【パターン別】株初心者におすすめの銘柄を紹介!選び方のポイントも解説

株式投資をこれからはじめたい方、はじめたばかりの方にとって悩ましいのは「銘柄選び」だろう。日本株だけでも数千銘柄あるなかから、利益が出そうな銘柄、損をしない銘柄を選びたいと思うのは自然だ。

株式投資で得られる利益は、「配当金」「株主優待」「値上がり益」と大きく3種類ある。この記事では具体的な銘柄をパターン別に挙げるとともに、株式投資の初心者が銘柄を選ぶ際のポイント、できるだけリスクを抑えて投資するポイントを解説する。

なお、この記事で紹介した銘柄は必ず利益が出ると約束するものではなく、あくまで投資判断の目安である点をご留意いただきたい。

  1. 株の初心者におすすめの銘柄は大きく3種類ある
    1. 1. 配当金が高い銘柄
    2. 2. 株主優待が魅力的な銘柄
    3. 3. 値上がり益を期待できる銘柄
  2. 【目的別】株の初心者が銘柄を選ぶ際のポイント
    1. 1. 配当金を目的に株を買う場合
    2. 2. 株主優待を目的に株を買う場合
    3. 3. 値上がり益を目的に株(成長株)を買う場合
    4. 4. 値上がり益を目的に株(割安株)を買う場合
  3. 株の初心者が実際に取引する際の4つの注意点
    1. 1. どんな投資目的でも業績を必ずチェックする
    2. 2. ビジネスの内容がわかる企業を選ぶ
    3. 3. 配当金や株主優待目当てでも株価を定期的にチェックする
    4. 4. 情報はあくまで参考程度に捉える
  4. 株式投資のリスクを抑える3つのポイント
    1. 1. 分散投資する
    2. 2. 売却するタイミングを決めておく
    3. 3. 少額からはじめる
  5. 株の初心者におすすめの証券会社
    1. 1. 楽天証券
    2. 2. SBI証券
  6. 相場や投資の情報を得られるWebサイト3選
    1. 1. 口座を持っている証券会社のWebサイト(マイページ)
    2. 2. Yahoo!ファイナンス
    3. 3. 日経電子版(有料)
  7. よくある質問
    1. 初心者はどの銘柄を買えばいいの?
    2. 株を買ってみたいけれど損するのが怖い。どうすれば?
    3. どの証券会社で口座を開けばいいの?
    4. 企業の情報や株価はどこで見ればいいの?
  8. 投資目的にあわせて少額から株式投資をはじめてみよう

株の初心者におすすめの銘柄は大きく3種類ある

株式投資で得られる利益には次の3種類がある。

  1. 配当金
  2. 株主優待
  3. 値上がり益

1の配当金と2の株主優待を「インカムゲイン」、3の値上がり益を「キャピタルゲイン」という。

インカムゲインは資産を保有することで得られる利益、キャピタルゲインは資産の売却によって得られる利益だ。

  配当金
(インカムゲイン)
株主優待
(インカムゲイン)
値上がり益
(キャピタルゲイン)
運用スタイル 中長期投資 中長期投資 短期投資

インカムゲインを目的にする場合、資産を持ちつづけて配当金や株主優待を長く安定的に受け取っていく中長期の運用スタイルが合っている。逆にいえば、短期間ではメリットが少なくなってしまう。

一方で、キャピタルゲインは短期間でも狙える利益だ。株価をこまめにチェックする必要はあるが、1年で株価が数倍にもなる場合もある。

また、すべての銘柄が明確に3パターンに分類されるわけでもない。配当金を受け取りながら値上がり益も期待できる銘柄に投資すれば、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙うことも可能だ。

1. 配当金が高い銘柄

配当金をひと言でいうと、企業から株主に還元される利益のこと。株式会社は利益をあげた際に、利益の一部または全部を「配当金」として株主に分配し、株主は持っている株数に応じた金額を受け取れる。

ここで「配当利回り」という指標を覚えておこう。

配当利回りとは、株価に対して配当金が年間でどれぐらい出ているかを表した割合のこと。

たとえば、現在の株価が3,000円、年間で配当金を60円出している銘柄なら、配当利回りは

(60÷3,000)×100=2%となる。

なお、年間の配当金の予想値から配当利回りを計算し、投資の判断材料とすることが一般的である。

配当利回りの高低に明確な基準はないが、日経平均の平均配当利回り2.26%(2023年4月27日現在の予想値)を目安とすれば、3%以上なら高いといえるだろう。「銀行の預金金利より高ければいい」という方なら、3%にこだわらず1%や2%の銘柄を選んでも良い。

ここでは、配当利回りが3%以上の銘柄を5つ紹介する。

銘柄名
<銘柄コード>
予想配当利回り 1株あたり
年間配当金(予想)
株価 最低購入金額
三菱UFJフィナンシャル・グループ
<8306>
3.72% 32円 860.1円 8万6,010円
日本郵船
<9101>
16.01% 510円 3,186円 31万8,600円
商船三井
<9104>
0.1682 560円 3,330円 33万3,000円
JT
<2914>
6.45% 188円 2,916.5円 29万1,650円
KDDI
<9433>
3.24% 135円 4,169円 41万6,900円
1. 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306>

三菱UFJフィナンシャル・グループは日本でも最大級の金融グループである。傘下には三菱UFJ銀行のほか、信託銀行や証券会社、リース会社などがある。配当金は2019年3月期の22円から横ばいあるいは右肩上がりで、2023年3月期に予想どおり32円の配当を出せば2期連続の増配となる。10万円以下で買えるのも、初心者にはおすすめできる点だ。実際に株初心者からの人気も高く、楽天証券の日本株デビュー銘柄ランキング(2023年3月、取引目的別ランキングのキャピタルゲイン)、SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング(2023年3月)の両者で第1位をとっている。

