高齢者でもクレジットカードは発行可能!高齢者におすすめのカードを紹介
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キャッシュレス化の進行により買い物などでクレジットカードの必要性が高まっています。これは、高齢者にとっても例外ではありません。しかしクレジットカードを作るには「継続的な収入が必要なので高齢者はクレジットカードを作れない」と考えている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、高齢者がクレジットカードを作れるかどうかについて解説します。

高齢者でもクレジットカードは作れる?

クレジットカードは、申込時に審査があります。そのためか中には「高齢者はカードを作れない」と思い込んでいる人もいるようです。しかし実際には、高齢者でもクレジットカードを作ることはできます。ここでは、高齢者がクレジットカードを作るための2つのポイントを見ていきます。

基準を満たせば発行は可能

クレジットカード会社は、それぞれに申込基準を設けています。一般的には「18歳以上であること」「安定継続収入があること」の2つです。

・18歳以上であること
クレジットカードの種類によっては、例えば39歳以下限定など対象者の年齢制限を設けているものもあります。しかし一般的なクレジットカードの場合、年齢の上限は定められていない傾向です。そのため「高齢が理由でクレジットカードを発行できない」といったことはありません。クレジットカードによっては「50歳以上」「60歳以上」など一定年齢以上の人を対象にしたものもあります。

・安定継続収入のあること
もう一つの「安定継続収入」という基準ですが、原則として年金も収入として認められています。実際の収入基準は各クレジットカード会社の判断によって異なるものの、「定年退職をして主な収入源が年金だけ」という人でもカード会社が定める基準を満たしていれば、クレジットカードを作ることができます。

家族カードとして発行する方法もある

高齢者本人がクレジットカードの発行依頼をするのではなく、同居の家族が所有しているクレジットカードの家族カードを発行してもらうことも方法の一つです。家族カードは、本会員と同様に利用できるだけでなく、会員優待などのサービスも同様に受けられます。カードの利用明細や請求は、すべて本会員に届くため、家族カードの所有者が「いつ何にいくら使ったのか」をしっかりと把握できます。

不正利用や高齢者を狙った詐欺などが心配な人も、家族カードならば安心してクレジットカードを利用できるのではないでしょうか。

高齢者がクレジットカードを利用するメリット

詐欺や不正利用など注意すべき点はありますが、高齢者がクレジットカードを利用することによるメリットもあります。

現金を持ち歩く必要がなく利用金額は明細にきちんと残る

利用内容と金額がきちんと明細に残ることはメリットの一つです。現金払いの場合、記録していないと「いつ何にいくらお金を使ったのか」を忘れてしまうこともあります。しかしクレジットカードの場合、支払った店や金額が利用履歴として明細に記載されるため、支出管理がしやすくなる点は魅力です。

シニア世代向けの特典やサービスを受けられる

クレジットカードによっては、シニア世代向けの特典やサービスを提供しているものもあります。例えば55歳以上なら自動的についてくる「G.Gマーク」があるイオンカードなら、「毎月の指定日に利用することで買い物代金の割引を受けられる」「ポイントが通常時よりも多めに付く」などの特典があります。

旅行等でお得になるケースが多い

一定年齢以上の人を対象にしたクレジットカードには、旅行などでお得になる特典を提供しているものも多くあります。例えばJR東日本グループのビューカードの発行している50歳以上向けのカードなら、「列車のきっぷの割引」「会員限定にお得な乗り放題パス」といった具合です。他にもイオンカードで日本航空のマイルがためられる「イオンJMBカード」では、55歳以上のカードホルダーに自動的に付く「G.Gマーク」があればマイルの有効期限が3年から5年に延長されたり、国内・海外ツアーの割引を受けられたりします。

高齢者がクレジットカードの審査に通る方法

先述したように安定した年金収入や他の収入があれば高齢者でもクレジットカードを作ることができます。ただしカード会社の審査に通過しなければカードは発行されません。ここでは、高齢者がクレジットカードの審査に通りやすくなるためのコツを紹介します。

審査があまり厳しくないカードを選ぶ

審査の難易度は、カード会社によってさまざまです。審査に通りやすくするためには、審査があまり厳しくないカードを選ぶといいでしょう。審査基準は、どの会社も公表していませんが一般的にステータスが高くなるほど審査が厳しくなる傾向です。そのためスタンダード(一般カード)などを選ぶといいかもしれません。

