トラリピは通貨ペアの価格が上がるか下がるかを予測するのではなく、価格が動く範囲を予想して運用する自動売買ツールです。大きな値幅を狙う必要がないため、相場分析の経験が浅い人でも取り組みやすい取引手法と言えます。
一方で、「トラリピはやばい」「儲からない」「大損のリスクがある」といった懸念の声も存在します。たしかに注意が必要なポイントはありますが、適切な設定と運用を行えばトラリピは十分利益の得られる投資手法です。
今回は、「トラリピの評判や口コミ」「大損すると言われる理由」「おすすめの設定」などについて詳しく解説します。
トラリピとは?仕組みをわかりやすく解説!
トラリピとは「トラップ・リピート・イフダン」の略で、マネースクエア社が提供するFXおよびCFDの自動売買サービスです。この名称は、以下の3つの機能に由来します。
- トラップ:相場に複数の注文を仕掛ける
- リピート:注文を自動的に繰り返すことで手間を省く
- イフダン:新規注文と決済注文を同時に行う
トラリピは「イフダン注文」を何度も繰り返すことで、利益をコツコツと積み上げていく仕組みの自動売買です。
一般的に、FXの相場は一定の値幅を上下するレンジ相場の期間が長いと言われています。トラリピは、そのレンジ相場で繰り返し売買を行うことで利益を狙う取引手法です。相場の方向性を正確に予測する代わりに、広い範囲に多数の注文を仕掛け、リピート機能により価格変動を継続的に捉えていきます。
簡単に言えば、トラリピはレンジ相場を得意とし、正確な相場分析を必要としない自動売買ツールです。また、レンジ相場からトレンド相場に転換した場合に備え、損切りの逆指値注文を設定できるなど、リスク管理機能もしっかりと搭載されています。
トラリピはレンジ相場で取引を繰り返す仕組みを採用しているため、長期的にコツコツと利益を積み上げていきたい人に適した自動売買ツールと言えます。
トラリピの良い評判・口コミ【メリットとは?】
トラリピの良い評判や口コミとして、主に以下の5つが挙げられます。
相場の予想が不要
30代男性FX歴:2年~3年
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自分の設定した条件に応じて自動的に売買を行うので、感情に左右されずに取引できます。また、トラリピは相場の変動に対応して売買を調整するので、損失を最小限に抑えられます。トラリピを使ってから、利益が増えました。
トラリピは相場の正確な予想を必要としないため、初心者でも始めやすい点がメリットです。事前に設定した価格帯で、自動的に売買を繰り返す仕組みとなっています。
通常のFXでは、価格の上昇や下降を予測して取引を行います。しかし、正確な変動予測はプロでも難しく、初心者にとってはさらに挑戦的です。
一方、トラリピでは広い範囲に多数の注文を仕掛けるため、予想した範囲内で価格が推移する限り、継続的に利益を生み出せます。相場予想をしなくても運用できる点は、初心者にとって大きな魅力と言えるでしょう。
初心者でも簡単に設定できる
30代男性FX歴:半年~1年
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トラリピはアプリで簡単に設定や変更ができます。例えば、注文の価格帯や数量、決済の幅などを自分の好みに合わせて調整できます。また、注文履歴や残高なども見やすく表示されています。操作性や見た目が良いと感じます。他の自動売買ツールと比べても使いやすさに優れていると思います。
トラリピは自由度の高い自動売買ツールであり、以下のような項目を自分の好みに応じて設定できます。
- 売買するレンジの範囲
- トラップ本数
(レンジ内で仕掛けるリピートイフダンの数) - 一度の取引で狙う利益の値幅
- 決済トレール
(相場の動きに応じて決済価格を自動調整する機能) - ストップロス
(損切りラインの設定)
カスタマイズ性の高さは中上級者にとって大きなメリットですが、初心者には複雑に感じられる可能性があります。
その場合にオススメなのが、「トラリピ戦略リスト」に掲載されている戦略の活用です。トラリピ戦略リストには、アナリストやストラテジストなどの専門家が作成した優秀な売買戦略が掲載されており、簡単に導入できます。
トラリピでは設定が成果を大きく左右します。そのため、初心者は「トラリピ戦略リスト」に掲載されている戦略を参考にしたり、好調な戦略を設定したりして、専門家が分析・考案した戦略を上手に活用しましょう。
