「過去に延滞や債務整理をしてしまったけど、いつになったらクレジットカードが作れるようになるのか」「何度申し込んでも審査に落ちてしまい、原因がわからない」とお悩みではありませんか。
結論からいうと、クレジットカードの審査に通らない期間は最長5~7年程度です。信用情報機関に登録された異動情報(いわゆるブラックリスト)が消えるまでの期間によって決まります。
本記事では2025年12月時点の情報をもとに、クレジットカードの審査に通らない期間の詳細、審査に落ちる原因、信用情報の確認方法、そしてブラック期間中でも利用できる代替手段について解説します。

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2006年に創刊され、2017年11月号を持って休刊となった月刊投資情報誌「NET MONEY」のWeb版を運営。株式やFX(外国為替証拠金取引)、仮想通貨、カードローン、クレジットカードなど、お金に関係するさまざまな情報を紹介。「お金の意思決定をもっと簡単に」をモットーに、"比較"と"選択"のメディアとして読者の意思決定をサポート。クレジットカードの審査に通らない期間はどのくらい?
クレジットカードの審査に通らない期間は、信用情報機関に異動情報が登録されている期間と同じです。異動情報とは、延滞や債務整理などの金融事故の記録のことで、一般的に「ブラックリスト」と呼ばれています。
異動情報の保有期間は信用情報機関によって異なり、CIC・JICCでは5年、KSCでは5~7年です。この期間中は、ほとんどのクレジットカード審査に通らないと考えてよいでしょう。
信用情報機関ごとのブラック情報保有期間
日本には3つの信用情報機関があり、それぞれ異動情報の保有期間が異なります。クレジットカード会社は審査時にこれらの機関に照会を行い、異動情報の有無を確認します。
各信用情報機関の異動情報保有期間は以下のとおりです。
| 信用情報機関 | 主な加盟会員 | 延滞・強制解約 | 自己破産・個人再生 |
|---|---|---|---|
| CIC | クレジットカード会社、信販会社 | 契約終了から5年 | 契約終了から5年 |
| JICC | 消費者金融、クレジットカード会社 | 契約終了から5年 | 契約終了から5年 |
| KSC | 銀行、信用金庫 | 契約終了から5年 | 破産手続開始決定から7年 |
CICはクレジットカード会社や信販会社が主に加盟しており、JICCは消費者金融やクレジットカード会社が加盟しています。KSCは銀行や信用金庫が加盟する信用情報機関です。
KSCは2022年11月に官報情報(自己破産・個人再生)の登録期間を10年から7年に短縮しました。ただし、銀行系のクレジットカードを申し込む場合は、KSCの情報も参照されるため、最長7年間は審査に通らない可能性があります。
「ブラックリスト」とは異動情報のこと
「ブラックリスト」という名称の実際のリストは存在しません。一般的にブラックリストと呼ばれているのは、信用情報機関に登録される「異動情報」のことです。
異動情報として登録される条件は以下のとおりです。
- 返済日より61日以上または3ヶ月以上の支払遅延(延滞)
- 返済ができなくなり保証会社による代位弁済(保証履行)が行われた場合
- 裁判所が破産を宣告した場合(破産手続開始の決定)
信用情報機関に異動情報が登録されると、クレジットカード会社は審査時にその情報を確認できます。異動情報がある申込者は「返済能力に問題がある」と判断されるため、審査に通らなくなります。
ブラック期間のカウントは事故解消日から始まる
異動情報の保有期間で重要なのは、カウントの起点が「延滞発生日」ではなく「契約終了日(完済・解約日)」であるという点です。
たとえば、延滞によって異動情報が登録された場合、延滞を解消して完済・解約するまでは5年のカウントが始まりません。延滞を放置し続けると、いつまでも異動情報が消えないことになります。
- 延滞している場合はできるだけ早く完済する
- 完済後は契約を解約して「契約終了」の状態にする
- 契約終了日から5年(KSCの自己破産は7年)で情報が消える
異動情報が消えたかどうかは、信用情報機関に開示請求することで確認できます。カードを作りたい場合は、まず自分の信用情報を確認してから申し込むのがおすすめです。
クレジットカードの審査に通らない・落ちる主な原因
クレジットカードの審査に通らない原因は主に4つあります。長期延滞、債務整理、強制解約・代位弁済、そして短期間の多重申し込みです。
これらの原因によって信用情報に異動情報が登録されると、5~7年間は審査に通らない状態が続きます。
長期延滞(61日以上または3ヶ月以上)
クレジットカードやローンの支払いを61日以上または3ヶ月以上延滞すると、信用情報に「異動」として登録されます。これがいわゆる「ブラックリスト入り」の状態です。
延滞情報が登録されると、延滞を解消して完済・解約した後も5年間は記録が残り続けます。この期間中は、新たなクレジットカードの審査に通ることは非常に困難です。
延滞によって審査に通らなくなる理由は、カード会社が「過去に返済を怠った人は、今後も同様のリスクがある」と判断するためです。たとえ現在は収入が安定していても、過去の延滞履歴は審査に大きく影響します。
