
ブロックチェーンゲームで使える仮想通貨SANDは、NFT市場の加熱とともに、急激に投資家の注目を集めています。仮想通貨SANDのこれまでの価格推移を踏まえ、特徴や今後の見通しについて詳しく解説します。
SANDは2022年5月にコインチェックが国内初上場を果たし、現在はbitbank、bitFlyer、GMOコインなど複数の国内取引所で購入可能です。
SAND(The Sandbox)とは?
まず、仮想通貨SANDの概要や、仮想通貨SANDを使えるブロックチェーンゲーム『The Sandbox』について詳しく解説します。
SAND(The Sandbox)の概要
| ザ・サンドボックス(SAND)まとめ表 | ||
|---|---|---|
| 通貨名 | The Sandbox | |
| シンボル | SAND | |
| 取り扱い取引所 | Coincheck、bitbank、bitFlyer、GMOコイン等 | |
| 現在の価格 | 1SAND=約25円 | |
| 時価総額 | 約648億円 | |
| 発行上限枚数 | 3,000,000,000 SAND | |
| 時価総額ランキング | 108位 | |
| 公式サイト | サンドの公式サイト | |
SANDはブロックチェーンゲーム「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」内で使える暗号資産(仮想通貨)です。仮想空間で土地やアイテムを取引したり、イベントに参加したりするときに通貨として利用できます。
仮想通貨SANDは、2021年に価格が急騰し、話題となりました。2021年にますます盛り上がりを見せるNFT関連銘柄としても、SANDは投資家から注目されています。
ブロックチェーンゲームとは?
- ブロックチェーンを用いて作られたゲームのこと。
- PCやスマートフォンにインストールして遊ぶことができる。
- ゲームによってはイーサリアムなどの暗号資産を使ってアイテムを売買できる。
- ゲームで遊びながら資産を増やすこともできる。
SANDは2022年5月にコインチェックが国内初上場を果たし、現在は複数の国内取引所で取り扱いがあります。国内取引所で簡単に購入できるようになりました。
The Sandboxのゲーム内容
The Sandboxでは、Metaverse(メタバース)と呼ばれる仮想空間で、キャラクターを自由に動かして遊びます。
サンドボックスゲームの一種で、サンドボックスとは英語で「砂場」のことです。ゴールやクエスト、攻略順序が存在せず、オープンワールドをプレイヤーが自由に移動して遊ぶゲームをサンドボックスゲームと呼びます。代表的なサンドボックスゲームとしては、「Minecraft(マインクラフト)」があります。
サンドボックスゲームでは、ゲームの目的は、各プレーヤーが自由に設定します。The Sandboxは、土地を購入し誰かにレンタルして不動産収入を得たり、自作したオリジナルゲームやアイテムを販売したりできます。
The Sandboxでは、ブロックチェーン技術が活用されており、不正や改ざんがしにくいという特徴があります。また、自作したゲーム内のキャラクターやアイテムを、NFTマーケットプレイスで販売することも可能です。そのため、ゲーム内のアイテムに資産として価値を持たせることが可能になりました。
The Sandboxはシリーズを通して全世界で4,000万ダウンロードを達成しており、月間アクティブユーザー数が最大100万人に達するなど、世界的に人気があります。
SANDの価格推移
The Sandboxで使える仮想通貨SANDは、今後ますます価値が高まっていくと予想されます。続いて、仮想通貨SANDのこれまでの価格推移を見ていきましょう。
SANDは、2020年8月の公開当時は5.4円でした。8月末に一時7円台にいたるものの、そこから下落して2020年12月末までは3~5円台を推移していました。
2021年以降の価格推移
SANDの価格が大きく高騰したのは、2021年に入ってからです。1月1日には3.8円だったところ、急激に上昇を始め、3月30日に93.3円を記録しました。これは2020年末からNFTに注目が集まった影響が大きいと見られています。現にSAND以外のNFT関連銘柄も同様に高騰を始めました。
その後、2021年11月には最高値となる約860円を記録しましたが、2022年以降は下落トレンドが続き、現在は約25円で推移しています。2022年5月にはコインチェックが国内初上場を果たし、現在は複数の国内取引所で購入可能になっています。
SANDの今後の見通しは?
