米国株式に関心があっても、「何から始めたらいいか分からない……」という人も多いのではないでしょうか。市場に関する基礎的な知識は、リスク管理のうえでも重要です。

この記事では、日本株と比較して魅力的といわれることも多い、米国株式に投資するための基本的な知識を紹介します。

米国株式市場の基礎知識

米国株式市場とは、世界最大の経済大国であるアメリカ合衆国の株式市場のことです。日本の株式の取引は東京証券取引所(東証)などで行われますが、アメリカでも同様にニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックなどで取引が行われています。

個人消費の多いアメリカは、移民の増加や平均年齢の低さなどの影響もあって潜在成長率が高く、現在も世界最大のGDPを誇ります。そのため、グローバルな一流企業が集まるニューヨーク証券取引所は、時価総額や取引金額が他国の株式市場に比べて圧倒的に多くなっています。米国株式市場は、世界経済や他国の株式市場に大きな影響を与えているのです。

米国の株式市場は2つ

日本の株式市場では、東京証券取引所に東証第一部、東証第二部、東証JASDAQ、東証マザーズという4つの市場が開かれています。ほかに福岡、札幌、名古屋に地方証券取引所があり、それぞれの市場で異なる会社の株式取引が行われています。

一方、米国株式市場では、以下で紹介する2つの株式市場で取引されています。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)

ニューヨーク証券取引所は、米国で最も長い歴史を誇り、ロンドン取引所に次いで世界で2番目に古い証券取引所です。その伝統と取引所の評判を守るために世界一上場審査が厳しいといわれ、上場企業には、数多くの大型優良企業や各国のグローバル企業が名を連ねます。

具体的には、世界で多くの人に愛される飲料メーカー「コカ・コーラ』や大手投資銀行の「ゴールドマン・サックス』、アメリカ最大級のスーパー「ウォルマート・ストアズ』などの名だたる大企業です。ソニー、トヨタ、三菱UFJフィナンシャル・グループといった日本企業も米国預託証券(ADR)を発行する方式で上場しています。

ナスダック(NASDAQ)

一方のナスダックは、1971年に世界初の電子株式市場として設立されました。新興企業向けとしては、世界最大の規模を誇る株式市場です。

上場企業には成長力があるIT企業が多く、GAFAと呼ばれる、アルファベット(GOOG)、アマゾン(AMZN)、フェイスブック(FB)、アップル(AAPL)のほか、急成長するネットフリックス(NFLX)などの超人気企業が多数上場。ナスダックにも三井物産、任天堂、日産自動車などの日本企業が上場しています。

米国株投資のメリット

米国株投資のメリットは、少額で投資できる事です。

日本株には、100株単位や1000株単位で取引する必要があるため相応の資金が必要となります。

一方、米国株では1株からすべての上場株式・ETFを1株単位で購入することができるので、数万円でも投資を始めることが可能です。

そのため、Apple、google、アマゾンなどの株も少額で購入できます。 つまり、数万円で米国トップクラスの企業の株主になることができるのです。

証券会社各社の米国株取扱状況

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※銘柄数はDMM株マネックス証券SBI証券楽天証券各公式ページより引用
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※銘柄数はDMM株マネックス証券SBI証券楽天証券各公式ページより引用

 

米国株式の代表的な株価指数は3つ

米国株式市場には、NYダウ、ナスダック総合指数、S&P500という3つの主な株価指数があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

NYダウ

NYダウはアメリカで最も古い株価指数で、正式名称を「ダウ工業株30種平均」と言います。

米国市場に上場している企業から、ダウ・ジョーンズ社が成長性や投資家の関心の高さなどを踏まえて選んだ、マクドナルドやアップル、マイクロソフトなどの30銘柄で構成されています。日本の株式市場で言えば、日経225指数が近いイメージです。

ナスダック総合指数

ナスダックに上場している全銘柄を対象としているのが、ナスダック総合指数です。1971年2月5日の時価総額を基準とし、その値を100として算出しています。近年のIT企業の爆発的な成長の裏付けもあり、2020年6月に1万を超えてさらに伸びています。

S&P500

S&P500は、NYSEとナスダックに上場している企業から代表的な500社をスタンダード・アンド・プアーズ社が選定して算出する株価指数です。米国の2つの株式市場から500社をカバーしており、「アメリカの株式市場の状態」を表しているとして、世界中で参考にされています。

日本株式と米国株式は何が違うのか

日本株式と米国株式には、さまざまな違いがあります。米国株式を取引するにあたって知っておきたい主なポイントは以下の3つです。

1株単位から取引が可能

日本株式には取引所が定める単元株制度があり、現在は主に100株単位で取引されています。これに対して、米国株式はすべての銘柄が1株単位で購入できます。そのため、少額から米国株投資を始めることができます。ただし手数料は割高のため、注意が必要です。

ストップ高、ストップ安がない

日本株式では、株価によって1日に変動できる額が決まっており、上限をストップ高、下限をストップ安と言います。しかし米国株市場には、ストップ高とストップ安のルールがありません。このため、需給次第では思いがけない暴騰や暴落をすることがあります。

配当金の分配頻度が多い

日本株式の場合、配当金の分配頻度は本決算の年1回もしくは中間決算を加えた年2回が一般的です。米国株式では四半期の決算ごとの年4回配当を実施する企業が多くなっています。

米国株式の取引時間

米国株市場は、現地時間の9時30分~16時まで取引ができ、日本株市場のように昼休憩がありません。

日本時間で言えば、取引時間は23時30分から翌朝6時までとなります。また、3月第2日曜日から11月第1日曜日までの約8ヵ月はサマータイムになっているため、日本時間では22時30分から翌朝5時までです。