債務整理(自己破産・任意整理・個人再生)
自己破産・任意整理・個人再生などの債務整理を行うと、信用情報機関に異動情報が登録されます。
債務整理による異動情報の保有期間は以下のとおりです。
- 自己破産:CIC・JICCは5年、KSCは7年
- 個人再生:CIC・JICCは5年、KSCは7年
- 任意整理:和解内容に応じて約5年
特にKSCは自己破産・個人再生の情報を7年間保有するため、銀行系のクレジットカードは7年間は審査に通らない可能性が高いです。一方、消費者金融系のクレジットカードであれば、5年経過後に審査に通る可能性があります。
強制解約や代位弁済
クレジットカード会社からの強制解約や、保証会社による代位弁済(保証履行)も異動情報として登録されます。
強制解約は、長期延滞や利用規約違反などによってカード会社から一方的に契約を解除されることです。代位弁済は、ローンの返済ができなくなった際に、保証会社が債務者に代わって返済を行うことを指します。
これらの情報も延滞と同様に、契約終了から5年間は信用情報に記録されます。強制解約や代位弁済の履歴があると、他のカード会社も「返済能力に問題がある」と判断するため、審査に通りにくくなります。
申し込みブラック(短期間の多重申し込み)
短期間に複数のクレジットカードに申し込むと、「申し込みブラック」と呼ばれる状態になり、審査に通りにくくなります。
申し込み情報は信用情報機関に6ヶ月間記録されます。短期間に多数の申し込みがあると、カード会社は「お金に困っているのではないか」「返済能力に問題があるのではないか」と判断します。
申し込みブラックは異動情報とは異なり、申し込み情報が消える6ヶ月後には解消されます。ただし、その間は審査に通りにくい状態が続くため、クレジットカードは1枚ずつ、間隔を空けて申し込むのがおすすめです。
クレジットカードの審査に通らない原因を調べる方法
クレジットカードの審査に通らない原因を調べるには、信用情報機関に開示請求を行います。開示請求によって、自分の信用情報に異動情報が登録されているかどうかを確認できます。
日本には3つの信用情報機関(CIC・JICC・KSC)があり、それぞれに開示請求が可能です。手数料は500円~1,500円程度で、インターネットや郵送で手続きできます。
| 信用情報機関 | 開示方法 | 手数料 | 所要日数 |
|---|---|---|---|
| CIC | インターネット、郵送 | インターネット:500円 郵送:1,500円~ |
インターネット:即時 郵送:約10日 |
| JICC | スマホアプリ、郵送 | スマホ:700円 郵送:1,960円 |
スマホ:即時~数日 郵送:約7~10日 |
| KSC | インターネット、郵送 | インターネット:1,000円 郵送:1,679円~1,800円 |
インターネット:3~5営業日 郵送:約7~10日 |
CICで信用情報を開示請求する
CIC(シー・アイ・シー)は、クレジットカード会社や信販会社が主に加盟する信用情報機関です。クレジットカードの審査で最も参照される機関のため、まずはCICで開示請求を行うのがおすすめです。
CICの開示請求方法は以下のとおりです。
- インターネット開示:手数料500円、即時で結果を確認可能
- 郵送開示:手数料1,500円~、約10日で結果が届く
- 支払方法:PayPay、楽天ペイ、キャリア決済、クレジットカード、デビットカード
インターネット開示は手数料が安く、すぐに結果を確認できるためおすすめです。ただし、受付番号の有効期限が1時間以内のため、時間内に手続きを完了させる必要があります。
JICCで信用情報を開示請求する
JICC(日本信用情報機構)は、消費者金融やクレジットカード会社が加盟する信用情報機関です。消費者金融系のクレジットカードを申し込む場合は、JICCの情報も確認しておくとよいでしょう。
JICCの開示請求方法は以下のとおりです。
- スマホアプリ開示:手数料700円、24時間365日申し込み可能
- 郵送開示:手数料1,960円、約7~10日で結果が届く
- 開示結果は通知日から30日以内に受け取る必要あり
JICCはスマートフォンアプリから開示請求ができ、スマホで結果を確認できます。24時間365日いつでも申し込みができるため、便利に利用できます。
KSC(全国銀行個人信用情報センター)で開示請求する
KSC(全国銀行個人信用情報センター)は、銀行や信用金庫が加盟する信用情報機関です。銀行系のクレジットカードを申し込む場合は、KSCの情報も確認しておく必要があります。
KSCの開示請求方法は以下のとおりです。
- インターネット開示:手数料1,000円、最短3~5営業日で結果を確認
- 郵送開示:手数料1,679円~1,800円(コンビニ発券手数料込み)、約7~10日で結果が届く
- インターネット開示にはマイナンバーカードが必要
KSCのインターネット開示は、マイナンバーカードを使ったeKYC(オンライン本人確認)で手続きを行います。マイナンバーカードを持っていない場合は、郵送での開示請求となります。
クレジットカードの審査に落ちた履歴は残る?
