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(画像=NET MONEY編集部)
  1. 株初心者の銘柄選びのポイント
  2. 株初心者におすすめの銘柄10選
  3. 株初心者が個別銘柄を買う際の注意点
  4. 株初心者が銘柄を選ぶときによくある質問
  5. 株初心者が銘柄を選ぶときは分散投資を意識しよう

株式投資を始めてみたいが、どのような銘柄を選んだらよいか分からないというひともいるだろう。

今回はそのような株初心者に向けて、銘柄選びのポイントやおすすめの株式銘柄を紹介する。

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株初心者の銘柄選びのポイント

2023年4月現在、東京証券取引所に上場している企業だけでも約3,800社存在する。株初心者の場合、選択肢が多すぎてどの銘柄を購入すべきか迷ってしまうだろう。

株初心者には以下に記載する5つのポイントを中心に銘柄を選ぶことをおすすめしたい。

5つのポイント

  • 東証プライム市場に所属しているか
  • 配当利回りはどれくらいか
  • 株主優待はあるか
  • 今の株価が割安か

株初心者は、この5つのポイントを念頭に置きながら、ネット証券会社の取引ツールで条件を設定し検索する、あるいは四季報で詳細を確認しながら買い付ける銘柄を選定するとよいだろう。なお、証券会社を検討中の方は、株初心者からも高い評価を得ている楽天証券がおすすめだ。

東証プライム市場に所属しているか

1つ目は「東証プライム市場に所属しているか」というポイントだ。

東京証券取引所は「プライム」「スタンダード」「グロース」という3つの市場区分で構成されている。各市場区分の概要は次の通りである。

市場区分の概要(2023年4月4日時点)

市場区分 上場会社数 流動性 ガバナンス 経営成績/財務状態
プライム 1,839社 潤沢な流動性 高い公開性 安定的かつ優れた収益基盤・財務状態
スタンダード 1,466社 適切な流動性 最低限の公開性 安定的な収益基盤・財務状態
グロース 466社 最低限の流動性 最低限の公開性 -

最上位であるプライム市場に属するためには、高い流動性およびガバナンス水準を備えている必要がある。また、持続的な成長はもちろん、安定的な財務状態が上場基準となっている。

要するに、数多ある国内企業の中でも、成熟した一握りの企業にのみ上場を許されるのが「東証プライム市場」というわけだ。

なお、前述した通り東証プライム市場には約1,800の銘柄が存在しているため、このポイントだけで絞り込むのは難しいが、株初心者にとってはチェックしておくべき最低限の条件といえるだろう。

流動性
流動性とは、株式や債券がどれほど市場に出回っているかを表すものである。

ガバナンス水準
プライム市場はグローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場であることから、プライム市場の上場会社には、一段高いガバナンスについて定めた原則を適用することとしています。

(引用:日本取引所グループ)

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配当利回りはどれくらいか

2つ目は「配当利回りはどれくらいか」というポイントだ。

配当利回りとは、当該銘柄の株価に対する年間配当金割合を示す指標であり、以下の計算式で求めることができる。

配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価

一例をあげると、株価が1万円かつ年間配当金が100円という銘柄は、100円(年間配当金)÷ 1万円(株価)という計算により、1%の配当利回りとなる。

株式投資に多くのリターンを期待する場合は、この配当利回りが3%以上の銘柄をターゲットとするとよいだろう。

なお、配当利回りについては注意すべき点がある。

配当金の原資は、企業が事業活動により得た利益の一部である。視点を変えると、配当利回りが高い企業は、事業への投資が少ないと見ることもできる。

特に成長ステージにある企業の場合、利益を配当金よりも事業投資へ割り当てた方が、将来的に株価が大きく上昇する可能性が高い。つまり、配当利回りが高い企業は、株価の大きな上昇もやや期待できないといえる

