FXは手軽に始められる投資として人気があり、初心者からプロまで多くの人が参加しています。しかし、「FXを始めてみたけど勝ち方が分からない」、「最近勝てなくなった」、「よくある失敗を知りたい」といったお悩みを抱える初心者の人も多いようです。

そこで今回は、FX初心者が勝てない理由とその解決策、プロトレーダーが勝てるようになった瞬間、勝つために使うべきFX会社などについて解説していきます。

この記事の専門家
株式会社ヴェリタ
監修者校正・編集会社
詳細はこちら 東京の校正・編集会社。校正専業では珍しい「派遣元事業者」「有料職業紹介事業者」の資格を取得。

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金子剛
著者FXトレーダー
詳細はこちら 日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。15年以上のFXトレード歴があり、2013年に開催されたFXコンテスト(Forex.com社開催)で優勝も経験。FXを始め、株、仮想通貨、コモディティなども手広く取引している。

■保有資格
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト

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  1. FX初心者が勝てない理由とその解決策5選!
    1. 取引ルールを決めていない・守れない
    2. 損切りルールを守れていない
    3. 相場のトレンドを無視している
    4. レバレッジが高すぎる
    5. スプレッドが広い
  2. FXは勝てないようにできている?その真相とは?
    1. FXで勝ち続けている人の割合は?
  3. プロトレーダー金子さんがFXで勝てるようになった瞬間とは?
  4. 【たったこれだけ!】FXの勝ち方を初心者向けにかんたん解説!
  5. FXの勝ち方についてよくある質問
    1. FXで勝てるようになるまで何年かかる?
    2. FXで負けている人の割合は?
    3. FXで普通に勝てる方法はありますか?

FX初心者が勝てない理由と解決策5選!

FXで初心者が勝てない主な理由は、以下の5つです。

それぞれの理由と解決策を詳しく解説していきます。

取引ルールを決めていない・守れない

「取引ルールの作り方がよく分からない、めんどくさい」、「恐怖や興奮などの感情に左右され、冷静にルールを守ることができない」といったことはありませんか?

FX初心者がやってしまう失敗として非常に多いのが、取引ルールを決めていないことです。つまり、事前にルールを決めず、感情に任せたギャンブルのような取引を行ってしまうということです。

FXで長期的に勝つためには、自分の決めたルールに従って取引をしていくことが大切になります。「なんとなく上がりそう」、「待てば価格が戻るだろう」といったような感情的で思いつきの取引では継続的に利益を出すことは難しいのです。

また、ルールを決めていてもルールを守れなければ意味がありません。ルールを決めてから取引を行い、必ずそのルールを守って感情に流されずに淡々と取引をしていくようにしましょう。

解決策:エントリーや利確、損切りのルールを決める

取引ルールを決めるといっても初心者には中々難しいため、まずはエントリーや利益確定、損切りに絞ってルールを決めてみることをおすすめします。取引はエントリーで始まり、利益確定または損切りで終わることから、これら3つのルールを決めておけばとりあえず取引を進めていくことができるからです。

例えば、「順張りと逆張りのどちらでエントリーをするのか」、「どのテクニカル指標のサインでエントリーをするのか」などを決めていきます。利益確定と損切りのタイミングは「エントリーから〇〇pips離れたら」という基準が分かりやすくて初心者にはおすすめです。

最低限、エントリーや利益確定、損切りのルールを決め、取引を繰り返して経験を積み、徐々に取引ルールを改善していくとよいでしょう。

損切りルールを守れていない

損切りルールを守れていない
(画像=NET MONEY編集部)

「もう少し待てば価格が戻るかもしれない」、「損失を確定したくない」、「含み損が大きくなりすぎて怖くて損切りできない」、このような感情から大損をしてしまったことはないでしょうか?確かに損切りをしなければ価格が戻ることもありますが、そのまま大損につながってしまうケースも多いです。

下のチャートでは、急落後に価格が少ししか戻らず、再度下落し始めてしまっています。

下落

損切りはFXで長期的に勝つために非常に重要ですが、多くのトレーダーがうまく損切りすることができないという悩みを抱えています。というのも、損失を確定させることに抵抗を感じてしまい、「待っていれば値が元に戻るだろう」と考えてしまうからです。

しかし、ポジションを保有し続けたにもかかわらず値が戻らずに、結果的に損失が拡大してしまうケースもあります。

損失が拡大してしまうケース
(画像=NET MONEY編集部)

