「買いたい物件が決まっているのに、仮審査で落ちてしまった」
「これから仮審査を申し込むにあたって、気を付けておいた方がいいことはある?」
これから住宅ローンを借りたいと考えている方にとって、最初の関門が仮審査です。基本的に、どこの金融機関でも仮審査に通過しないと本審査に進むことができません。仮審査に落ちてしまったら、別の金融機関を探さなければいけないのです。
スムーズに融資を受けるために、事前に仮審査の審査項目や必要書類、審査に通過するためのポイントなどを踏まえた準備をしておきましょう。
本記事では、仮審査の特徴や審査のポイントをわかりやすく解説しています。本記事を参考に対策を取ることで、仮審査への不安を減らせるはずです。
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住宅ローンの仮審査とは?
住宅ローンの仮審査とは、本審査前の準備としての審査のことです。
住宅ローンの本審査は必要書類が多く、審査にも時間がかかります。そのため、まずは仮審査を受けて、審査に通過する可能性がどのくらいあるのかを確認しておくのです。
仮審査と事前審査との違い
仮審査と事前審査は、どちらも同じ意味の言葉です。住宅ローンの本審査を受ける前の、簡易的な審査を仮審査や事前審査と呼びます。
どちらの呼び方を使っているかは、金融機関によって異なります。呼び方が違うだけですから、どちらでも問題ありません。
仮審査はいつ?住宅ローン利用の流れ
住宅ローンを利用する場合の一般的な流れは、以下の通りです。
2. 利用したい金融機関の候補を決める
3. 仮審査の申し込みをする
4. 仮審査の結果が届く
5. 契約する金融機関を決める
6. 必要書類をそろえて本審査の申し込みをする
7. 本審査の結果が届く
8. 住宅ローンの契約を行う
9. 住宅ローンが実行される(融資が行われる)
このように、仮審査はある程度購入したい物件が決まってから申し込む場合が多くなっています。これは、ある程度物件が決まることで借入希望額がはっきりするためです。
仮審査の申し込みには物件のパンフレットや不動産会社などが必要な場合が多いため、ある程度候補が決まってから申し込みましょう。
住宅ローン仮審査・本審査の審査基準と違い
住宅ローンを利用するためには、仮審査と本審査、2回の審査を受けるのが一般的です。まずは仮審査でおおよその借入可能額や審査に通過する見込みがあるかどうかをチェックし、その後、不動産会社と詳細な打ち合わせを行って本審査に進みます。
仮審査と本審査の共通点
住宅ローンの仮審査は、本審査を通過できる可能性がどのくらいあるのかについて確認するためのものですから、おおまかなチェックポイントは本審査と変わりません。
・借り入れ金額が収入と見合っているか
・返済期間は適切か
・信用情報に問題はないか
ただし、仮審査はできるだけスピーディに審査に通過するかどうかを確かめるためのものですから、それほど細かい事実確認は行われません。仮審査で自己申告した内容などについて、より詳しく裏付けを取り、確認するのが本審査です。
仮審査と本審査とで違う点
仮審査と本審査では、審査を行う機関や、審査期間が異なります。また、本審査ではより細かい審査が行われることから、仮審査に比べて多くの書類提出を求められます。
<違い>
・審査を行うのが金融機関か、保証会社か
仮審査は、事前に金融機関が独自に行う審査です。一方、本審査は住宅ローンの保証を行う保証会社が行います。
ただし、保証会社を使わない住宅ローンでは、本審査についても金融機関が行います。
・審査期間
審査機関は、仮審査の方が短く数日程度、本審査は1~2週間程度という金融機関が多くなっています。ただし、具体的な日数は各金融機関によって異なります。
たとえば、住信SBIネット銀行の「住宅ローンWEB申込コース住宅ローン」では、仮審査期間を数時間から数日、本審査期間を1週間から10日としていますが、楽天銀行では、仮審査申し込みから結果の通知と本審査用書類の提出までを5~10日、本審査期間を7~14日としています。
審査を急いでいる場合は、できるだけ審査期間が短い住宅ローンを利用するのがおすすめです。
住宅ローン仮審査の必要書類
住宅ローンの仮審査に必要な書類は、各金融機関によって異なります。ネットバンキングなどの中には、書類提出不要で仮審査の申し込みができるところもあるので、手軽に仮審査を受けたい方は検討してみましょう。
とはいえ、あらかじめ必要書類を用意しておけば、よりスムーズに手続きを進めやすくなります。
たとえば、仮審査に収入確認書類が必要ない金融機関もありますが、年収の申告は必須です。自分の年収を正確に申告するためには、源泉徴収票を確認する必要があるでしょう。事前審査の申告内容と本審査で提出した書類の内容に齟齬があると、審査結果が変わってしまうこともあります。最初から必要書類を準備して、正確な情報を伝えましょう。
