仮想通貨のスプレッドとは?
(画像=NETMONEY編集部)

仮想通貨に投資するなら、実質的なコストを生み出すスプレッドへの理解が欠かせません。コストを最小限に抑えて利益を最大化するため、スプレッドについての基本的な知識を押さえておきましょう。

スプレッドの仕組みやスプレッドを抑えて投資する方法、スプレッドの狭いおすすめの仮想通貨取引所を紹介します。

仮想通貨取引のスプレッドとは

まず、仮想通貨取引におけるスプレッドの意味や、販売所と取引所でスプレッドがどのように変わるかを見ていきましょう。

スプレッドの基本概要

スプレッドとは、売値と買値の価格差のことを指します。仮想通貨取引においては、スプレッドによって実質的なコストが発生します。

「スプレッドが広い=価格差が大きい」とコストも大きくなり、「スプレッドが狭い=価格差が小さい」とコストは小さくなります。

coincheck

販売所と取引所の違い

仮想通貨取引所には、販売所と取引所の2つの機能があります。

販売所では、仮想通貨を売買する際に、間に業者が入ります。たとえば、仮想通貨を売却したいAさんと仮想通貨を購入したいBさんがいたとします。販売所では、一旦業者がAさんから仮想通貨を買い取り、その後Bさんに販売します。一方取引所の場合、売りたい価格と買いたい価格が一致したら、AさんとBさんの間で直接取引が成立します。

販売所のメリットは、操作が簡単で、取引がすぐに成立することです。一方、取引所と比べると手数料が高くなる傾向があります。取引所は、すぐに取引が成立するとは限りませんが、手数料をできるだけ抑えて取引できるのがメリットです。

販売所・取引所の2つの機能を備えた仮想通貨取引所もたくさんあります。一方で、どちらかの機能しか備えていない仮想通貨取引所も存在するため、よく確認して取引を始めるようにしましょう。

仮想通貨のスプレッドが発生する仕組み

仮想通貨取引を始めた当初、同じタイミングでも売値と買値に価格差があることに気づき、不思議に思った経験がある方も多いでしょう。この価格差が、仮想通貨取引の実質的なコストともいわれるスプレッドです。スプレッドが発生する仕組みについて、具体例を基に見ていきましょう。

例えば、ある仮想通貨の売値が15万円、買値が20万円だったとします。このタイミングで、20万円で仮想通貨を購入し、すぐに売却したとしたら、手元に残るのは15万円です。失われた5万円は、売値と買値の価格差であるスプレッドによって生じたコストといえます。

「取引手数料0円」をうたっている仮想通貨取引所でも、多くの場合、スプレッドは存在します。取引手数料が0円だとしても、スプレッドがある以上、コストが0円というわけではありません。「見えないコスト」ともいわれるスプレッドにも注目して、仮想通貨取引所を選ぶことが大切です。

スプレッドを抑えて仮想通貨を安く取引する方法

投資で利益をねらう以上、コストはできるだけ低く抑えたいものです。スプレッドによって発生するコストをできる限り抑えて取引をするためのポイントを3つお伝えします。

販売所ではなく取引所で売買する

販売所と取引所では、取引所の方がスプレッドが狭いことが一般的です。投資初心者なら、最初は操作しやすい販売所を利用するのも1つですが、コストの低さにこだわりたいなら最初から取引所を利用してもいいでしょう。

dmmbitcoin

複数の取引所を利用する

スプレッドは取引所ごとに異なります。複数の仮想通貨取引所で口座開設し、リアルタイムのスプレッドを比較したうえで、最も有利な仮想通貨取引所で取引すれば、コストを最小限に抑えられます。仮想通貨取引を始めるなら、複数の取引所を利用することを検討しましょう。

価格が急変したタイミングでは取引NG

仮想通貨は値動きの激しい資産として知られています。価格が急変すると、利益確定や損切りで、通常より多くのユーザーが売却・購入に踏み切ることが多々あります。このようなタイミングでは、スプレッドが広がり、通常より高いコストがかかる可能性があります。スプレッドにも注意を払い、取引のタイミングを見計らいましょう。