NFTの浸透
SANDの仮想通貨としての見通しを考えるときにポイントになるのは、NFT市場の動向です。SANDもNFT銘柄の1つであるため、NFTの市場拡大や成長がSANDの将来性にも大きく影響を及ぼします。
2021年に入り、SANDやエンジンコインなど、NFT関連銘柄と呼ばれる仮想通貨が大きく値上がりしました。
そもそもNFT(非代替性トークン)とは、ブロックチェーン技術を用いたデジタルトークンのことです。NFTによって、アート作品やゲームのアイテムなどのデジタルコンテンツを、唯一無二のものだと証明できます。
2021年3月には、Twitter創業者ジャック・ドーシー氏の初ツイートのNFTが約3億円で落札されました。同じく3月に、世界最大のオークションハウスChristie's(クリスティーズ)で、Beepleというアーティストのアート作品のNFTが約75億円で落札されました。
このようなニュースがメディアで報じられたこともあり、NFTへの期待感はますます高まっています。他にも多数あるNFT関連銘柄が軒並み成長するようであればSANDも成長する可能性が極めて高く、さらにNFTへの社会的な関心が高まればSANDにも注目が集まりやすく、これも価格を押し上げる要因になるでしょう。
国内取引所への上場
2022年5月にコインチェックがSANDの国内初上場を果たしました。現在はCoincheck、bitbank、bitFlyer、GMOコイン、BitTrade、OKCoinJapan、Binance Japanなど複数の国内取引所でSANDを購入可能です。
国内取引所に上場したことでホワイトリスト入りを果たし、比較的安全な仮想通貨であるという認識が広がっています。日本円で直接購入できるようになったことで、投資のハードルが大きく下がりました。
大手企業の提携
今も昔も商品やサービスのヒットには大手企業が深く関わっています。それは仮想通貨の盛衰においても同じで、SANDの今後にも大手企業の動向が大きく関わると考えられます。
その意味で、SANDが流通している「The Sandbox」は大手企業とのパートナーシップが実現しており、大手企業の資本力や知名度によってSANDへの認知度が高まることは十分あり得ます。
実際にThe Sandboxを提供するAnimoca Brands(アニモカ・ブランド)は、日本の大手ゲーム開発会社スクウェア・エニックスをはじめ複数の企業から、開発資金として2億円超の資金調達をしたと公表し、このことは価格を押し上げる要因となりました。
今後もThe Sandboxのプレイヤーが増えたり、メタバースへの関心が高くなるのにつれてSANDへの実需が高まり、爆発的な価格高騰が起きても不思議ではありません。
SANDの特徴
続いて、仮想通貨SANDの特徴について解説していきます。
メタバース(仮想空間)で使うことができる
SANDが流通しているThe Sandboxは、現在大いに注目を集めているメタバースの1つです。メタバースとはネット上の仮想空間のことで、そこで自分の分身となるキャラクターを生活させたり、ゲームを楽しんだりといったようにさまざまな「社会生活」ができます。
The Sandboxは世界でも有数のメタバースで、その広大な仮想空間のなかで土地の売買やキャラクター、アイテムの取引などができるため、さながら「もう1つの世界」を楽しむことができます。SANDはその世界での基軸通貨なので、SANDがあればメタバースを存分に楽しむことができます。これもSANDが仮想通貨であり、ブロックチェーン技術によって所有権がしっかりと守られているからこそ可能になることです。
ゲーム内にデジタルな土地を持ち、そこで新たなゲームをつくることができる
The Sandboxでは、仮想空間の土地「LAND」を所有し、ジオラマやゲームを作れます。複数のLANDを組み合わせて、ESTATEと呼ばれる地域を作ることもできます。LANDの大きさにはいくつかの規格が用意されています。The Sandboxの公式ホームページでは、登録しなくても、マップを見ることができます。
LANDの上限は16万6,464と定められています。希少性があることから、需要が高まると価格が自然と上昇します。そのため、投資家や大手企業が投資目的でLANDを購入するケースもあります。
大手仮想通貨取引所のコインチェックやバイナンスがLANDを購入したことも話題となりました。コインチェックは取得したLANDを一部販売しており、初売り時には、3秒以内にすべてのLANDが購入されるなど、大きな反響を呼んでいます。