また55歳、60歳以上というように一定年齢以上の人を対象にしたカードを選ぶ方法もあります。そもそも高齢者限定のカードとなるため、通常のカードのように職業や就業状況に関する審査は省略される可能性があります。同様にカードの申込書の職業欄に「年金受給者」の項目がある場合には、高齢者の利用を念頭に置いているため、審査に通過しやすいと考えられます。

キャッシング枠なしで申し込みを行う

クレジットカードには「ショッピング枠」「キャッシング枠」の2つの枠があります。

・ショッピング枠:買い物などで支払いをするときに使用する枠のこと
・キャッシング枠:ATMなどを使って現金を払い出す(お金を借りる)ときに使用する枠

「お金を借りる=借金をする」ということですから、通常返済できるかどうかをチェックするため審査の難易度が上がってしまいます。カード会社にもよっても異なりますがキャッシング枠を設定するには、カード入会申込時(または後日)に利用者が申し込まなければいけません。つまりカード申込時にキャッシング枠の設定申し込みをしなければ審査の難易度を下げることが期待できるでしょう。

過去に金融事故を起こしていないか確認

過去に支払遅延や延滞などの金融事故を起こしたことがないか、確認しておきましょう。ローンやクレジットカードを利用すると借り入れや返済状況などの履歴が信用情報機関に記録されます。カード会社は、審査の際に申込者の過去の取引履歴を確認するため、支払遅延や延滞などの金融事故があった場合、審査に通りにくくなってしまうのです。

信用情報は、信用情報機関や情報の種類によって異なりますが、一般的に契約期間中および終了から5年間登録されます。

高齢者におすすめのクレジットカード5選

実際にクレジットカードを作りたい高齢者のためにおすすめのカードを5つ紹介します。

MUFGカード ゴールド

「MUFGカード ゴールド」は、三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJニコス株式会社が発行するクレジットカードです。クレジットカード番号記載をカード裏面に移し盗み見にくくする工夫などセキュリティに配慮されています。カード会員に対する三菱UFJフィナンシャル・グループ各社が提供する数々の特典も用意されています。

例えば以下のような特典があります。

・三菱UFJ銀行のキャッシュカードや通帳再発行時の手数料還元
・住宅ローン金利の優遇
・三菱UFJ不動産販売による所有不動産(住宅)の簡易価格査定サービス
・不動産売買取引時にグローバルポイントのプレゼントなど

MUFG利用者には、おすすめの1枚です。

大人の休日倶楽部ミドルカード

大人の休日倶楽部ミドルカードは、JR東日本が発行するSuicaと、グループ会社のビューカードのクレジットカードが一体になったカードです。男性は満50~64歳、女性は満50~59歳と対象者を一定年齢の人に限定しているため、審査に通りやすいメリットがあります。国内旅行が好きな人にうれしいさまざまな特典があるのが特徴です。

例えばJR東日本線・JR北海道線を201キロメートル以上利用すると運賃・料金が5%割引されます。またびゅう国内旅行商品の利用時には、カード会員だけでなく同行者分も合わせて5%割引となるため、家族旅行などもお得です。なお男性65歳以上、女性60歳以上の人には、「大人の休日倶楽部ジパングカード」が用意されています。

アメリカン・エキスプレス® ・グリーン・カード

アメリカンエキスプレスの一般カードであるアメリカン・エキスプレス® ・グリーン・カードは、付帯サービスが充実しています。例えば「オンライン・プロテクション」は、万一インターネット上で不正利用された場合、原則として利用金額を負担する必要がありません。オンラインショッピングで「カード番号の入力が心配」という人でも不安が軽減されそうです。

また「アメリカン・エキスプレス・トラベルオンライン」では、オンラインでホテルや航空券の予約ができ、国内外の旅行の準備をサポートしてくれます。優待料金やポイント特典なども多数あるため、お得な旅行を楽しめるでしょう。旅行をより快適にする「プライオリティ・パス」の無料利用や、スーツケース1つまで無料宅配してもらえる「手荷物無料宅配サービス」なども使えます。

旅行好きな人には、おすすめの1枚です。

まとめ

基本的にクレジットカードには、年齢の上限がありません。そのため安定継続収入があれば高齢者でもクレジットカードを作ることができます。クレジットカードには、現金払いと違ったメリットがたくさんあるので、高齢者でも1枚あると便利でしょう。

ただ「不正利用や高齢者を狙った金銭詐欺などの不安」という人もいるかもしれません。クレジットカードの利用に不安を感じる人は、セキュリティ対策が強化されているクレジットカードを選んだり同居する家族に家族カードを作ってもらったりすることも選択肢の一つです。