PAN
金融資産3億円超の個人投資家。シリコンバレーにてハイテク企業に6年間勤務。その後、現在は日本でハイテク外資企業に勤務。金融資産100万円から10年で1億円、その後3年で3億円達成。2021年のリターンは約4000万円。YouTubeチャネル「PAN米国株投資ちゃんねる」では米国経済状況、ETFや個別株について解説。
投資する際に最も注意しているのは経済のマクロ部分。経済サイクルに合わせて柔軟に投資
ーまずは、PANさんが投資を始めたきっかけから伺えますでしょうか。
PANさん(以下、PAN):私は投資を3回始めているのですが、最初のきっかけは2000年頃のBRICsブームでした。当時、BRICsに関連する投資が利益をもたらすという話が盛り上がっており、それに興味を持ち始めました。ただ、当時は投資について全く知識がなく、BRICsブームの終わりごろに参入したため、結果的に損をしました。それが最初の投資です。
その後、しばらく投資から離れていましたが、2007年頃に「高金利通貨」がものすごく流行りました。この投資方法では、通貨を保有するだけでスワップ金利を得られます。当時、ニュージーランドドルやオーストラリアドルが注目されていたため、「そうか、流行っているのか」と購入しました。その時は800万円ほど資産を持っていたのですが、リーマンショックによる大幅な為替変動で、最終的に700万円を失いました。これが2回目の投資です。
3回目の投資は、2013年のアメリカ移住時です。当時、私の銀行口座に30万ドルぐらい貯まっていたのですが、アメリカの金利はほぼゼロでした。そのため、ただ預けているだけではもったいないと思い、アメリカ株への投資を始めてみました。
ーありがとうございます。続いて、初めて購入した銘柄や商品について教えていただけますか?
PAN:最初に購入したのは、おそらくコムキャストという銘柄です。その銘柄を選んだ理由は、当時アメリカで問題視されていたインターネット回線の遅さが関係しています。
日本ではすでに高速回線が普及していた時期ですが、私が住んでいた地域ではまだ高速接続はなく、ケーブルテレビ経由のインターネット接続が主流でした。そのケーブルテレビ事業を牛耳っていたのがコムキャストだったので、彼らの強い地位を評価し、株を購入したというわけです。
意外に知られていませんが、コムキャストはユニバーサル・スタジオの親会社です。その点から企業規模をイメージできるのではないでしょうか。
ー現在は米国株や一部のS&P500銘柄、ETFもポートフォリオに組み入れていると思いますが、現在の投資方針が固まった理由について教えていただけますか?
PAN:投資方針やポートフォリオについては特に固定化しておらず、マーケットに応じて柔軟に対応しています。
私が最も注意しているのは経済のマクロ部分です。株価の長期的な動きはマクロ経済から予測できるため、市場が有利な時には投資を増やし、そうでない時には少額で短期トレードをしてみたりと、経済サイクルに合わせて投資するのが私の投資方針です。
ーマクロ経済については、どの程度詳しく学ばれているのでしょうか?
PAN:YouTubeで毎日情報発信していることもあり、日々調査や研究をしています。その結果、かなり深い知識を持つことができています。ただし、多くの方はアメリカ経済や政治について深く学びたいわけではありませんよね。そういった人たちには、10年債の金利をチェックすることをおすすめします。
簡単に説明すると、10年債の金利が2.5%を超えると、株価にとっては逆風となり、不利な状況と言えます。一方、2.5%を下回ると追い風です。株価が下がったら、それをチャンスと捉えて買い増しすればよいでしょう。非常に単純化すると、この点が最も重要なポイントです。
ーそのように詳細な結論に至るまで、どの程度の学習が必要だったのでしょうか?
PAN:2013年にアメリカの株式投資を始めた当初、投資自体はうまく進行していました。市場が好調だったため、購入した銘柄は全て上昇していたんです。一方で、株式市場に関する知識は全くなく、勉強もしていませんでした。
2018年の後半に、債務上限問題や景気の後退などから「もうこれ以上株価は上昇しないだろう」という状況が生じました。その結果、「暗黒のクリスマス」と呼ばれる時期に株価は急落。ただ、恥ずかしながら、当時私はなぜ株価が下がっているのか全く理解できませんでした。そうした出来事に直面したことで、本格的に勉強するようになりました。
本業の仕事と投資は全て繋がっている。投資は得意な分野で戦えば十分
ーちなみに、PANさんの本業と今学んでいることは直結していますか?
