クレジットカードは、更新時にも審査があることをご存じでしょうか?
クレジットカードには有効期限が設定されており、有効期限が切れる前に自動更新され、更新カードが届けられます。ただし、更新の際には審査が行われており、審査落ちの場合には更新ができません。
この記事では、クレジットカードの更新時の審査の詳細から、更新審査に落ちた場合の対処法を解説します。
クレジットカードは更新時にも審査される
クレジットカードが更新される際には、カードの利用状況や申込者の信用情報が審査されています。
ここでは、クレジットカードの更新についての基礎的な知識を解説します。
クレジットカードは自動更新
クレジットカードは自動更新されますので、カードの更新時に手続きを行う必要はありません。
有効期限が近くなると、カードの利用状況や申込者の信用情報を基に、自動的に更新審査が行われます。更新審査に通過した場合、有効期限が切れる前に更新カードが届き、次の有効期限まで継続してカードを利用できます。
なお、更新カードはクレジットカードの会員情報として登録済みの住所に届けられますので、引っ越しがあった場合は住所変更をしておくようにしましょう。
更新後のカードはいつ届く?
クレジットカードは有効期限の約1ヵ月前に自動更新され、更新カードは有効期限月の初旬頃に届けられます。
たとえば、2023年6月が有効期限の場合、2023年6月初旬頃に更新カードが届けられます。この例の場合、2023年6月末までは更新前のカードと更新カードのいずれも利用できますが(新しいカードを一度でも使用すると、古いカードは有効期限内でも使えなくなる場合があります)、切り替えを忘れてしまわないように、更新カードが届いたらそちらを利用するようにしましょう。
また、更新カードは簡易書留で発送されるケースが多く、不在時には受け取りができません。不在通知が届いていた場合は、期限内に再配達を依頼する必要があります。
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更新されたカードに変更点はある?
更新時の審査結果によっては、更新されたカードの限度額や有効期限が変更されるケースがあります。
更新審査の際には、カードの利用状況や年収に応じて「支払可能見込額」が調査されます。たとえば、転職により申込時よりも年収が減った場合、更新時に限度額が下がってしまう原因になり得ます。
また、クレジットカードには一般的に3年から7年の期間で有効期限が設定されています。更新までの期間に支払いの遅延があったなど、信用情報によっては、更新前よりも有効期限が短くなってしまう場合もあります。
そのため、更新カードが届いたら、更新前の限度額や有効期限と比べて変更点がないかを確認しておくことが重要です。
ETCカードは別途郵送される
クレジットカード更新時には、ETCカードは別途郵送されるため、カードが到着するタイミングが異なります。
一般的には、更新クレジットカードの郵送後、1~2週間程度でETCカードが届けられますので、有効期限が満了する月の中旬頃に更新されたETCカードが届くことになります。
更新されたETCカードが届いたら、ETCレーンでのトラブルを防ぐためにも、ETC車載機のカードを入れ替えておきましょう。
学生専用カードや年齢制限のあるカードの更新について
学生専用カードや年齢制限のあるカードの更新時の対応は、クレジットカード会社によっても異なりますが、一般カードに切り替えられるケースが多いです。
たとえば、学生専用カードを利用している方が卒業し、新社会人になってから更新のタイミングを迎えた場合、同じクレジットカード会社の一般カードに切り替えとなるケースが一般的です。
また、年齢制限付きのカードの場合、対象となる年齢を過ぎても同じ条件で引き続き更新できるケースもあります。
クレジットカードの更新審査に落ちた場合の対処法
クレジットカードの更新審査に落ちた場合には次のような対処が必要です。
原則として、更新審査の結果は変わりませんので、速やかに対処を行う必要があります。
代替のクレジットカードを用意する
クレジットカードの更新審査に落ちた場合、カードの有効期限が切れる前に速やかに代替のクレジットカードを用意しましょう。
更新審査に落ち、更新が見送りとなった場合、ハガキやメールでカード発行見送りの案内が送られてきます。この場合、更新カードは届きませんので、有効期限が過ぎてしまうとカードが使えなくなります。
次のような支払い先に更新審査に落ちたカードを登録している場合、有効期限切れになる前に、ほかのクレジットカードや支払い方法に変更しておきましょう。
- ETCカード
- 公共料金の支払い
- サブスクリプションサービスの支払い
クレジットカードの更新審査に落ちてしまった場合、対象のクレジットカードに付帯するETCカードも更新されません。ETCカードの有効期限切れによるトラブルを防ぐためにも、ETC車載機に挿入したカードの入れ替えは特に重要です。
また、クレジットカードが有効期限切れで利用停止になると、カードのポイントプログラムで貯まっていたポイントも同時に失効してしまうケースがあります。せっかく貯めたポイントをムダにしてしまわないように、有効期限切れ前にポイントの交換も済ませておくようにしましょう。
更新審査に落ちたことにより、信用情報に悪影響を与える心配はありません。ただし、更新審査に落ちた原因が未払いや支払い延滞だった場合、ほかのクレジットカードの審査にも影響を与えてしまいます。
更新審査に落ちたらリボ残高は一括返済しなければならない?
