qqq
(画像=PIXTA)

トータルリターンが20%以上のQQQに投資をすれば、多くのリターンが期待できます。設定以来右肩上がりのため、長期投資の対象としても魅力的といえるでしょう。

この記事では、QQQのメリットやデメリット、おすすめの証券会社などについて解説します。値上がり目的のETFを考えている人は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • QQQの基本情報と特徴
  • おすすめの証券会社
  • QQQに投資するメリット・デメリット
NET MONEY編集部
NET MONEY編集部

QQQとは

QQとは
(画像=NETMONEY編集部)

QQQの基本情報

QQQとは「Invesco QQQ Trust Series 1」の略称で、NASDAQ100指数の値動きに連動する米国株のインデックスETFです。インベスコという運用会社が運用しています。1999年10月3日に設定され、NASDAQ100指数を参照するETFとして一番有名で古い歴史を持っています。

ちなみにNASDAQ100というのは、米国のNASDAQ証券取引所へ上場する銘柄の中で、金融機関を除いた時価総額が上位の100社に絞った指数となります。

QQQの人気が高い理由

QQQに人気が集まるのは、ハイテク株へ分散投資できるからです。

GAFAMと呼ばれるGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftやテスラを中心とした大型ハイテク株が上位を占めているので、QQQへ投資することは、これらのハイテク株へ分散投資することと同義になります。

S&P500でもGAFAM が組み入れられていますが、構成比率は23%、テスラを含めて25%です。後述するQQQの構成比率は50%を超えるので、倍の差があります。

ハイテク株などはグロース株とも呼ばれ、成長株として上昇余地が大きいので、こちらに多くを投資したいという投資家が多いのも理由の一つです。

QQQの主要構成銘柄

QQQの主要銘柄は連動指数のNASDAQ100の主要銘柄となります。

2021年9月現在の上位20個の構成銘柄は以下のとおりです。

Symbol Name Market Cap %
AAPL Apple Inc. Common Stock 2,532,291,880,400 11%
MSFT Microsoft Corporation Common Stock 2,253,490,438,538 10%
GOOG Alphabet Inc. Class C Capital Stock 1,886,429,647,240 8%
GOOGL Alphabet Inc. Class A Common Stock 1,877,581,809,664 8%
AMZN Amazon.com, Inc. Common Stock 1,753,560,429,310 8%
FB Facebook, Inc. Class A Common Stock 1,028,307,798,405 4%
TSLA Tesla, Inc. Common Stock 760,832,271,740 3%
CTAS Cintas Corporation Common Stock 728,137,731,151 3%
MCHP Microchip Technology Incorporated Common Stock 666,826,585,527 3%
NVDA NVIDIA Corporation Common Stock 547,500,000,000 2%
IDXX IDEXX Laboratories, Inc. Common Stock 450,364,759,710 2%
ADI Analog Devices, Inc. Common Stock 368,706,807,324 2%
ASML ASML Holding N.V. New York Registry Shares 355,401,105,741 2%
KLAC KLA Corporation Common Stock 338,902,198,808 1%
PYPL PayPal Holdings, Inc. Common Stock 324,708,384,331 1%
ADBE Adobe Inc. Common Stock 311,794,272,000 1%
CMCSA Comcast Corporation Class A Common Stock 262,119,893,148 1%
NFLX Netflix, Inc. Common Stock 260,843,886,593 1%
CSCO Cisco Systems, Inc. Common Stock (DE) 240,008,508,347 1%
NTES NetEase, Inc. American Depositary Shares 222,443,514,371 1%

引用:NASDAQ
※割合は追加

9月17日時点では、上位6銘柄のGAFAM (Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)で49%を占めており、7番目には電気自動車で有名なテスラが入っています。テスラも加えると52%となり、100社中7社で半分以上を占めることになります。誰もが聞いたことがある企業が上位を占めているので安心できるでしょう。

なお、日本のニュースで流れるNASDAQ総合の情報は全銘柄である3,000銘柄以上に言及した指数です。

QQQの売買におすすめの証券会社

QQQをはじめとした米国株ETFの売買を行うなら、対象の銘柄数が多く、手数料が安い証券会社を選びましょう。米国株を購入できる代表的な証券会社は、以下のようになっています。

QQQとTQQQの主な違い

QQQとTQQQの主な違い
(画像=NETMONEY編集部)

TQQQはQQQと同じくNASDAQ100指数と連動した値動きをしますが、3倍の値動きとなり、QQQに比べてハイリスク・ハイリターンな商品です。取り扱っている証券会社がほとんどないことも主な違いです。

また、経費率・トータルリターンでも差があります。QQQの経費率は年間0.2%ですが、TQQQでは年間0.95%と約5倍の年間コストがかかります。ETFの中では高い部類に入る経費率です。