2. 日本郵船 <9101>

日本郵船は海運業界の大手企業であり、自動車やLNG(液化天然ガス)を運ぶ船を運行する。海運業にくわえて陸運と空運も手がけており、物流サービスを総合的に展開。事業の多角化により業績の安定化を図っている。業績は好調で、2023年3月期の予想配当利回りは15%を超える見込み。

ただし、日経新聞によると2024年3月期の年間配当金は135円と予想されている。135円に下がったとしても、現在の株価で計算すると配当利回りは4%を超えるため高配当ではあるが、今後の株価や予想配当金には注意したい。

3. 商船三井 <9104>

商船三井も日本郵船と同様、海運業の大手企業だ。世界的なインフレによってコンテナ船の運賃が高騰し、好業績をあげている。2020年3月期から増配が続き、2023年3月期も予想どおり560円の配当となれば4期連続の増配となる。

しかし、商船三井も日本郵船と同様に、日経新聞の予想では2024年3月期は110円の配当となる見込み。商船三井と日本郵船は同業であるため、株価や配当金の値動きが似る傾向にある。購入するなら海運株はどちらか片方にし、ほかの業種の銘柄と組み合わせてリスク分散するのがおすすめだ。

4. 日本たばこ産業 <2914>

日本たばこ産業は、「メビウス」や「セブンスター」で有名な国内大手のたばこメーカー。日本国内だけでなく、世界130ヵ国以上でたばこ事業を展開するグローバル企業である。海外の大手たばこ会社・たばこ事業に対して積極的にM&Aをおこない、収益を広げてきた。

日本たばこ産業は「当期純利益の75%を配当金とする」方針であり、株主への還元にも積極的な企業である。

5. KDDI <9433>

KDDIは「au」ブランドで知られる総合通信企業で、通信サービスのほかにも金融業やケーブルテレビ事業などへ事業の幅を広げている。KDDIは2003年3月期から20期連続で増配しており、2023年3月期も135円へと増配を予定している。

当期純利益の40%以上を配当金とする方針を掲げており、日本たばこ産業と同じく株主還元に積極的な姿勢である。2022年3月期に続き2023年3月期も増収増益となる見込みで、業績が堅調な点も魅力だ。

2. 株主優待が魅力的な銘柄

株主優待も、配当金と同じく株主還元のひとつである。配当金がお金であるのに対して、株主優待ではモノやサービスを提供する。株主優待の内容は自社サービスの優待券や自社商品のほか、お米やカタログギフト、QUOカード、図書カードなど多岐にわたる。

株数や保有期間に応じて優待の内容が異なる銘柄もあるため、事前にチェックしておこう。優待銘柄を探すには株主優待ガイドが便利だ。優待のカテゴリや投資金額などの条件から銘柄を検索できるほか、人気ランキングも掲載されている。

ここでは次の5つの銘柄を紹介する。

銘柄名
<銘柄コード>
優待内容 株価 最低購入金額 予想配当利回り 1株あたり
年間配当金(予想)
イオン
<8267>
イオンオーナーズカード
(100株以上)
2,730.5円 27万3,050円 1.32% 36円
ゆうちょ銀行
<7182>
カタログギフト
(500株以上)
1,090円 10万9,000円 4.59% 50円
ニッスイ
<1332>
自社商品詰め合わせ
(500株以上)
584円 5万8,400円 2.74% 16円
ヤーマン
<6630>
ヤーマンオンラインストアで利用できる株主優待割引券
(100株以上)
1,140円 11万4,000円 1.14% 13円
ヒューリック
<3003>
グルメカタログギフト
(300株以上)
1,142円 11万4,200円 4.03% 46円
1. イオン <8267>

イオンは、スーパーマーケット事業をはじめ金融業や不動産事業など、幅広い事業を手がける。株主優待では100株以上を保有する株主に対して「イオンオーナーズカード」を発行。

オーナーズカードを使うことで、買い物の際に次の特典が受けられる。

  1. 半年で100万円までの買い物金額に対して、保有株数に応じた割合でキャッシュバック
  2. 「お客さま感謝デーの5%割引特典」と、オーナーズカードによる「キャッシュバック特典」の併用
  3. イオンイーハート、イオンシネマ、スポーツオーソリティ、イオンペットなどでのお会計時割引・優待料金特典

キャッシュバック率は以下のとおり。

保有株数 キャッシュバック率
100株~499株 3%
500株~999株 4%
1,000株~2,999株 5%
3,000株以上 7%

日頃、イオンでよく買い物をする方におすすめの優待である。

2. ゆうちょ銀行 <7182>

ゆうちょ銀行は、郵便局でおなじみの日本郵政グループのうち、銀行業を営む企業だ。株主優待として、3,000円相当の商品が選べるカタログギフトを贈呈している。

商品のラインナップは日本各地の特産品・名産品やお酒、生活雑貨、ファッション雑貨やオリジナル切手など。またESG(環境、社会、ガバナンス)やSDGsへの取組みとして、赤い羽根共同募金などへの寄付も選択肢に含まれる。ふるさと納税が好きな方や、社会貢献に興味がある方におすすめの銘柄だ。また、配当利回りが4%を超える高配当である点も魅力的である。

ただし、カタログギフトを受け取るためには500株以上の保有が条件なので注意しよう。

3. ニッスイ <1332>

ニッスイは明治時代からの歴史を持つ水産業界の老舗企業。食品卸事業もひとつの柱であり、冷凍食品や缶詰、練り製品などの食品を扱う。株主優待の内容もさばの缶詰やガパオライスの素など、自社製品を提供。500株~999株を保有する株主には3,000円相当、1,000株以上を保有する株主には5,000円相当の自社製品を贈呈する。

ゆうちょ銀行と同様、優待を受け取るためには500株以上の保有が条件。しかし、2023年4月27日時点で最低購入金額は6万円を切っており、500株買っても30万円に満たない。優待を手に入れるハードルはさほど高くないといえるだろう。