そのため、企業のステージを考慮しながら、適切な配当を行っているかを注視する必要がある。

株主優待はあるか

3つ目は「株主優待はあるか」というポイントだ。

株式投資で期待できる主な利益は、以下の通りである。

株式投資で期待できる利益と概要

株式投資で期待できる利益 概要
値上がり益 株価が買付時点より値上がりすることにより生まれる
配当金 企業の余剰利益を株主へ分配することにより生まれる
株主優待 権利確定日に銘柄を保有していることで優待品を得られる

上記の値上がり益や配当金は、企業の経営状態や市場の動向の影響を受けて変動する可能性がある。一方で株主優待は、権利確定日に対象銘柄を保有していれば確実に獲得できる点がメリットといえる。

ネット証券会社として多くのユーザーを獲得している楽天証券では、権利確定月や優待獲得に必要な金額などの条件を指定すれば、簡単に株主優待を行っている銘柄を検索できる。

楽天証券
出典: 楽天証券

今の株価が割安か

4つ目は「今の株価が割安か」というポイントだ。

前述した通り、株式投資で獲得できる利益として最も大きいものが「値上がり益」だ。

ただし、「銘柄(企業)の実力」と「株式市場からの評価」は必ずしも一致しないものでもある。安定した利益を出している企業、あるいは高い成長可能性を持つ企業などでも、株価に反映されていないケースがあるのだ。

そのような株を「割安株」という。割安の状態となっている株は、近い将来値上がりする可能性がある。

なお、現在の株価が割安であるかは「PBR」と「PER」という指標で確認が可能だ。各指標の概要は以下の通りである。

指標と概要

指標 概要 目安
PBR (株価純資産倍率) ・株価を1株あたりの純資産で割った値
・時価総額が純資産が何倍であるかを表す
1倍未満
PER (株価収益率) ・株価と企業の収益力を比較し、投資の価値を判断する際に目安にする値
・時価総額 ÷ 1株当たり利益により算出できる
15倍未満

株初心者の場合、PBRが1倍未満、PERが15倍未満の銘柄をチェックするとよいだろう。

注意点としては「万年割安株」という言葉もあるとおり、あまり値上がりが期待できない銘柄も存在するという点だ。

可能であれば、割安となっている要因を自分自身で調べてみることをおすすめする。

これから伸びるか

5つ目は「これから伸びるか」というポイントだ。

端的にいえば、これから成長する企業は株価が上昇する可能性が高いといえる。そのため、会社の四季報や企業の決算情報などをみて、売上(営業収益)や営業利益が持続的に伸びているかを確認することが重要だ。

特に、年々前期比で高い伸びを記録している場合は、企業が急成長を遂げている最中といえる。そのような企業はさらに株価が上昇する可能性を秘めているのだ。このような、高い成長性をもつ企業も銘柄選定の候補にいれておくとよいだろう。

なお、この「これから伸びるか」というポイントは、前述した「高配当銘柄」あるいは「株主優待銘柄」に該当しないケースが多い。

分散投資を実践するという意味でも「成長性重視(グロース株への投資)」あるいは「割安株(バリュー株への投資)」という観点から、それぞれで気になる銘柄を選ぶことをおすすめする。

株初心者におすすめの銘柄10選

ここまで、株初心者の銘柄選びのポイントを紹介した。ただ、それでもなお銘柄選びに迷ってしまう方も多いのではないだろうか。

そこで、ここでは株初心者におすすめの銘柄として、以下の10銘柄を解説する。

おすすめの銘柄

  • 日本たばこ産業
  • 上新電機
  • ユニ・チャーム
  • コマツ
  • ブラザー工業
  • 伊藤ハム米久ホールディングス
  • DeNA
  • ビックカメラ
  • 沖縄セルラー電話
  • 伊藤忠商事

日本たばこ産業

銘柄名 日本たばこ産業
証券コード 2914
株価 (円) 2,872.5
配当利回り 6.54%
優待有無 無し
PER 11.51倍
PBR 1.58倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査結果」によれば、平成21年に23.4%だった喫煙者の割合は令和元年には16.7%まで下落している。周囲の喫煙者も徐々に減少していることを体感している人が多いのではないだろうか。

