ビットコインがやめとけと言われる理由は?デメリットも解説
(画像=NETMONEY編集部)

ビットコインや仮想通貨への投資を検討しているものの、失敗談を聞いたり「やめとけ」と言われたりして不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

ビットコインは価格変動が激しいため、大損した人もいるかもしれません。過去にハッキング被害にあったり、税金申告をめぐって失敗をしたりした人が「やめとけ」と言うこともあるでしょう。

しかし、価格変動が激しいということは、短期間で大きなリターンを得られる可能性があるともいえます。また、金融庁に登録された仮想通貨取引所は、一定のセキュリティ基準を満たしているため、安全性が高いともいえます。税金についても、事前に理解しておくことで失敗を防ぐことが可能です。

本記事を参考に仮想通貨投資を始める際の注意点を理解し、対策をすることで、失敗するリスクを減らしながら投資をスタートできるでしょう。

ビットコイン/仮想通貨投資はやめとけといわれる理由・デメリット

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、価格変動の激しさを理由に投資をやめとけといわれることがあります。
また、過去のハッキング被害の事例や悪徳業者による詐欺被害の報告、税金の仕組みが難しいことも投資をためらう要因となっています。

仮想通貨は価格変動が激しいから

仮想通貨はやめとけといわれる一番の理由は価格変動が激しい点にあります。ビットコインをはじめとする仮想通貨は、株式や債券、金といった他の金融商品に比べて価格変動が激しく、大きな損失を被る場合があるため、投資を避けるようアドバイスされることがあるのです。
確かに、大量の仮想通貨を一括購入した結果、価格が暴落して大損するリスクがあります。

仮想通貨への投資では、できるだけリスクを分散するよう努めましょう。投資資金を少額に分け、一定期間にわたって少しずつ購入する「時間分散」や、複数の通貨を購入する「銘柄分散」などの方法があります。

レバレッジ取引を避け、分散投資を行うことで、価格変動リスクをある程度、減らすことが可能です。

仮想通貨取引所はハッキングされる危険性があるから

仮想通貨投資はやめとけといわれるのは、仮想通貨取引所はハッキングされる危険性にさらされているからです。

例えば、2018年には国内大手仮想通貨取引所である「Coincheck」が不正アクセスされ、580億円相当の暗号資産NEMが外部に不正送金されるという事件が発生しました。

しかし、現在では金融庁に登録された取引所を利用することで、ハッキングのリスクを軽減できます。金融庁に登録されている仮想通貨取引所では、セキュリティ対策の一環として顧客の暗号資産をコールドウォレットで管理することが義務付けられています。

Coincheckは事件後に、顧客の保有していたNEMに相当する日本円を補償しました。その後、マネックスグループの傘下で経営再建を行い、2019(平成31)年に金融庁へ登録されました。

詐欺に遭う可能性があるから

仮想通貨投資はやめとけといわれる理由の1つは詐欺に遭う可能性があるからです。

例えば、仮想通貨投資を持ちかけ、投資資金を預かった後に連絡が取れなくなる手口や、仮想通貨を管理するウォレットの情報を聞き出して資金を盗む手口などが実際に報告されています。

金融庁に寄せられた暗号資産に関する相談事例を見てみると、マッチングアプリやSNS等で知り合った人に勧められるケースがあります。

SNS等を用いた投資勉強グループや投資セミナーへの勧誘を受け、暗号資産取引に投資したが出金できない等のトラブルに巻き込まれている。どこに相談すればよいか。 引用:金融庁
SNS等を用いた投資勉強グループや投資セミナーへの勧誘を受け、暗号資産取引に投資したが出金できない等のトラブルに巻き込まれている。どこに相談すればよいか。 引用:金融庁

詐欺から身を守るためには、金融庁に登録された取引所を利用するのがよいでしょう。NET MONEY編集部がおすすめしている仮想通貨取引所はすべて金融庁に登録された安全な業者です。

税金の仕組みが複雑だから

仮想通貨に関する税金の仕組みが複雑であるため、投資を避けるべきだといわれることがあります。

仮想通貨取引で利益が出た場合、税金を納める必要があります。しかし、税率の算出が難しく、人によっては確定申告が必要になる場合もあります。

株式や投資信託、債券への投資で出た利益にかかる税金は現在一律で20.315%とシンプルです。しかも、NISA口座を利用すれば、税金がかかりません。

一方、仮想通貨で得た利益は雑所得に分類され、他の所得と合算して総所得金額を計算した後、税率が算出される仕組みです。所得税は累進課税のため、総所得金額によって税率が異なります。