4. ヤーマン <6630>

ヤーマンは家庭用フェイスケア・ボディケア機器や化粧品開発を手がける企業である。オンラインストアの商品は美顔器やコスメのほか、ドライヤーやシェーバーなどがならび、パートナーや家族で使えるアイテムも揃っている。

100株保有すると初年度で5,000円の割引が受けられ、5年以上保有すれば1万3,000円以上の割引となる。美容に興味があり、長期投資で考えている方にはおすすめの銘柄といえる。

5. ヒューリック <3003>

ヒューリックはみずほフィナンシャルグループ系の不動産会社である。300株の保有で3,000円相当のグルメカタログギフトを優待として受け取れて、保有期間が3年を超えると受け取れるカタログが2冊に増える。また、ゆうちょ銀行と同様に寄付も選択できる。

業績を見ても、新型コロナウイルスの影響を受けながら純利益を9期連続で更新しており、2023年3月期も過去最高益を更新する見込みと堅調である。株主優待と配当金を受け取りながら、長い目で値上がりも狙える銘柄といえる。

3. 値上がり益を期待できる銘柄

値上がり益を期待できる銘柄として、ここでは次の5つを紹介する。

銘柄名
<銘柄コード>
株価 最低購入金額 予想PER PBR 予想ROE 予想配当利回り
ENEOSホールディングス
<5020>
476.8円 4万7,680円 10.6倍 0.51倍 4.60% 4.61%
INPEX
<1605>
1,452円 14万5,200円 7.02倍 0.50倍 7.10% 4.41%
三菱商事
<8058>
4,993円 49万9,300円 6.36倍 0.91倍 14.6% 3.61%
旭化成
<3407>
942.1円 9万4,210円 - 0.73倍 - 3.82%
日本ガイシ
<5333>
1,781円 17万8,100円 10.87倍 0.88倍 8.10% 3.71%

値上がり益を期待できる銘柄を探す際には、次の3つの指標を覚えておきたい。

  • PER(株価収益率)
  • PBR(株価純資産倍率)
  • ROE(自己資本利益率)

5銘柄を紹介する前に、まず指標について解説する。

覚えておきたい3つの指標

PERとPBRは株価がどれだけ割安かをはかり、ROEは企業の収益性をはかる指標だ。

  投資価値の判断 計算に使う値
PER
(株価収益率)
低いほうが良い 予想値
PBR
(株価純資産倍率)
低いほうが良い 実績値
ROE
(自己資本利益率)
高いほうが良い 予想値

PERは「株価収益率」といい、企業の利益から株価が割安かどうかをはかる指標だ。

PER = 株価÷1株あたりの純利益で計算され、低いほうが割安だと判断できる。また、計算にあたって1株あたりの純利益は予想値を使う。PERに明確な基準はないため、同業種の企業どうしで比較して判断することが重要である。

たとえば、同じ業種で株価が3,000円、1株あたりの純利益(予想)が300円のA社と、株価が2,000円、1株あたりの純利益(予想)が250円のB社のPERを計算してみよう。

A社のPER:3,000円÷300円=10倍
B社のPER:2,000円÷250円=8倍

B社は生み出す利益に対して株価が8倍とA社よりもPERが低くなるため、この場合はB社の株のほうが割安と考えられる。

PBRは「株価純資産倍率」ともいい、企業が持っている資産から株価が割安かどうかをはかる指標である。

PBR=株価÷1株あたりの純資産(株主資本)で計算される。純資産とは総資産から負債を引いた残りで、資本金や自己株式が該当する。PBR=1倍のとき株価と資産価値が同等となるため、PBR=1倍がひとつの目安とされ、1倍を下回ると割安とされている。

例として、現在の株価が3,000円、1株あたりの純資産が2,000円のC社と、現在の株価が2,000円、1株あたりの純資産が2,500円のD社のPBRは、次のように計算できる。

C社のPBR:3,000円÷2,000円=1.5倍
D社のPBR:2,000円÷2,500円=0.8倍

D社は株価が純資産の価値を下回っており、C社よりも割安であると判断できる。

最後に、ROEは「自己資本利益率」といって、会社の自己資本がどれだけの利益をあげたかをはかる指標である。自己資本とは、資本金をはじめとする株主から集めた資金だ。(銀行からの借入金や自社で発行した社債などは返済義務があるため、他人資本という)。

ROE=当期純利益÷自己資本×100で求められ、数値が高いほど自己資本を使って効率よく稼いでいると判断できる。なお、目安として、日本企業はROE8%以上を目指すべきとされている。

たとえば、当期純利益が1,000万円で自己資本が5,000万円のE社と、当期純利益が1,000万円で自己資本が1億円のF社をくらべてみよう。

E社のROE:1,000万円÷5,000万円×100=20%
F社のROE:1,000万円÷1億円×100=10%

E社は5,000万円の自己資本を使って1,000万円の利益を生んでいるのに対し、F社は1億円の自己資本を使っているにもかかわらず、利益はE社と同じ1,000万円である。つまり、ROEの高いE社のほうが、投資価値が高いといえる。

銘柄を探すときにはどれかひとつの指標だけで判断するのではなく、複数の指標や景気の動向、企業の業種などを総合的に見ていくことが大切だ。

1. ENEOSホールディングス <5020>

車を運転する方なら、ガソリンスタンドでご存知の方も多いだろう。ENEOSホールディングスは、「エネルギー」「石油・天然ガス開発」「金属」という3つの事業を中心とする、国内でも屈指の石油元売りグループ。

水素への投資で他社に先行しており、2026年3月期にも水素を石油タンカーで常温輸送できる技術を実用化する。水素の輸送方法として普及すれば大きな収益が期待でき、株価の上昇にもつながるだろう。最低購入金額は5万円を切っており、購入のハードルが低い点も初心者にとっては魅力的だ。