仮想通貨のスプレッドが小さい取引所一覧

続いて、スプレッドが狭くコストを抑えて取引できる仮想通貨取引所を8つ紹介していきます。スプレッドを比較して有利な仮想通貨取引所を選ぶためにも、代表的な仮想通貨取引所では一通り口座開設しておくことをおすすめします。

bitFlyer(ビットフライヤー)

ビットフライヤー
(画像=ビットフライヤー公式HPより)
bitFlyerの概要
取扱通貨数(販売所) 21通貨
(BTC,ETH,ETC,LTC,BCH,MONA,LSK,XRP,BAT,XEM,XLM,XTZ,DOT,LINK,XYM,MATIC,MKR,ZPG,FLR,SHIB,PLT)
取扱通貨数(取引所) 6通貨
(BTC,ETH,BCH,MONA,XRP,XLM)
最低取引数量 ビットコイン0.00000001BTC
イーサリアム0.00000001 ETHなど
取引手数料(販売所) 無料
※別途スプレッドがあります
取引手数料(取引所) 0.01~0.15%
送金手数料 BTC:0.0004BTC
ETH:0.005ETH
XRP:無料
入金手数料 銀行振込:無料
クイック入金
住信SBIネット銀行:無料
住信SBIネット銀行以外:330円
出金手数料 220~770円
レバレッジ取引 2倍

ビットフライヤーはビットコイン取引量国内No.1を誇る仮想通貨取引所※です。販売所・取引所の2つの機能があります。ビットコインの現物・FX・先物取引と、アルトコインの現物取引ができる取引所「bitFlyer Lightning」では、6種類の仮想通貨を取引できます。
※ Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2021 年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む)

ビットコインをもらう、ビットコインを使う、Tポイント交換、ステーキングなどの各種サービスも充実しています。

bitbank(ビットバンク)

ビットバンク
(画像=ビットバンク公式HPより)
ビットバンクの概要
取扱通貨数 30通貨
(BTC,XRP,LTC,ETH,MONA,BCC,XLM,QTUM,BAT,OMG,XYM,LINK,MKR,BOBA,ENJ,MATIC,DOT,DOGE,ASTR,ADA,AVAX,AXS,FLR,SAND,APE,GALA,CHZ,OAS,MANA,GRT)
最低取引数量 ビットコイン0.0001 BTC
イーサリアム0.0001 ETHなど
取引手数料(販売所) 無料
取引手数料(取引所) メイカー: -0.02%
テイカー: 0.12%
送金手数料 0.0006BTC
入金手数料 無料
出金手数料 3万円未満:550円
3万円以上:770円
レバレッジ取引 -

ビットバンクはスプレッドの狭さに定評がある仮想通貨取引所です。販売所・取引所の2つの機能があり、販売所・取引所で11種類の仮想通貨を取引できます。取引所で取引できる仮想通貨が豊富なのも魅力です。

CoinMarketCap調べによると、国内仮想通貨取引所の中で取引量No.1を誇ります。また、第三者機関によるセキュリティの高評価も獲得しています。貸仮想通貨サービスもあるため、仮想通貨投資に慣れたら挑戦してみてもいいかもしれません。

Coincheck(コインチェック)

コインチェック
(画像=コインチェック公式HPより)
Coincheckの概要
取扱通貨数(販売所) 24通貨
BTC,ETH,ETC,LSK,XRP,XEM,LTC,BCH,MONA,XLM,QTUM,BAT,IOST,ENJ,SAND,DOT,CHZ,LINK,MKR,MATIC,IMX,APE,AXS,WBTC
取扱通貨数(取引所) 8通貨
BTC,ETC,LSK,MONA,PLT,FNCT,DAI,WBTC
最低取引数量(BTC) 販売所:500円相当額
取引所:500円相当額
取引手数料 販売所:無料
取引所:無料
送金手数料(BTC) 0.0005 BTC
※コインチェックユーザー間は無料
送金手数料(ETH) 0.005 ETH
※コインチェックユーザー間は無料
入金手数料(銀行振込) 無料
入金手数料(コンビニ入金) 3万円未満:770円
3万円以上30万円以下:1018円
入金手数料(クイック入金) 3万円未満:770円
3万円以上30万円以下:1018円
50万円以上:入金金額×0.11%+495円
出金手数料 407円
レバレッジ取引 -
スマホアプリ Coincheck(ios/Android)
口座数 174万口座(2022年9月末時点)
取引ツール(PC) ブラウザ上で使えるツールあり
貸暗号資産
積み立て暗号資産
出典:Coincheck

