法人カードでもマイルを貯められる!お得な貯め方や使い方を徹底解説
NET MONEY編集部作成

実は、今あなたが使っている法人カードでも、マイルを貯めることができるかもしれません。出張や経費の支払いなど、日々の支出がマイルに変われば、航空券代の節約や座席のアップグレードなどメ多くのリットが得られます。

本記事では、法人カードでマイルを貯める方法マイルの上手な使い方もっと効率よく貯めたい方向けのカード選びのポイントまで、わかりやすく解説します。最後まで読めば、あなたも経費でお得にフライトを楽しめるようになりますよ。

  1. そもそもマイル(マイレージ)とは
  2. 法人カードのマイルの貯め方
    1. 飛行機に乗ってマイルを貯める
    2. 買い物で貯まったポイントをマイルに移行する
    3. マイルが直接貯まる法人カードを使う
  3. 貯まったマイルの使い道
    1. 航空券と交換する
    2. 座席のアップグレードをする
    3. ポイント移行して利用する
  4. マイルが貯まる法人カードの選び方
    1. マイルの還元率
    2. 付帯サービス
    3. 手数料や上限
  5. 法人カードでマイルを貯めることについてよくある質問

そもそもマイル(マイレージ)とは

マイル(マイレージ)とは、JALやANAといった航空会社が提供するポイントプログラムのこと。貯まる場面は、航空券を買うときなどですが、クレジットカードを使った普段の買い物でも貯まります。なお、貯まるポイントそのものも「マイル」と呼ばれます。

マイルの一番の魅力は、これを使えば「無料で航空券が手に入る」ことです。貯めたマイルを特典航空券と引き換えれば、国内・海外を問わず、移動費を大きく節約できます。そのほかの使い道として、座席のアップグレードや、他のポイント(電子マネーやショッピングポイント)との交換などもあります。

法人カードのマイルの貯め方

法人カードでマイルを貯める方法は以下の3つが挙げられます。

法人カードを使ってマイルを貯める場合、個人利用にはないメリットがあります。それは、経費の決済額が大きいため、マイルがどんどん貯まるということです。たとえば、仕入れや広告費、出張時の交通費や接待費など、日常的に発生する経費をカードで支払うことで、知らず知らずのうちに航空券1枚分のマイルが貯まっていた、なんていうこともあり得るのです。

マイルの貯め方を詳しく見ていきましょう。

飛行機に乗ってマイルを貯める

ビジネスシーンだと、遠方への出張や研修の際、飛行機を使うことが多くあります。飛行機の利用時にカードで支払うと、支払い分のポイントと搭乗マイルの2つを貯めることができます。ポイントはカード発行会社でマイルに交換できるので、効率良くマイルを貯められることが分かります。

搭乗マイルは距離や航空会社によって貯まり方が異なるため、下記でシミュレーションしてみました。

搭乗マイルのシミュレーション
  東京-大阪間 東京-福岡間 東京-福岡間
JAL 片道 280×積算率 片道 567×積算率 片道 424×積算率
ANA 片道 280× 積 算率 片道 567× 積 算率 片道 424× 積 算率

積算率はファーストクラスやエコノミーといった搭乗クラスや、介護割引や小児運賃など購入時の運賃種別によって設定されます。

たとえば、JALでは、エコノミークラスのY・Bクラスで予約をしていれば 積算率は100%となり、東京-大阪間の片道280マイルをそのまま受け取れます。しかし、同じエコノミーのL・V・Sクラスだと 積算率は50%で、片道140マイルになるという仕組みです。

「ANA JCB法人カード」ではボーナスマイルとして上記の区間マイル×積算率に10%上乗せしたマイルを受け取ることができます。東京-大阪間の片道で 積算率100%であれば、308マイルが貯まることになるのです。さらに、カードの利用合計金額1,000円(税込み)につき1ポイント貯められるOki Dokiポイントは、1ポイントあたり10マイルに交換可能です。カード利用時のマイル還元率は1%になります。

買い物で貯まったポイントをマイルに移行する

法人カードで日々の経費を支払い続ければ、カード会社独自のポイントが貯まるので、これらを航空会社のマイルと交換することで、間接的に“マイルを貯めている”状態にできます。

すべてのカードのポイントがマイルに交換できる訳ではなく、ANAマイルやJALマイルへの移行に対応しているカードのみ、一定のレートでポイントをマイルに変換できます。

ANA・JALマイルと対応するカード会社独自ポイント
カード会社 貯まるポイント 移行先マイル 移行レートの例
アメリカン・エキスプレス メンバーシップ・リワード ANAマイル など 1,000pt → 最大1,000マイル
三井住友カード Vポイント ANAマイル 1,000pt → 600マイル
JCBカード Oki Dokiポイント JAL・ANAマイル 1,000pt → 500マイル など
ダイナースクラブ ダイナースクラブリワード JALマイルなど 1,000pt → 1,000マイル