2. INPEX <1605>

INPEXは石油・天然ガス開発を担う企業である。オーストラリアでのLNG開発プロジェクトでは主導権を握り、インドネシアでの次の案件も控えている。またアラブ首長国やカザフスタンでも権益を持つ。

2023年12月期は減収減益の予想だが、売上高・当期純利益ともに、2019年3月期から2021年3月期の3期を上回る水準であり、PERやPBRから見ても割安であると判断できるだろう。

3. 三菱商事 <8058>

総合商社として知られる三菱商事は、石炭や銅、LNGなど資源関連の事業での強みにくわえ、機械や化学品など資源以外の分野でも強い収益基盤を持つ。売上高の構成を見ると、金属資源や食品産業、アパレル・小売産業など業種は多岐にわたり、幅広い収益源を持つことがわかる。

株価は2020年頃の2,100円あたりから右肩上がりで、売上高・当期純利益は2023年3月期で3期連続の増収増益となる見込みで、ROEも14.6%と高水準だ。

4. 旭化成 <3407>

旭化成は大手の総合化学メーカーである。合成樹脂や合成ゴムなどの石油化学関連にくわえ、住宅や建材、エレクトロニクス、医薬品領域にも事業を展開する。

ヨーロッパや中国の景気減速によって2023年3月期は赤字の予想だが、自動車用の素材や電池用の材料の販売が徐々に回復してきている。日経新聞による2024年3月期の予想では3期連続の増収、当期純利益は黒字に戻るとされている。

予想配当利回りも3%を超えているため、配当金を受け取りながら長い目で見て値上がりを待つのもおすすめだ。

5. 日本ガイシ <5333>

日本ガイシは碍子(がいし)で世界トップの企業である。碍子は電柱や鉄塔に使われ、電気を漏らさず、電線を支えるための器具だ。また、大容量の蓄電池「NAS電池」も日本ガイシが世界ではじめて実用化に成功した。

2023年3月期、2024年3月期は中国景気や半導体需要の減速によって減益となる見通しだが、二酸化炭素を回収する新技術の開発を進めており、実用化すればあらたな収益源として期待が持てる。短期的な利益は難しいかもしれないが、旭化成同様、配当金を受け取りながら株価の上昇を狙える銘柄といえる。

【目的別】株の初心者が銘柄を選ぶ際のポイント

ここからは、配当金・株主優待・値上がり益という目的別に、銘柄の選び方・探し方におけるポイントを解説する。

なお、配当金や配当利回り、株主優待の内容、各種指標はWebで簡単に調べられる。すでに証券会社に口座を持っている方は口座のある証券会社で、口座を持っていない方はYahoo!ファイナンスや各企業の公式サイトなどを利用しよう。

1. 配当金を目的に株を買う場合

配当金を目的にする場合は、配当の安定性と配当利回りに注目したい。株価が比較的安定している銘柄なら、銀行への預金よりも高い利回りで長く運用できる。次の3点に注目して銘柄を選ぼう。

1. 安定して配当金が出ているか

配当金には記念配当・特別配当などの種類がある。記念配当は企業の創立◯周年などを記念して出される配当金のことで、特別配当は企業の業績が特別良かった際に、通常の配当金にくわえて出される配当金のことだ。

記念配当や特別配当はそのとき限定の一時的なものであるため、翌期以降は支払われない。過去の配当金を見て、記念配当や特別配当に該当しないかどうか、通常の配当金だとしても減配(企業が配当金を減額すること)をおこなっていないかをチェックしよう。

なお、過去に出した配当金が記念配当または特別配当だったかどうかは、「会社四季報」の配当欄で確認できる。記念配当の場合は「記」、特別配当の場合は「特」と書かれている。

会社四季報は書籍のほかにWebサイト(会社四季報オンライン)を利用できるが、Webサイトでも有料プランを契約する必要がある。

楽天証券もしくはSBI証券で口座を開けば会社四季報の情報を無料で閲覧できるため、どの証券会社で取引するか迷っている方は積極的に活用しよう。

2. 増配の傾向にあるか

企業が配当金を増やすことを増配、逆に減額することを減配という。増配は好業績が続くときや業績が改善したとき、株主への還元を強めるためにおこなわれる。配当金の原資は企業の利益・売上だ。企業の業績はさまざまな要因で決まるため予測するのは難しいが、増配している企業は利益や売上が上がっていると推測できる。

増配を数期連続でおこなっている企業は稼ぐ体力があり、株価の上昇も期待しやすいため、過去の配当金の金額にはぜひ注目したい。

3. 配当利回りが高いか

受け取った配当金を趣味や買い物などに使っても問題ないが、配当金を元手に同じ企業の株を買い増ししていけば複利の効果が得られる。

上の図は、1,000万円の資産を年率1%、2%、4%、6%、8%で運用した場合の資産の増え方をシミュレーションしたグラフである。

日経平均の平均配当利回りは2.26%(2023年4月27日現在の予想値)だとお伝えしたが、年率2%で運用できれば20年後には4割以上増え、年率4%だと20年後には2倍以上になっているのがわかる。自分はどれぐらいの配当利回りで運用したいかを決めて、実現できそうな銘柄を選ぼう。

ただし、配当利回りが上がっている銘柄でも注意点がある。

配当利回り=1株あたりの年間配当金÷現在の株価×100で計算されるため、配当利回りが上がる理由は配当金が増えるか、株価が下落するかのどちらかしかない。株価が下落しているようであれば、業績の悪化予想といったネガティブな要素を含んでいる可能性がある。もし、本当に業績が悪化すれば減配となるかもしれない。

配当利回りとあわせて株価の動きも確認しておこう。

2. 株主優待を目的に株を買う場合

株主優待で生活している「桐谷さん」に代表されるように、株主優待は投資家から人気の制度である。優待の内容も自社製品や自社サービスの優待券・割引券、カタログギフトや図書カードやQUOカードなど多岐にわたり、選ぶ楽しみも感じるだろう。