コインチェックは、仮想通貨の取扱数が多いことで有名な仮想通貨取引所です。販売所・取引所の2つの機能があるため、最初は販売所で取引し、慣れてから取引所での取引に切り替えることも可能です。なお、コインチェックでは5種類の仮想通貨の売買ができます。

積立投資や貸仮想通貨、ステーキングといった各種サービスも充実しています。スマホアプリは、国内ダウンロード数No.1で、初心者でも簡単に操作できると定評があります。

GMOコイン

GMOコイン
(画像=GMOコイン公式HPより)
GMOコインの概要
取扱通貨数(販売所) 21通貨
(BTC,ETH,BCH,LTC,XRP,XLM.BAT,XTZ,QTUM,ENJ,DOT,ATOM,ADA,MKR,DAI,LINK,DOGE,SOL,FIL,SAND,CHZ)
取扱通貨数(取引所) 23通貨
(BTC,ETH,BCH,LTC,XRP,XEM,XLM,BAT,XTZ,QTUM,ENJ,DOT,ATOM,XYM,MONA,ADA,LINK,DOGE,SOL,MKR,DAI,FCR,ASTR)
最低取引数量 ビットコイン0.00005BTC
イーサリアム0.001ETHなど
取引手数料(販売所) 無料
取引手数料(取引所) Maker:-0.01%
Taker:0.05%
送金手数料 無料
入金手数料 無料
出金手数料 無料
レバレッジ取引 2倍

GMOコインは、GMOインターネットグループ金融サービスのノウハウを生かして運営されている仮想通貨取引所です。販売所・取引所の2つの機能があり、販売所では21種類、取引所では23種類の仮想通貨を売買できます。

2021年のオリコン顧客満足度調査ではNo.1を獲得しており、積立投資、貸暗号資産、ステーキングなどの各種サービスも充実しています。仮想通貨のレバレッジ取引ができることにも要注目です。 最大2倍に設定でき、10種類の通貨を取引できます。

DMM Bitcoin

DMM bitcoin
(画像=DMM Bitcoin公式HPより)
DMM Bitcoinの概要
取扱通貨数(販売所) 現物:23通貨
(BTC,ETH,XRP,BCH,LTC,XLM,ETC,OMG,ENJ,BAT,MONA,TRX,ZPG,CHZ,AVAX,LINK,MKR,MATIC,FLR,NIDT,ALGO,SAND,AXS)
レバレッジ:31通貨
(BTC,ETH,XRP,OMG,BAT,QTUM,XLM,MONA,XEM,LTC,ETC,BCH,XTZ,ENJ,XYM,TRX,ADA,DOT,IOST,ZPG,CHZ,AVAX,LINK,MKR,MATIC,ALGO,SAND,AXS,DOGE,SOL,ATOM)
最低取引数量 ビットコイン0.0001BTC
イーサリアム0.01ETHなど
取引手数料(販売所) 無料(※)
取引手数料(取引所)
送金手数料 無料(※)
入金手数料 無料(※)
出金手数料 無料(※)
レバレッジ取引 2倍
※BitMatch取引手数料を除く

DMMビットコインは、DMMグループが金融サービスを通じて培ったノウハウをもとに運営されています。仮想通貨のレバレッジ取引ができることが特徴で、最大2倍のレバレッジで、33種類の仮想通貨を取引できます。一方、現物取引は23種類だけなので、注意が必要です。