早い段階で損切りすることができれば、より少額の損失で済み、取引を終了させて次のチャンスに備えることができます。したがって、長期的にFXで利益を得るためには、素早い損切りが大切なのです。

解決策:逆指値注文を活用する

損切りルールを作ったものの、中々守れていないという人には、逆指値注文(ストップ注文)の活用がおすすめです。逆指値注文とは、現在のレートよりも不利なレートを指定して発注する注文方法のことをいいます。

解決策:逆指値注文を活用する
(画像=NET MONEY編集部)

逆指値注文を設定することで、指定した価格に達した時点で自動で損切りが行われます。そのため、含み損が発生した際に自分で決済注文を出す必要が無く、感情に流されることなくルール通りに損切りが実行されることになるのです。

相場のトレンドを無視している

「トレンド分析の方法が分からない」、「今の価格が天井(底)だろう」と考えて直感的なエントリーをしたり、トレンドを無視したエントリーをしたりしていませんか?

相場のトレンド

FX初心者は相場のトレンドを見逃したり、無視したりしてしまいがちです。トレンドとは、相場の動きの方向性のことです。

例えば、ある通貨ペアの価値が一貫して上がり続けているならば、その通貨ペアは「上昇トレンド」にあると言えます。このトレンドが分かると、これからの相場の動きが予測しやすくなるのです。

しかし、初心者は「下がったから買おう」、「上がったから売ろう」といったように、トレンドに逆らった取引(逆張り)をしてしまうことが多くあります。しかし、トレンドに沿った取引(順張り)をする方が一般的には成功しやすいと言われています。

順張りと逆張りとは
(画像=NET MONEY編集部)

そのため、初心者はトレンドの方向性を分析・把握し、その流れに乗った取引を心がけるとよいでしょう。

解決策:チャート分析を学ぶ

トレンドの把握には、過去の値動きを示すチャートの分析が必要不可欠です。チャートの見方や、トレンドラインの引き方、テクニカル指標の使い方などを学び、チャート分析の技術を身に付けましょう。

チャート分析を学ぶ
(画像=NET MONEY編集部)

例えば、移動平均線はトレンドを確認するためのシンプルで強力なテクニカル指標です。短期移動平均線と長期移動平均線を使い、それらがクロスするポイントを見ることで、トレンドの転換点を簡単に見つけることができます。

焦らずじっくりとチャートを観察し、自信を持ってトレンドに沿った取引を行えるようにしてください。

レバレッジが高すぎる

「短期間で大きな利益を出そうとしたら、逆に大きな損失を出してしまった」、「エントリーをしてすぐにロスカットされてしまった」、「利益と損失が大きく変動してなんだか怖くなった」、FXは高いレバレッジをかけられることが大きな魅力ですが、これらのような落とし穴にハマってしまったことはないでしょうか。

レバレッジ取引とは
(画像=NET MONEY編集部)

レバレッジが高すぎることも、初心者の人がFXでつまずいてしまう理由の一つです。レバレッジをかけると利益と同時に損失も大きくなるため、その分ロスカットが執行される確率も高くなってしまうからです。

ロスカットとは
(画像=NET MONEY編集部)

例えば、レバレッジ1倍の時と比べ、レバレッジ10倍では利益と損失が共に10倍になります。特に海外のFX会社では最大レバレッジが1,000倍を超える会社もあり、FXの知識や経験が十分でない初心者の場合、あっという間にロスカットされてしまうこともよくあります。

そのため、初心者の場合はレバレッジが最大25倍に規制されている国内のFX会社、中でもレバレッジを自分で調整できる松井証券FXなどでの取引がおすすめです。

解決策:低いレバレッジから取引に慣れていく

高いレバレッジをかけたことによってロスカットになってしまうリスクを抑えるには、低いレバレッジで取引をし、レバレッジをかけた取引に徐々に慣れていくとよいでしょう。レバレッジが低ければ低いほど、ロスカットになる確率は低くなっていきます。

レバレッジをかけすぎると損失額も大きくなる
(画像=NET MONEY編集部)