しかし、優待銘柄を探す際にも気をつけたいポイントが2つある。

それぞれ解説していく。

1. もらえる優待が自分にとって魅力的か

「自分がほしい優待を選ぶのはあたり前じゃないか」と思う方もいるだろう。しかし、もらえる優待が本当に使えるかどうか、きちんと確認する必要がある。

たとえば、JR西日本 <9021>の株主優待を見てみよう。

Q:新幹線「のぞみ」「みずほ」「さくら」号のきっぷに優待券は使えますか?
A:山陽新幹線(新大阪から博多間)の区間内であれば、新幹線「のぞみ」「みずほ」「さくら」号にもご使用いただけます。

株主優待制度Q&A:JR西日本 より引用

JR西日本の株主優待を新大阪から東京へ新幹線で移動する旅行に使おうとしても、新大阪より東の駅は対象外であり、優待は使えない。ほかにも「優待券を使える店舗が近くになかった」「優待券をもらったけれど、使いたいサービスは対象外だった」といった失敗もありうる。

株主優待の内容は各企業の公式サイトで調べるのが確実だ。せっかくもらった優待を使いそびれないためにも、SNSの情報や口コミを鵜呑みにせず、自分で調べてから購入しよう。

2. 優待だけでなく配当金も出しているか

「株主優待がもらえれば、配当金はなくてもいい」という方も、なかにはいるだろう。株主優待も配当金と同じく、企業の利益から実施している。業績が振るわなければ優待内容の改悪や、株主優待制度そのものの廃止も起こりうる。

「株主優待を廃止すると、発表後に株価を5~6%下押しする」(株主優待廃止の発表後、株価5~6%下押し - 日本経済新聞)ことが分かっており、優待の廃止と株価下落の2つの損を被る可能性がある。

配当金が出ている銘柄であれば、そのまま持ちつづけて配当金を受け取る、配当金を受け取りながら株価が戻ってきたら売却するなど、損を小さくする対策が取れる。

また、株主優待は機関投資家と個人投資家への平等な還元やコスト削減の目的で、実施率が3年連続で減少していることも頭に入れておきたい。株主優待は株式投資をはじめるきっかけにもなる魅力的な制度だが、優待「だけ」を目的にしないように気をつけよう。

3. 値上がり益を目的に株(成長株)を買う場合

値上がり益を目的に株式投資をおこなう場合、銘柄は「成長株」と「割安株」の2種類に分かれる。成長株はグロース株とも呼ばれ、業績が高く、今後さらなる成長が見込める株式だ。売上高や経常利益が年々増えている銘柄で、IT系やハイテク系など、流行りの業種や最新の技術を持つ企業によく見られる。

また、投資家からの期待も高く、株価が高水準となりやすいため、PER(株価収益率)が市場の平均より高い傾向にある点も特徴だ。

株の初心者が成長株を探す際のポイントは、大きく2つある。

1. ROE(自己資本利益率)が10%以上か

先述のように、ROEは自己資本をうまく使い、効率的に利益をあげているかをはかる指標である。東証プライム市場に上場している企業約1,700社の2021年度のROEは9.7%であることから、10%以上を目安にすると良いだろう。

ただし、ROEは当期純利益と自己資本を使って計算するため、上図の①負債の部を考慮しておらず、自己資本が少なくて負債の多い企業もROEが高くなりやすい。負債が多い企業が必ずしも投資価値がないとはいえないが、支払能力(安全性)の面を見ると、負債は少ないほうが良いだろう。

2. 売上高と営業利益が過去3年以上伸びつづけているか

売上高は企業の利益の源泉である。利益はコスト削減によっても伸ばせるが、売上高は魅力ある商品やサービスを提供し、顧客に買ってもらわなければ伸ばせない。売上が連続して伸びていることは企業の成長・拡大を表すため、過去3年を目安に確認しよう。

また、営業利益も同様に伸びているかチェックしよう。営業利益は企業が本業で得た利益を表し、売上高から売上原価と販売費、一般管理費を差し引いて求める。

たとえば、ある喫茶店を想像してみてほしい。喫茶店を営業するにはコーヒー豆や食材を仕入れ、家賃と水道光熱費を払い、アルバイトを雇っていたら給料を支払う必要がある。チラシを配ったとしたら広告費も必要だ。

売上高から仕入れにかかった費用、家賃や水道光熱費、アルバイトの給料(人件費)などを引いたものが営業利益である。

なかには、売上高が伸びていても営業利益が低く、赤字の企業もあるだろう。可能性としては、将来の売上につなげるため、広告宣伝費や営業費に先行投資しているケースが挙げられる。広告や宣伝の効果が出てあとから利益がついてくれば良いが、予測はなかなか難しい。よほど利益が出ると確信できるのなら話は別だが、すでに利益が出ている銘柄を選ぶほうが、初心者にとっては無難だろう。

4. 値上がり益を目的に株(割安株)を買う場合

割安株は、企業の利益や資産に対して現在の株価が低く、投資家に評価されていない状態の株式を指し、バリュー株とも呼ばれる。投資家に企業の価値を正しく判断されれば、株価も上昇するだろうと考えられる株式だ。

割安株を探す際には、一般的にPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)を用いる。探し方のポイントは次の3つである。

PERやPBRについて軽くおさらいしながら解説していく。

1. 同業他社と比較してPERが低いか

PER(株価収益率)は株価が1株あたり純利益の何倍かを示す指標で、値が小さければ割安だと判断できるとお伝えした。しかし、PERには明確な基準がない。低いか高いかは、同業他社との比較や過去のPERとの比較で判断すると良いだろう。