その一方で、日本たばこ産業株式会社のビジネス状況は好調であり、業績も安定している。2022年度の決算では、売上収益(約2兆6,578億円)から営業利益(約6,536億円)となっている。

日本たばこ産業の経営計画によれば、HTS(heated tobacco sticks/高温加熱型の加熱式たばこ)を利益成長の中核かつ牽引役として優先的な投資を実施しており、2025年までに20ヵ国以上の市場展開を予定しているとのことだ。

また、次世代の柱となる事業への投資もさることながら、配当利回りも6.54%と高く、株価も長期的にみれば割安といえるだろう。

上新電機

銘柄名 上新電機
証券コード 8173
株価 (円) 1,998.0
配当利回り 3.75%
優待有無 有り
PER 8.36倍
PBR 0.56倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
上新電機
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

上新電機は、家電製品や情報通信機器などの販売を主な事業としている。関西地方が中心だが、東海地方や関東地方にも進出しており、223店舗(2022年3月末時点)を展開している。

近年ではEC事業への投資も進めており、2022年に「新物流プロジェクト」として関西茨木物流センターの本格稼働がスタートした。EC全商品の入出荷を担うこの物流センターは、EC出荷能力が稼働前対比で+100%UPとなっているため、さらなるEC事業の成長が期待できるだろう。

また、上新電機がおすすめな理由は株主優待だ。上新電機の株主優待は、1株保有するだけで5,000円分の買い物優待券を獲得できる。

自身での利用はもちろんだが、家電製品などを購入する予定がない人はフリマアプリで売却すれば、買付分の元を取れる可能性が高い。

お得な株主優待を探している人には、おすすめしたい銘柄の1つといえる。

ユニ・チャーム

銘柄名 ユニ・チャーム
証券コード 8113
株価 (円) 5,461.0
配当利回り 0.70%
優待有無 無し
PER 48.06倍
PBR 4.78倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
ユニ・チャーム
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

ユニ・チャームは、ウェルネスケア関連製品やペットケア関連製品の販売を事業とする企業だ。

上表をご覧いただければわかるとおり、ユニ・チャームの配当利回りは0.70%(2023年4月21日時点)と決して高くない。また、株主優待も実施していないため、一見するとあまり魅力を感じない銘柄にみえるだろう。

ただし、業績は好調だ。1961年2月の創業以来、60年にわたり持続的な成長を遂げてきた経営安定性が、ユニ・チャームの魅力の1つといえるだろう。

また、海外売上高比率は66.3%、アジア売上高比率は47.7%と着実にグローバル企業へシフトしている点も注目したいポイントである。日本の少子化問題は、急速に進行しており深刻な状況に陥っている。日本でのみ事業を展開する企業は、この問題に立ち向かっていく必要があるが、ユニ・チャームは前述した理由により少子化問題によるダメージは限定的と予測できる。

コマツ

銘柄名 コマツ
証券コード 6301
株価 (円) 3.266.0
配当利回り 2.94%
優待有無 有り
PER 13.72倍
PBR 1.34倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
コマツ
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

コマツは1921年に竹内明太郎氏によって創業された長い歴史を有する企業だ。

ブルドーザーや油圧ショベルなどをはじめとする建設および鉱山機械分野で、世界2位の座に輝いている。業績も好調な状態を維持しており、2022年度の連結売上高は3兆4,600億円、営業利益は4,400億円を見込んでいる。

コマツはDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略が特徴の1つだ。ITを駆使して自動化および自立化したICT建機を開発したり、IoTやAI予測技術を活用して機器の予知保全を行うなど、巧みなDX戦略を展開している。

