NISA口座の開設時につみたてNISAを選択した場合、分配金を受け取れるのは一部の銘柄のみで、配当金はもらえない。
一方で一般NISAを選択すれば、配当金がもらえる銘柄が多数存在する。非課税で配当金を受け取りたい人は、一般NISAで株式を保有するのがおすすめだ。
この記事では、配当金を非課税で受け取る方法や、配当金がもらえる銘柄の選び方を解説する。安定した配当金が期待できる銘柄も紹介するので、銘柄選びに迷っている人も必見だ。
つみたてNISAで分配金や配当金はもらえる?税金はかかる?
つみたてNISAの投資対象となる投資信託では、ごく一部の銘柄で分配金を受け取れるが、配当金は受け取れない。なお、つみたてNISAで購入した投資信託で受け取る分配金は、非課税となる。
分配金は、投資信託の運用収益などから保有口数に応じて投資家に還元されるものであるのに対し、配当金は企業の利益の一部を株主に還元するものだ。
分配金:一部の銘柄を除いてもらえない
つみたてNISAでは、一部の銘柄を除いて分配金はもらえない。例えば、SBI証券で取り扱う銘柄のなかでは「のむラップ・ファンド(積極型)」のみとなる。
のむラップ・ファンド(積極型)は1口当たり10円の分配金を年1回出しているが、投資信託の価格(基準価額)に対する利回りは0.03%程度だ。仮に10口(約31万円)保有した場合、年に100円しか受け取れない。
ETF(上場投資信託)でも分配金を受け取れる銘柄はあるが、大手ネット証券のつみたてNISAでは取り扱っていない。ETFとは、株のように証券取引所で売買できる投資信託のことで、つみたてNISAでは以下8銘柄が対象商品となっている。
- iFreeETF TOPIX(年1回決算型)
- iFreeETF 日経225(年1回決算型)
- iFreeETF JPX 日経400
- 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本
- 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)
- IVV(iシェアーズ・コア S&P500ETF)
- 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
- 上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)
ただし、ETFに投資したい場合は、一般NISA口座で米国ETFに投資するほうが好きな銘柄を選びやすい。SBI証券では368銘柄の米国ETFを取り扱っており、一般NISA口座で買えば手数料は無料だ。
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つみたてNISAは、売却益だけではなく分配金も非課税となるため、税金はかからない。
ただしETFの場合は、分配金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしなければ課税されてしまう。
- 株の配当金やETFなどの分配金について、証券口座で受け取る方式のこと。
配当金や分配金の受け取り方法については、「配当金を非課税でもらう方法」で詳しく解説している。
配当金:もらえない
配当金は株を持っている人しかもらえないため、株が買えないつみたてNISAでは配当金はもらえない。配当金がほしい人は、株が買える一般NISA口座を選ぼう。前述の通り、配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」にすれば、配当金を非課税で受け取れる。
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つみたてNISAで分配金受取型(受取コース)と再投資型(再投資コース)はどちらがおすすめ?
つみたてNISAの場合は、再投資型(再投資コース)を選ぶのがおすすめだ。つみたてNISAの対象商品は分配金が出ない銘柄がほとんどであるため、「分配金受取型(受取コース)」を選択しても分配金は受け取れない。
将来的に分配金を出す銘柄がないとはいえないが、つみたてNISAは長期投資による資産形成のための制度であり、分配金が出る可能性は極めて低い。
配当金を非課税でもらう方法
配当金は、以下の4ステップにしたがって手続きをすれば、非課税でもらえる。
STEP1.NISA口座の開設時に一般NISAを選択
まず、NISA口座の開設時に「一般NISA」を選択しよう。なお、つみたてNISAと一般NISAは選択式となっており、どちらか1つしか選べない。つみたてNISAをすでに開設してしまった人は、一般NISAに区分変更しよう。
ただし、つみたてNISAの非課税枠を一度でも使った場合、その年は区分変更ができない。例えば、2023年に1度でもつみたてNISAの投資枠を使った場合、2024年からの区分変更となる。
なお、2024年1月からは新NISA(新しいNISA)が始まり、一般NISAは成長投資枠、つみたてNISAはつみたて投資枠に生まれ変わる。
STEP2.配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定
口座開設時に選べる配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定しよう。他の受取方法を設定した場合、配当金が課税されてしまう。
