
暗号資産(仮想通貨)の取引方法には、さまざまな種類が用意されています。その中でもハイリスクハイリターンな取引方法として、レバレッジ取引を利用できます。
ただし、レバレッジ取引はハイリターンが得られる魅力的なものである一方で、注意しなければ危険な取引につながってしまうリスクもあります。
そこで今回は、レバレッジ取引がどのような取引なのかを紹介した後に、レバレッジ取引におすすめな仮想通貨取引所を紹介します。
仮想通貨FX(レバレッジ取引)とは?
仮想通貨FXとは、仮想通貨の将来的な値上がりや値下がりを予測して行う証拠金取引のことです。FX(外国為替取引)の仕組みを利用しており、レバレッジ取引とも呼ばれます。
仮想通貨FXの主な特徴は、以下の通りです。
- レバレッジをかけられるため、資金効率が良い
- 価格の上昇局面と下落局面の両方で利益を狙うことができる
- 24時間365日取引できる
仮想通貨FXの最大の特徴は、レバレッジをかけることによって、資金効率を上げられることでしょう。レバレッジとは、担保となる証拠金を口座に預けることで、預けた資金以上の取引ができる仕組みのことです。
例えば、口座に証拠金を5万円預けた場合、レバレッジ2倍で取引すると10万円分の仮想通貨を取引することが可能です。

個人向け取引のレバレッジは、国内取引所の場合は最大2倍と法令によって定められている一方、海外取引所の場合は最大200倍という非常に高いレバレッジを提供する取引所もあります。国内取引所は海外取引所に比べて規制が厳しく、比較的安全に取引できる環境が整備されています。
さらに、価格の上昇局面と下落局面の両方で利益を狙えることや、24時間365日取引できることも、仮想通貨FXの大きな特徴です。仮想通貨FXには様々な魅力がありますが、通常の取引に比べてリスクも高まるため、投資を始める際はリスク管理もしっかりと行いましょう。
仮想通貨FX(レバレッジ取引)におすすめの取引所を比較
仮想通貨FXのレバレッジは、各取引所共通で最大2倍となっています。対応通貨数はGMOコインが14通貨と最も多く、次いでSBI VCトレードが13通貨、bitbankは3通貨のみと限定的です。
対応銘柄については、GMOコインやSBI VCトレードがバラエティに富んでおり、アルトコインが豊富に用意されています。ただし、bitbankでも通常の取引で人気の高いビットコインやイーサリアム、リップルを取引することが可能です。
レバレッジ手数料(ファンディングレート)に関しては、GMOコインとbitbankが1日につき0.04%と固定である一方、SBI VCトレードは変動制です。ロスカットルールは、GMOコインでは証拠金維持率が75%を下回った場合、SBI VCトレードが80%以下になった場合、bitbankが25%を下回った場合に強制ロスカットが発動することになっており、bitbankが最も余裕のある基準を設定しています。
さらなる損失の拡大を防ぐため、損失を一定の基準で確定させる制度のこと
預け入れ証拠金については、全ての取引所で日本円が利用でき、bitbankとSBI VCトレードでは保有している現物の仮想通貨も利用可能です。保有している仮想通貨を売却せずに他の仮想通貨に投資できることは、多くの銘柄を取引したい人にとって大きなメリットになります。
GMOコイン
- つみたて暗号資産サービスを利用できる
- 大手GMOグループの高いセキュリティ
GMOインターネットグループが展開する暗号資産(仮想通貨)取引所がGMOコインです。東証一部上場のインターネットグループで培われた技術が活かされており、安心した暗号資産取引ができる取引所と言えます。
GMOコインでは最大2倍までのレバレッジ取引が可能です。通常の現物取引でレバレッジを掛けた取引ができるレバレッジ取引や、「IFD」や「OCO」など特殊な注文が出せる暗号資産FXで、レバレッジを掛けた取引ができます。なお、GMOコインではマイナス手数料を導入しており、Maker注文に対して発生します。Maker注文とは取引板に注文を乗せる注文でPost-Onlyを使うことで発注が可能で、レバレッジ手数料を報酬として受け取れます。
GMOコインのレバレッジ取引に対応している暗号資産(仮想通貨)の銘柄も数が多いため、レバレッジ取引の手数料をおさえたい場合にはおすすめの取引所です。
\レバレッジ対応銘柄が多い!/
SBI VCトレード