PAN:直結していますね。私の仕事にも関連していますし、言ってみれば全てが繋がっています。スティーブ・ジョブズが言った「コネクティング ザ ドッツ(Connecting the dots)」のように、全てが繋がっていると感じています。
現在、私は、外資のハイテク企業で働いています。そのため、ハイテク企業の技術や市場に精通しており、他の業界と比べてハイテク系への投資については詳しいんです。反対に、たとえばバイオテクノロジーについて聞かれても、ほとんどわかりません。
結局のところ、全ての分野に精通する必要はなく、得意な分野で戦えば十分だと思います。それが私の投資方針です。
また、外資系企業で働くためには英語が必須です。私は6年間アメリカに住んでいたため、英語力を鍛える時間を十分確保できました。その結果、FRBのパウエル議長の発言なども英語で理解できるようになりました。
英語を株式投資のために学ぶのは難しいと思いますが、私の場合、仕事の一環として英語を学んでいたため、その知識が役立っています。また、アメリカに住んでいた時に、債務上限問題による国立公園の閉鎖や免許更新の遅延など、政府閉鎖が発生しました。「このような出来事が起こった場合、次に何が起こるのか?」といった視点も養えました。
たとえば、ウォルマートとターゲットの違いがわからない人も多いでしょう。私は普段からこれらの店で買い物をしていたため、その違いを理解しています。要するに、仕事の延長線上で得た知識が、投資にも役立っているということです。仕事ではプレゼンなども行うため、そのスキルをYouTubeで活かしたり、インタビューに応用することもあります。
また、仕事で500人以上の前でセミナーを開催した経験もあるので、「数百人の前でセミナーをやってください」と頼まれても大丈夫です。このように、仕事と投資は全て繋がっています。
投資する際に人の意見を鵜呑みにすること、トレンドに乗ることは危険
ーありがとうございます。続いて、投資の失敗談についてお話を伺えればと思います。
PAN:全体的に見て、人の意見を鵜呑みにすることが失敗の要因だと感じています。トレンドに知識無く乗ることが1番危険ですね。
自分の大切な資金を投資する際には、投資対象にどのようなリスクが存在するのか、なぜ価格が上昇しているのか、上昇がどれくらい続くのかといったことを、他人の意見を参考にしつつ、最終的な判断は自分で下すことが重要です。
他人の意見に基づいて投資をすると、失敗したときに「あの人の意見が間違っていたんだ」と考え、より正確な情報源を探そうとするかもしれません。しかし、100%的中する人は存在しないため、結局は自分の判断力が求められます。
自分の読みが甘くて失敗したと認識できれば、その部分を学び、勉強することで成長に繋がります。私のYouTubeチャンネルをご覧いただくのは嬉しいのですが、私の言葉も盲信せず、自ら考えることを意識してほしいと思っています。
ーPANさんの周りで、情報に流されて失敗した人はいますか?
PAN:失敗したかどうかまではわかりませんが、思い当たるふしがあります。現在、投資情報を得るために多くの人が利用しているのは、おそらくYouTubeです。情報の速報性があり、中立的な立場で話す人もいれば、私のように予想を公言するタイプの人もいます。
私の予想は結構当たっている事が多いと勝手に思っていますが、もちろん外れることもあります。その外れた予想に乗ってしまった人たちは、損失を被っている可能性があります。
ーなぜ他人の意見を鵜呑みにしてしまう人がいると思いますか?
PAN:投資は、わからない未来に対して資金を投じる行為です。たとえば、ナスダックが上昇すると予測して投資したとします。しかし、ナスダックが実際に上昇するかどうかは誰にも予見できません。
このような不確定な状況下に、強い口調で論理的な理由を提示して「上昇する」と主張する人がいると、その人の意見を信じてしまうことがあります。「この人がそう言っているのなら、多分大丈夫だろう」と思ってしまうんです。
ーなるほど。権威にすがってしまう感じですね。
PAN:そうですね。占いに似ているかもしれません。迷っている時に占い師が何かアドバイスすると、「本当にそうかもしれない」と思ってしまいますよね。投資の場でも同様の現象が起きます。権威のある人の意見に何となく安心してしまうんです。
ー少し前の話と重なるかもしれませんが、初心者がよく陥りがちな失敗とその対策について、何かお気づきの点があれば教えていただけますか?