配当金の受取方法は、どこか1つの証券会社で手続きをすると他の証券会社での受取方法も変更されるため、複数の証券口座を持っている人は注意しよう。
なお、株式数比例配分方式以外の受取方法は以下の通りだ。
- 従来方式:配当金領収書または銘柄ごとの口座振込
- 個別銘柄指定方式:銘柄ごとに指定した金融機関に振り込まれる
- 登録配当金受領口座方式:指定した銀行口座にまとめて振り込まれる
配当金の受取方法は、口座開設後でも簡単に変更できる。主なネット証券での手続き方法を見ていこう。
- ①「口座管理」をクリック
- ②「お客さま情報 設定・変更」をクリック
- ③「お取引関連・口座情報」をクリック
- ④「配当金受領サービス」「変更」の順にクリック
- ⑤「株式数比例配分方式」を選択し、パスワードを入力
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- ①マネックス証券にログイン後、「登録情報」をクリック
- ②ページ内リンク(画像1)にある「配当金等振込情報」をクリック
- ③「変更」をクリック(画像2に移ります)
- ④「株式数比例配分方式」を選択して「次へ(変更内容確認)」をクリック
- ⑤入力内容を確認して「実行する」をクリック
■画像1
■画像2
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- ①画面右上の「マイメニュー」から国内株式(画像で印をつけた所)をクリック
- ②「配当金受取方法」の「変更」をクリック
- ③「株式数比例配分方式」を選択して「次へ」をクリック
- ④「変更手続きのご注意」にチェックを入れて暗証番号を入力
■画像
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STEP3.配当金がもらえる株を購入
次に、配当金の受取方法を変更したら、配当金がもらえる株を購入しよう。
どれくらい配当金がもらえるかは、各銘柄の四季報(企業の情報をコンパクトにまとめたもの)から「業績・財務」を選択すると確認できる。配当金が0円になっているベンチャー企業などの場合は、配当がもらえない。
なお、日本株は原則として100株ずつしか買えないが、SBI証券をはじめとしたネット証券では単元未満株(1~99株の日本株)も購入でき、配当金は保有株数に応じてもらえる。
STEP4.配当金の権利付き最終日まで保有
配当金がもらえる銘柄を購入したら、権利付き最終日まで保有しよう。権利付き最終日とは、配当や株主優待などの権利を得られる最終売買日のことを指す。
例えば、3月末決算の銘柄は3月31日が権利確定日となり、土日祝日がない場合の権利付き最終日は3月29日だ。株は権利付与までに2営業日かかり、土日祝日を挟むとその分前倒しになる。権利付き最終日ギリギリに買う場合は、カレンダーをよく確認して間違えないようにしよう。
権利付き最終日まで株を保有しておけば、後日売却しても権利が確定した分の配当金は受け取れる。なお、日本株の配当金は、実際に入金されるまでは2~3ヵ月かかる。
NISAで配当金がもらえる銘柄の選び方
NISAで配当金がもらえる銘柄の選び方は、大きくわけると3つある。
株アプリのスクリーニング機能から選ぶ
スマホで株の売買をする人は、株アプリにあるスクリーニング機能から選ぶのがおすすめだ。SBI証券や楽天証券をはじめとしたネット証券の株アプリは使いやすく、簡単に高配当銘柄を絞り込める。
■楽天証券の株アプリ「iSPEED」の場合
- ①「検索」「スーパースクリーナー」の順に選択
- ②おすすめスクリーナーから「高配当銘柄」を選択して検索
- ③検索結果が表示される
■「SBI証券 株アプリ」の場合
- ①「銘柄検索」「スクリーニング」の順に選択
- ②SBIおすすめスクリーナーから「高配当銘柄」を選択
- ③検索結果が表示される
なお、楽天証券とSBI証券では高配当銘柄の条件が異なり、楽天証券のほうがより銘柄を絞り込める。スクリーニングなどの操作も楽天証券のほうがわかりやすいので、アプリで銘柄選びをしたい人は楽天証券がおすすめだ。
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配当利回りや配当性向から選ぶ
株アプリのスクリーニングにある「高配当銘柄」では買いたい銘柄が選べない人は、配当利回りや配当性向から選ぼう。
配当利回りは、株価に対する配当金の割合を示す指標のことで、「配当÷株価×100」で求められる。一般的な高配当銘柄の目安は、配当利回り3.0%以上だ。
配当金がほしい人は配当利回りをよくチェックしているが、将来の配当金を保証するものではない。長期的に安定した配当が出せるかどうかを知るためにも、配当性向が高すぎないかは必ず確認しておこう。
- 会社の1年間の利益(当期純利益)に占める配当金の割合を示す指標。「配当÷1株当たり当期純利益×100(%)」で求められる。
例えば、2021年2月に減配(配当を減らすこと)が発表された日本たばこ産業(JT)では、2020年12月期の配当が154円であったのに対し、1株当たり利益は174.9円しかなかったため、配当性向は88%だった。
