国内のFX会社や証券会社でも、バイナリーオプションは提供されています。バイナリーオプションは為替がメインであることがほとんどですが、仕組みはFXとは全く異なります。そのため、バイナリーオプションに特化したインジケーターを探している人も多いでしょう。
インジケーターは将来の価格変動を完全に予測することはできません。つまり、最強のインジケーターというのは存在しないということです。ただし、それでもインジケーターは市場から必要な情報を得て、確率にもとづいたアプローチを構築するのに役立てるのにおすすめのツールであり、トレーダーとして活用しない手はありません。
この記事ではおすすめのインジケーターについて紹介していきます。
バイナリーオプションのインジケーターに聖杯はない
バイナリーオプションは短時間で大きなリターンを見込める商品でもあるため、「聖杯のような魔法の手法でトレードしたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
インターネットでもバイナリーオプションに関して検索すると、自動売買や「必ず勝てるインディケーター」とするものが販売されています。
しかし、バイナリーオプションに限らず投資の世界には、必ず勝てる必勝法というものはありません。そのようなフレーズが語られているときは、業者が自動売買ツールの販売やサロンへの勧誘を通し、詐欺まがいのことを行っている場合があるので騙されないように注意してください。
市場は常に完全な予測が不可能であり、どのようなトレード手法や戦略もリスクを完全に排除することはできないのです。
バイナリーオプションの勝率を高めるおすすめインジケーター
必勝のインジケーターというものはありませんが、バイナリーオプションで勝てるようになりたいのならば、信頼性の高いインジケーターは必須です。ただし、テクニカル指標は色々あり、用途や目的も様々でどれを利用していいかわからないという方も多いでしょう。
バイナリーオプション初心者の方は、まずは自分がどのようなトレードをしていきたいかを決めると、どのインジケーターを使うべきかが見えてきます。
バイナリーオプションのトレードには順張り型と逆張り型というものがあります。順張りはトレンドと同じ方向にポジションを保有して利益を狙うというものです。一方で、逆張りとは現在のトレンドが転換することを見込んで、トレンドとは逆の方向にポジションを取って利益を狙うものになります。
初心者であれば、まずは順張りに有効なインジケーターを使うのがおすすめです。それはトレンドに沿ってトレードを行った方が、楽に利益を出しやすいという傾向があるからです。実際に、投資の格言として「トレンドは友達」という言葉があるほどです。
順張りの人が使うべきおすすめの2つのインジケーター
順張りでは相場のトレンドに合わせてトレードを行うため、トレンドの方向を判断することが必要不可欠です。ここでは、順張りのトレーダーが使うべき、トレンドの方向を判断可能なおすすめのインジケーターを2つ紹介します。
移動平均線
移動平均線はテクニカル分析の中でも、基本中の基本となるインジケーターです。移動平均線とは、一定期間の価格の平均値を求め、その平均値をグラフ化したものになります。
期間は通常、5、25、75、200などが使われますが、バイナリーオプションは短期的なトレードになるため、5期間移動平均線と25期間移動平均線の2本を使うといいでしょう。
投資家によってどの日数を利用するかは好みがありますが、より動きが敏感な指数平滑移動平均線(EMA)を利用するトレーダーも多くいるため、どの移動平均線の種類がいいか利用しながら模索していくことがベストです。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは標準偏差というものを利用して、どのくらいの確率でその範囲内に値動きが収まるのかをラインで表したものです。
上の画像を見るとわかる通り、中心のオレンジのラインから両サイドに2本ずつラインが引かれています。
これがボリンジャーバンドで、上下2本は1σ、2σと呼ばれています。
この上下の2本の間に値動きが収まる確率は、以下の通りです。
- ±1σに収まる確率:68.2%
- ±2σに収まる確率:95.4%
つまり、±2σの線を超えてしまう確率はたったの4.6%ということです。かなり高い確率で2σに収まることがわかるでしょう。
ボリンジャーバンドはよく逆張りで利用されることがありますが、このテクニカル指標が考案された背景には、順張りでトレンドをフォローするツールとして利用するためということがありました。そのため、順張りでまずは利用することをおすすめします。
順張りではローソク足が±2σに沿うよう推移する、いわゆる「バンドウォーク」の動きを狙うのが基本になります。バンドウォークはトレンドの継続を示唆するため、バンドウォークが続く限りは利益の拡大に期待が持てます。