例えば、1ドル=100円の時に10万円の資金を使ってレバレッジ10倍で運用する場合、米ドル円を100万円分(1万通貨)取引することができます。

  • 資金10万円×レバレッジ10倍=100万円
  • 100万円÷100円=1万通貨

多くのFX会社では、ロスカットの基準を資金の50~100%前後の含み損が発生した時点としています。もし1ドル=95円まで下落すると、100万円が95万円の価値になってしまうため、10万円の50%となる5万円の含み損が発生している状況となり、ロスカットによってポジションが強制決済されることになってしまうのです(ロスカットの基準が資金の50%だった場合)。

しかし、レバレッジを10倍未満にしていれば、1ドル=95円まで下落してもロスカットを回避することができます。レバレッジは自分で計算することもできますが、自信が無い場合はレバレッジが調整できるFX会社を活用してレバレッジを低く保ちましょう。

スプレッドが広い

スプレッドとは
(画像=NET MONEY編集部)

「取引をしても思うように利益が増えない」、「日本時間早朝や重要な経済指標の時に取引したらスプレッドが広くなっていた」、「マイナーな通貨ペアを取引したらスプレッドが広かった」、気づいたらこれらのようになっていたことはないでしょうか。

スプレッドはトレーダーが取引をする際のコストになるため、スプレッドが広ければ広いほど利益が削られ、損失は増えることになります。要するに、スプレッドが広いと勝てなくなりやすいのです。

特にスキャルピングデイトレードといった短期売買では、取引回数が多いことからスプレッドの負担が大きくなり、スプレッドが広いと非常に不利になってしまいます。

3つのFX取引スタイル
(画像=NET MONEY編集部)

国内のFX会社の場合は米ドル/円のスプレッドが0.2銭程度であることが多く、一方海外のFX会社では1銭を超えることも珍しくありません。そのため、スプレッドが原因で勝てないと感じている人にはスプレッドの狭い国内のFX会社、中でも米ドル/円のスプレッド0.0銭からのマネーパートナーズなどでの取引がおすすめです。

解決策:スプレッドが狭いFX会社で取引をする

スプレッドが広いことで勝てないと感じている人は、スプレッドが狭いFX会社で取引をするようにしましょう。特に、スキャルピングやデイトレードは取引回数が多く、スプレッドの負担も大きくなります。

例えば、米ドル/円を1万通貨取引した場合における、1年間のコストは以下のようになります。

取引回数 0.1銭 0.2銭 0.3銭
1日1回 2,000円 4,000円 6,000円
1日5回 10,000円 20,000円 30,000円
1日10回 20,000円 40,000円 60,000円
※年間200日取引した場合

取引回数が増えれば増えるほどコストが大きくなるため、少しでもスプレッドが狭いFX会社で取引をすることで利益が残りやすくなります。スプレッドは通貨ペアによっても違うことから、短期売買では米ドル/円やユーロ/円、ポンド/円、ユーロ/ドルといったスプレッドが狭い傾向がある通貨ペアが人気です。

また、スプレッドは取引をする時間帯でも変わり、日本時間早朝や重要な経済指標の発表前後ではスプレッドが広がりやすいため、これらの時間帯は取引を避けるトレーダーも多いです。

取引を始める前に、自分が取引をするFX会社のスプレッドをしっかりと調べておきましょう。

FXは勝てないようにできている?その真相とは?

「FXはそもそも勝てないようにできている」といったうわさもありますが、それは事実ではありません。2017 年に金融先物取引業協会が行った調査結果によれば、実際には約6割のトレーダーが年間の収益でプラス、またはプラスマイナスゼロであるということが明らかになっているのです。

確かに多くのトレーダーが勝てていない現状があり、スプレッドの拡大やスリッページなど、トレーダーに不利な側面も存在します。さらに、金融機関や大手の投資家が相場を操作しているとの見解もあります。

スリッページとは
(画像=NET MONEY編集部)

しかし、調査結果を考えると、FXで勝てるかどうかはトレーダー自身のスキルと努力によるところが大きいと言えるでしょう。一方で、FXで勝てない人には共通する特徴が見られます。前述しているFX初心者が勝てない理由とその解決策を踏まえ、コツコツと実力を付けていくようにしてください。

FXは有効な投資の一つですが、簡単にもうけ続けることができるわけではありません。適切な努力と学習を続け、おのおののルールに基づいて取引を行うよう徹底することが重要です。

FXで勝ち続けている人の割合は?