仮想通貨取引の場合、利益の計算方法も複雑です。仮想通貨で課税される利益は売却益だけではありません。仮想通貨で商品を購入したり、別の仮想通貨に交換したときの取得金額との差額も含まれます。課税される利益と税率については、こちらで詳しく解説するので、参考にしてみてください。

株式などで得た利益は証券会社の「特定口座」を利用することで源泉徴収され、確定申告が不要になりますが、仮想通貨取引には特定口座がないため、利益額によっては確定申告が必要になることもあります。

税金のトラブルを防ぐために、課税される利益と税率について理解し、国税庁が提供している仮想通貨の所得計算書を利用して正確に税金を計算計算しましょう。仮想通貨の税金に関して不明な点は、国税庁に電話相談するとよいでしょう。

税金を正しく納めていないと、追徴課税を受ける場合があります。後で追加の税金が発覚しても支払えるよう、取引で利益が出た場合、一部、納税用に現金を残しておくとよいでしょう。

ビットコインなどの仮想通貨に投資するメリット

ビットコインをはじめとする仮想通貨投資は高リスクですが、少額投資でも大きなリターンが期待できるというメリットがあります。各通貨は希少性やビジネスでの実用性によって異なる特徴を持ち、それぞれ将来性が期待されています。仮想通貨をポートフォリオに組み入れることにより、リスクを効果的にコントロールすることも可能です。

少額投資でも大きなリターンが期待できる

仮想通貨は価格変動が激しいため、少額投資でも大きなリターンが期待できるというメリットがあります。

例えば、ビットコインは、2014年4月1日の評価額は1BTC=4万5,823円でしたが、2024年4月18日には1BTC=918万7,406円まで値上がりしました。上昇率は10年間で約200倍です。

GMOコインのチャート画面
引用:GMOコイン

他にも、シバイヌコイン(SHIB)は、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏がSNSで言及したことをきっかけに、1年間で約50万倍の急騰をしました。

CoinMarketCapのシバイヌコインチャート画面
引用:CoinMarketCap

仮想通貨はリスクが大きい反面、リターンも大きい金融商品といえます。

ビットコインは発行上限が決まっている

ビットコインの発行枚数には上限があり、2,100万枚と決まっています。2023年3月時点で約1,930万枚(約92%)が発行され流通しています。新規の発行はマイニングによって発行される仕組みです。

発行上限が決まっていることにより、希少性があるため、「デジタルゴールド」とも評されているのです。

また、ビットコインは4年に1度半減期を迎えます。半減期とはマイニング報酬が半分になるイベントです。過去ビットコインは2012年、2016年、2020年の3回半減期を迎え、半減期後に価格が上昇しています。

CoinMarketCapのビットコインチャート画面
引用:CoinMarketCap

そして、2024年4月20日に4回目の半減期が完了し、今後の価格上昇が期待されています。

仮想通貨は将来性が期待されている

仮想通貨は送金速度の速さやコストの低さ、ビジネスでの実用性において将来性が期待されています。

例えば、リップル(XRP)は、一回の送金がわずか3.3秒で完了し、送金コストは約0.0004ドルと非常に低く抑えられています(参照:リップル社のデータ)。従来の銀行では、着金まで1週間以上かかることもあるため、格段に速い送金が可能です。

ビジネスでの実用性については、企業によるプラットフォームや通貨の活用が期待されています。例えば、チェーンリンク(LINK)は、ボーダフォンや住友商事、スペインの通信大手テレフォニカなど、さまざまな業界の企業とビジネス提携を進めています。他にも中国アリババグループのAlibaba Cloudが、アバランチ(AVAX)との提携を発表しました。

仮想通貨は新たな決済・送金手段としてはもちろん、ビジネスの分野でも今後さらに活用は進むと考えられ、将来性に期待が寄せられています。

仮想通貨をポートフォリオに組み入れることでリスクをコントロールできる

仮想通貨をポートフォリオに組み入れることで、リスクをコントロールできるというメリットがあります。

仮想通貨は株式や債券、不動産、金などとは異なる値動きをします。ポートフォリオに仮想通貨を組み入れることで、他の資産が大きく下落したときでも、リスクを分散させることができます。