クレジットカードの審査に落ちた履歴(合否結果)自体は信用情報に記録されません。ただし、申し込みをした事実は6ヶ月間記録されます。
申し込み情報が残っている間に別のカードに申し込むと、他社は「申し込みをしたのに契約に至っていない=審査に落ちた」と推測できます。そのため、審査落ち後の再申し込みには注意が必要です。
申し込み情報は6ヶ月間記録される
クレジットカードに申し込むと、その情報は信用情報機関に6ヶ月間記録されます。記録される内容は「いつ・どの会社に・どんな契約で申し込んだか」という事実であり、審査結果(合否)は含まれません。
しかし、申し込み情報があるのに契約情報が登録されていなければ、他のカード会社は「この人は審査に落ちた」と推測できます。短期間に複数の申し込み情報があり、いずれも契約に至っていない場合は、審査で不利になる可能性があります。
審査落ち後の再申し込みは6ヶ月以上空けるのがおすすめ
クレジットカードの審査に落ちた場合、再申し込みは6ヶ月以上空けることをおすすめします。申し込み情報は6ヶ月で消えるため、その後であれば前回の審査落ちの影響を受けにくくなります。
ただし、審査基準はカード会社によって異なります。A社で落ちてもB社で通る可能性はあるため、6ヶ月待たずに別のカード会社に申し込むことも選択肢の一つです。
その場合でも、短期間に複数のカードに申し込む「申し込みブラック」にならないよう、申し込みは1社ずつ行うようにしましょう。
クレジットカードの審査に通らない期間中の代替手段
信用情報に異動情報が登録されている期間中でも、キャッシュレス決済を利用する方法はあります。デビットカード、プリペイドカード、家族カードの3つは、いずれも与信審査が不要または本人への審査がないため、ブラック状態でも発行・利用できます。
デビットカード
デビットカードは、利用と同時に銀行口座から即時引き落としされるカードです。クレジットカードと異なり与信審査が不要なため、信用情報に問題があっても発行できます。
VISA・Mastercardなどの国際ブランドが付いたデビットカードであれば、クレジットカードと同じようにネットショッピングや店舗での支払いに利用できます。15歳以上(中学生を除く)であれば発行可能で、年会費無料のものも多くあります。
デビットカードの主なメリットは以下のとおりです。
- 審査なしで発行できる
- 口座残高の範囲内でしか使えないため使いすぎを防げる
- ポイント還元があるカードもある
- クレジットカードと同様にネットショッピングや店舗で使える
プリペイドカード
プリペイドカードは、事前にチャージした金額の範囲内で利用できるカードです。与信審査が不要なため、信用情報に問題があっても発行・利用できます。
VISA・Mastercardブランドのプリペイドカードであれば、クレジットカードと同様にネットショッピングや店舗での支払いに利用可能です。バンドルカードなど、審査も年齢制限もないプリペイドカードもあります。
プリペイドカードはWeb申し込みで簡単に入手でき、コンビニなどでチャージして使えるものが多いため、手軽に始められるのがメリットです。
家族カード
家族カードは、クレジットカードの本会員の家族が利用できるカードです。家族カードの審査は本会員に対して行われるため、家族本人の信用情報は基本的に問われません。
本会員の信用情報に問題がなければ、たとえ家族がブラック状態でも家族カードを発行できる可能性があります。家族カードはクレジットカードと同等の機能が使えるため、ブラック期間中の代替手段として有効です。
ただし、家族カードの利用分は本会員に請求されるため、利用する際は本会員の同意を得て、計画的に使うことが大切です。
クレジットカードの審査に関するよくある質問
クレジットカードの審査に関して、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
クレジットカードの審査に落ちる人の特徴として、長期延滞や債務整理の履歴がある、収入が不安定、借入額が大きい、短期間で複数のカードに申し込んでいる、クレジットヒストリーがない(スーパーホワイト)などが挙げられます。
特に信用情報に異動情報が登録されている場合は、ほとんどのカード会社で審査に通らなくなります。