PAN:初心者が陥りやすい失敗は、他人の話を鵜呑みにすることです。初心者はビギナーズラックで大きな利益を得ることもありますが、それは実力ではなく運によるものです。
2点目は、リスクを取りすぎてしまう点。たとえば、株価が下落した際にどう対処すべきかわからず、ただ見守るだけで株価がどんどん下がっていくケースがあります。そのような経験をする投資初心者も少なくありません。
ーリスクの許容範囲や対処方法について、自分なりの明確な根拠を持って判断しなければ、投資は困難に陥ることも多いですよね。
PAN:そうですね。それを避けるためには、少額から投資を始めることが重要だと思います。たとえば、投資可能な資金の10%を投資に用いる場合、その投資が大失敗して資金が半分になっても、全体から見ると5%の損失で済むため、リカバリーが可能です。
しかし、「あのユーチューバーが今は買いのタイミングと言っている」と全資金を投入しレバレッジまでかけてしまうと、投資が半分になった際に大きなダメージを負うことになります。
ーそのような失敗を避けて成功に繋げるために、PANさんが現在実践されていて、うまくいっている秘訣やポイントを教えていただけますか?
PAN:私の投資スタンスは、常に米国経済のマクロ動向を注視することです。現在の状況が適切な投資タイミングでない場合もあるため、マクロ状況を考慮しながら投資に取り組んでいます。これが中期的な投資戦略です。
しかし、短期的にはマクロ経済が逆風であっても、株価が急上昇することもあります。相場はさまざまな要素によって動くため、そのような短期的なトレンドに乗ることもありますね。
要するに私が生き残っている秘訣は、中期的なマクロ経済と、市場のセンチメントやニュースなどに左右される短期的な相場を区別して取り組んでいる点にあると思います。
銘柄分析で重視しているのは、四半期ごとに発表される企業の決算。市場予想を超えるかどうかが重要
ー企業の個別銘柄を分析する際に、PANさんが特に重視している指標は何でしょうか?
PAN:1番重視しているのは、四半期ごとに発表される企業の決算です。市場予想(コンセンサス)が高い成長を期待しているか、あるいは低い成長を期待しているかは関係なく、それを超えるかどうかが重要だと考えています。
これは非常にシンプルな指標です。キャッシュフローや損益計算書、販管費などを詳細に分析する人もいますが、投資家が実際に行動を起こすのは単純な要素に基づいていることが多いため、私は市場予想をメインに観察しています。
また、企業ごとに重視するポイントは異なります。たとえばディズニーの場合は、Disney+の加入者数が重要な指標となり、テスラの場合は車の出荷台数が重要です。投資家が注目しているポイントは企業によって異なるため、その特性を理解し、チェックするようにしています。
ほかの投資家が注目していない細部のポイントにこだわることは、あまり意味がないと思っています。なぜなら、その細部が株価に大きな影響を与えているとは限らないからです。
ーPANさんがおすすめの銘柄を教えてください。
PAN:自分自身が日常で使っているサービスや製品、または理解しやすい銘柄がおすすめです。
たとえば、私の場合だとApple製品を愛用しているので、Appleに投資するのが好きです。同様にマクドナルドも好きなので、マクドナルドの株も気に入っています。このように、自分と何らかの関連性がある銘柄に投資する傾向があります。
たとえば、製薬会社が革新的な痩せ薬を開発していると聞いても、私にはその技術は理解できません。それよりも、自分が理解しやすい会社に投資することを選びます。ウォーレン・バフェット氏の真似をしているわけではありませんが、彼も「自分が理解できないものに投資するな」と言っていますよね。
ー身近なものは心理的なハードルが低く、魅力を感じやすいということでしょうか?
PAN:そうですね。自分がその会社や製品について理解できることや、新製品が登場した際に「これはすごい!」と思えることが重要だと思います。
たとえばナイキが好きな人なら、最新のナイキのスニーカーが大ヒットしているというニュースを見つけやすいですよね。また、街を歩くと多くの人がナイキのシューズを履いていることに気づくかもしれません。
スターバックスが好きな人なら、店舗数の増減や混雑具合などに興味を持てますよね。このように、身近な銘柄はイメージを掴みやすいんです。
米国株の今後の動向で気になるのはリセッションがいつどのくらいの深度で訪れるか
ー今後、米国株の動向はどうなっていくと思いますか?