■住宅ローン仮審査の必要書類
書類 | 例 | |
---|---|---|
金融機関から受け取る書類 | 仮審査申込書 | |
自分で用意する書類 | 本人確認書類 | ・運転免許証 ・パスポート ・健康保険証 |
収入確認書類 | ・源泉徴収票 ・確定申告書 |
|
物件確認書類 | ・物件概要書 ・パンフレット |
|
借入状況の確認書類 (借換の場合のみ) |
・償還予定表 ・残高証明書 |
|
返済状況の確認書類 (借換の場合のみ) |
・通帳のコピー ・インターネットバンキングの取引明細 |
仮審査に落ちる理由
仮審査に落ちてしまったとき、何が原因だったのかを金融機関から教えてもらうことはできません。しかし、審査基準からある程度推測することは可能です。仮審査に落ちる理由としてありがちな4つの理由を紹介します。
信用情報に傷がある
信用情報とは、過去のローンの申し込みや返済履歴のことです。これらの情報は、信用情報機関に一定期間保存されています。
過去に債務整理をした経験がある方や、長期間の滞納をした方などは、信用情報機関にその旨の記録が残ります。一般的に言われる「ブラックリストに載る」とは、このような金融事故の記録が残ることを指します。
信用情報に傷がある方は、基本的に住宅ローンを組むことができません。そのため、他社の住宅ローンの仮審査に再度申し込んでも、落ちてしまう可能性が高いでしょう。不安な場合は、信用情報機関に問い合わせて自分の情報を確認してみましょう。
他社で借り入れをしている
他者で高額の借り入れをしていると、返済負担率が上がることから審査に通りにくくなってしまいます。
返済負担率とは、年収に対する年間の返済額の割合のことです。たとえば、年収500万円の方がフラット35で住宅ローンを借りようとした場合、返済負担率は35%以下でなければいけません。つまり、借入希望額と借入希望期間から算出された年間の返済額が175万円以下であれば借りられる可能性があるということになります。
ところが、他社からの借入をしていると、その分も返済負担率に含められてしまいます。たとえば、月々5万円、年間60万円返済している場合、住宅ローンの年間返済額は175万円-60万円=115万円以内でなければいけません。
また、他社からの借り入れがあるということは、それだけ生活が苦しいと判断されてしまう可能性もあるでしょう。こうした理由から、他社で借り入れをしていると、していない場合に比べて審査に通りにくくなってしまうのです。
健康状態に問題がある
健康状態に問題がある場合、団体信用生命保険(団信)に加入できない可能性があります。一般的な住宅ローンは、団信への加入ができないと利用することができません。そのため、健康状態の告知に問題があるとみなされると、審査に落ちてしまう可能性があるのです。
健康状態の問題で審査に落ちてしまった可能性が高いときは、住宅金融支援機構のフラット35のように、団信への加入が必須でない住宅ローンを検討してみましょう。
おすすめのフラット35はこちらの記事で紹介しています。
【2022最新】フラット35のおすすめランキング10選!金利を徹底比較
安定した収入が見込めない
住宅ローンでは、長期間まとまった金額の返済を続ける必要があります。そのため、審査では年収そのものに加えて、収入の安定性も重視されます。
安定した収入が見込めるかどうかを判断するポイントは、勤続年数や雇用形態、勤務先などです。
勤続年数が長いということは、それだけひとつの会社で腰を据えて働いているということです。あちこちの会社を転々としている方に比べると、安定的に収入を得られる可能性が高いでしょう。
雇用形態は、正社員がもっとも安定的な収入が得やすいとみなされます。契約社員や派遣社員のような非正規雇用は契約期間満了などの理由によって収入が途絶える可能性があるためです。また、会社に所属しない個人事業主や、自分で会社経営を行っている方も、正社員に比べると収入変動や廃業のリスクが高いとみなされがちです。
住宅ローンの仮審査に通る確率をアップさせるコツ
住宅ローンの仮審査に通る確率を上げるためには、金融機関から「長期的にローンの返済を続けられる」とみなしてもらう必要があります。仮審査に通るために気を付けたい4つのポイントを紹介します。
家計と借入額を見直す
借入希望額が少なければ、それだけ審査に通る確率が上がります。審査に通るか不安という方は、借入希望額を下げられないか考えてみてください。
借入額を減らすためには、以下のような手段が有効です。
- より安くて希望を満たす物件がないか探す
- 中古物件も検討してみる
- オプションやグレードを見直して購入価格を抑える