移行レートや手数料はカードによって異なるため、より有利なカードを選ぶことが大切です。

法人カードのポイントを「使わずに放置している」人は、この機会にマイルへの移行を検討してみましょう。

マイルが直接貯まる法人カードを使う

法人カードによっては、航空会社と連携して物品購入時に直接マイルを貯められるカードもあります。会社や仕事に必要な物品を購入する際に法人カードを使えば、マイルが貯まるだけでなく、会社の経費もまとめやすくなるのが特徴です。

会社で使うITツールの月額課金制の支払いに法人カードを使えば、毎月コンスタントにマイルを貯めることができます。

たとえば、セゾン・プラチナビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードは、SAISON MILE CLUBに無料で登録でき、ショッピング1,000円の利用につきJALマイルを10マイル自動的に貯められます。

セゾン・プラチナビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード とANA JCB法人カードの比較
  セゾン・プラチナビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
ANA JCB法人カード
※一般カード
年会費 2万2,000円(税込み) 2,475円(税込み)
※初年度無料
ポイント還元率 0.1% ※ 0.1%
マイル交換率 1.125% 1%
マイルの種類 JAL ANA
※ ご利用金額1,000円(税込)ごとに永久不滅ポイントが1ポイント(約5円相当)付与されます。また、交換商品によっては、1Pの価値は5円未満になります。

貯まったマイルの使い道

効率よくマイルを貯められる法人カードですが、貯まったマイルはどのような使い道があるのでしょうか。意外と知られていないマイルの使用方法について、紹介していきます。

マイルは個人に所有権があるため、従業員がプライベートでマイルを利用しても法的責任を問われることはありません。しかし、会社によっては規則で法人カードのポイントやマイルの個人的な利用を禁止している可能性もあります。フリーランスの方は個人で利用する分には問題ありませんが、会社の場合はトラブルの元になりかねないので、個人利用は避けたほうがよいでしょう。

航空券と交換する

貯まったマイルは国内外の航空券と交換できます。マイルの種類や行先によって必要なマイル数が変わるため、例を出しながら具体的に解説します。

【ANAで国内線航空券に交換する】

任意の片道1区間、または2区間に利用できます。シーズンや区間によって必要マイル数が異なるため、事前に確認が必要です。

たとえば、東京と大阪の往復で2023年1月1日(ハイシーズン)に利用する場合、1区間7,500マイル、往復だと1万5,000マイルが必要となります。

一方で東京と沖縄の往復を同時期に利用する場合、1万500マイル×2で2万1,000マイルが必要です。区間が近かったり、混雑しないシーズンであれば必要マイル数も変わってきます。

【JALで国内線航空券に交換する】

JALも任意の片道1区間、または2区間で利用できます。JALの場合は普通席だけでなく追加マイルの利用でクラスJ特典航空券に交換可能です。シーズンによる必要マイルの変動はありません。

東京と大阪間の往復だと1万2,000マイル、東京と沖縄・那覇間の往復は1万5,000マイルが必要です。クラスJを利用したい場合は発着空港ごとに設定された追加マイル数の消費が必要で、たとえば羽田発着だと370マイル×2=740マイルを追加することで利用できます。

座席のアップグレードをする

航空券の交換だけではなく、利用する座席をアップグレードする特典にも利用できます。

【ANAで国際線の座席をアップグレードする】

ANAは国際線の座席をアップグレードする際にマイルの利用が可能です。片道の距離マイレージとアップグレードするクラスによって必要マイル数が変更されます。

たとえば、東京から2,000マイル内の移動(ソウルや北京など)で、プレミアムエコノミーに交換する際は片道9,000マイル、ビジネスクラスで1万2,000マイル、ファーストクラスで2万マイルが必要です。

【JALで国際線の座席をアップグレードする】

JALも国際線の座席アップグレードにマイルが使えます。日本との往復先の都市やアップグレードするクラスによって必要マイル数が変わってくるので、事前にチェックしてみてください。

たとえば日本とホノルルの片道だと、プレミアムエコノミークラスに1万5,000マイル、ビジネスクラスに2万5,000マイル、ファーストクラスに3万マイルでアップグレード可能です。

ポイント移行して利用する

ANAやJALの貯まったマイルは、航空会社が提携するパートナー企業のポイントに移行できます。

ANAの提携パートナー(一部)

交換先ポイント 詳細 詳細
スターバックス カード 1万マイルごとに1万円分 100%
iTunesギフトコード 1万マイルごとに1万円分 100%
楽天Edy 1万マイルごとに1万円分 100%
Suica
※ANA VISA Suicaカード会員限定
1万マイルごとに1万円分 100%
楽天ポイント 1万マイルごとに8,000ポイント分 80%
Tポイント 1万マイルごとに1万円分 100%
nanacoポイント 1万マイルごとに1万円分 100%

JALの提携パートナー(一部)