更新審査に落ちた場合でも、リボ残高を一括返済する必要はなく、これまでどおりの返済が継続します。
そのため、有効期限切れによりカードが利用できなくなってからも、リボ残高を完済するまでは、月々の返済が必要です。リボ残高の支払いについて未払い状態が続くと、「期限の利益の損失」により、リボ残高が一括請求されてしまうリスクがあります。
余裕のある方の場合、リボ残高を一括で返済すれば、ムダなリボ手数料の発生を防げます。
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更新審査はいつ行われる?
クレジットカードの更新審査が行われるタイミングは次のとおりです。
更新審査は途上与信とも呼ばれ、更新時以外にもさまざまなタイミングで審査が行われます。
クレジットカードの更新時
クレジットカードの更新時には、更新審査が行われ、カードの利用状況や会員の信用情報が審査されます。
更新審査は有効期限の約1ヵ月前に行われ、審査に問題がなければ有効期限月の初旬頃に更新カードが届けられます。クレジットカードは自動更新ですので、特に手続きの必要はありません。
また、更新審査の結果によっては、更新見送りとなる場合や、限度額や有効期限に変更がある場合があります。
限度額の増枠時
限度額の増枠を申請した際にも審査が行われます。
限度額の増枠時には、カードの利用状況や信用情報に加え、申込者の支払可能見込額が調査されます。支払可能見込額とは、申込者の年収から生計の維持に必要な支出や債務を除き、無理なく支払いができる金額です。
また、自身で増枠を申請したタイミングだけでなく、自動的な途上与信により、限度額が増減する場合もあります。
キャッシング利用時
新たにキャッシング枠を利用する際にも審査が行われます。
キャッシング枠を利用するためには、クレジットカードとの同時申し込み、もしくはカード発行後にキャッシング枠の申し込みが必要です。
キャッシングでの借り入れは、総量規制による規制の対象となりますので、年収の3分の1を超える借り入れが原則禁じられています。そのため、他社での借入金額と合計すると年収の3分の1を超えてしまう方の場合、審査に通過することはできません。
有効期限が過ぎても更新カードが届かない場合
クレジットカードの有効期限が過ぎたにもかかわらず更新カードが届かない場合、次のような原因が考えられます。
更新審査に落ちた
更新審査に落ちた場合、更新カードは届きません。
クレジットカードの更新時には、カードの利用状況や信用情報を基に審査が行われます。審査の結果、更新が見送りになった場合、ハガキやメールにより更新見送りが通知されます。
更新審査に落ちてしまうと、有効期限満了に伴いカードの利用ができなくなりますので、各種支払い先の登録を変更し、代替カードに切り替えておきましょう。
住所変更の届け出をしていない
更新見送りの通知がないにもかかわらず更新カードが届かない場合、住所変更の届け出をしていないケースが考えられます。
クレジットカードは通常、有効期限が切れる前に自動更新され、会員情報として登録されている住所に発送されます。そのため、有効期限内に引っ越しをした場合、各クレジットカードの会員サイトから住所変更の届け出をしておかなければなりません。
住所変更の届け出を忘れていた場合、会員情報を更新後、更新カードが届けられます。
トラブルにより発送が遅れている
クレジットカード会社、もしくは配送会社のトラブルにより到着が遅れるケースもあります。
特に、台風等の災害が発生したタイミングでは、配送に遅れが生じるケースも少なくありません。有効期限月の中旬を過ぎても更新カードが届かない場合、更新カードの発送を通知するメールに記載された問い合わせ番号から配送状況を問い合わせてみましょう。
また、留守がちで更新カードを長期間受け取れなかった場合、郵便局での保管期限を過ぎてクレジットカード会社に返送されているケースもあります。
クレジットカードの更新審査に落ちてしまう原因
クレジットカードの更新審査に落ちてしまう原因としては、次のようなものが挙げられます。