なお、2023年3月における東証プライム市場の業種別PERは、下表のとおりである。

業種 PER(倍)
総合 14.8
水産・農林業 10.7
鉱業 16.8
建設業 10.8
食料品 18.9
繊維製品 22.3
パルプ・紙 8.9
化学 13.9
医薬品 21.8
石油・石炭製品 3.2
ゴム製品 12.0
ガラス・土石製品 13.3
鉄鋼 8.9
非鉄金属 7.1
金属製品 11.4
機械 17.5
電気機器 17.8
輸送用機器 13.9
精密機器 10.3
その他製品 13.1
電気・ガス業 18.4
陸運業 24.8
海運業 2.0
空運業
倉庫・運輸関連業 9.7
情報・通信業 23.6
卸売業 11.2
小売業 21.1
銀行業 8.1
証券、商品先物取引業 6.2
保険業 8.7
その他金融業 10.6
不動産業 10.8
サービス業 19.5

上表を見ると、PERがもっとも低いのは海運業の2.0倍、もっとも高い陸運業が24.8倍と、業種によって大きく差があることがわかる。このとき、異なる業種のPERをくらべてしまうと、誤った判断をしてしまいかねない。

PERは同業種内で比較し、過去の推移もあわせて見たうえで割安かどうか判断しよう。

2. PBRが1倍以下か

株価÷1株あたり純資産で求めるPBRは、企業の資産に対する株価の割安感を示す指標であり、1倍がひとつの判断基準であるとお伝えした。企業が持つ資産の価値に対して、株価が割安だと判断できるためだ。

しかし、2023年3月末、東京証券取引所はPBRが1倍を下回る上場企業に、株価水準を引き上げるように要請した。PBRが1倍割れの状態が続けば、投資家から「企業価値を高めて、株価を上昇させようという意識が低い。投資先として魅力がない」と判断されかねない。要請に応じなくても罰則はないものの、三井物産 <8031>やシチズン時計 <7762>、大日本印刷 <7912>など対応する企業も多い。

そこで、割安株を探す場合にはPBR1倍を目安とするとともに、PERと同じく同業他社との比較もおすすめする。2023年3月における東証プライム市場の業種別PBRは、下表のとおりである。

業種 PBR(倍)
総合 1.2
水産・農林業 1.0
鉱業 0.6
建設業 0.8
食料品 1.3
繊維製品 1.0
パルプ・紙 0.5
化学 1.0
医薬品 1.3
石油・石炭製品 0.6
ゴム製品 0.9
ガラス・土石製品 1.0
鉄鋼 0.6
非鉄金属 0.7
金属製品 0.6
機械 1.3
電気機器 1.7
輸送用機器 0.8
精密機器 1.5
その他製品 1.2
電気・ガス業 0.7
陸運業 1.1
海運業 0.9
空運業 1.5
倉庫・運輸関連業 0.9
情報・通信業 2.2
卸売業 1.0
小売業 1.6
銀行業 0.3
証券、商品先物取引業 0.7
保険業 0.7
その他金融業 0.9
不動産業 1.2
サービス業 2.0

PBRにおいても、もっとも低水準の銀行業(0.3倍)と、もっとも高水準の情報・通信業(2.2倍)とでは差があることがわかる。たとえば、PBRが0.9倍の鉄鋼業の企業があったとすると、1倍を下回っていて割安に見えるが、業界平均のPBRは0.6倍であるため、本当に割安であるかは判断しづらい。

また、東証からのPBR改善要請を受けて自社株買いなどで対応したものの、PBRが上向かずに株価が低いままの企業にも注意したい。

3. 配当利回りが3%以上か

PERやPBRなどを見て割安と判断できた銘柄でも、「絶対上がる」とはいいきれない。株価が上がらなかったときの防衛策として、配当利回り3%以上を銘柄選びの条件にくわえよう。

求める配当利回りの基準は人それぞれだろうが、ひとまず3%を基準として探していくと良いだろう。株価が横ばいで推移したとしても、配当での利益を確保できるからだ。

配当利回りは株価の割安さをはかる指標ではないが、思うように株価が上昇しなかったときの保険をかける意味でチェックしておきたい。

株の初心者が実際に取引する際の4つの注意点

ここでは、実際に株取引をおこなうにあたって心がけるべき点を4つ紹介する。

1. どんな投資目的でも業績を必ずチェックする

ここでいう業績とは、先述した売上高や営業利益のほか、経常利益や当期純利益も含まれる。

経常利益は、営業利益に本業以外で発生した営業外収益を足し、売上原価・販管費・営業外費用を引いて求める。営業外収益は株の売買によって得た利益や為替による利益などで、営業外費用には株の売買や為替による損失や、金融機関に支払う借入利息が含まれる。

営業利益が本業で得た利益を指すのに対し、経常利益は本業以外で発生した損益も考慮するため、企業の経営成績を把握しやすいという特徴がある。

当期純利益は、経常利益に特別利益(臨時の補助金など)を足し、特別損失(災害による損失など)を引いたものから、法人税などの税金を引いて求める。当期純利益はPERやROEの計算でも使われるため、各指標の変動要因を推測するときに参考になる。

どんな目的で株を買うにしても、業績は株価のバロメーターともいえる。株を購入する前の判断材料としてだけでなく、株の購入後も今後の株価の動きを推測する有益な材料となる。

2. ビジネスの内容がわかる企業を選ぶ

株の初心者はとくに、有名な企業や好きな経営者など、自分にとって身近な企業を選ぼう。自分が利用するお店や商品だからこそ「商品ラインナップの雰囲気が変わってきた」「最近出たこの商品、売れ行きが良さそう」など、自然に興味を持って見られるからだ。よく利用するコンビニや飲食料品、アパレルブランド、化粧品などを意識すれば、身近な企業はたくさんあるはずだ。

たとえば、ワークマン <7564>はもともと作業服や安全靴を扱う企業だったが、数年前から機能性だけでなくデザイン性もすぐれた一般向けアイテムを展開し、2018年3月期から5期連続で増収増益である。ワークマンを日頃から利用している方であれば、メディアで取り上げられて話題になる前に、肌感覚で変化を捉えられたかもしれない。