ほかにも、市場が開く前後の時間に取引できる時間外取引が活発に行われています。日本市場にもある時間外取引ですが、米国市場の場合はブローカー同士の私設市場であるECN(電子証券取引ネットワーク)で行われます。

通常の取引と比べて取引数が少ないため、価格の変動が激しく売買価格の開き(スプレッド)も大きくなるのが特徴です。取引にあたっては、事前にリスクに関する同意書を提出する必要があります。

米国株式を買うにはどうしたらよいか

楽天証券では、2020年4月からスマートフォンアプリで米国株を取引できるようになっています。ほかにもSBI証券やマネックス証券などでも取引可能で、現在はネット証券を通じて、日本株とほとんど変わらない感覚で米国株を購入することができます。

いずれの証券会社も口座開設料と管理手数料は無料なので、米国株を取引したい人は口座開設を検討するべきでしょう。投資したい米国株が見つかったときに、すぐに購入できます。

先にも出てきたように、日本企業をはじめとした米国以外の国の株式を米国市場で購入するには、米国預託証券(ADR)という仕組みを使用します。

ADRは、米国以外の国で設立された企業が発行した株式の裏づけとして米国で発行される有価証券です。厳密には株式とは言えないものの、裏づけとなる株式に生じる経済的権利のすべてを含む有価証券ということで、株式を保有するのとほぼ同じ効果を得られます。米国だけでなく、世界の有望な企業に投資ができる点も魅力的です。

米国株式を買うために必要な金額

米国株式への投資は、資金面において日本企業の株式を買うよりもハードルが低くなっています。日本株式の場合、ほとんどの銘柄で100株単位でしか購入できませんが、米国株式は1株から購入可能です。そのため、多くの銘柄は数万円から十数万円程度で購入できます。

コカ・コーラやAT&T、インテルなどの人気銘柄でも、1株なら1万円前後の資金で購入できます。日本でも数万円で購入できる銘柄はあるものの、有名銘柄の多くは数千円の株価がついており、購入には数十万円の資金が必要となります。

ただし、米国株には取引手数料と為替のスプレッド(円貨決済の場合)などのコストが別途かかるので注意が必要です。

米国株式を買うときにかかる手数料とは

米国株の売買時には、楽天証券の場合、買付金額や売却金額の代金に対して2.22ドル以下は無料、2.22ドル~4444.45ドル未満で0.495%、4444.45ドル以上で22ドルの取引手数料がかかります。

マネックス証券の場合、売買代金に対して同様に0.495%の手数料がかかり、下限は無料、上限は22ドルとなります。SBI証券の手数料も0.495%で下限は無料、上限は22ドルです。

どの証券会社でも基本的な手数料に大きな差はありません。ただし為替相場の変動による損失(為替差損)や、外国為替取引の費用がかかる場合もあるので注意しましょう。

日本株を売買するときに比べると、どうしても手数料が少し高めになるので、米国株はデイトレードでなく、中長期的な投資をメインに考えるとよいでしょう。

株投資家のコメント

各証券会社の米国株取引手数料

証券会社 米国株
取扱数
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取引手数料0円

DMM株
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0.45%(※)
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※銘柄数はDMM株マネックス証券SBI証券楽天証券各公式ページより引用
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取扱数
最低手数料
初心者におすすめネット証券1位1位

個別銘柄もETFも
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0.45%(※)
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※各社最低手数料は0ドル
 上限手数料は20ドル (税抜) ・2021年3月19日現在
※銘柄数はDMM株マネックス証券SBI証券楽天証券各公式ページより引用

 

値上がりが期待できることも米国株式の魅力

日本株は、約3万9000円という日経平均のバブル時の最高値を超えられていません。一方、米国株は、高値を更新し続けている成長市場となっています。個別銘柄の個別の事情を別にすれば、どのタイミングで買っても利益を得られていると考えることができます。

また、米国市場は株主資本主義で、投資家や企業が株主による資金(自己資本)に対して、企業はどれだけ収益を挙げられたのかを示す「株主資本利益率(ROE)」という指標に注目しているという特徴もあります。ROEを指標にすると、なぜ株価が上がりやすいかというと、会社が利益を上げるスピードが速いことを表す指標となっているからです。

しかし、最近の米国企業では株主資本主義を見直す動きもみられます。株主を重視するあまり、リストラなど従業員軽視、社会的責任の欠如への批判が集まっています。今後は、環境問題や個人情報問題、雇用問題などの社会的責任を重要視する動きが見られるなど、その時々の情勢で背景も変わってくるので注意しておくことが必要です。

米国株式を買うときの注意点

日本株を購入するのとは違い、外国株には投資対象の企業の株価の変動のほかに、為替の変動が損益に影響を与えるリスクもあります。

例えば、1ドル100円のときに100万円分の外国株を買った場合で考えてみましょう。米国株の場合は、その時点で1万ドル分の株を買ったことになります。仮に株価が変わらないとして、1ドルが90円になったとすると、ドル換算では1万ドルのままなのに円換算では90万円分の評価額で10万円減ったことになります。これが為替変動リスクです。

逆に1ドル110円になると円換算の株の評価額は10万円上がるので、必ずしもマイナスの影響だけではありません。

外国株を買う場合、手数料などのほかに為替の変動についても考慮して投資判断をすることが大切です。この記事で紹介した基本的な知識を踏まえて、米国株式の投資を始めてみましょう。

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中学2年(1988年)から株式投資を開始。専業投資家歴は30年を超える。2019年7月16日に累積利益で4億円を突破。PMV(プライベート・マーケット・バリュー)とカタリスト(触媒、材料)に重点を置いたネットネット株、資産バリュー株への投資がメイン。年間20%の運用利回りを目標に、いまだ日々研鑽を重ねる。