LANDの価値は2025年11月27日時点で0.024ETHで(日本円で約11万)す。
ゲーム内やNFTマーケットプレイスでSANDを稼ぐことができる
The Sandboxでは、「VoxEdit」という無料ツールを使って、キャラクターやアイテムを作成できます。クリエイターファンドのアーティスト登録をして、VoxEditをダウンロードすれば、誰でもキャラクターやアイテムを作成できます。VoxEditには、モデラー、アニメーターなど数多くの機能が備わっています。
また、作ったキャラクターやアイテムをエクスポートし、NFTマーケットプレイスで販売すれば、SANDを稼ぐことができます。
The Sandboxのショップでは、クリエイターが作成したキャラクターやアイテムが多数販売されています。さまざまな性別、年代、服装のキャラクターがクリエイターによって作成されており、ガイコツやサンタなど個性的なキャラクターもあります。アイテムには、ツリーハウスやプールなどのオブジェクトの他、恐竜やイルカなどの動物もいます。
The Sandboxでは、世界中のプレイヤーに自分が作ったキャラクターやアイテムを売りだせます。創意工夫次第で、大きな金額を稼ぐことも可能です。このほかに、LANDや自分で作ったジオラマをレンタルして、不動産収入を得るという稼ぎ方もあります。
NFTによって、デジタルデータの唯一無二の価値を証明できるようになり、ゲーム業界は大きく変わりました。2021年に入り、ブロックチェーンゲームAxie Infinityをプレーしてフィリピンで家やオートバイを購入する若者がいることがメディアで報じられました。
The Sandboxも、プレイして遊ぶだけでなく、お金を稼ぐ手段として注目を集めています。
ゲームを作ったり、プレイしたりしてSANDを稼ぐことができる
The Sandboxでは、GAME MAKERというツールを使って、無料でオリジナルの3Dゲームを作れます。作ったゲームは、マネタイズすることも可能です。また、自分自身が他のクリエイターが作ったゲームをプレイして、報酬を稼ぐこともできます。
今後、The Sandbox内でさまざまなゲームがリリースされることで、さらにプレイヤーが増え、注目度が増していく可能性があります。
イーサリアムの規格でつくられている
The Sandboxは、イーサリアムのブロックチェーン技術を活用したブロックチェーンゲームです。SANDもまた、イーサリアムブロックチェーン上で発行された仮想通貨です。
そのため、イーサリアムの価格がSANDの価格にも影響を及ぼす可能性があります。SANDに投資するなら、イーサリアムの情報にもアンテナを張っておきましょう。
SANDの購入方法
SANDは2022年5月にコインチェックが国内初上場を果たし、現在は複数の国内取引所で購入可能です。日本円で直接購入できるようになったため、以前よりも簡単に投資を始められます。
SANDを購入する手順
- 国内の仮想通貨取引所(Coincheck、bitbank等)で口座開設する
- 日本円を入金する
- SANDを購入する
国内取引所であれば日本語でのサポートも受けられるため、初心者でも安心して取引を始められます。
SANDの取扱取引所
SANDは現在、国内の主要な仮想通貨取引所で購入可能です。主な取扱取引所を紹介します。
国内取引所
SANDを取り扱っている主な国内取引所は以下の通りです。
- Coincheck(コインチェック)- 2022年5月に国内初上場
- bitbank(ビットバンク)
- bitFlyer(ビットフライヤー)
- GMOコイン
- BitTrade
- OKCoinJapan
- Binance Japan
国内取引所であれば日本円で直接購入でき、日本語サポートも受けられます。
海外取引所
海外取引所でもSANDを取り扱っています。以下は参考として紹介しますが、海外取引所の利用はリスクを理解した上で自己責任で行ってください。
BINANCE
BINANCE(バイナンス)は、最大級の規模を誇る仮想通貨取引所です。Coin Market Capでも取引高上位を誇ります。
BINANCE は100種類以上の仮想通貨を取り扱っており、ビットコインやイーサリアムなど主要な仮想通貨以外にも、多くのアルトコインや草コインを取り扱っています。