投資の神さまと呼ばれるウォーレン・バフェットも、銘柄選びの原則のひとつに「事業を理解できること」を挙げている。株価や指標などの数値を判断材料とすることも大切だが、生身で得られる情報も有用なのである。

3. 配当金や株主優待目当てでも株価を定期的にチェックする

配当金や優待が目当てで長期保有を前提とする方でも、株価は定期的に見るようにしよう。受け取った配当金や優待の額以上に株価が下がれば、トータルで見てマイナスになる場合もあるからだ。

デイトレーダーのように1日に何度も株価をチェックする必要はないが、1日1回、週に1回など頻度を決めておくと忘れにくい。電車の待ち時間や仕事のお昼休憩などちょっとしたスキマ時間に、スマホから簡単にチェックできる。

できれば、株価だけでなく決算の情報や買った銘柄に関するニュースにも目を通し、企業の情報を追いかけておこう。買い増しや売りどきの判断にも役立つからだ。

4. 情報はあくまで参考程度に捉える

日頃からの情報収集は大切だが、情報はあくまで現在までの事実である。アナリストや企業による予想も現在までの実績をもとにおこなわれるもので、未来を保証するものではない。

たとえば、東北の大震災や新型コロナウイルスのような予想外のできごとが起これば、それまでの予想はくつがえってしまう。コロナ禍では、外食産業や旅行業界などがとくに大きな打撃を受けた。それまでは好業績を予想できていたとしても、フタを開けてみれば一転して赤字に転落してしまうことがある。

株式投資において情報はとても重要だが、投資は不確実な世界であり「絶対はない」ことを、頭の片隅に置いておこう。

株式投資のリスクを抑える3つのポイント

「絶対はない」とお伝えした投資の世界で、できるだけリスクを軽減し、損失を防ぐためのポイントは3つある。

株式投資のリスクを抑える3つのポイント
  1. 分散投資する
  2. 売却するタイミングを決めておく
  3. 少額からはじめる

株式投資だけでなく投資全般で役立つポイントなので、ぜひ覚えておこう。

1. 分散投資する

分散投資にもいくつか種類があるが、株式投資で実践しやすいのは「銘柄の分散」と「時間の分散」だ。

銘柄の分散とは、1銘柄にすべての投資資金を使うのではなく、複数の銘柄に分けて投資する方法である。3銘柄に分散するのであれば、それぞれ別の業種を選ぼう。業種ごとに値動きの傾向が異なるからだ。

先ほど、コロナ禍では外食産業や旅行業界が打撃を受けたとお伝えした。一方で、マスクやハンドソープなど衛生用品を扱う企業や、オンラインショッピングがさかんになったおかげで物流を手がける企業には恩恵もあった。外食産業の株だけを買っていたらコロナ禍で資産は目減りしてしまっただろうが、物流業界の銘柄も持っていたとしたらマイナスの幅を抑えられたはずだ。

また、「時間の分散」もリスクを抑えるのに有効だ。時間の分散とは購入するタイミングをずらすこと。同じ銘柄を200株買う予定だとしたら、先に100株買って、株価が少し下がったところでもう100株買い増すといった具合だ。取得価格の平均が下がるため、より株価が下落したときにマイナスの幅を小さくできる。

分散投資を活用して、リスクを軽減しよう。

2. 売却するタイミングを決めておく

初心者はとくに、「株価が2割上がったら(下がったら)売却する」というふうに、売るタイミングのマイルールを決めておこう。持っている株の株価が下がっている局面だと、「このまま持っていれば、そのうち株価が戻るかもしれない」という心理が働いて売るタイミングを逃し、結局損が大きくなってしまうケースが多々ある。

逆に、株価が上がっている局面では「もっと上がるかもしれない」と思って売らなかったために、利益もつかみそこねる可能性がある。

「儲けたい」「損したくない」という人間の心理が働くため、株を売る判断はなかなか難しい。そのため、あらかじめルールとして決めておくと、売りどきを迷わずにすむ。ルールを決める際は、株の売買にかかる手数料を考慮することも忘れないようにしよう。

3. 少額からはじめる

買いたい、投資したいと思える魅力的な企業であったとしても、自分にとって高すぎる銘柄はおすすめできない。株を買うのに必要な最低金額は、銘柄によって異なる。5万円以下で買える銘柄もあれば、数十万円必要な銘柄もある。

株を買うために貯金を取り崩したり、生活費に手をつけたりするのはやめておこう。ケガや病気でしばらく働けなくなったとしても、数ヵ月は生活できるだけのお金を残しておくことが大切だ。

損をしてもそれほど大きなダメージにならない、少ない金額からはじめることを強くおすすめする。

株の初心者におすすめの証券会社

株式投資の初心者には、楽天証券とSBI証券がおすすめだ。

「どこの証券会社で口座を開いても同じなのでは?」と思うかもしれないが、証券会社によって株式の売買手数料や相性の良いポイントサービス、単元未満株(100株に満たない株)の取扱いなどが異なる。

  楽天証券 SBI証券
株取引で貯められるポイント 楽天ポイント
楽天証券ポイント
Tポイント
Vポイント
Pontaポイント
dポイント
JALマイル
単元未満株の取扱い あり(かぶミニ) あり(S株)
外国株の取扱い 6ヵ国
(米国・中国・シンガポール・インドネシア・タイ・マレーシア)
9ヵ国
(米国・中国・シンガポール・インドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム・韓国・ロシア)

楽天証券・SBI証券のどちらも、手数料について2つのコース(プラン)を設けている。楽天証券の超割コースとSBI証券のスタンダードプランは、どちらも1回の取引金額に対して手数料が発生するしくみだ。