少額から始められる
トラリピは1,000通貨単位から取引できるため、少額から自動売買を始められます。少額からスタートできることは、まとまった資金を用意できない人や、損失をできるだけ抑えたい自動売買初心者にとって大きなメリットです。
トラリピの運用には、以下の資金が最低限必要です。
- 必要証拠金(発注時)
- レンジ内で発生する評価損
例えば、米ドル/円を買いで99円から101円の間で3本、1万通貨で設定した場合、以下のように評価損が発生する可能性があります。
取引で必要となる具体的な金額は、後述する「リスクを試算」ボタンを使って簡単に確認できます。トラリピは数万円単位の少額から始められ、必要資金も自動で計算されるため、初心者でも取り組みやすい自動売買システムです。
リスク管理がしやすい
30代男性FX歴:半年~1年
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トラリピは設定も操作も簡単です。また、FXの知識や経験がなくても利益を出せる可能性があります。初心者でも気軽に始められる自動売買ツールだと思います。ただし、トラリピは相場の変動によって大きな損失を出すこともあるので、注意が必要です。リスク管理や資金管理をしっかり行うことが大切です。
トラリピで取引リスクや必要な資金を簡単に把握できるため、初心者でも安心して運用を進められます。注文時に「リスクを試算」ボタンを押すだけで、リスクや必要資金などをすばやくチェック可能です。
例えば、米ドル/円を買いで95円から105円の間で10本、1,000通貨で設定した場合のリスクは以下のように表示されます。
レンジ内で動いたときの最大評価損(見積評価損)が4万9,995円、必要資金(注文に必要な最小資金)が8万7,995円であることが一目瞭然です。
ただし、ロスカットのリスクを軽減し、より安全に取引するためには以下の点に注意を払うことをおすすめします。
- レンジを広めに設定する
- 余裕資金を用意する
- レバレッジを控えめに設定する
FX取引に必勝法は存在しません。そのため、不測の事態に備え、取引におけるリスクや必要資金を十分に確認しておくことが重要です。
サポート体制が充実している
30代男性FX歴:2年~3年
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トラリピは初心者でも簡単に使える自動売買ツールです。自分の目標や好みに合わせて設定できるので、自分に合った取引ができます。また、サポートも充実しているので、安心です。トラリピは初心者におすすめできる自動売買ツールだと思います。
トラリピを運営しているマネースクエアは、サポート体制が充実していることで知られています。利用できるサポートの種類は以下の通りです。
- 電話:9:00~17:00(土日祝除く)
- メール
- トラリピ・オンラインサポート(随時開催)
特にトラリピを始めたばかりの人には「トラリピ・オンラインサポート」がおすすめです。このサービスでは、トラリピ支援チームのスタッフがオンラインで運用開始を丁寧にサポートしてくれます。
3種類のグループセミナーが用意されており、個々のニーズに合わせたセミナーを選択可能です。
また、セミナー中にはスタッフがユーザーからの質問に答える時間も設けられているため、トラリピに関する疑問点を解消する絶好の機会となります。
トラリピの運用に関して不安や疑問がある人は、まずトラリピ・オンラインサポートを活用し、不明点を解消してから運用を開始するとよいでしょう。
トラリピの悪い評判・口コミ【デメリットとは?】
トラリピの悪い評判や口コミとしては、主に以下の4つが挙げられます。
含み損が発生する
トラリピの仕組み上運用中に含み損が発生するのは避けられません。これは、レンジ内での価格変動を狙う取引特性によるものです。
ポジションが増えるにつれて含み損は拡大しますが、相場が反転すると含み損は減少し、最終的に手元に利益が残ります。この「含み損と利益の反復」がトラリピの基本的な仕組みです。
ただし、価格がレンジ内で推移する限り損切りを行わないため、含み損を抱える期間が長くなる可能性があります。そのため、以下のようなリスク管理を徹底することが重要です。
- レンジを広めに設定しておく
- レンジから外れた場合に備えて余裕資金を用意しておく
- レバレッジを低めに設定して運用する