一概にはいえないが、配当性向が80%を超えると利益のほとんどが配当金の支払いになってしまうため企業が配当を維持できず、減配になる可能性は高い。安定した配当を求めるのであれば、配当性向は50%程度までが目安だ。
企業の業績から選ぶ
企業の業績(売上や利益など)から選ぶことも大切だ。
例えば、現在は配当を1円も出していないベンチャー企業でも、業績が伸びてくると配当を新設する可能性がある。ベンチャー企業がはじめて配当を出す場合、配当がもらえるだけではなく株価が大きく上がる可能性もある。
また、ある程度成熟した企業では「配当性向30%を目指して配当金を出す」「毎年配当を増やす」といった方針を掲げている場合もある。あくまで方針であるため株を保有している間に変わることもあるが、売上や利益が順調に伸びている企業なら、そう簡単には方針を変えないだろう。
企業の業績や配当の方針などは、各社のIR(投資家情報)から確認できる。この記事では5銘柄を紹介しているが、IRを参照サイトとして記載しているので、気になった人は一度目を通してみてほしい。
NISAで安定した配当金が期待できる銘柄5選
NISAで安定した配当金が期待できる銘柄は、以下の5銘柄だ。
なお、この記事では以下の選定条件を満たした銘柄だけを選んでいる。
- 配当利回り:3.0%程度または3.0%以上
- 配当性向:50%程度まで
- 市場:東証プライム
- 時価総額:1兆円以上
キリンホールディングス <2503>
■キリンホールディングス <2503> の概要
株価 | 2,076.0円 |
---|---|
配当 (1株当たり) |
69円 |
配当利回り | 3.32% |
1株当たり利益 | 135.1円 |
配当性向 | 51.07% |
時価総額 | 1兆8,974億6,400万円 |
主な取扱証券会社 (単元未満株) |
SBI証券 マネックス証券 楽天証券 |
キリンホールディングス <2503> は、キリンビールやソフトドリンクなどで有名な企業だ。売上や利益が伸び悩んだ時期もあったが、近年はオーストラリアやアメリカなどの海外事業が軌道に乗り、売上や利益を順調に伸ばしている。
原材料費や燃料費の高騰などによるコスト高は、グループ全体のコスト削減や価格の引き上げで吸収しているので、大きな影響は出ていない。日本ではビール離れや人口減少などの逆風は強いが、キリンビールだけでみても2022年の実績は昨年より売上、利益ともに増えている。
飲料メーカーは景気に左右されにくいため、配当金目当ての投資としては、おすすめできる銘柄の1つだ。
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丸紅 <8002>
■丸紅 <8002> の概要
株価 | 2,434円 |
---|---|
配当 (1株当たり) |
78円 |
配当利回り | 3.2% |
1株当たり利益 | 316.1円 |
配当性向 | 24.67% |
時価総額 | 4兆1,344億200万円 |
主な取扱証券会社 (単元未満株) |
SBI証券 マネックス証券 楽天証券 |
丸紅 <8002> は、総合商社のなかでも規模が大きい5大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)の1つだ。エネルギー、金属などの資源分野だけでなく、船舶などの非資源分野にも幅広く展開している。
商社はアメリカの有名投資家ウォーレン・バフェットが投資比率を引き上げたことなどで株価が大きく上昇しているが、PER(利益の何倍の株価がついているか)を見ると10倍未満だ。東証プライム全銘柄の平均が15~16倍前後であるのと比べれば、割高ではない。
総合商社はリーマンショック級の暴落があると大きく株価が下がり、配当が維持できなくなる可能性は高いが、株価暴落が起きるまでは安定配当も見込めるだろう。
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住友商事 <8053>
■住友商事 <8053> の概要
株価 | 2,968.5円 |
---|---|
配当 (1株当たり) |
115円 |
配当利回り | 3.87% |
1株当たり利益 | 452.5円 |
配当性向 | 25.41% |
時価総額 | 3兆6,521億5,600万円 |
主な取扱証券会社 (単元未満株) |
SBI証券 マネックス証券 楽天証券 |
住友商事 <8053> は、丸紅と同様に5大商社の1つだ。5大商社のなかで最も配当利回りが高い。
■5大商社の配当利回りの比較
住友商事 <8053> | 3.87% |
---|---|
丸紅 <8002> | 3.2% |
三井物産 <8031> | 2.64% |
三菱商事 <8058> | 2.55% |
伊藤忠商事 <8001> | 2.52% |
PER(利益の何倍の株価がついているか)は6~7倍程度しかないので、東証プライム全銘柄の平均PER(15~16倍)と比べて割安だ。今後の景気の動向などには気を配る必要があるが、高配当株の1つとして数年程度は安定配当が見込めるだろう。
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オリックス <8591>
■オリックス <8591> の概要
株価 | 2,607円 |
---|---|
配当 (1株当たり) |
85.6円 |
