるよう努力をすることで結果としてやりたいことをやれるような実力が身に付くのではないかと思います。
企業の方、求職者の方、今までいろいろな方と接してきましたが、魅力的な方って、楽しいことだけでなくその分辛いこともやってる方です。楽しいことと辛いことの稼働領域が広い方は活躍できるし、やりたいことにも挑戦できる環境を形成できるのではと思います。
今は辛いとしか思えない仕事でも、まずは期限を決めてやりきってみるといいと思います。
それでも辛いなら辞めることを考える。
やり続けたら成果になって楽しみに変わるときが来ることもあります。辛かった経験は数年後のネタになると思ってください(笑)。私は仕事でもなんでも、辞めるときは、辛いときを選ばないように意識しています。やり切って乗り越えたあとに辞めれば、あとから振り返ることができます。
「辛い」だけの記憶で終わらせないのが大事なポイントです。私も、特に仕事を始めた当初は、責任重大で荷が重い、辛いと感じることがありました。けれど今振り返ると、仕事をやり切ったことに対し幸せを感じますし自分自身の頑張りで仕事を良いものにしていける、というのは大きなやりがいといえるのではないでしょうか。
ー仕事で辛いとき、プライベートで思い切り息抜きすることはありますか?
岡本さん:よく「仕事とプライベートは完全に分けるべき」という話を聞きますが、私はそんな風に器用でなく、仕事は仕事、プライベートはプライベート、と分けられるタイプでないんです(笑)。確かに分けられたら楽だろうなと思うときはありますが、楽をしたいかというとそういうわけでもありません。
楽しかったり辛かったり、嬉しかったり悔しかったりして、これが生きているということなのかもしれないと思います。
ー「日本の未来のため」という信念を持ち人生をかけて仕事にあたる岡本さん。
バリューを発揮することにこだわり、辛いことから目を背けない芯の強さが印象的です。岡本さんのようにストレートで熱量のある方が、正しい情報を発信し続けることで、スタートアップ業界の裾野はもっと広がり、日本の未来が明るくなるはず、と確信できました。