- 対応通貨数が13通貨と豊富
- 仮想通貨を証拠金として利用できる
- レバレッジ手数料を受け取れる場合がある
SBI VCトレードはオンライン証券や銀行、保険などの幅広い金融サービスを中心に事業を展開するSBIグループの一員であり、高い信頼性・安全性を誇る暗号資産(仮想通貨)取引所です。
SBI VCトレードの仮想通貨FXでは、13通貨が用意されており、ビットコイン以外にも様々なアルトコインを取引することができます。加えて、保有している現物の仮想通貨を証拠金として利用することもできるため、保有している仮想通貨を売却せずに他の仮想通貨に投資することが可能です。

さらに、レバレッジ手数料が変動制となっており、日をまたいでポジションを保有した際には、手数料を支払うだけでなく、受け取れるパターンが存在します。
- レバレッジ手数料がプラス:手数料を支払う
- レバレッジ手数料がマイナス:手数料を受け取る
他の取引所では支払うのみであることが多く、保有ポジションによっては手数料収入を得られる点は大きな魅力です。ただし、ロスカットルールが「証拠金維持率が80%以下になった場合」とやや厳しいことには注意が必要です。
仮想通貨FXで様々なアルトコインを取引したい人や、日をまたいで取引することが多い人は、SBI VCトレードでの取引を検討してみるとよいでしょう。
\日をまたいで取引するなら/
bitbank

- ロスカット水準が低め
- 仮想通貨を証拠金として利用できる
bitbankはビットバンク株式会社が運営する暗号資産(仮想通貨)取引所です。bitbankでは2024年11月より、新たに仮想通貨FX(信用取引)サービスの提供を開始しました。
対応通貨数は3通貨のみと限定的ですが、ビットコインやイーサリアム、リップルといったメジャーな通貨はしっかりと用意されています。レバレッジ手数料に関しては、日をまたいでポジションを保有した場合、1日につき建玉の0.04%の手数料が必要です。
ロスカットルールについては「証拠金維持率が25%を下回った場合」となっており、他の取引所と比べて水準が低いため、その分ロスカットされにくくなっています。預け入れ証拠金には日本円の他に、保有している現物の仮想通貨も利用可能です。
様々な仮想通貨を仮想通貨FXで取引したい人には不向きですが、ロスカットされにくい取引所で取引したい人や、保有している現物の仮想通貨を利用して他の仮想通貨を取引したい人には、bitbankをおすすめします。
\ロスカットされにくい!/
仮想通貨FX(レバレッジ取引)のメリット
仮想通貨FXの主なメリットは、以下の3つです。
少ない資金で大きな取引ができる
仮想通貨FXでは、少ない資金で大きな金額の取引ができます。なぜなら、レバレッジをかけることができるからです。
国内取引所では、最大2倍までレバレッジをかけることができます。例えば、GMOコインで仮想通貨FXを取引する場合、ビットコインの最小注文数量が0.001BTC、価格が約1300万円(2025年3月27日現在)であるため、約6,500円からビットコインの取引を始めることが可能です(0.001BTC×約1300万円÷レバレッジ2倍=約6,500円)。
通常の取引と比べて、半分の資金で同量の取引ができるため、仮想通貨FXを活用することで資金効率をアップさせることができます。
短期間で大きな利益を狙える
仮想通貨FXには、短期間で大きな利益を狙えるというメリットもあります。前述したレバレッジをかけられることに加え、仮想通貨は他の投資と比べてボラティリティ(値動き)が高いからです。
まず、最大2倍までレバレッジをかけられることによって、同じ資金であっても通常の取引と比べて最大で2倍の利益を得ることができます。さらに、仮想通貨はボラティリティが高く、上手く取引できれば大きな値幅を捉えることが可能です。
したがって、迅速に資金を増やしたい人には、通常の取引よりも仮想通貨FXが向いています。
価格が下がる局面でも利益を狙える(ショート取引)
レバレッジ取引では、通常の取引ではできない新規の売り注文(空売り、ショート)から取引を始めることができます。売り注文からの取引とは、仮想通貨を売った時点から値下がりした分が利益となり、価格が下落しているタイミングでも利益を狙える取引方法のことです。