FXで勝ち続けている人の割合は、3割ほどではないかと考えられます。前述した通り、約6割のトレーダーが年間の収益でプラス、またはプラスマイナスゼロとなっており、生涯収支で勝っている人の割合はその半分くらいはいるのではないかと考えられるからです。

FXで勝ち続けることは難しいですが、勝ち続けられるトレーダーの中には億単位の年収を誇るトレーダーもいます。スキルを身に付ければ人生が変わる額のお金を稼ぐことができるFXは、非常に夢のある投資だと言えるでしょう。

プロトレーダー金子さんがFXで勝てるようになった瞬間とは?

私がFXで勝てるようになったのは、損切りをためらわずにできるようになったことが大きいです。正直、「損切り を制するものがFXを制する」と言っても過言ではないと個人的には思います。

自分が予測した方向とは逆に動いてしまった時、早めに損を確定させることは非常に重要です。例えば、損切りをしないと、損失が膨らんでしまい、最悪の場合ロスカットで資金の大半を失う可能性があります。

また、一つのポジションに固執せず、損切りをサクサクしていくことで、次の取引にすぐに移ることができます。次のチャンスに備えるための「戦略的撤退」をするということです。

とはいえ、私自身も初心者の頃は損切りが遅く、大きな損失をたくさん経験しました。「もう少し待てば上がるかもしれない」、そんな甘い考えにとらわれてロスカットされてしまったことは一度や二度ではありません。

しかし、ある時期から逆指値注文をエントリーと同時に必ず入れるようにし、感情に左右されずに自動的に損切りが行われるようにしたのです。そして、設定した損切りラインは何があっても動かさず、絶対に守るようにしました。

その結果、資金の減少を防ぎ、FXで勝てるようになっていきました。最初は恐怖心を感じるかもしれませんが、損切りを繰り返すうちに、不思議と恐怖心は薄れて手動でもためらわずに損切りできるようになっていきます。

損失を最小限に抑え、精神的な安定を保ち、次のチャンスをものにするために、損切りを確実に実行できるようにしましょう。

【たったこれだけ!】FXの勝ち方を初心者向けにかんたん解説!

FX初心者は、損切りの重要性をしっかりと理解しておきましょう。損失が膨らむ前に対応することで、資金の大半を失うリスクを避け、次のチャンスに備えることができます。

また、エントリーと同時に必ず逆指値注文を設定し、自動的に損切りが行われるようにすることをおすすめします。設定した損切りラインは絶対に動かさないようにして、感情を排除するのがポイントです。

そして、注意しておきたいのが損切りをする価格の設定の根拠をあいまいにしてしまわないことです。「損切りすればいい」と安易に考えると、根拠のない損切り価格を設定してしまい、小さな損失を積み重ねる可能性があります。

そのため、テクニカル分析を学ぶことで根拠のある損切り価格を設定し、取引を有利に進められるようにしてください。テクニカル分析を学ぶとエントリーポイントの精度も上がり、勝率アップにもつながります。

もし不安がある場合は、仮想の資金を使ったデモ取引で練習を重ね、取引に慣れてから実際の取引を開始するのもよいでしょう。焦らずコツコツと継続して学習と実践を続け、一歩ずつ脱初心者を目指してください。

FXの勝ち方についてよくある質問

この項目では、FXの勝ち方について知っておきたいこと、注意すべきことをまとめてご紹介していきます。

FXで勝てるようになるまで何年かかる?
FXで稼げるようになるまでに要する期間は、一般的には3年ほどと言われています。しかし、勉強に使える時間や、投資経験の有無など個人差が大きいことから、稼げるようになるまでの期間は人によって大きく異なります。

まずはできるだけ毎日短時間でもFXに触れ、勉強したり情報収集したりする習慣を身に付けるとよいでしょう。
FXで負けている人の割合は?
2017年に金融先物取引業協会が行った調査結果によれば、約4割のトレーダーが年間で負けています。一方、約6割のトレーダーは年間の収益でプラス、またはプラスマイナスゼロであるということが明らかになっています。
FXで普通に勝てる方法はありますか?
FXは基礎を学び経験を積んでいくことで、だんだんと勝てるようになっていきます。ただし、勝てるといっても、損失が全く出なくなるわけではありません。

プロのトレーダーでも勝ち負けを繰り返し、トータルで利益を出すことを狙っていきます。自分が勝てない理由を把握し、それを一つずつ改善することで勝てるトレーダーになることを目指しましょう。