クレジットカード会社は審査落ちの理由を開示していません。審査基準は各社の企業秘密であり、理由を教えることで審査を回避されることを防ぐためです。
審査に落ちた原因を知りたい場合は、CIC・JICC・KSCなどの信用情報機関に開示請求を行い、自分の信用情報を確認するしかありません。
まず信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に開示請求を行い、審査に落ちた原因を確認しましょう。異動情報が登録されている場合は、その情報が消えるまで待つ必要があります。
異動情報がない場合は、6ヶ月以上空けてから再申し込みするか、審査基準の異なる別のカード会社に申し込むのがおすすめです。
自分がブラックリスト(異動情報が登録されている状態)かどうかは、信用情報機関に開示請求を行うことで確認できます。
CIC・JICC・KSCの3つの信用情報機関があり、手数料は500円~1,500円程度です。インターネットや郵送で手続きでき、開示報告書で異動情報の有無を確認できます。
ブラックリスト(異動情報)が消える期間は、信用情報機関と事故の種類によって異なります。
CIC・JICCでは延滞・債務整理ともに契約終了から5年で消えます。KSCでは延滞は5年、自己破産・個人再生は7年で消えます。重要なのは「契約終了日」からカウントが始まる点で、延滞を解消して完済・解約するまではカウントが始まりません。
自己破産後にクレジットカードが作れるようになるのは、信用情報機関から異動情報が消えた後です。
CIC・JICCでは破産手続き終了から5年、KSCでは7年で情報が消えます。消費者金融系のカードであれば5年後、銀行系のカードは7年後から審査に通る可能性があります。
延滞を解消しても、すぐにクレジットカードは作れません。異動情報は「契約終了日」から5年間残るため、延滞を解消して完済・解約した後も5年間は審査に通りにくい状態が続きます。
延滞を解消したら、できるだけ早く完済・解約して契約を終了させることで、5年のカウントを開始させましょう。
申し込みブラックとは、短期間に複数のクレジットカードに申し込むことで、審査に通りにくくなる状態のことです。
申し込み情報は信用情報機関に6ヶ月間記録されます。短期間に多数の申し込みがあると「お金に困っている」と判断され、審査で不利になります。申し込みブラックは6ヶ月後には解消されます。
スーパーホワイトとは、クレジットカードやローンの利用履歴が全くない状態のことです。信用情報に何の記録もない「真っ白」な状態を指します。
20代後半以降でスーパーホワイトの場合、「過去に金融事故を起こして情報が消えた後なのでは」と疑われる可能性があります。そのため、年齢によっては審査で不利になることがあります。
審査基準はカード会社によって異なるため、「審査に通りやすいカード」を断言することはできません。
一般的には、流通系カード(イオンカードなど)や消費者金融系カードは、銀行系カードと比べて審査基準が異なるとされています。ただし、信用情報に異動情報がある場合は、どのカードでも審査に通ることは困難です。
まとめ
クレジットカードの審査に通らない期間は、信用情報機関に異動情報が登録されている期間と同じで、最長5~7年です。CIC・JICCでは5年、KSCでは5~7年で異動情報が消えます。
審査に通らない主な原因は、長期延滞、債務整理、強制解約・代位弁済、短期間の多重申し込みの4つです。異動情報の保有期間は「契約終了日」からカウントされるため、延滞がある場合はまず完済・解約することが重要です。
- 審査に通らない期間はCIC・JICCで5年、KSCで5~7年
- 異動情報のカウントは「契約終了日」から始まる
- 審査落ち後の再申し込みは6ヶ月以上空けるのがおすすめ
- 自分の信用情報は開示請求で確認できる(手数料500円~)
- ブラック期間中はデビットカード、プリペイドカード、家族カードで代替可能
審査に落ちた原因がわからない場合は、まず信用情報機関に開示請求を行い、自分の信用情報を確認してみましょう。異動情報が消えるまでの期間は、デビットカードやプリペイドカードを活用してキャッシュレス生活を送ることができます。