PAN:私の予想では、早ければ2023年後半にリセッションが訪れる可能性があると思います。遅ければ2024年ですね。リセッションが起こると通常株価は下落しますが、その下落の深度はまだ明確ではありません。すごく浅いリセッションかもしれませんし、深刻なリセッションになるかもしれません。
この予測の根拠として、アメリカの中立金利と現状の金利が挙げられます。現在アメリカでは中立金利が2.5%と言われています。これは経済を抑制も加熱もしないレベルです。一方、今の金利は約5%。これは、経済を急速に冷ます金利水準と言えます。
そのため、この金利水準でリセッションが訪れないとは考えにくい状況です。リセッションについては長めのスパンで話しましたが、いずれ訪れるものだと思います。そういう意味では、現時点で株を保有していなくても問題ないでしょう。2年待つかもしれませんが、リセッションのタイミングで購入するというアプローチも、投資戦略として有効です。
ー日本では2024年から新しいNISAが始まるということで、S&P500や米国の指標に対する注目度や信頼度も高まっていると思います。これはアメリカ経済におけるイノベーション頻度や、企業単位での高い成長率に対する期待が大きいからかもしれません。PANさんはアメリカの市場について、どのような見解をお持ちですか?
PAN:アメリカの経済についてはリセッションが訪れると予想していますが、通常は6か月程度で終息することが一般的です。経済サイクルの必要なステップでもあるので、たとえリセッションが来ても、長期的に見ればアメリカ経済は強いと考えています。
多くのテクノロジーはアメリカ発ですし、人口も増加しています。経済や政治の体系には問題があるものの、一定の優位性を持っていますよね。たとえば日本がゼロ金利にしても、経済はほとんど活性化されません。一方、アメリカではゼロ金利になると人々が住宅を買い漁り、企業も積極的に投資するようになり、大きなバブルが形成されます。アメリカはこのようにダイナミックな国なんです。
もちろん、アメリカが必ずしも一番とは言えません。成長率で見るとインドかもしれません。しかし、透明性や海外からの投資に対する利便性などを考慮すると、アメリカ市場は私にとって1番のマーケットです。
ーありがとうございます。続いて、投資初心者におすすめの書籍があれば教えてください。
PAN:これが1番悩んだ質問です。悩んだ理由としては、私自身が投資初心者の頃に本を読んでいなかったからです。また、現在は投資初心者向けの書籍が多数出版されているのを知ってはいるものの、ほとんど読んだことがないんですよね。
それでも1つおすすめできる書籍があるとすれば、それは『金持ち父さん貧乏父さん(ロバート・キヨサキ著)』です。この本を読んだことがある人も多いかもしれませんが、すでに読んでいる人にもぜひ再読してほしい一冊です。この本から学んだことは、「お金持ちになるためには投資が絶対に必要」ということです。
一見すると投資だと思われがちな行動が、実は投資ではないことも本書で学びました。たとえば、持ち家を資産として見る人がいますが、著者のロバート・キヨサキ氏によれば、これは投資ではありません。また、「若いうちは旅行をして人生経験を積むことが投資」と思っている人もいますが、これもロバート・キサキ氏の定義では投資ではありません。
要するに本書のメッセージは、「ポケットにお金を入れてくれるものが投資であり、それ以外は投資ではない」ということです。私はこのメッセージに深く感銘を受けて、投資の必要性を感じました。この本のおかげで、何度も失敗を繰り返しながらも投資にチャレンジできている感じです。
ー普遍的で本質的なことを深く理解することが重要なんですね。
PAN:そうですね。まずは投資が必要な理由をしっかり理解してもらいたいですね。もちろん、投資をしなくても生活はできます。しかし、投資をしないとお金持ちになることは難しい。その事実を受け入れることが大切です。
ーそうなってくると、どちらを選びますか?という話ですね。
PAN:そうですね。たとえば、あるユーチューバーが推奨する銘柄を何も考えずに買うか、あるいは自分の大事なお金を守るために真剣に学び、理解した上で投資するか。こうした問いになりますね。
それは良い悪いの問題ではなく、どちらを選ぶかという選択の問題です。
経済の動きを理解し、どう読み解くかという頭脳戦の楽しさが株式投資の魅力
ー株式投資の魅力はどこにありますか?