ただし、仮想通貨は価格変動が激しい「ハイリスク・ハイリターン」な金融商品です。集中投資を避け、金や債券、株式といったさまざまな金融商品と組み合わせることがおすすめです。

リスク許容度が大きい人は仮想通貨の比率を高くし、リスク許容度が低い人は少なめにするなど、自分のリスク許容度に合わせて仮想通貨をポートフォリオに組み入れるようにしましょう。

仮想通貨を始める際の注意点

仮想通貨投資を始める際には、セキュリティ対策と価格変動リスクへの対策が必要です。また、税金の仕組みを理解しておくことも、申告漏れを防ぐ上で重要です。

注意点を理解し実践することで、失敗のリスクを減らしながら投資をスタートできます。

金融庁の認可を受けた仮想通貨取引所を利用する

仮想通貨投資を始める際は、必ず金融庁の認可を受けた仮想通貨取引所(暗号資産交換業者)を利用しましょう。認可を受けた取引所は高いセキュリティ基準を満たし、トラブル発生時の対応窓口も設けています。

金融庁は、取引所に顧客から預かる暗号資産の95%以上をコールドウォレットなどで管理することを義務付けており、ハッキングリスクを低減しています。また、仮想通貨取引所が倒産した場合には、顧客の暗号資産が優先的に返還される規定もあるのです。

仮想通貨取引でトラブルが発生した場合、暗号資産交換業者に登録されている取引所なら一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)に相談できます。しかし、無登録の取引所では金融庁や財務局の監督がなく、利用者の権利が保護されない可能性もあります。

なお、金融庁は暗号資産交換業者に登録されていない「無登録業者」について以下のような説明をしています。

日本の居住者を相手に、株取引やFX取引、暗号資産取引などの金融商品取引業・暗号資産交換業を行う者は、日本の法令に基づき、登録を受ける必要があります。 登録にあたっては、虚偽表示や誇大広告の禁止や投資者等から預かった資産の分別管理、トラブル時の対応窓口の設置、システムの安全稼働のための管理など、投資者等の保護のための態勢を整備することが求められます。 登録を受けていない「無登録業者」は、投資者等の保護のための態勢が確保されているか当局では確認できず、登録を受けている業者と同等の態勢が整っていない可能性が高いと考えられます。 また、預けた資金を出金しようとしたときに、これまで出金ができていたにもかかわらず、出金の拒否や法外な出金手数料を請求されたりするほか、これまで連絡が取れていたのに急に連絡が取れなくなるなどといったトラブルに遭ったという声が多く寄せられています。 金融庁

セキュリティやトラブル時の対応といった観点から、仮想通貨取引には必ず、金融庁の認可を受けた仮想通貨取引所(暗号資産交換業者)を利用しましょう。

仮想通貨の価格変動リスクに備える

仮想通貨は価格変動が激しいため、大きなリターンを期待できる一方で、資産が大きく減少するリスクも伴います。仮想通貨取引を始める際には、価格変動リスクに備える必要があります。

備え方1: 余剰資金で投資する

仮想通貨投資には、日常生活や短期的に必要な資金を使わず、余剰資金のみを使用しましょう。生活費を投資して大きく損をすると、生活を維持できなくなるからです。

備え方2: 少額から始める

仮想通貨投資は少額から始めましょう。

例えば、一度にまとまった資金を投資すると、その後、値下がりして大損するリスクが大きくなります。一方、資金を少額に分けて少しずつ投資することで、仮想通貨の平均購入価格を抑え、大損するリスクを軽減できます。

少額ずつ、時間をかけて分散投資することで、仮想通貨の価格変動リスクに対処できます。

備え方3:レバレッジ取引を避ける

仮想通貨取引に慣れるまでは、レバレッジ取引を避けましょう。レバレッジを利用すると、小さな市場の変動が大きな損失につながるリスクがあるからです。

レバレッジ取引とは、少額に倍率をかけて大きな金額の取引をすることをいいます。元手が少なくても大きなリターンを得られる可能性がある一方、損失も大きくなるリスクがあります。