配当利回り | 3.28% |
1株当たり利益 | 231.4円 |
配当性向 | 36.99% |
時価総額 | 3兆2,192億5,200万円 |
主な取扱証券会社 (単元未満株) |
SBI証券 マネックス証券 楽天証券 |
オリックス <8591> は、リース、金融、生命保険、不動産など、さまざまな事業を手がける企業だ。利益の3分の1を配当に振り分ける方針を採っているため、利益が増えるほど配当も増える。
直近5年間の利益は伸びていないので配当の増加は期待しづらいものの、売上は安定しているので今後しばらくは安定配当が見込めるだろう。
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日本電信電話 <9432>
■日本電信電話 <9432> の概要
株価 | 165.1円 |
---|---|
配当 (1株当たり) |
4.8円 (分割考慮) |
配当利回り | 2.9% |
1株当たり利益 | 13.92円 (分割考慮) |
配当性向 | 34.48% |
時価総額 | 14兆9,498億5,700万円 |
主な取扱証券会社 (単元未満株) |
SBI証券 マネックス証券 楽天証券 |
一般的にはNTTと呼ばれる日本電信電話 <9432> は、NTTドコモや光回線などを全国に展開する国内最大の通信企業だ。2023年6月29日に株式が25分割、すなわち株価が25分の1になり、少額投資がしやすくなっている。
日本の人口減少や格安SIMの浸透などを考えると、10~20年後は今の収益が維持できるのか不透明な部分もあるが、5年程度は安定配当が見込めるだろう。通信インフラは景気に左右されにくいので、オリックスや総合商社と比べて長期保有しやすい。
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NISAで配当金をもらう際におすすめの証券会社
NISAで配当金をもらう際におすすめの証券会社は、日本株の売買手数料が無料で単元未満株(100株未満の日本株)を取り扱うSBI証券、マネックス証券、楽天証券の3社だ。
■NISAで配当金をもらう際におすすめの証券会社
SBI証券
SBI証券は、NISA口座なら日本株の売買手数料や海外ETF(米国、中国、韓国)の購入手数料が無料だ。
また、「S株」で単元未満株の取引ができ、1株から日本株が手数料無料で買える。
さらに、SBI証券は米国株の取り扱いが豊富で、米国ETFを含めると5,445銘柄を取り扱っている。ETFなら購入手数料が無料のため、米国の主要企業およそ500社に投資する株価指数S&P500に連動した運用を目指すVOOなどに投資したい人にもおすすめだ。
\商品ラインナップが豊富/
マネックス証券
マネックス証券は、NISA口座なら日本株の売買手数料が無料だ。また、米国株と中国株の購入手数料が実質無料(全額キャッシュバック)、米国株購入時の為替手数料も無料になるため、手数料実質無料で米国株が買える。
米国株は米国ETFを含めると4,824銘柄を取り扱っており、SBI証券には及ばないものの、AppleやAmazonなど主要な銘柄は網羅しているので十分だ。
マネックス証券は「ワン株」で単元未満株の取引もでき、SBI証券と同様に1株から日本株が手数料無料で買える。米国株や日本株への長期投資を考えている人は、マネックス証券のNISA口座で投資を始めよう。
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楽天証券
楽天証券は、単元未満株取引「かぶミニ」の往復コスト(売買コスト)が最安水準の証券会社だ。
■単元未満株の往復コスト(売買コスト)
楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | |
購入 手数料 |
0.22% | 無料 | 無料 |
売却 手数料 |
11円+0.22% | 0.55% (最低55円) |
0.55% (最低52円) |
往復 コスト |
33円 | 55円 | 52円 |
また、一般NISAで海外ETF(米国、中国、シンガポール)に投資する場合、購入手数料が全額キャッシュバックされる点も魅力である。
さらに、楽天証券なら貯まった楽天ポイントを使って投資ができる。日本株や「かぶミニ」でも楽天ポイントが1ポイントから使えるので、楽天経済圏を利用する人や、日本株に少額投資をしたい人におすすめだ。
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NISA制度(非課税制度)をおさらい
ここで、NISA制度(非課税制度)をおさらいしよう。
NISAとは、NISA口座内で得た利益や配当金、分配金が非課税となる制度だ。証券口座(課税口座)では利益の20.315%が課税されるが、NISA口座なら一切かからない。
NISA(一般NISA)は2014年1月に始まり、2016年4月にはジュニアNISA、2018年1月にはつみたてNISAが追加された。2024年1月からは新しいNISAが始まり、現行のNISA制度が大きく変わる。
2023年までのNISAの概要
■2023年までのNISAの概要
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