逆張りで利用する場合に注意したいことは、「必ずしも統計学によって計算された確率ですぐに戻ってくるわけではない」ということです。
つまり、「2σを突破したから一旦レートは戻るだろう」と判断して逆張りを仕掛けても、トレンドが発生するとなかなか戻らない場合があるのです。
そのため、大きな含み損を抱えてしまう投資家も多く、まずは順張りでのボリンジャーバンドの利用方法をマスターしてから、逆張りにも挑戦してみるとといいでしょう。
逆張りの人が使うべきおすすめの2つのインジケーター
逆張りは相場のトレンドに逆らってトレードを行うため、トレンドが反転するタイミングの見極めが非常に重要になります。ここでは、逆張りの人が使うべき、トレンドが反転するタイミングをつかめるおすすめのインジケーターを2つ紹介します。
最初に伝えておきたいことは、逆張りは損切りが難しい方法ということです。トレンドに沿った順張りのトレードが初心者にはおすすめですが、それでも逆張りでトレードを行いたい方は、損切りが難しいという点に十分注意してトレードを行うようにして下さい。
RSI
最初に紹介するのは、RSIというテクニカル指標です。
RSIは「オシレーター系」と呼ばれるテクニカル指標の中で、一番メジャーなものの一つです。
RSI(Relative Strength Index)は日本語では「相対力指数」と呼ばれ、過去の一定期間における価格変動から値動きの勢いを測定するインジケーターです。
上の画像はローソク足とRSIを表示したチャートであり、RSIは30以下で「売られ過ぎ」、70以上で「買われ過ぎ」というように相場の過熱感を数値化して表します。
RSIの数値は20以下なら売られ過ぎ、80以上なら買われ過ぎ等、人によって利用する水準が異なりますが、逆張りであれば20-80の水準を利用することでよりトレードが成功する確率は上がるようになります。しかし、当然ながらその水準まで到達する可能性は減少するため、エントリーチャンスも減少するということを頭に入れておきましょう。
ストキャスティクス
次はスローストキャスティクスです。
スローストキャスティクスとは、価格の振幅や値幅などから相場の過熱感を測る「ストキャスティクス」というインジケーターの一種です。
ストキャスティクスは大きく分けて、値動きに対する感応度が高い「ファストストキャスティクス」と、スムージング化された「スローストキャスティクス」の2パターンがあります。基本的には、動きがスムーズでダマシが少ないスローストキャスティクスが使われることが多いです。
こちらも先ほどのRSIと同様に、売られ過ぎと買われ過ぎの可能性を判断するために用います。
RSIと異なる点はラインが2本表示されており、過熱感を見ると同時に2本のラインが交差するかどうかで売りや買いを見極められることです。
上の画像は、一例として売るタイミングに赤丸をつけています。
赤丸を付けた箇所は、動きの速い「%D」という青のラインが、動きがなめらかな「S%D」という赤のラインを下抜けたタイミングであり、「デッドクロス」と呼ばれる売りのサインです。
当然ストキャスティクスだけで全てのトレードで利益を出すことはできませんが、エントリーチャンスを判断する一つの指標として取り入れるといいでしょう。
バイナリーオプションで利用するインジケーターの組み合わせ
次に、実際にバイナリーオプションでトレードする場合に、どのようなインジケーターの組み合わせがあるのかを、順張りと逆張りに分けて説明します。
この他にも組み合わせ方は様々なものがあり、トレーダーによって利用するものは全く異なるため、一つの参考例としてご覧ください。
順張りでインジケーターを組み合わせるならGMMAがおすすめ
GMMAとは前述した移動平均線の発展形であり、移動平均線を12本表示させるインジケーターです。
12本と聞くと多いように感じますが、大きく2つのグループに分けてチャートを分析することになります。
こちらがGMMAの画像です。
移動平均線の日数の設定は、下記のようになっています。
- 短期移動平均線グループ(3、5、8、10、12、15)
- 長期移動平均線グループ(30、35、40、45、50、60)
GMMAを使った基本的なトレード方法では、まずトレンドが発生したら継続するものと考えてトレードを行います。
長期的な移動平均線グループをローソク足が突き抜けていない時は、「トレンドが続いている」と判断することが可能です。
そのため、トレードを行うときはトレンド方向に相場は回帰すると考え、戻り売りか押し目買いでのトレードが基本となります。
どこでエントリーするかはトレーダーによって異なりますが、保守的な方は長期移動平均線のグループまでローソク足が戻ってきてからエントリーしたり、短期移動平均線のラインを見つつ、複数回に分けてエントリーしたりするのがおすすめです。