こうした対策を取ることで、ロスカットのリスクを最小限に抑えられます。
スプレッドが比較的広め
30代男性FX歴:5年以上
2
トラリピは取引手数料はないですが、その分スプレッドがかなり広くなっています。 自分で手動取引していればその半分以下になるので、トラリピでマイナスが増えていくとそのスプレッドが更に足を引っ張るように思えます。
トラリピは取引手数料が無料ですが、その代わりにスプレッドが比較的広めに設定されています。スプレッドは実質的な取引手数料となるため、注意が必要です。
トラリピのスプレッドは変動制となっています。2024年11月26日10時頃にスプレッドを調査した結果は、以下の通りです。
通貨ペア名 | スプレッド |
---|---|
米ドル/円 | 4.1銭 |
ユーロ/円 | 8.1銭 |
ポンド/円 | 7.5銭 |
豪ドル/円 | 6.7銭 |
ユーロ/米ドル | 4.0pips |
豪ドル/NZドル | 7.0pips |
スプレッドの狭さを重視したい場合には、松井証券FXの「100円から自動売買」がおすすめです。米ドル円のスプレッドは0.2銭からと、裁量取引に近い低スプレッドで自動売買を運用できます。
米ドル/円 | 0.2~0.9 |
---|---|
ユーロ/円 | 0.5 |
豪ドル/円 | 0.7 |
カナダ/円 | 1.7 |
スイス/円 | 1.8 |
ポンド/円 | 1.1 |
NZドル/円 | 1.2 |
ランド/円 | 1 |
トルコリラ/円 | 2.9 |
メキシコペソ/円 | 0.3 |
ユーロ/米ドル | 0.4 |
豪ドル/米ドル | 0.9 |
ポンド/米ドル | 1 |
NZドル/米ドル | 1.7 |
ユーロ/豪ドル | 1.6 |
ポンド/豪ドル | 3.3 |
米ドル/スイス | 1.7 |
ポンド/スイス | 2.9 |
ユーロ/ポンド | 1.1 |
豪ドル/NZドル | 2.5 |
「100円から自動売買」もトラリピと同様に、レンジ内での価格変動を狙った自動売買の仕組みを採用しています。
取扱通貨ペアが少ない
トラリピは他社の自動売買サービスと比べて、取引可能な通貨ペア数が少なめです。取引できる通貨ペアの数が限られていると、それだけ取引チャンスも減ってしまうため、これは一つのデメリットと言えます。
FX会社 | 自動売買サービス名 | 取扱い通貨ペア数 |
---|---|---|
マネースクエア | トラリピ | 17通貨ペア |
みんなのFX | みんなのシストレ | 34通貨ペア |
外為オンライン | iサイクル2取引 | 26通貨ペア |
ただし、初心者の場合は米ドル/円やユーロ/円、ポンド/円、ユーロ/米ドルなど、情報が入手しやすく値動きも比較的素直な通貨ペアでの取引が適しています。そのため、取り扱い通貨ペア数が17通貨ペアと少ないトラリピでも、初心者にとっては大きな問題にはならないでしょう。
より多くの通貨ペアを希望する場合は、34通貨ペアが用意されている「みんなのシストレ」がおすすめです。
トレンド相場に弱い
トラリピはその仕組み上、トレンド相場に弱いというデメリットがあります。これは、トラリピが上下双方向の値動きを利用して利益を積み上げる仕組みであるため、一方的な値動きが続くトレンド相場には適していないからです。
ただし、トラリピにはトレンド相場に対応できる「決済トレール」機能が用意されています。トレールとは英語で「追跡する」という意味です。決済トレールでは相場が動くに従って決済価格を調整し、トレンド相場での利益拡大を狙います。
注意点として、決済トレールを設定したトラリピは通常のトラリピと比較して、レートが20銭(※)余計に上下しないと決済が成立しないというデメリットがあります。
一般的に、FXではレンジ相場の期間がトレンド相場よりも長いとされています。そのため、基本的には通常のトラリピを利用するのがおすすめです。
「トレンド相場が発生するかもしれない」と判断した場合にのみ、決済トレール機能を活用するとよいでしょう。
トラリピで大損してしまう理由とは?【失敗を防ぐ方法を紹介】
この項目では、トラリピで大損してしまう理由と、失敗を防ぐための2つの方法を紹介します。
トラリピで大損してしまう理由
トラリピで大損してしまうケースで多いのが、価格が設定したレンジから外れてしまうことです。買い注文の場合は価格が下がりすぎ、売り注文の場合は価格が上がりすぎると、利益を得られないどころか損失が拡大してしまいます。