経済産業省、東京証券取引所、独立行政法人情報処理推進機構が共同で選定する「DX銘柄」に、3回指定されるなど、今後の業績に期待ができる点も魅力の1つだ。

株価はやや高めだが、配当利回りも2.94%(2023年4月21日時点)とまずまずの値といえるため、株式初心者におすすめの銘柄といえる。

ブラザー工業

銘柄名 ブラザー工業
証券コード 6448
株価 (円) 2,073,0
配当利回り 3.09%
優待有無 無し
PER 8.82倍
PBR 0.95倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
ブラザー工業
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

ブラザー工業は、1934年に創業した企業だ。その後、事業の多角化やグローバル化を推進し、現在では売上高8,000億円を目指す企業に成長している。

プリンターや複合機などを扱うプリンティング・アンド・ソリューションズ事業や、工作機械や工業用ミシンなどを扱うマシナリー事業などを中核として、産業用から民生用に至るまで幅広い事業を展開しているのが特徴だ。

なお、2023年3月期第3四半期の決算では、部材不足による供給制約が緩和されたため、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業も増収となっているが、株価はここ半年で大幅に下がっているので、狙い目の時期といえるだろう。

さらに、配当利回りは3.09%(2023年4月21日時点)と高く、PERやPBRも割安といえる水準であるため、おすすめしたい銘柄の1つである。

伊藤ハム米久ホールディングス

銘柄名 伊藤ハム米久ホールディングス
証券コード 2296
株価 (円) 717.0
配当利回り 3.21%
優待有無 有り
PER 10.97倍
PBR 0.78倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
伊藤ハム米久ホールディングス
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

伊藤ハム米久ホールディングスは、伊藤ハムと米久を傘下にもち、食肉加工品の製造および販売や調理加工食品、惣菜類の製造や販売を事業としている。食肉加工業界としては日本ハムに次いで業界2位に位置しており、ハムやソーセージに強みをもっているのが特徴だ。

なお、2022年度第3四半期の決算資料によると、原材料や光熱費の上昇により加工食品事業の業績は厳しい結果となっている。一方で、食肉事業は世界的な食肉価格の上昇を受け、加工食品事業の減益分を補う形となっている。その結果、2022年度通期の業績予想は増収減益となりそうだ。

伊藤ハム米久ホールディングスをおすすめする1つ目の理由は、3.21%(2023年4月21日時点)という配当利回りの高さである。また、株主優待は1,000株以上を保有していれば5,000円相当の自社グループ商品を獲得可能という点も嬉しいポイントといえるだろう。

DeNA

銘柄名 ディー・エヌ・エー
証券コード 2432
株価 (円) 1,841.0
配当利回り 2.12%
優待有無 有り
PER 7.17倍
PBR 0.91倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
ディー・エヌ・エー
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

DeNAは、日本を代表するインターネット系企業の1つだ。

DeNAの創業者であり、代表取締役会長を務める南場智子氏の経営手腕は、ビジネス界はもちろん政界からも高く評価されている。女性初の経団連副会長やデジタル臨時行政調査会の構成員でもあり、今後も目が離せない実業家の1人だろう。

事業としては、スマートフォン向けのゲームがコアであり、売上収益および利益の大半はこの事業から生み出されている。なお、近年はライブストリーミング事業やスポーツ事業に加えて、ヘルスケア事業なども展開しており、多角的な経営を推進している。

配当利回りは2.12%(2023年4月21日時点)とまずまずの値であり、PBRも約1倍と割安であるため、狙い目といえるだろう。

大企業との協業や新サービスのリリースで株価が大きく上がる可能性を秘めているため、今後もビジネス動向を継続してウォッチしたい銘柄だ。

ビックカメラ

銘柄名 ビックカメラ
証券コード 3048
株価 (円) 1,137.0
配当利回り 1.32%
優待有無 有り
PER 34.22倍
PBR 1.26倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
ビックカメラ
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