  楽天証券
超割コース
SBI証券
スタンダードプラン
5万円まで 55円 55円
10万円まで 99円 99円
20万円まで 115円 115円
50万円まで 275円 275円
100万円まで 535円 535円
150万円まで 640円 640円
3,000万円まで 1,013円 1,013円
3,000万円超 1,070円 1,070円

楽天証券のいちにち定額コースとSBI証券のアクティブプランでは、1日の合計取引金額に対して手数料が発生する。1日に売買を複数回おこなう方にはお得なしくみだ。

  楽天証券
いちにち定額コース
SBI証券
アクティブプラン
100万円まで 0円 0円
200万円まで 2,200円 1,238円
300万円まで 3,300円
(以降100万円増えるごとに1,100円ずつ追加)
1,691円
(以降100万円増えるごとに295円ずつ追加)

1. 楽天証券

楽天証券は、新規口座開設数が4年連続No.1、NISA口座開設数は3年連続でNo.1と人気の証券会社である。2022年12月時点では口座開設者の78%が投資未経験者であり、初心者でも安心して利用できる証券会社であることがうかがえる。

2023年4月17日より単元未満株(100株に満たない株)の取扱いを開始し、利便性も向上したといえるだろう。

楽天ポイントとの相性が良く、株取引でも超割コースなら手数料の1%がポイントバックされる。楽天ポイントを貯めている・よく利用する方には、とくにおすすめの証券会社だ。

2. SBI証券

SBI証券は、グループでの口座開設数が1,000万を超えるネット証券だ。国内株式の個人取引シェアNo.1、2023年オリコン顧客満足度調査(ネット証券)でも第1位の実績を持つ。

特筆すべきはIPOと外国株の取扱い数だ。IPOでは2022年3月通期の全新規上場会社数のうち、約97.5%の銘柄を取扱った。外国株についても9ヵ国の株式を取扱っている(楽天証券は6ヵ国)。

IPOにも積極的に挑戦してみたい、外国株の取引にも興味があるという方は、SBI証券を選ぶと良いだろう。

相場や投資の情報を得られるWebサイト3選

株式投資では、さまざまな情報を使って売買の判断をおこなう。時々刻々と移り変わる相場の状況や企業の決算情報、PERやPBRといった各種指標などの情報が得られるWebサイトを3つ紹介する。

1. 口座を持っている証券会社のWebサイト(マイページ)

各証券会社のWebサイトでは、口座を持っていなくてもある程度の情報が見られるが、十分とはいえない。たとえば、現在の株価は確認できても業績は見られないといった具合だ。

証券会社に口座を開けば、企業の業績のほか、投資に役立つ情報や保有している資産の状況、注文の出し方まで細かく確認できる。

2. Yahoo!ファイナンス

証券会社に口座をお持ちでない方にとっては、Yahoo!ファイナンスが便利だろう。アカウント登録は必要なく、誰でも無料で閲覧できる。現在の株価や配当金の情報など各銘柄に関する情報から、マーケット全体の情報、経済ニュースまで幅広くチェックできる。

3. 日経電子版(有料)

日経電子版は、日本経済新聞社が発行する新聞のオンライン版である。新聞と聞くと、朝刊・夕刊と決まった時間にしか更新されないイメージを持つ方もいるだろうが、日経電子版ではリアルタイムで、世界中の経済・投資情報が1日に1,000記事以上配信されている。

初心者向けのやさしいコラムなども豊富なため、月額4,277円と有料ではあるが、余裕があればぜひ活用したい。

なお、楽天証券で口座開設すると、次の3点を無料で利用できる。

  • 日経新聞(朝刊・夕刊)、日経産業新聞、日経MJなどの閲覧(3日分)
  • 過去1年分の新聞記事検索
  • 日経速報ニュースの閲覧

よくある質問

最後に、株の初心者からのよくある質問を4つ紹介する。

初心者はどの銘柄を買えばいいの?
株への投資で得たい利益(配当金・株主優待・値上がり益)を先に決めて、銘柄を選ぼう。おすすめの銘柄はこちら、銘柄を選ぶポイントはこちらを参照してほしい。
株を買ってみたいけれど損するのが怖い。どうすれば?
たしかに株式投資にリスクはつきものだが、できるだけリスクを抑えて投資する方法もある。

・分散投資する
・売却するタイミングを決めておく
・少額からはじめえる

まずは、上の3点を意識して株を買っていこう。銘柄を探す際のポイントは本記事のこちらで紹介している。
どの証券会社で口座を開けばいいの?
初心者が多く利用している楽天証券や、顧客満足度の高いSBI証券がおすすめ。

ふだん利用しているポイントサービスや、使いたい機能(日経新聞が読みたいなど)、今後やってみたい取引(IPOや外国株など)を考えて、自分に合うほうを選ぼう。

楽天証券の詳細はこちら
SBI証券の詳細はこちら
企業の情報や株価はどこで見ればいいの?
企業の業績をはじめとする情報や株価は、次のサイトで確認できる。

1. 口座を持っている証券会社のWebサイト
2. Yahoo!ファイナンス
3. 日経電子版

楽天証券・SBI証券ではどちらも会社四季報の情報を閲覧でき、楽天証券では日経新聞の一部も閲覧できる。

証券会社に口座を持っていない方はYahoo!ファイナンスを利用しよう。

楽天証券の詳細はこちら
SBI証券の詳細はこちら

投資目的にあわせて少額から株式投資をはじめてみよう

株式投資で得られる利益には配当金・株主優待・値上がり益の3種類があり、狙う利益によって銘柄を選ぶポイントも異なる。投資目的にあわせて株を選び、まずは少額からリスクを抑えて株を買ってみよう。

実際に配当金や株主優待を受け取ったとき、売却して利益が出たときには、投資をしたという実感がわいて、より投資に興味が出てくるだろう。

どの証券会社で口座を開こうか決めかねている方には、楽天証券またはSBI証券がおすすめだ。少しずつでも投資をはじめて、株の楽しさを味わおう。