また、トータルリターンもQQQとは約2~3倍の差額が生まれます。利益を得ているときはハイリターンでいいのですが、変動率も高く、損失が出るとハイリスクとなり、深手を負うかもしれません。

QQQのこれまでの株価推移・チャート

それでは、QQQの価格推移を見ていきましょう。次のチャートは直近1年の価格推移を示しています。

QQQの直近1年の価格推移

QQQは9月17日現在、1株当たり373.83ドルで取り引きされています。

続いてこちらは設定当初からの価格推移です。

QQQの設定当初からの価格推移

初めは50ドル台からのスタートでした。2010年代あたりから上昇率が上がっているのも特徴です。

最後にこちらは過去10年間の値動きです。

QQQの10年の価格推移

このように、右肩上がりがずっと継続しています。コロナ禍にもかかわらず、急激に上昇しているのがよくわかります。

QQQのメリット

QQQのメリット
  • トータルリターンが大きい
  • ハイテク株に分散投資が可能
  • 将来性が期待できる

トータルリターンが大きい

トータルリターン(Total Return)とは、一定期間における投資商品から得られる総合的な収益をいいます。評価額と配当金額をコストを含めた購入価格で割ったものの割合を指します。プラスの場合やマイナスの場合もあり、投資をする際の判断基準の一つです。

全業種を対象としたS&P500の指数と連動するETFであるSPYのトータルリターンは、3年から10年の間は17%台です。一方、QQQのトータルリターンは22%から27%の間と、大きな数値を出しています。

もっとも、直近1年間ではQQQのトータルリターンは29.4%なのに対して、SPYは31.2%とわずかにSPYが上回っています。コロナ禍の回復が全業種で起きてきたので、SPYのトータルリターンが上回ったものと考えられます。

長期的にはQQQのほうがトータルリターンで優れていると言えます。

ハイテク株に分散投資が可能

前述のとおり、QQQはGAFAMやテスラを始めとしたハイテク株を中心としているため、QQQを購入するだけでハイテク株に分散投資することができます。

SPYにおいても同じようにGAFAMとテスラの株は組み込まれていますが、QQQはSPYよりも構成が倍以上GAFAMとテスラの株で構成されています。

ハイテク株に投資したい場合、S&P500よりもQQQへ投資する人が多いです。

将来性が期待できる

前述のとおり、QQQの50%ほどは大型ハイテク株が組み込まれており、その他ITなど成長産業への比率が多いです。これらのハイテク株IT株はグロース株と呼ばれ、成長性が見込まれるゆえに株価の上昇が期待されます。

ちなみに、金利が上昇したり、景気が回復したりする場面では企業価値に重きを置いたバリュー株が好まれて買われる傾向があり、逆にQQQは値下がる可能性があります。

QQQのデメリット

QQQのデメリット
  • リスクが大きめ
  • 1株当たりの金額が高く、初心者にはハードルが高い
  • QQQだけではリスク分散に欠けてしまう

リスクが大きめ

成長株で構成されているため、期待先行で購入されていることから、下落リスクがあります。価格変動リスクが大きいとも言います。成長株は将来的な期待感から買われていることが多く、価格が高く維持されていることが多いのです。

市場全体が暴落の負い目にあった際には、割高だと思う人が多いので、売られやすい傾向にあるので注意しておきたいです。

1株当たりの金額が高く、初心者にはハードルが高い

QQQは現在、373ドルほどで購入することができます。日本円で4万円ほどです。VEAなら53ドルほどで購入できます。こちらは日本円で約6,000円です。

資金に余裕がない人は、初めは手を出しにくいかもしれません。逆に言えば、資金に余力がある人はQQQを検討するのもいいでしょう。

QQQは資金に余力のある投資家が購入しているので、資金に余力のある、例えば、機関投資家などの動きを把握しておけば、暴落時の予兆も事前にキャッチできるかもしれません。

QQQだけではリスク分散に欠けてしまう

QQQだけ購入しておけばいいのかというと、そうではありません。

QQQはNASDAQ100の指数に連動します。NASDAQは米国の株式市場の一つであり、ハイテク企業やIT関連企業などの新興企業の割合が多いです。バリュー株に代表されるような伝統的な企業が入っていません。

そのほかにもアメリカ以外への投資や債券、金銀プラチナなどのコモディティにも投資するのがリスクヘッジとなり、投資効率も引き上げます。

異なる種類の資産に投資をすることがリスク分散となります。

QQQの配当利回り

QQQの配当利回り
QQQの配当利回り

QQQの2020年の分配金は約1.7ドルでした。2020年の終値は313.74ドルでしたので、配当金の利回りは約0.54%でした。

SPYの配当利回り
SPYの配当利回り

他のETF、例えばSPYは、2020年の分配金が5.69ドル、2020年終値が373.88ドルでしたので、利回りが1.52%でした。

QQQは他のETFと比較して配当利回りが低い傾向にあると言えます。

QQQの手数料

QQQの信託報酬は年率0.2%なので、 QQQの0.03%やSPYの0.09%に比べると高くなっています。しかし、0.11%~0.17%では、あまり大きな差ではないと言えます。