ビックカメラは、グループ合わせて全国に260店舗を展開する家電量販チェーンだ。

グループにはビックカメラのほか、コジマやソフマップなども属しており、家電量販業界においてヤマダHDに次いで2位の座に位置している。

2023年8月期第2四半期決算短信によると、ビジネス状況としてはゲームなどの売上は好調な状況が続く一方で、テレビなどが低調な結果となっているとされる。

株初心者にビックカメラをおすすめしたい理由は、株主優待だ。ビックカメラの株を100株保有していれば年間3,000円分の買い物優待券を獲得できる。さらに長期保有すれば最大2,000円分の優待券も追加で獲得可能である。

ビックカメラを日常的に利用している人には、おすすめの銘柄といえるだろう。

沖縄セルラー電話

銘柄名 沖縄セルラー電話
証券コード 9436
株価 (円) 3,000.0
配当利回り 2.80%
優待有無 有り
PER 15.10倍
PBR 1.60倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
沖縄セルラー電話
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

沖縄セルラー電話は、沖縄地域において携帯・自動車電話サービスを行う会社として1991年に設立された。沖縄県内で事業を営む複数の有力企業に加えてKDDI株式会社の出資により生まれた沖縄セルラー電話は、現在もKDDIグループとして密接な関わりをもっている。

特筆すべきは「地域密着型経営」だろう。2023年3月期第3四半期決算資料によると、沖縄セルラー電話が提供するauとUQモバイルの総契約数は65万7,000件にのぼる。沖縄県の人口は約147万人(2023年3月1日時点)のため、約45%程度のシェアを有することになるのだ。同様にFTTH回線(auひかり ちゅらなどの光回線)の累計回線数は11万7,600件、沖縄県の世帯数に対するシェアは約20%を占めている。

このような盤石な収益基盤により業績は極めて安定しているため、安定した配当を期待できるのが沖縄セルラー電話の魅力だ。
ただし、株価はやや割高のため、購入タイミングについては気をつけたいところだ。

伊藤忠商事

銘柄名 伊藤忠商事
証券コード 8001
株価 (円) 4,457.0
配当利回り 2.47%
優待有無 無し
PER 8.06倍
PBR 1.48倍
※株価については2023年4月21日終値時点の値
伊藤忠商事
参照: 楽天証券 (2023年4月15日時点)

伊藤忠商事は、三菱商事や三井物産など「5大商社」と呼ばれる総合商社の1つである。

伊藤忠商事の強みは、非資源に強いという点だろう。2021年度の利益6,900億円のうち、繊維や金属などの非資源分野に関する利益は5,003億円を占める。つまり、全体の約72%は非資源によって生み出されているのだ。これは他の大手商社と比較してもかなり高い数値といえる。

当然ではあるが資源分野は資源価格の影響をダイレクトに受けやすい。その点、伊藤忠商事は資源価格の影響を受けにくい非資源分野へと注力することにより、安定した収益基盤を構築しているといえるだろう。

配当利回りもまずまずのため初心者におすすめしたい銘柄だが、商社の株価はやや割高であるため、買い付けるタイミングには細心の注意を払いたいところだ。

株初心者が個別銘柄を買う際の注意点

ここまで株初心者におすすめの銘柄を紹介してきた。では、株初心者が個別銘柄を買う際の注意点とはどのようなポイントなのだろうか。

ここでは株初心者が個別銘柄を買う際に注意してほしい以下2点について解説する。

注意してほしい2点

  • 目先の配当利回りや優待だけで選ばない
  • 同じ業種の株ばかりに集中しない

目先の配当利回りや優待だけで選ばない

株初心者が個別銘柄を買う場合、目先の配当利回りや株主優待だけで選ばないことが重要だ。

前述した通り、配当とは企業が生み出した利益の余剰金を株主に分配するものだ。当期純利益のうち、どれほど配当金に向けたかを示したものが「配当性向」である。配当性向は以下の計算式で算出できる。

1株当たり配当額÷1株当たり当期純利益×100(%)