例えば、ビットコインの価格が1,000万円から900万円に下がった場合、通常の取引では利益を出すことはできません。しかし、レバレッジ取引では新規の売り注文を出すことで、値下がりした分の利益を得ることができます。
レバレッジ取引は買いと売りの両方から取引を始められるため、上昇トレンドと下降トレンドのどちらでも利益を狙うことができ、柔軟に戦略を変えることが可能です。
仮想通貨FX(レバレッジ取引)のデメリット
仮想通貨FXの主なデメリットは、以下の3つです。
損失も大きくなる(強制清算のリスク)
仮想通貨FXでは、通常の取引と比べて利益も損失も大きくなります。なぜなら、レバレッジをかけると、価格の変動による損益への影響が大きくなるからです。特に仮想通貨はボラティリティが高いため、レバレッジをかけた取引はリスクがより高くなります。
また、含み損が膨らむと、強制ロスカット(強制清算)されてしまうリスクもあり、こちらにも注意が必要です。レバレッジ取引では証拠金以上のサイズの取引ができるため、何の制限もなければ預けた証拠金を上回る損失が発生することもあり得ます。そのため、資産がマイナスになることを回避するために、ロスカットのルールが導入されているのです。

強制ロスカットが発動する水準は、取引所によって異なります。例えば、GMOコインでは証拠金維持率が75%以下になると、自動的に強制ロスカットが執行されます。もし口座に100万円預け入れていた場合、含み損が75万円以上になると強制ロスカットが執行されるということです。
強制ロスカットはユーザーの資金がマイナスになることを防ぐ仕組みですが、自動的に損失が確定してしまうため、なるべく避けるようにする必要があります。
手数料や金利(資金調達料)がかかる
レバレッジ取引では、取引手数料やレバレッジ手数料(ファンディングレート)がかかることが多いです。つまり、取引回数が多かったり、長期的にポジションを保有したりすると、どんどんコストが積み重なっていってしまうことがあります。
例えば、bitbankでは仮想通貨FXの取引手数料が「メイカー(Maker):-0.02%、テイカー(Taker):0.12%」となっており、メイカーには手数料の受け取り、テイカーには手数料の支払いが発生します。メイカーとは取引所の板に出ている指値注文について売買が成立した際に、その指値注文を出していた取引参加者、テイカーとはその相手方となる注文を発注した取引参加者のことです。
また、仮想通貨FXで日をまたいでポジションを保有すると、レバレッジ手数料がかかります。例えば、GMOコインとbitbankでは、1日につき建玉の0.04%の手数料を支払う必要があります。
したがって、取引をする前に各取引所の取引手数料やレバレッジ手数料などをチェックし、できる限り自分に有利な条件の取引所を選んで取引するとよいでしょう。
価格の急変動でパニックになりやすい
仮想通貨FXは価格の急変動でパニックに陥りやすく、冷静な判断が難しくなる傾向があります。仮想通貨市場は24時間体制で動いており、他の金融商品と比較してボラティリティも高いです。そこにレバレッジをかけると、損益がさらに大きく変動することになり、感情的になってしまいやすいのです。
例えば、ビットコインを保有している際に価格が10%下落したとします。もしレバレッジを2倍かけていれば、20%の下落に相当する損益が増えたり減ったりすることになります。そうなれば、「今が買い増しのチャンスなのか?」、「損切りすべきか、それとも持ち直すのを待つか?」といったように、焦りと不安から冷静な判断が難しくなるのも無理はありません。
したがって、仮想通貨FXはリスクも高いことを理解し、初めて仮想通貨に投資する場合は通常の現物取引から始めるとよいでしょう。
仮想通貨FX(レバレッジ取引)に関するQ&A
この項目では、仮想通貨FXに関するよくある質問について、まとめてご紹介していきます。