- 家計を見直して頭金を増やせないか検討する
ただし、やみくもに頭金を増やすと、その後の教育費などが不足する可能性もあります。ライフプラン表を作成し、無理のない範囲で検討してください。
他社借り入れを返済する
カードローンやキャッシングを利用している方は、可能な限り繰上げ返済をして、借入残高をなくしておきましょう。万が一滞納をしている場合は、必ず事前に返済してください。
他社からの借り入れをなくしておくことは、返済負担率という意味でも、家計に余裕があることを示す意味でも効果的です。
ただし、仮審査前に借り入れの返済を行って審査に通過できたとしても、本審査前に再度借り入れをしていては意味がありません。そもそも、生活費などが足りずに借り入れを繰り返している家計では、住宅ローンの返済も滞る可能性があるでしょう。日常的にローンやキャッシングを利用している方は、住宅ローン契約の前に家計の見直しをしましょう。
健康に注意する
健康で長く働き続けることは、住宅ローンの審査に通るためにも、安心して暮らし続けるためにも大切なことです。仮審査前に意識するというよりは、日頃から健康に注意した生活を心掛けるようにしてください。
特に、ある程度年齢を重ねてから住宅購入を検討し始めたという方は、健康状態の問題も若い頃より出やすくなってしまいます。気を付けていても避けられない病気もありますが、規則正しい生活を心掛ける、飲酒喫煙を控えるなど、できることはやっておきましょう。
転職や独立をしない
審査直前に転職をすると、勤続年数が短いという理由で審査に落ちる確率が高まります。独立した場合は、さらに安定性が低いとみなされてしまうでしょう。
そもそも、転職や独立直後は収入が思うように得られなかったり、期待した通りの職場ではなく再度の転職を検討することになったりする可能性があります。高額な住宅ローンを返済し続けるという意味でも、リスクの高い行為だといえるでしょう。
転職を考えている方は、転職後、長く勤められると判断した後で申し込みをするのが安心です。一方、独立に関しては、会社員のうちの方が審査に通りやすいため、独立前の申し込みの方が良いでしょう。ただし、独立しても住宅ローンの返済を続けられるかどうかは十分検討する必要があります。せっかく審査に通っても、完済できずに自宅を手放すことになってしまっては意味がありません。十分な貯蓄を貯めてから無理のない金額でローンを組むなど、リスクの低い方法を取りましょう。
仮審査は複数トライして最適な住宅ローンを見つけよう
仮審査は、複数の金融機関で受けることができます。審査を受けてみることで、適用される金利の目安や実際の返済額などを比較しやすくなるでしょう。また、同じ状況でも金融機関によって審査に通ったり、断られたりすることがあります。ひとつの金融機関で断られたからといって、諦める必要はありません。ブラックリストに載っているなど、明らかな問題がある場合以外は、試してみる価値があるでしょう。
専門家コメントの詳細
寺岡孝
アネシスプランニング株式会社代表取締役
大手ハウスメーカーに勤務した後、2006年にアネシスプランニング株式会社を設立。
住宅の建築や不動産購入・売却などのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、これまでに2000件以上の相談を受けている。
東洋経済オンライン、ZUU online、スマイスター、楽待などのWEBメディアに住宅、ローン、不動産投資についてのコラム等を多数寄稿。著書に『不動産投資は出口戦略が9割』『学校では教えてくれない! 一生役立つ「お金と住まい」の話』(クロスメディア・パブリッシング)がある。
公式サイト:https://www.anesisplan.co.jp/
■所有資格
・地盤インスペクター(地盤安心住宅整備支援機構)
・モーゲージプランナー(日本MP協会認定:M10-102-000730)
・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定)
・損害保険募集人(日本損害保険協会)
・住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会&金融検定協会認定)
・相続診断士((相談診断協会)
新井智美
トータルマネーコンサルタント
公式サイト:https://marron-financial.com/
■保有資格 : CFP®資格認定者
・一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)(日本FP協会)
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会&金融検定協会認定)
・証券外務員。