仮想通貨市場は予測が難しく、経験豊富な投資家であっても予期せぬ損失を被ることがあります。初心者はレバレッジを避け、少額投資で市場の動きに慣れることから始めましょう。

課税の仕組みを理解する

仮想通貨取引を始める際には、課税の仕組みを理解しましょう。課税対象となる利益を誤って理解していたために、申告が漏れ、追徴課税される可能性があります。

以下で仮想通貨投資において課税される利益の計算方法と、税率について解説します。

課税対象となる利益

仮想通貨投資で課税される利益には、主に以下の4つがあります。

①仮想通貨を売却して得た売買差益

例えば、ビットコイン(BTC)価格が100万円のときに1BTC購入し130万円になったタイミングで売却するとします。このとき課税対象となる「売買差益」は30万円です。

②仮想通貨を他の仮想通貨に交換した際の利益

100万円で購入したビットコインを、評価額が130万円に上がったときに、イーサリアムに交換するとします。このとき、ビットコインは一度、売却したとみなされます。そのため、ビットコインの売却益30万円が課税対象となります。

③暗号資産で商品を購入したときの評価額と取得額の差額

100万円で購入したビットコインが130万円に値上がりしたときに、130万円分のビットコインで商品を購入するとします。このときもビットコインは一度、売却したとみなされます。そのため、ビットコインの売却益30万円が課税対象となります。

④ステーキング報酬や貸出からの利回り、マイニング報酬などの売買以外で得た仮想通貨の利益

ステーキング報酬や暗号資産の貸出(レンディング)、マイニング報酬、エアドロップなどで仮想通貨を得た場合、得たときの時価が利益として課税対象になります。

税率

仮想通貨から得られる利益は雑所得として扱われ、他の所得と合わせて総合課税の対象となります。

所得金額と所得税の税率は以下の表の通りです。

◼︎所得金額と所得税の税率

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から
1,949,000円まで
5% 0円
1,950,000円 から
3,299,000円まで
10% 97,500円
3,300,000円 から
6,949,000円まで
20% 427,500円
6,950,000円 から
8,999,000円まで
23% 636,000円
9,000,000円 から
17,999,000円まで
33% 1,536,000円
18,000,000円 から
39,999,000円まで
40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円
(引用元:国税庁

仮に、課税される所得金額が700万円の場合、求める税額は次のようになります。

▼所得金額が700万円だった場合の所得税額
  • 700万円×0.23 - 63万6,000円= 97万4,000円

所得税は累進課税で最大45%、住民税10%を加えると合計で最大55%の税率が適用されます。

暗号資産(仮想通貨)に関してよくある質問

仮想通貨に関してよくある質問をまとめたので、投資をためらっている人はぜひ参考にしてみてください。

仮想通貨はやめた方がよい?
ビットコインなどの仮想通貨取引は高リスク・高リターンな金融商品であるため、投資を始める前にリスクをよく理解することが重要です。市場は非常に変動が激しく、価格の急激な上下動により資産が減少する可能性もあります。ただし、適切なリスク管理と分散投資を行うことで、リスクを抑えつつ利益を目指すことは可能です。
また、税金についても理解しておくことで、申告漏れや追徴課税を避けられます。
仮想通貨の税金はいくら?
仮想通貨から得られる利益は雑所得に分類され、他の所得と合わせて総合課税の対象となります。所得税は累進課税で最大45%、住民税10%を加えると合計で最大55%の税率が適用されます。
仮想通貨をほったらかしにした場合の税金は?
仮想通貨を購入後、売却せずに放置している場合の含み益には課税されません。ただし、ステーキング報酬や貸暗号資産(レンディング)の利回りとして、放置している間に得た利益は課税対象になります。
仮想通貨の少額投資はもうからない?
仮想通貨は価格変動が激しいので、少額投資でも大きくもうけられる場合があります。
例えば、ビットコインの評価額は、2014年4月1日には1BTC=4万5,823円でしたが、2024年4月18日には1BTC=918万7,406円と10年間で約200倍に上昇しました。また、シバイヌコイン(SHIB)では約50万倍値上がりした例もあります。
過去の事例をみると、仮想通貨は少額投資でももうけられる可能性があるといえるでしょう。