また、取引所はなく販売所だけなので、スプレッドが広くコストが高くなる傾向がある点も押さえておきましょう。

BITPoint(ビットポイント)

ビットポイント
(画像=ビットポイント公式HPより)
ビットポイントの概要
取扱通貨数(販売所) 18通貨
(BTC,GXE,SHIB,MATIC,KLAY,DEP,JMY,ADA,ETH,TRX,XRP,IOST,DOT,LNK,BCH,BAT,LTC,FLR)
取扱通貨数(取引所) 8通貨
(BTC,ADA,ETH,TRX,XRP,IOST,BCH,BAT)
最低取引数量 ビットコイン0.00000001 BTC
イーサリアム0.00000001 ETHなど
取引手数料(販売所) 無料
取引手数料(取引所) 無料
送金手数料 無料
入金手数料 無料
出金手数料 無料

取扱通貨数は少ないものの、手数料が無料なのが嬉しい仮想通貨取引所です。「トロン」や「エイダ」など、国内の仮想通貨取引所では取り扱いの少ない仮想通貨も取り扱っています。4種類の通貨ペアでレバレッジ取引も可能で、最大2倍に設定できます。

そのほか、貸仮想通貨サービスも用意されているため、利用してみるといいでしょう。ただし、 取引が成立しにくいケースがあるため、注意が必要です。

マネックスビットコイン

zaif
(画像=マネックス証券公式HPより)
マネックスビットコイン(暗号資産CFD)の概要
取扱通貨数 4通貨
(BTC,BCH,ETH,XRP)
最低取引数量 ビットコイン0.01 BTC
イーサリアム0.1 ETHなど
取引手数料 無料
入金手数料 無料
出金手数料 無料
レバレッジ取引 最大2倍

マネックスビットコインは、マネックス証券内で取引できる暗号資産CFD(差金決済取引)です。レバレッジ取引が可能で、最大2倍に設定できます。

マネックス証券は2018年にコインチェックを買収しました。レバレッジ取引をカバーするため、マネックスビットコインを立ち上げたという経緯があります。

Zaif(ザイフ)

zaif
(画像=Zaif公式HPより)
Zaif(ザイフ)の概要
取扱通貨数 20通貨
(BTC,XEM,MONA,ZAIF,XCP,FSCC,CICC,NCXC,BCH,ETH,ERC20.CMS,MOSAIC.CMS,XYM,COT,DOT,TRX,MATIC,POLYGON.MV,POLYGON.ROND,DEP)
最低取引数量 ビットコイン0.001BTC
イーサリアム0.001ETHなど
取引手数料(販売所) 無料
取引手数料(取引所) Maker:0%
Taker:0.1~0.3%
送金手数料 ビットコイン 0.0001~0.01 BTC
イーサリアム 0.01~0.05 ETHなど
入金手数料 銀行振込:自己負担
コンビニ入金 30,000円未満:495円,30,000円以上:605円
ペイジー入金 30,000円未満:495円,30,000円以上:605円
出金手数料 30,000円未満:385円
30,000円以上:770円
レバレッジ取引 -

ザイフは2018年にハッキング被害に遭い、約70億円の仮想通貨が流出しました。その後、事業譲渡や子会社化を経て、新規口座の受付を再開しています。

ザイフの特徴は、仮想通貨以外にトークンも扱っていることです。また、Twitterユーザーに仮想通貨を手数料無料で送金できるソーシャルチップ、ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨・トークンの発行支援サービスZaicaなど特徴的なサービスを持つことから、将来性に期待して利用するのも面白いでしょう。

仮想通貨投資をするならスプレッドに注目しよう

これから仮想通貨への投資を始めるなら、実質的な手数料であるスプレッドについて理解を深め、スプレッドにこだわって取引することをおすすめします。

コストを最小限に抑えて高いリターンをねらうため、複数の仮想通貨取引所で口座開設し、スプレッドを比較してから仮想通貨を売買しましょう。