FXは平日なら24時間取引することができ、忙しい主婦や会社員の方でもコツコツ稼ぎやすい投資の一つです。
しかし、「少ない時間でコツコツ稼ぐにはどうすればいいの?」、「コツコツ増やした資産を一気に減らすパターンは避けたいな」といったお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回はFXでコツコツ稼ぐ方法や、コツコツ増やした利益を一気に減らさないようにするための注意点などを解説していきます。
FXでコツコツ稼ぐためのノウハウを学んでいきましょう。
FXでコツコツ稼ぐ方法は2種類
FXでコツコツ稼ぐ方法は、大きく分けると以下の2種類になります。
自分に合った方法を選んでみてください。
コツコツ売買して稼ぐ
コツコツ売買して稼ぐ場合、取るべきトレードスタイルは以下の4つです。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
- 自動売買
FXのトレードスタイル一覧表 | |||
---|---|---|---|
トレード スタイル |
難易度 | 保有期間 | 狙う値幅 |
スキャル ピング |
高 | 数秒~数分 | 狭い |
デイ トレード |
中 | 1時間~数時間 | 中くらい |
スイング トレード |
中 | 数日~数週間 | 広い |
ポジション トレード (長期投資) |
中 | 数ヵ月~数年 | 非常に広い |
スワップ トレード (中・長期) |
中 | 数ヵ月~数年 | スワップ金利(スワップポイント)を狙う |
自動売買 | 中~高 | 数秒~数ヵ月 | システム次第 |
数ヵ月~数年という長期間ポジションを保有して収益を上げることを目的としたポジショントレードは、コツコツ売買して稼ぐのには不向きです。また、ポジションを長期間保有して、2ヵ国間の金利差調整分であるスワップポイント(スワップ金利)を継続的に受け取ることで収益を上げるスワップトレードも、頻繁に売買するトレードではないため、コツコツ売買して稼ぐのに向いていません。
コツコツ売買して稼ぎたいのであれば、スキャルピングやデイトレード、スイングトレード、自動売買のどれかを選んで取引していくのがおすすめです。
スキャルピングとは、数秒から数分という極めて短い時間で、何度も取引を繰り返して利益を積み重ねるトレードスタイルです。つまり、スキャルピングは他のトレードスタイルに比べて取引の回数が非常に多く、資金の回転率もそれに合わせて高くなります。
FXのトレードスタイルの中では狙える値幅が最も狭いのですが、それを補えるだけの圧倒的な資金の回転率があり、コツコツ稼ぐこととの相性は抜群です。さらに、1回あたりの取引時間が数秒~数分と短いため、仕事や家事で忙しい方でもスキマ時間を使って取引をし、利益や知識、経験をどんどん積み上げていくことができます。
ただし、スキャルピングでは瞬時の判断力や素早い相場の分析、取引ツールの的確な操作などが要求されます。そのため、FXの勉強をしっかりと行う時間のある方や、瞬時の判断力、頭の回転の速さに自信がある方におすすめのトレードスタイルです。
デイトレードとはその名の通り、当日中に注文と決済を終わらせるトレードスタイルです。ポジションを保有する期間は1時間~数時間であり、翌日にポジションを持ち越すことはありません。
前述したスキャルピングより、ポジションの保有期間が長いため、FX初心者でも焦らず取引することができます。また、スキャルピングと比べて取引回数は減りますが、それでも1日に数回取引することが可能です。
ポジションの保有期間が長いことから、指値注文や逆指値注文を活用すれば、チャートをずっと見ておく必要はないということも、主婦や会社員の方にはメリットになるでしょう。ただし、チャートをずっと見ておく必要はありませんが、1日に数回以上はチャートをチェックする必要があるため、1日に1回もチャートをチェックできない方には向いていません。
