1975年、福岡県生まれ。同志社大学文学部を卒業後、1998年に株式会社間組(現:株式会社安藤・間)に入社。
2003年からは株式会社ユーエスシー(現:株式会社レスターホールディングス)に籍を移し、経理部門で勤務をしながら米国公認会計士(USCPA)を取得。
その後、上海・シンガポールの現地法人にて管理部門の責任者として約8年間駐在を経験。上海駐在時代に知り合った、株式会社サンワカンパニー代表取締役社長の山根太郎に招かれ、2016年に管理部長として入社。
2017年には取締役副社長に就任し、現在はマーケティング部長を兼任している。
第2創業期を迎えるべく急成長を遂げているサンワカンパニーで若き社長をサポートし共に経営を推し進めながら、会社全体を仔細にわたりマネジメントする。
目次
現在までの事業変遷について
当社は1979年に創業し、今年で45周年を迎えます。創業当初は建材を販売するビジネスでしたが、あるとき余った商品をインターネットで販売することになりました。試してみると一瞬で売れてしまい、それをきっかけに、販売方法を大きく転換しました。このことから2000年からインターネットでの販売に注力し、建材は営業マンに頼らずにお客様に直接販売するビジネスモデルに変更をしました。
当初は石材やタイルなどを販売していましたが、インターネットの可能性を感じて商品ラインナップを広げ、現在では洗面ボウルやドア、キッチンなども取り扱っています。業界で最も幅広いラインナップを持つ会社として、独自のECで購入できるワンストップのサービスを提供しています。
デザインについては、ミニマリズムというコンセプトを採用しており、無駄を削ぎ落としたシンプルでモダンなデザインを基準にしています。また、お客様の層としては、30代前半から40代中盤の方が多く、家を建てるかリフォームする際に商品を購入していただいています。家を建てる際に情報収集としてインターネットで検索し、写真やSNSを見て当社の商品に興味を持っていただくことが多いです。
津﨑様の役割や意思決定の際に重要視をしている点について
組織図から説明させていただきます。代表の山根が最上位に位置し、その下に私が直轄でいて、全ての部署を管轄している役員という形になっています。代表とは大きく社内外で役割分けをしています。代表は、社内だけでなく社外との関係性や大きなビジョンの発表にも関与している一方、私は主に社内を管轄としています。
意思決定において重要視している点は、まず情報を全て集めることです。一方的な情報ではなく、様々な視点から良い点や悪い点を集めてから、スピード感を意識して判断を行っています。即決しても慎重に考えても結果が同じだと感じる場合は、決断を担保するだけの根拠を持って判断を下すよう心掛けています。
津﨑様の思い描いている御社の未来構想について
2019年にミッション・ビジョン・バリューを刷新して以降、当社の長期目標には「世界の人々の『くらし』で最も必要とされる 企業集団を目指す」ということを掲げています。一方で、まだ日本国内でも目指している企業集団にはなりきれていないので、まずは国内での存在価値を何倍にも強めていくことが重要だと考えています。
また先日、2024年10月に社名変更をすることを発表しました。現在、サンワカンパニーとしての認知度は低く、同じ「サンワ」と名が付いた他社と誤認されることがあるため、社名変更を通じて認知度を高め、事業を拡大していくことが目的です。
ほかにも、建材業界においては、情報の非対称性が問題となっています。当社はそこを問題視しており、情報開示という形で20年以上前からECでのワンプライス販売を行っていて、これが今後のスタンダードになると確信しています。そうなれば、一気にゲームチェンジが起こるでしょう。
近年はSNSの普及により、デザイン性の高い商品が求められるようになっており、追い風になっていると考えています。私たちの強みであるデザイン性の高さが、これからの時代にマッチしていると確信しているため、将来に向けて大いに期待しています。
新事業の住宅事業について
先ほどお話しした通り、当社の建材ラインナップは業界の中でもかなり幅広く、屋根や窓枠、外壁以外のものはほぼ全て当社製品で家が建てられる状態になっています。当社の規模が大きくなるにつれ、お客様から、当社の建材を使って家を建てたいというお声をいただくことが増えており、そこから自分たちの手で空間を作れる体制を模索するようになってきました。そのため福岡の工務店を2022年に買収し、実際に家を建てるノウハウの経験を積んでいる最中です。M&Aを実行して良かったと感じています。
一方、当社だけで買収を進めていっても、日本中の家のデザイン性のレベルが上がるスピード感は足りないと考えています。そこで、ASOLIEというデザイン住宅のボランタリーチェーンを展開しており、各工務店さんに自由に家を建ててもらう形をとっています。基本的には自由に建てていただいていますが、当社が培ってきたデザイン性の高い家を建築するノウハウをレシピとして提供しています。加入いただいた工務店さんにはレシピをお渡しして、好きなように使ってもらい、出来上がった家を我々が採点し、一定の基準を満たしたものは公認の家としています。
これによって、日本全国に色や形態の共通性はないものの、デザイン性の高い家が広がっていくと考えています。近年住宅の新築着工件数は下がっていますが、若年層や家を建てたいと考える方々の、理想であるかっこいい家に住みたいというニーズが増え続けているため、全体の市場が縮小しても、当社が取れる範囲の層はまだまだ大きくなれると考えています。
どのようにビジネスモデルを変革されていこうとされているのか。
我々はワンプライスで透明性を保っているため、同業他社のように提示価格を上げることで利益を得ているわけではありません。 そのため、値段をごまかしづらいという部分があり、工務店さんから嫌われる存在になっています。このような工務店さんは、価格競争に手を出してしまい、結局安くしてくれという要求が多くなります。 しかし、一方でデザイン性を押し出して脱却したいと考えるお客様もいらっしゃり、そのような工務店さんと我々は協力していきたいと考えております。
また、成長意欲を持った工務店さんと組んでいくことで、品質保証の面でも強化していきたいと考えております。 日本の品質保証は、政府が用意している10年保証があるものの、それは登録されている工務店さんのところでしか実施されず、中古で買った場合など工務店がなくなっている場合には継続できないということがあります。 このようなグレーな部分を見える化し、当社が情報の非対称性の解消を進めていくことが重要だと考えております。
ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言
当社のアイデアル視点や今後の成長についてお話ししたいと思います。10月に、株式会社ミラタップという社名に変更する予定です。この変更を皆様に認知していただきたいと考えており、社名には「未来へタップする」という意味合いを込めています。
弊社は業界随一のラインナップを持ち、全ての商品がミニマリズムというデザインコンセプトに立ったシンプルでモダンなデザインで作られています。世界中から賞を受賞し、評価されていることが強みです。 また、どなた様でも同じ価格で手に入れることができるワンプライスの販売方法を採用しており、これは建材業界において異質で非常識な販売方法ですが、当社はこれにより明確なポジショニングを確立していると考えています。
時代の流れに沿った当社の取り組みに、皆様もぜひ目を向けていただきたいと思っております。ホームページをご覧いただき、お時間があればショールームに訪問いただければ、当社の良さをご認識いただけると思います。どうかよろしくお願いいたします。
- 氏名
- 津﨑 宏一(つざき・こういち)
- 会社名
- 株式会社サンワカンパニー
- 役職
- 取締役副社長/米国公認会計士(USCPA)