PAN:まず、経済の動きを理解するという知的な楽しみがあります。経済はパズル的な要素があるので、それをどう読み解くかという頭脳戦が楽しいんです。私は投資を知識と情報に基づく頭脳ゲームだと思っています。
ーその楽しさがあると、投資の結果にも良い影響がありそうですね。
PAN:私は朝の3時半に起きて、FOMC(連邦公開市場委員会)のパウエル議長の会見をライブで見ています。私にとって、これはライブで見なければ意味がないんです。スポーツ好きな人が、試合を録画ではなくリアルタイムで見たいと思うのと同じかもしれません。
ーその感覚なんですね。
PAN:はい。私にとって、アベンジャーズの新作映画を観るよりも、パウエル議長による1時間の会見のほうが興奮するんです。ちょっと変態的ですけど(笑)。
ーPANさんの好奇心の高さがお話から伝わってきます。
PAN:たしかに、知的好奇心はかなり強いほうです。自分で考えたことや得た情報を共有することが好きなので、YouTubeも本業が始まる前の3時間ほど早起きして取り組んでいます。
朝起きるのは時々大変ですが、楽しいから続けられています。自分がマイクの前で話す内容を、1万人以上の人たちが通勤中や家事の合間に聞いてくれていることを思うと、その繋がりがとても有意義に感じますね。
日本は将来的には衰退していく国になるかもしれません。ただし、国が衰退するからといって全ての人々が衰退するわけではありません。日本は素晴らしい国で、ビジネスチャンスもたくさんあります。私のYouTubeを観ている人たちに、少しでも成功体験を得てほしいと思っています。
たとえば、「給料とは別に株で200万円儲かりました」となれば、それは大きな成功ですよね。そうした成功体験を多くの人に得てほしいと思っています。投資で成功するためにも、アメリカの経済や政治、マクロ経済を理解してほしい。そのような想いを込めてYouTube活動をしています。
ーPANさんの情熱は本当に素晴らしいですね。とても勉強になります。
次の質問に移ります。投資に向いている人と向いていない人の特徴は何だと思いますか?
PAN:投資に向いている人は、向上心があり、努力を惜しまず、勉強を続ける人だと思います。これは投資に限らず、あらゆる事柄に言えることですよね。たとえば「テニスがうまくなりたい」と思っているのに、1秒も練習したくない人がいるとします。その人がYouTubeでテニスの動画だけを観れば上達するかというと、それは無理ですよね。投資も同様です。チャレンジしている人、自己改善を続けられる人が投資に向いているんです。
初めての人にとって、投資は怖く感じるかもしれません。しかし、学び続ければその恐怖も減っていくでしょう。怖いままで行動せずにいる人は、残念ながら投資には向いていません。
ー「投資をすれば楽に稼げる」と思っている人もいるかもしれませんね。
PAN:「寝ている間に1億円達成」「バカでも儲かる」「勉強しなくても1億円」といったタイトルの本がたくさん出版されているのを見ると、うんざりします。そのような誤解を広めるメッセージには、強い反感を抱いています。
もし株で1億円稼ぎたいと思うなら、それには相当な努力が必要です。
ーありがとうございます。最後に、投資の失敗を恐れる人へ向けて何かアドバイスはありますか?
PAN:失敗が怖い場合は、少額から始めてみることをおすすめします。株式投資ではそのようなスタートが可能です。特にアメリカ株は1株から購入できるため、少額でも有名企業の株が買えます。
たとえば、現在のAppleの株価が175ドルであれば、2万円ほどで株を購入できます。この2万円が10%下落し、2,000円減ったとしても、それは人生を壊すほどの損失ではありませんよね。このように、少額から始めれば投資が意外に怖くないことがわかると思います。ひょっとすると、自分の投資の才能に気づくかもしれません。
「投資を始めるべきだ」というメッセージは、何度も目にしてきたかもしれません。しかし、この記事を読んでいる方には、ぜひとも今日から行動を起こしてもらいたいと思います。まずは証券口座の開設から始めてみましょう。
ー行動することが大事ということですね。
PAN:そうですね。早ければ早いほど良いので、動くのは今日です。明日になったら、この記事を読んだことさえ忘れてしまう可能性があります。
ーやはり、わかっていても行動に移すのが大変だったりしますよね。
PAN:そのため、この記事を読み終えたあとのステップは証券口座の開設です。1株でもよいので、自分の好きな会社の株を買ってみましょう。スターバックスでもナイキでも、コカ・コーラでもAmazonでも構いません。自分が知っているアメリカ企業はたくさんあると思います。
株を買った後は株価が下がった理由を調べたり、上がった原因を探したりすることで、好奇心が刺激されて知識が深まっていくでしょう。実践し、経験から学びつつ理解を深めていってください。