デイトレードはFX初心者でも焦らず取引することができ、取引の回数もある程度確保できることから、主婦や副業をしたい会社員の方には非常におすすめです。
スイングトレードとは、数日~数週間で取引を完結させるトレードスタイルです。一般的に、取引回数は1ヵ月に数回から10回程度になります。
スキャルピングやデイトレードより大幅に取引回数は減りますが、その分チャートのチェックは1日1回程度でも問題なく、時間的、精神的に余裕を持つことができます。さらに、スキャルピングやデイトレードよりも大きな値幅を狙うことが可能です。
しかし、取引回数が少ないことから退屈に感じやすく、取引の知識や経験もたまりにくくなります。また、大きな値動きが起こりそうな経済指標に注意することも必要です。
スイングトレードはチャンスをじっくり待てる方で、チャートを見る時間をあまり取れない方、落ち着いて取引したい方におすすめです。
FXの自動売買とは、一度発注するだけであらかじめ設定した取引ルールにしたがって、自動的に取引を繰り返してくれるシステムのことをいいます。自動売買は多くのFX会社が提供しており、コツコツ稼ぐのに適したものも多いです。
例えば、MATSUI FXの「100円から自動売買」は、「買い」や「売り」、「決済の値幅」などをあらかじめ設定しておくことで、その条件にしたがって自動的に取引を繰り返してくれます。また、名前の通り約100円(ドル円が100円の場合)と非常に少額から自動売買できるため、初心者の方でも安心です。
「FXでコツコツ稼ぎたいけどうまくいかない」という方や、時間の制約がある方は、コツコツ稼ぐのに適したタイプの自動売買を使ってみるのもよいでしょう。
スワップポイント狙いでコツコツ運用する
FXでコツコツ稼ぐ方法には、スワップポイント狙いでコツコツ運用する方法もあります。コツコツ売買して稼ぐ方法と違って、売買の取引をするのではなく、通貨ペアを保有し続けることで利益を狙います。スワップポイントとは、金利差調整分ともいわれ、「2ヵ国間の金利差によって発生する損益」のことです。
例えば、金利の高いトルコリラや南アフリカランドなどを買い、金利の低い日本円などを売ることでスワップポイントを受け取ることができます。スワップポイントを狙った運用では、ポジションを保有している日数だけ金利差分の利益を得ることが可能です。
そのため、取引を頻繁に行わなくても利益をコツコツ積み上げていくことができ、それを狙うFXのトレーダーも一定数存在しています。
スワップポイント狙いをおすすめする人は、取引ではなくスワップポイントで長期的かつ着実に利益を積み上げたい方です。スキャルピングやデイトレードでは日をまたいだ取引をしないため、スワップポイントが発生しませんし、スイングトレードも数日~数週間程度の保有になることでスワップポイントを大きく積み上げるのは難しいです。
しかしながら、スワップポイント狙いのスワップトレードでは数ヵ月~数年間保有することになるため、コツコツとスワップポイントを積み上げることができます。
また、過去の値動きを分析し将来の値動きを予測するテクニカル分析より国の経済データや動向から相場を予測するファンダメンタルズ分析が好きな方にも向いています。なぜなら、ファンダメンタルズ分析は、テクニカル分析より長期的な分析に適しているからです。
もちろん両方の分析に精通しているに越したことはありませんが、よりスワップポイント狙いと相性が良いのはファンダメンタルズ分析に親しんでいる方です。万が一分析が間違っていたとしても、スワップポイント狙いならコツコツ積み上げたスワップポイントが損失を軽減してくれるというメリットもあります。
したがって、スワップポイント狙いをおすすめする人は長期的かつ安定して利益を積み上げたい方や、テクニカル分析よりファンダメンタルズ分析が好きな方です。
積立FXとは?コツコツ貯金感覚でできる?