交換先ポイント 詳細 詳細
楽天ポイント 1万マイルごとに8,000ポイント分 80%
dポイント 1万マイルごとに1万1,000ポイント分 110%
Pontaポイント 1万マイルごとに1万円分 100%
Suica 1万マイルごとに1万円分 100%
FamiPayギフト 1万マイルごとに1万300円分 103%
nimocaポイント 1万マイルごとに1万円分 100%
東急POINT 1万マイルごとに1万円分 100%

ポイント交換率も高いので、普段使っているポイントサービスがある場合はマイルから交換してみてください。

マイルが貯まる法人カードの選び方

法人カードの種類によって貯まるマイルの種類や還元率が変わるため、マイルの貯まりやすさは大きく変わります。マイルを貯めることを重視して法人カードを選びたい方は、以下のポイントを意識してみてください。

法人カード・ビジネスカードからおすすめの最強21枚を厳選!限度額・審査対象・年会費・還元率などで比較

マイルの還元率

ポイント還元率という言葉はよく耳にしたことがあるでしょう。カードによっては直接マイルを貯められたり、ポイントからマイルを貯められたりする場合があります。

たとえば、セゾンコバルト・ビジネス・アメックスの場合、ポイント還元率0.1%でANAへの還元は0.3%です。交換単位などを無視すれば、1,000円の利用で1ポイントまたは3マイルを貯められることになり、還元率で貯まるポイントが大きく変わることが分かります。

マイルを効率よく貯めたい方は、ポイント還元率の高さよりもマイル還元率を重視して選んでみてください。

3種類のカードの比較
  セゾン・プラチナビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
ANA JCB法人カード


セゾンコバルト・ビジネス・アメックス

ポイント還元率 0.1% ※ 0.1% 0.1% ※
マイル交換率 1.125%(JAL) 1%(ANA) 0.3%(ANA)
0.25%(JAL)
※ ご利用金額1,000円(税込)ごとに永久不滅ポイントが1ポイント(約5円相当)付与されます。また、交換商品によっては、1Pの価値は5円未満になります。

付帯サービス

マイルを貯めること以外にも魅力的なサービスが法人カードについています。出張先でよく宿泊する方は、旅行傷害保険や宿泊優待サービスがあると手間がかかりがちな手配も必要ありません。また、飛行機をよく利用するのであれば、空港ラウンジサービスが利用できると落ち着いた空間でPC作業もできておすすめです。

ちなみに旅行傷害保険は自動付帯タイプだと、カードを持っているだけで万が一事故にあった時も保険を適用できます。

このような法人カードの付帯サービスを比較してみることも重要な選び方です。

【JCBゴールド法人カード】

年会費1万1,000円(税込み)のJCBゴールド法人カードでは、死亡・後遺障害の場合に最高1億円補償される海外旅行傷害保険(利用付帯)と、最高5,000万円補償される国内旅行傷害保険(利用付帯)が付いています。さらに、航空機の遅延にかかった客室料や食費も2万円を限度に補償(利用付帯)してもらえます。 国内の主要空港とハワイのホノルルの国際空港内にあるラウンジも無料で利用可能です。

手数料や上限

貯まったポイントをマイルに交換する場合、カードによってはマイル移行手数料がかかったり、上限が設定されている場合があります。

たとえば、ANA JCB法人カードではOki Dokiポイント1ポイントを10マイルに移行できますが、移行時は年間5,500円(税込み)の手数料を支払わなければいけません。年会費が高いワイドゴールドカードであれば手数料は無料ですが、一般カードでは年間手数料が発生してしまうので注意してください。

法人カードでマイルを貯めることについてよくある質問

最後に法人カードのマイルの貯め方や使い方に関するQ&Aをまとめました。ぜひ最後までチェックしてみてください。

貯めたマイルに税金はかかる?
消費税法の取扱い上、貯めたマイルや付与されたマイルは不課税です。また、提携外企業へのキャッシュバックは課税対象ですが、景品交換や他社ポイント交換などは不課税になります。
マイルの所有権は?
法人カードで貯まったマイルは法人企業が所有するわけではありません。名義人の個人に付与されることになるため、法人カードで貯まったマイルを個人が使用することに法律的に問題はありません。
法人カードもマイルを貯めることができる?
法人カードでも個人カードと同じようにマイルを貯めることは可能です。
貯めたマイルの使い道は?
貯まったマイルの使い道には、航空券との交換のほか、飛行機の座席のアップグレード、提携企業のポイントや電子マネーとの交換などがあります。

今回紹介した使い道以外にも、グループ企業のツアーやホテルの宿泊クーポン券と交換できたり、国内外の選定商品と交換できたりします。

 

ポイントの還元率とマイル還元率は違う?
法人カードのポイント還元率とマイル還元率は別々で設定されています。貯まったポイントは、カード会社によってはマイルに交換することもできます。

SAISON MILE CLUBに登録できるセゾンカードだと、ショッピング利用分をポイントから交換せず直接マイルに還元することができます。 ANA JCB法人カードはポイントをマイルに交換できますが、年間移行手数料がかかるので注意が必要です。