たとえば、配当性向が100%に近い、あるいは100%を超えている場合、企業は無理をして利益を配当を行っている可能性があるといえる。このような企業の場合、ビジネス状況が悪化した場合に配当金も減配あるいは無配となるリスクが高く、安定した配当を期待できないことになる。

また、昨今では「株主に対する公平な利益還元の実現」という観点から、株主優待を廃止する企業が増加傾向となっている点も注意したい。

一例をあげると、業績好調かつ株主優待の商品が高い人気を集めていたオリックス社が、2024年3月の株主への贈呈をもって、優待を廃止することを発表している。

このような背景から、目先の配当利回りや株主優待を重視すると思わぬ損失を招く恐れがある点は注意が必要だ。

同じ業種の株ばかりに集中しない

投資に関する有名な格言に「卵は1つのカゴに盛るな」というものがある。

1つのカゴに全ての卵を盛ってしまうと、カゴを落としてしまった場合に全ての卵が割れてしまうリスクがある。卵を複数のカゴに分散しておけば、1つのカゴを落としても他のカゴに盛った卵は影響を受けない。

同様に投資も複数の商品や銘柄へ分散しておけば、リスクを抑えられるという意味だ。時々「伊藤忠商事」「三菱商事」「三井物産」など同一業種ばかりに投資している人がいる。

もちろん銘柄としては分散しているが、同一業種は同じ様な値動きとなる可能性が高いため、一気に株価が上がる可能性がある一方で、一気に株価が下落するリスクも背負わなくてはならない。

このような投資手法は初心者にはおすすめできないため、業種の分散についてもぜひ意識していただきたい。

株初心者が銘柄を選ぶときによくある質問

ここでは、株初心者が銘柄を選ぶときによくある質問として、以下の2つを紹介する。

タイトル

  • 簡単な銘柄の選び方は?
  • 株を買うのにおすすめの証券会社は?

簡単な銘柄の選び方は?

株初心者が銘柄を選ぶ際は、基本的には長期投資がおすすめだ。

株価は常に変動するため、株価の上昇や下落に一喜一憂しないほうがよいだろう。長期的にみて応援したい企業の株を購入することがおすすめだ。

なお、配当狙いで投資を行うのであれば、可能な限り配当性向が50%前後までの銘柄を選ぶとよいだろう。どうしても配当利回りを重視したいのであれば、投資期間を数年と短めに設定することをおすすめする。

また、株主優待を重視する場合は、自社商品の贈呈や自社サービスの割引券などを商品としている銘柄が狙い目だ。なぜならば、QUOカードなどと比較すると優待廃止になりにくい傾向があるからだ。

ただ、昨今の情勢を考えるとどのような銘柄も、優待廃止や改悪となる可能性は拭えないことには注意しておきたい。

株を買うのにおすすめの証券会社は?

株初心者におすすめしたいのは「楽天証券」あるいは「SBI証券」だ。両社はネット証券業界の2強と呼ばれており、投資家からも多くの人気を集めている。

楽天証券は、楽天経済圏の強みを活かしたサービスが好評だ。日常の買い物などで獲得したポイントで投資信託の買付ができる「ポイント投資」は、手軽に投資をスタートできる嬉しいサービスといえるだろう。

また、対応商品が豊富なSBI証券も候補の1つとしておすすめしたい。

株初心者が銘柄を選ぶときは分散投資を意識しよう

今回は、株初心者におすすめしたい銘柄10選を選び方のポイントとともに紹介した。

ご注意いただきたいのは「おすすめした銘柄 = 株価が上がる銘柄」ではないという点 だ。各銘柄でおすすめした理由を参考としながら、5~10銘柄程度に分散投資するとよいだろう。もちろん、本記事で紹介したもの以外にもおすすめの銘柄は存在する。
楽天証券はさまざまな条件によるスクリーニングが可能だ。ぜひ自分だけのおすすめ銘柄選びに活用してほしい。