国内のバイナリーオプションは2時間という取引時間が多いため、2時間でのトレードが行いやすいと感じるローソク足を設定するようにしましょう。例えば、5分足や15分足をメインとして使うトレーダーが多いです。
4時間足以上は2時間の時間軸としては長いものの、大きなトレンドの方向がどちらなのか最初に確認する上で重要になります。日足や4時間足を最初に確認し、現在のトレンドがどちらに向いているのか確認してからトレードをするようにしてください。
逆張りでインジケーターを組み合わせるならRSI×エンベロープがおすすめ
上のチャートは逆張りで利用する場合の一例となる組み合わせで、ユーロドルの1時間足を表示させています。
チャートの下にはRSIが表示されており、チャート上に表示されているのがエンベロープです。
エンベロープはボリンジャーバンドと同じような動きをしますが、エンベロープは標準偏差ではなく、移動平均線からの一定の乖離幅をラインにして表示します。
RSIとエンベロープの組み合わせでは、以下のようにトレードします。
・RSIが売られ過ぎ&エンベロープの下方のラインを突破した場合買い ・RSIが買われすぎ&エンベロープが上方のラインを突破した場合に売りエンベロープには設定があり、上の画像では期間を「20」、%を「0.5%」で設定しています。
この%を変更することでエントリーチャンスの回数が変わってきますが、保守的な人はエントリーチャンスが減ったとしても%をある程度大きくし、より精度の高いエントリーを狙うのが望ましいでしょう。
ただ、あまりにも保守的になり過ぎると、RSIと組み合わせた場合にでエントリーチャンスがなくなる可能性もあるため、RSIの動きと過去のチャートを見ながら%を上手く調整してください。
シンプルなトレード方法ですが、ルールを守ると勝ちやすい手法でもあるため、是非上手く活用して見てください。
FAQ
バイナリーオプションではインジケーターはいらない?
バイナリーオプションでは、インジケーターは必須と言えるでしょう。
相場分析には「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の2つがありますが、バイナリーオプションは取引時間が短いことから、特にテクニカル分析が重要です。
テクニカル分析はインジケーターを利用し、トレードの判断を行うものでもあるため、テクニカル指標の意味合いや組み合わせ等を色々考えて行うことが必要になります。
また、テクニカル分析を行う中で複雑にすればするほど勝率が上がると思ってしまう初心者の方もいますが、テクニカル分析は使い方次第であり、シンプルでも十分に利益を出す方法はたくさんあります。
大事なことは分析力ではなく、リスク管理能力ということを忘れずに、トレードをコツコツ淡々と行っていくといいでしょう。
バイナリーオプションで必勝のインジケーターはある?
バイナリーオプションを含めて、トレードに関して聖杯のようなものはなく、必ず勝てるインジケーターの組み合わせは存在しません。
冒頭でもお伝えしたように、バイナリーオプションでは必勝ツールのようなものや、質の悪いサロンに勧誘するような詐欺紛いの行為や商品が色々と販売されています。
しかし、大事なことはその使い方を自身が理解してどのように利用するのか?という点であり、同じインジケーターでも利用するトレーダーによって、いい方向にでも悪い方向にでも使うことができます。
自分自身でインジケーターを勉強して使い方を身につけ、トレードのスキルを上げるようにしましょう。
バイナリーオプションに特化した最強のインジケーターはある?
最強のインジケーターというものは、先ほどの質問と同様にありません。
トレードでは聖杯探しを行う人が必ずいますが、聖杯はいまだに誰も見つけていないのです。
トレードは心理戦でもあるため、投資家心理まで読んでトレードを行う必要があります。
だからこそインジケーターのみで何も考えずに戦おうとするのは止めて、市場全体の状況やニュースなどの情報も確認するなど、まず自分のスキルを総合的に高めていくことが大切です。
特にリスク管理はトレードの中でも最強の武器の一つになるため、テクニカル分析と共にリスク管理も勉強するといいでしょう。
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学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。その後coincheckで仮想通貨取引所のトレーダーを経験し、NYのブロックチェーン関連のVCを経て、金融コンサルティングを中心としたCWC株式会社を設立。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有。
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