現在、世界中には数千種類もの仮想通貨があるといわれています。主要な仮想通貨以外のアルトコインや草コインにも投資したいと考えているなら、海外の仮想通貨取引所で口座開設しておくのも1つの選択肢かもしれません。
BINANCEのホームページは日本語にも対応しており、日本国内でも口座開設が可能です。ただし、BINANCEは金融庁から無登録暗号資産交換業者として警告を受けています。現在も日本人向けサービスを展開しているものの、無登録で営業していることには変わりないため、トラブルには十分注意して自己責任で投資をしましょう。
OKX
OKX(オーケーエックス)は、2022年にOKExから名称変更した大手仮想通貨取引所で、2017年に設立されました。Coin Market Capでも取引高上位にランクインしており、取引量が多く世界的にも人気のある仮想通貨取引所です。
SANDを含め数百種類以上の仮想通貨を取り扱っており、現物取引のほかレバレッジ取引や先物取引など、さまざまな取引形態にも対応しています。
OKXは日本語にも対応しています。また、日本法人OKCoin Japan(オーケーコイン・ジャパン)は金融庁の認可を受けた登録業者として営業しており、SANDの取り扱いもあります。
HTX(旧Huobi Global)
HTX(エイチティーエックス)は、2022年にHuobi Globalから名称変更した大手仮想通貨取引所です。160以上の国・地域でサービスを提供し、700種類以上の仮想通貨を取り扱っています。
HTXは、HTXトークン(旧Huobi Token)という独自トークンを発行しており、取引手数料の割引などの優遇を受けられます。
なお、日本にはBitTrade(旧Huobi Japan)があり、金融庁の認可を受けた登録業者として営業しています。BitTradeではSANDの取り扱いがあります。
The Sandboxの注意点
The Sandboxはこれからますます市場規模が大きくなること確実視されているメタバースの1つとして、SANDとともに有望視されています。しかし、そんなThe Sandboxにもいくつかの注意点があります。その注意点を3点にまとめて解説します。
秘密鍵をしっかり管理する
仮想通貨にはセキュリティを確保するための概念として秘密鍵があります。これはSANDに限らず他の仮想通貨でも同様ですが、この秘密鍵が自分の所有権を証明する唯一に近い手段なので、秘密鍵を紛失したり忘れてしまうと自分の仮想通貨でありながら使用できなくなってしまうリスクがあります。
だからといって脆弱な管理をしていると何者かに秘密鍵を知られてしまい、その第三者が持ち主になりすまして仮想通貨を自由に使われてしまいます。そのため仮想通貨を所有したり取引する人は秘密鍵の管理がとても重要で、万が一何者かにハッキングされてしまうリスクを回避するために紙に書いておくなど、ネットとは隔離されたところに保管するのがセオリーです。
LANDに初期費用がかかる
The Sandboxの「住人」になるには、メタバース内にある土地「LAND」を購入する必要があります。このLANDはリアル世界の土地と全く同じ概念で流通しているため、それぞれの土地は所有権が明確に定められています。このLANDもNFT化されたデジタル資産というわけです。
The Sandboxでプレイを開始するためにはNFTの形で流通しているLANDを購入する必要があり、それらはOpenSeaなどのNFTマーケットで自由に売買されています。それぞれのLANDにもよりますが、価格はおおむね0.4 ETHからとなっており、1ETH=40万の場合、16万円前後の費用が必要です。
この初期費用を安いと考えるか高いと考えるかは主観によりますが、最初にこの程度の出費を伴うことは押さえておいてください。
偽物の出品に気を付ける
SANDだけでなくNFT全体の問題として指摘されているのが、偽物の問題です。デジタル資産に唯一無二の価値を与えることができるNFTですが、そもそも最初に他人のデジタル資産を勝手にNFT化してしまうと、それが本人のものであるとして流通してしまう恐れがあります。
厄介なことにThe Sandboxの土地であるLANDも偽物が多数流通しています。これを間違って買ってしまうとお金だけ取られてLANDは手に入らないので、くれぐれも注意してください。
こうした問題は決定的な解決策が打ち出せておらず、「妙に安いNFTを購入しないように」とアナウンスするのが精一杯という状況が続いています。今後は抜本的な解決策が出てくるとは思いますが、基本的には自分で自分の身を守るように心がけてください。