支払いの遅延や滞納がある
更新を迎えるクレジットカードに、支払いの遅延や滞納があった場合、更新審査に落ちてしまう可能性が高まります。
更新審査では、カードの利用状況や信用情報を基に審査されます。そのため、カードの利用中に支払いの遅延や滞納があった方の場合、今後の返済に対してもリスクが想定されますので、更新が見送られてしまうのは自然な流れです。
支払いが遅れがちな方は、少なくとも有効期限満了月の3ヵ月程度前からは期日通りに支払いをするように意識しましょう。
退職や転職で属性状況が変わってしまった
退職や転職により年収が減ってしまった方をはじめ、属性状況が変わってしまった方は更新審査に落ちてしまう可能性があります。
更新審査の際には、支払可能見込額の調査も行われます。退職や転職により、カード発行時よりも年収が減ってしまうことは、更新の見送りや限度額の減額の原因です。
特に、正社員からパートになった方や、定年退職により年金収入のみになった方など、属性情報が大きく変わってしまった方は更新審査に落ちるリスクが高くなります。
カードの利用実績がない
年に1回もクレジットカードの利用がなく、有効期限内にカードの利用実績が少ない方は、更新審査に落ちてしまう可能性があります。
クレジットカードの更新審査では、カードの利用機会も重視されます。更新までの期間内にカードの利用実績が少ない方の場合、カード会社にとっては利益につながる顧客ではありませんので、更新が見送られてしまうのも自然です。
そもそも、使っていないクレジットカードを放置しておくとセキュリティリスクも高まりますので、使わないカードは解約して整理しておくようにしましょう。
更新前に他社カードを複数枚申し込みしている
更新前に他社カードを複数枚申し込みしている方の場合、更新対象のカードの利用機会が少なくなると判断され、更新が見送られてしまう可能性があります。
更新審査の際には、信用情報機関に登録された信用情報が参照されます。クレジットカード会社が多く加盟する信用情報機関「CIC」の場合、クレジットカードの申し込み情報は6ヵ月間保管されますので、更新月の6ヵ月以内に申し込みをしたクレジットカードの情報は参照される対象です。
新しいクレジットカードの申し込みをしたユーザーは、更新対象のカードの利用機会が減ると考えるのが自然ですので、更新見送りのリスクが高くなります。
信用情報に傷がついてしまった
他社のクレジットカードやカードローンで支払いの遅延や滞納があり、信用情報に傷がついてしまうと、更新審査に落ちるリスクが高まります。
更新審査の際には、カードの利用状況に加えて信用情報も判断基準となります。信用情報機関には、クレジットカードやカードローンの契約や申し込み、利用に関する情報が登録されますので、他社クレジットカードやカードローンの遅延や滞納の情報も照会されます。
また、有効期限内に自己破産や任意整理を行った場合も、更新審査に通過するのは難しいでしょう。
クレジットカードの更新審査で重視される点
クレジットカードの更新審査の際には、次のような点が重視されると考えられます。
更新審査の基準は公開されていませんが、審査で重視する点は各社共通であると考えてよいでしょう。
社内データ
更新審査では、クレジットカードの利用実績をはじめとした社内データが重視されると考えられます。
たとえば、カードの利用金額の支払いに遅延や滞納がある方の場合、更新審査が不利になるのは当然ですが、カードの利用実績がない方の場合にも更新が見送りになるケースがあります。
年に1回も利用がなかったために利用実績がない方の場合、クレジットカード会社としては会員情報維持のコストだけがかかってしまうため、カードを更新するメリットがないと判断されることがあります。
属性情報
更新審査の際には、勤務先や年収について、申込時からの変更はないかを属性情報から調査されます。
属性情報には、年収や勤務先、家族構成をはじめ、申込者本人の支払い能力を判断するための情報が含まれます。たとえば、転職や退職により、年収が減ってしまった方の場合、更新の見送りや限度額の減額を想定しておきましょう。