積立FXとは、「FXの仕組み」を使う外貨の積立投資のことです。積立投資とは、同じ金融商品の定期的かつ定額の購入を継続し、長期的な目線で利益を得ようとする投資手法のことをいいます。
要するに、積立FXはコツコツと貯金感覚で、時間をかけて資産を積み上げることができる投資方法です。
「外貨への投資」は外貨預金をイメージされる方が多いと思いますが、外貨預金は主に銀行、積立FXはFX会社が取り扱うという違いがあります。積立FXは、通常のFXよりもリスクが大きく抑えられていること、外貨預金と違っていつでも売却可能なことが大きな特徴です。
また、定期的かつ定額の購入を継続し、長期的な目線で利益を得ようとすることから結果的にポジショントレードをすることになります。
ポジショントレードとは
ポジショントレードは長期投資や長期保有とも呼ばれ、数ヵ月または年単位という長期間にわたってポジションを保有するトレードスタイルです。一般的には相場の大きなトレンドに乗ることを目指し、テクニカル分析よりもファンダメンタルズ分析を重視する傾向があります。
長期的にポジションを保有するため、取引回数は非常に少なく、大きな値幅を狙うことができ、チャートを毎日見る必要もありません。積立FXでは定期的かつ定額の購入を継続することから、結果としてポジショントレードがトレードスタイルになります。
積立FXをおすすめする人
積立FXをおすすめする人は、「とにかくリスクを抑えてコツコツ稼ぎたい」という方です。
積立FXの「積立」とは、定期的に決まった額を複数回購入するという意味です。つまり、積立FXでは「同じ金額」で「複数回」に分けて金融商品を買う、いわゆる「ドルコスト平均法」にもとづいて、通貨ペアを買い続けることになります。
積立FXでは、あらかじめ設定した以下の3つの条件で同じ通貨ペアを買い続けます。
・購入額
・購入頻度
・レバレッジ
例えば、ドル/円を毎回1万円分、毎月、レバレッジ1倍で買うとしましょう。
FXは値動きがあるため、円安の月もあれば円高の月もあるはずです。
考えやすくするために、1ドル100円の円安の月、1ドル50円の円高の月があったとします。
すると、円安の月では1回で1万円÷100円=100ドル分、円高の月では1回で1万円÷50円=200ドル分の米ドル/円を買うことになります。
長期的に一定金額で購入すると、安いときに多く買い、高いときに少なく買うことになるため、平均の購入価格を下げることができます。買うタイミングを分散(時間分散)することでリスクを抑えるドルコスト平均法を使う積立FXであれば、難しい分析をしなくてもリスクを抑えて投資することが可能なのです。
なお、積立FXは長期的な投資になることから、長期で保有すればするほど利益が積み上がるスワップポイント狙いの運用とも相性がいいです。
積立FXをおすすめしない人は2パターン
積立FXはリスクを抑えつつ利益を狙いやすい投資方法ですが、おすすめできないパターンもあります。
以下で順に解説させていただきます。
売りで取引したい人
積立FXをおすすめしない人は、まず「売り」で取引したい方です。通常のFXは売りから取引を始めることができるという特徴がありますが、積立FXは買い続ける仕組みになっているため、売りから取引を始めることができないからです。
例えば、積立FXでドル円を「売り」で取引するということはできません。
しかしながら、FXに慣れている方の中には、売りでも取引したいと感じる方もいらっしゃるでしょう。FXにおける売りでの積み立ては、手間にはなりますが手動で行うことで可能になります。
定期的な資金投入ができない人
定期的な資金投入ができない人も、積立FXには向いていません。なぜなら、積立FXは継続的に同じ金額でポジションを増やしていくため、どんどん証拠金維持率が低下していくからです。
証拠金維持率が一定値より下がると購入が止まってしまうことになり、ロスカットにもかかりやすくなってしまいます。購入が止まることや思わぬロスカットを避けるには、定期的に資金を投入するか、あらかじめ大きな資金を入れておき、証拠金維持率が下がりすぎないように管理しておくことが必要です。
そのため、定期的な資金投入ができない人は積立FXで失敗しやすく、あまりおすすめできません。
積立FXの注意点2選
積立FXはメリットの大きい投資方法ですが、以下のような注意点もあります。
「こんなはずでは」と後悔しないために、しっかりと注意点を確認しておきましょう。
長期的な取引が基本になる