例えば100万円を運用すると、信託報酬に年間1,100円~1,700円の差が出ます。しかし、QQQのトータルリターンは20%以上得ていることからも大した差ではないことがわかります。

0.2%の手数料でハイテク株に分散投資できるなら、逆に安いほうだとも言えます。個別にGAFAMに投資するにもアマゾンだけでも3,000ドル以上します。

QQQへの投資方法

現物を購入する方法とCFD取引で投資をする2つ方法があります。

現物購入

現物だと、国内でのネット証券会社の多くがQQQを取り扱っています。

・SBI証券
・楽天証券
・SMBC日興証券
・マネックス証券
・サクソバンク証券

松井証券やカブコム証券会社などでは取り扱いがありません。また、NISAやジュニアNISAでも購入が可能です。

CFD取引

CFDとは、Contract for Differenceの略称です。CFD取引は「差金決済取引」という意味で、デリバティブ取引の一種です。

デリバティブ取引は金融商品から派生した取引のことで、金融商品の価格を元に理論価格が決定されます。先物取引やオプション取引が例に挙げられます。

現物の受け渡しはなく、取引開始時と終了時の差額の損益だけをやり取りする取引です。

まとめ

米国ETFのQQQはハイテク株を中心とした成長を期待されているグロース株です。過去のチャートでは、右肩上がりでしたが、景気が衰退すると暴落の浮き目に遭うかもしれません。

しかし、QQQのトータルリターンの高さは魅力的なので、余裕のある人はQQQへの投資も選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。

QQQ投資に関するよくある質問

QQQとは何ですか?

「Invesco QQQ Trust Series 1」の略称で、NASDAQ100指数の値動きに連動する米国株のインデックスETFです。インベスコという運用会社が運用しています。

QQQの特徴は何ですか?

ハイテク株へ分散投資できるため、人気が高いです。また、ハイテク株などはグロース株とも呼ばれ、成長株として上昇余地が大きく、大きいリターンも期待されています。

QQQのメリットは何ですか?

トータルリターンが大きく、ハイテク株に分散投資が可能で、将来性が期待できるという点が挙げられます。

QQQのデメリットは何ですか?

期待値によって、株価が割高になっていることが多く、リスクが大きめです。また、QQQだけでは、新興企業が多いため、リスク分散に欠けてしまいます。

QQQの投資方法は?

QQQに投資する方法は「現物を購入して投資(現物取引)」と「CFD取引で投資」の2種類です。現物取引では証券口座の資金の範囲内で売買をするため、資金以上の取引はできません。CFD取引は、買い・売りの両方から取引を始めることができ、レバレッジにより資金効率を高めることもできます。

ETF/ETN人気ランキング(2022年6月)

順位 前月比 コード 銘柄名
1 1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信
2 1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
3 1360 日経平均ベア2倍上場投信
4 1579 日経平均ブル2倍上場投信
5 1552 国際のETF VIX短期先物指数
6 2516 東証マザーズETF
7 1655 iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF
8 2038 NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN
9 new 1655 楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型
10 new 1540 NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信
引用:SBI証券公式HP

2022年6月のSBI証券におけるETF/ETN売買ランキングについて、1~3位(1位NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信、2位NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信、3位日経平均ベア2倍上場投信)の1位集団は5月と同様にレバレッジ型の日経平均連動ETFが占めました。また4位も日経平均ブル2倍上場投信であり、1~4位がいずれも日経平均連動のレバレッジ型ETFとなっています。

更に9位楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型、10位NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信が新たにランクインしました。結果的にETF/ETN人気ランキング上位10銘柄の中で、6銘柄が日経平均連動型。更に5銘柄がレバレッジ型です。6月の日経平均は月足で上下にヒゲの長い陰線となり、方向性は出ていないものの比較的大きな値動きが生じました。日経平均の値動きに乗ろうとした投資家が多かったことが分かります。

7月も引き続き日経平均連動型ETFの活況が続くか注目されます。

プロフィール

”石井僚一”

・石井僚一

金融・投資ライター

大手証券グループ投資会社への勤務を経て、個人投資家・ライターに。 株式市場の解説や個別銘柄の財務分析、IPO関連記事を得意としている。株式会社ZUUでは長くIPO記事を担当。
複数媒体に寄稿しており、Yahoo!トップページに掲載実績あり。