対策①損失リスク方向のレンジを厚めにする
1つ目の対策は、損失リスク方向のレンジを厚めに設定することです。例えば、買いの場合は下方向のレンジを広めにとることで、リスクを軽減できます。
対策②注文数量とトラップ本数を控えめにする
もう1つの対策は、注文数量とトラップ本数を控えめに設定することです。注文数量が大きいと保有するポジションの規模が大きくなり、トラップ本数が多いとポジションの数が増え、それに伴いリスクも高まります。
注文数量を小さくしトラップ本数を減らすことで、リスクとリターンのバランスを良好に保つことが可能です。
注文数量 | トラップ本数 | トータルの発注量 |
---|---|---|
0.1万 | 50本 | 50,000ドル |
0.3万 | 30本 | 90,000ドル |
0.5万 | 10本 | 50,000ドル |
1万 | 50本 | 500,000ドル |
1万 | 99本 | 990,000ドル |
また、損失リスク方向に価格が外れた場合、早めに損切りを行うことも損失の拡大を防ぐ効果的な方法です。トラリピでは、注文をして運用を開始する際に「リスクを試算」ボタンを押すことで、リスクや必要な資金を自動計算できます。
自分の設定がどの程度のリスクを伴うものなのかを確認し、必要に応じて設定を調整することが取引成功の鍵となります。
トラリピのおすすめ設定を解説!【最強設定とは?】
トラリピでおすすめの設定は、豪ドル/NZドルを活用した「ダイヤモンド戦略」です。豪ドル/NZドルのダイヤモンド戦略がおすすめな理由について、以下で詳しく解説します。
狭い値幅でのレンジ相場を形成しやすい
豪ドル(オーストラリア)とNZドル(ニュージーランド)は、同じオセアニア地域の通貨です。相関関係が強く、狭い値幅でのレンジ相場を形成しやすいことで知られています。
トラリピはレンジ相場に強い自動売買ツールであるため、レンジ相場を形成しやすい豪ドル/NZドルはトラリピにぴったりの通貨ペアです。
実際のデータを見ても、豪ドル/NZドルは非常に狭い値幅で動いており、設定したレンジを越える動きが少ないことがわかります。
設定したレンジをはみ出す動きが少ないため、取引が頻繁になり利益を上げやすくなります。また、設定したレンジから大きく外れるリスクが少なく、大きな損失を抱える可能性が低い点も豪ドル/NZドルのメリットの一つです。
ショック相場の影響を受けづらい
豪ドル/NZドルには、ブレグジットやコロナショックのような「ショック相場」の影響を受けにくいという特徴もあります。
ショック相場の発生によって急騰や急落が起きた場合、設定したレンジを大きく外れ、大きな損失を抱えるリスクがあります。最悪の場合、ロスカットに至る可能性も否定できません。
しかし、豪ドル/NZドルは他の通貨ペアと⽐べてショック相場における変動率が低いため、設定したレンジを大幅に外れるリスクを抑えることが可能です。
ダイヤモンド戦略なら豪ドル/NZドルの特徴が活かせる
豪ドル/NZドルの「狭い値幅のレンジ相場を形成しやすい」という特徴を活かせる戦略が「ダイヤモンド戦略」です。ダイヤモンド戦略は売りと買いの両方を仕掛ける戦略で、レンジを4等分し、中央部分(よく動くと思われる範囲)の注文金額を両端よりも増やします。
中央部分の注文量が厚く、両端が薄く設定されている様子が「ダイヤモンド」に例えられ、戦略名の由来となっています。
例として下の画像をご覧ください。売り(青)と買い(赤)のゾーンが2つずつ、計4つ設定されています。このうち中央の濃い青と濃い赤のゾーンでは、両端に比べて注文金額が増やされています。
豪ドル/NZドルのダイヤモンド戦略は、実際に高いパフォーマンスを誇ります。アナリストやストラテジストなどの専門家が作成した売買戦略が並ぶ「トラリピ戦略リスト」の中でも、設定来パフォーマンスでナンバーワンの実績を記録している状況です。※
戦略の仕組み自体は一見複雑に感じられるかもしれませんが、トラリピ戦略リストから豪ドル/NZドルのダイヤモンド戦略を選択することで、簡単に運用を開始できます。これからトラリピを始める人には、トラリピの仕組みにマッチし、実績も優れている豪ドル/NZドルのダイヤモンド戦略がおすすめです。
当記事で紹介している会社は、すべて金融庁から許可を受け財務局に登録されおり、かつ金融先物取引業協会に加入している業者です。
本記事で参考にしたサイト一覧