積立FXは長期的な取引が基本になります。なぜなら、積立FXでは定期的に決まった額を複数回購入することで、購入価格を平均化して長期的な目線で利益を上げるのが目的だからです。
例えば、1万円分毎月ドル円を買うといったように、通貨ペアを買いポジションで保有していきます。
もちろん、短期間で予想以上の大きな含み益が発生した場合は、一度利益確定してしまうのも一つの手です。とはいえ、基本は長期投資が基本になり、スキャルピングやデイトレードのように短期的に稼ぐことは難しいことを覚えておきましょう。
損失が発生することもある
積立FXはリスクの少ない投資方法ですが、投資である以上損失が発生することもあります。積立FXは普通預金のように元本保証ではなく、為替の変動によって元本割れを起こすリスクがあるのです。
積立FXは通貨ペアの価格が下落しているときも定額で買い続けるため、ドルコスト平均法によって購入価格が平均化し、長期的に見れば利益を得やすい傾向があります。しかしながら、いかに購入価格を平均化しても、為替レートが下落を続けてしまえば含み損が発生することは避けられません。
積立FXは貯蓄ではなく、最終的には損失が発生する可能性があり、大金を投じるのは大きなリスクがともなうのです。
FXでコツコツドカンを防ぐための2つの注意点と対策方法
FXでよくある失敗が「コツコツドカン」です。
最後に、コツコツドカンとは何か、そして防ぐためにはどこに注意すればよいのか見ていきましょう。
コツコツドカンとは?
コツコツドカンとはその名の通り、「コツコツ」と積み上げた小さな利益を、「ドカン」と一度の大きな損失で失うことをいいます。コツコツドカンは資金が一気に減ってしまうことから、FXで起きる良くない取引の代表格です。
とはいえ、人間には「早く利益を確定したい」、「損はできるだけ回避したい」という本能があり、これがコツコツドカンを招いてしまいます。そのため、本能にあらがって「利益はできる限り伸ばす」、「損は速やかに損切りをする」というようにするための工夫が必要になるのです。
急騰や急落に巻き込まれてドカンと損する
損切りの逆指値(ストップロス)注文を入れておくことが、急騰や急落に巻き込まれてドカンと損することを避けることにつながります。なぜなら、逆指値注文を入れておけば、急騰や急落が起こっても自動的に損切りが行われ、想定外の大きな損失が発生することがなくなるからです。
例えば、買いポジションを保有している際に、突発的なニュースで急落が発生しても、逆指値注文を入れておけば損失は限定されます。したがって、急騰や急落に巻き込まれてドカンと大きく負けないためには、しっかりと逆指値注文を入れておくことが重要です。
損切りができずに徐々に損失が膨らむ
一度入れた損切り注文の価格を動かさないようにすることが、損切りができずに徐々に損失が膨らむケースを避けるポイントです。
含み損が発生すると損切りを回避したいあまり、逆指値注文の価格を変えて位置を遠ざけたくなります。しかし、これでは損失がどんどん膨らむというリスクを抱えることになってしまうのです。
例えば、最初に入れた損切り注文の価格であれば100pipsの損失で済んだのに、逆指値注文の価格を変えてしまったために300pipsの損失になってしまったというようなことが起こります。「損はできるだけ回避したい」というのが人間の本能ですが、損失を膨らませないためにぐっとこらえて、損切り注文の価格は動かさないようにしましょう。
損を取り戻すためにロットを大きくする
損をした後は、どうしても損を取り戻したくなるため、ロット(ポジションの量)を大きくしがちですが、初心者のうちはロットをできる限り一定にするのがおすすめです。
確かにロットを大きくすれば、その分だけ勝ったときの利益は大きくなりますが、負けた場合の損失も大きくなります。例えば、通常1ロットで取引をしており、それを2ロットにすればリターンだけでなくリスクも2倍になってしまうのです。
そのため、ロットを一定に保つようにすることで、リスクコントロールをしやすい環境にし、コツコツドカンを防ぐようにしてください。
詳細はこちら
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。15年以上のFXトレード歴があり、2013年に開催されたFXコンテスト(Forex.com社開催)で優勝も経験。FXを始め、株、仮想通貨、コモディティなども手広く取引している。
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