また、転職や退職により、雇用形態が大幅に変わってしまった方は、そのことが更新審査に影響を与える可能性があります。たとえば、正社員からパートに変わった方や、定年退職により無職になった方は注意が必要です。
信用情報
更新審査では、カードの利用状況のほか、信用情報機関に登録された信用情報が参照されます。
信用情報は「クレジットヒストリー(クレヒス)」とも呼ばれ、クレジットカードやカードローンの契約や利用状況、申し込みに関する情報を指します。クレジットカードやカードローンの審査の際には、信用情報機関に登録された信用情報が参照されます。
そのため、更新を迎えるクレジットカードの支払いに問題がなくても、他社のクレジットカードやカードローンの支払いに遅延や滞納があった場合、更新審査落ちの原因となります。
信用情報機関では、手数料を支払って自身の信用情報を開示することも可能です。更新審査が不安な方は、信用情報を開示して確認しておくのもよいでしょう。
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更新カードが届いた際にやるべきこと
更新カードが届いた際にやっておくべきことは次のとおりです。
署名欄にサインをしておく
カードの裏面に署名欄がある場合、カードが届いたらすぐにサインをしておきましょう。
署名欄にサインがない場合、売上票へのサインが必要な店舗で決済ができないことがあります。また、万が一、カードが不正利用の被害にあった場合も、署名欄にサインがなければ補償を受けられません。
ただし、近年では、ナンバーレスカードといって、カード裏面に署名欄がないカードも増えています。署名欄のないカードの場合は、サインの必要はありません。
古いカードを破棄する
更新カードが届いたら、古いカードを安全に破棄しておくようにしましょう。
更新カードは、有効期限月の初旬頃に届きますので、有効期限が満了するまでの期間は更新前のカードも利用できます(更新後のカードを一度利用すると、更新前のカードが使えなくなる場合もあります)。そのため、悪意のある第三者に拾われて不正利用されないように、ICチップや磁気テープ部分にハサミを入れて、利用できない状態にしてから破棄する必要があります。
ETCカードを利用している方には、クレジットカードと別便でETCの更新カードも届きますので、忘れないように車載器のカードを入れ替えておきましょう。
カードの利用条件を確認する
クレジットカードの更新時には、カードに同封されたお知らせや会員ページから、カードの利用条件に変更点がないかを確認しておきましょう。
更新審査では、支払可能見込額の調査が行われます。カードの利用状況や更新時の支払可能見込額の調査結果によっては、限度額の減額や有効期限の短縮がある可能性があります。
特に、転職や退職により、年収等に変更がある方の場合は注意が必要です。
自動引き落としの支払いを更新する
更新によってクレジットカードの有効期限が新しくなったら、クレジットカードでの自動引き落としに設定している支払い先の情報を更新しておきましょう。
クレジットカードでの自動引き落としを設定する際には、カード番号に加え、有効期限やセキュリティコードが登録されます。有効期限を過ぎた際に、自動的に有効期限が更新されるサービスもありますが、多くの場合、有効期限を入力し直す必要があります。
公共料金やサブスクリプションサービス等の支払いにクレジットカードを利用している場合、支払い情報を更新しましょう。
クレジットカードの更新時には審査落ちになるケースも!利用状況にも注意が必要
クレジットカードの更新時には、カードの利用状況や信用情報を基に審査が行われます。
更新を迎えるクレジットカードの支払いに遅延や滞納があった場合、カードが更新されずに審査落ちになるケースがあります。また、年に1回もカードの利用がなかったために利用実績がない方は更新が見送られる場合も少なくありません。
クレジットカードを継続して利用するためにも、期日どおりの支払いを心がけるようにしましょう。