---|---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 40万円 | 80万円 |
非課税 保有期間 |
5年 | 20年 | 5年 |
口座開設 期間 |
2023年12月末まで | ||
投資対象 商品 |
投資信託 株式など |
投資信託 (※) |
一般NISAと同じ |
買付方法 | 一括、積立 | 積立 | 一括、積立 |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 | 0~17歳 |
現行のNISAは一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類あるが、いずれも口座開設や新規投資ができるのは2023年12月末までだ。
なお、非課税保有期間は2024年以降も適用され、引き続き保有できる。
- 一般NISA:2027年12月末まで
- つみたてNISA:2042年12月末まで
- ジュニアNISA:18歳になった年の12月末まで
一般NISA(およびジュニアNISA)とつみたてNISAの対象商品には違いがある。
- 投資信託
- 日本株、外国株
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
一方で、つみたてNISAは金融庁の要件を満たす投資信託とETF245本に限られている(2023年7月21日現在)。
- 購入手数料が無料であること
- 運用期間が20年以上または無期限であること
- 過去1年間に発生した信託報酬を開示していること
- 信託報酬が一定水準以下であること
信託報酬とは、投資信託を保有しているときに発生する運用コストだ。投資信託の価格(基準価額)に随時反映されるため手数料のような直接負担はないが、間接的には負担している。同じ投資先、投資方針の銘柄同士であれば、信託報酬が低い銘柄のほうがリターンは高い傾向がある。
つみたてNISAの対象商品は信託報酬が低い投資信託が多く、年率0.1%を下回る銘柄が10銘柄以上あるので、低コストで投資を始めたい人におすすめの制度だ。
2024年からの新NISA(新しいNISA)の概要
■2024年からの新NISA(新しいNISA)の概要
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税 保有期間 |
無期限 | 無期限 |
非課税 保有限度額 |
1,800万円 (うち、成長投資枠は1,200万円) |
|
口座開設期間 | 恒久化 | 恒久化 |
投資可能商品 | つみたてNISAと同様 | 一般NISAとほぼ同様 (※) |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
2024年1月からは、現行の一般NISAとつみたてNISAは新NISA(新しいNISA)に切り替わる。これまでは選択制だったNISAが統合されるため、一般NISAとつみたてNISAは事実上の併用が可能だ。
つみたて投資枠の対象商品は現行のつみたてNISAと同様だが、成長投資枠の対象商品は一般NISAと異なり、以下の商品が除外される。
- 整理・監理銘柄
- 信託期間20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- レバナスなどの値動きが激しい投資信託
端的にいえば、新NISA(新しいNISA)ではリスクが極端に高い商品への投資はできない。現行の一般NISAと比べて、投資初心者でも長期投資に適した銘柄が選びやすくなる。
\新NISAでもおすすめ/
つみたてNISAやNISAの分配金・配当金についてよくある質問
つみたてNISAやNISAの分配金、配当金についてよくある質問を以下にまとめた。
- 配当金はいつもらえますか?
- 株の配当金は、権利確定日から2~3ヵ月後に受け取れる。なお、配当金を受け取れるのは、権利付き最終日まで株を保有している人だけだ。つみたてNISAの対象商品は投資信託であるため、配当金は受け取れない。
- NISAの配当金で年間の非課税投資枠を超えた場合は税金がかかる?
- NISAの配当金を含めて年間の非課税投資枠120万円を超えた場合でも、税金はかからない。
120万円はあくまで投資枠の上限であるため、非課税投資枠のなかで投資をした株からもらった配当金は非課税だ。ただし、配当金を非課税で受け取るためには、受取方式を「株式数比例配分方式(証券口座で受け取る方式)」にしておく必要がある。
- 配当金がほしいならつみたてNISAではなくNISA(一般NISA)を選ぼう
- 配当金がほしいなら、つみたてNISAではなくNISA(一般NISA)を選ぼう。配当金は、つみたてNISAでは買えない株式を持っていないと受け取れない。
また、配当金の受取方式によっては課税対象となるため、非課税で配当金を受け取りたい場合は、必ず「株式数比例配分方式」を選ぼう。
一般NISAで配当金を受け取るなら、SBI証券がおすすめだ。日本株が1株から買える「S株」の購入手数料が無料のため、コストを抑えつつ少額から投資ができる。米国株をはじめとした外国株の取扱いも豊富なので、配当金がほしい人はSBI証券を選ぼう。
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