
国内のFX会社や証券会社でもバイナリーオプションは提供されています。取扱の中心は為替ですが、>バイナリーオプションの仕組みはFXとは全く異なるため、バイナリーオプションに特化したインジケーターを探す人も少なくありません。
もちろんインジケーターで将来の値動きを完全に予測することはできません。「最強のインジケーター」は存在しないのです。ただし、インジケーターは市場から有益な情報を得て、確率に基づいた取引戦略を組み立てる上で大いに役立ちます。トレーダーであれば活用しない理由はないでしょう。
この記事では、バイナリーオプションでおすすめのインジケーターを紹介していきます。

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日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。15年以上のFXトレード歴があり、2013年に開催されたFXコンテスト(Forex.com社開催)で優勝も経験。FXを始め、株、仮想通貨、コモディティなども手広く取引している。■保有資格
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト
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学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。その後coincheckで仮想通貨取引所のトレーダーを経験し、NYのブロックチェーン関連のVCを経て、金融コンサルティングを中心としたCWC株式会社を設立。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。■保有資格
証券アナリスト資格
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バイナリーオプションのインジケーターに聖杯はない
バイナリーオプションは短時間で大きなリターンを狙える商品であるため、「聖杯のような魔法の手法でトレードしたい」と考える方も少なくありません。
実際、インターネットで検索すると、自動売買ツールや「必ず勝てるインジケーター」と称した商品が販売されています。
しかし、バイナリーオプションに限らず投資の世界に必ず勝てる必勝法は存在しません。そのような宣伝文句を見かけた場合は、業者がバイナリーオプションの自動売買ツール販売やサロン勧誘を目的に、詐欺まがいの行為を行っている可能性があるため注意が必要です。
市場は常に不確実性を伴うものであり、どのような手法や戦略を用いてもリスクを完全に排除することはできません。
バイナリーオプションの勝率を高めるおすすめインジケーター
「必勝のインジケーター」は存在しませんが、バイナリーオプションで安定して勝つためには、信頼性の高いインジケーターを活用することが欠かせません。ただしテクニカル指標には多くの種類があり、用途や目的もさまざまなため、どれを使えば良いか迷う方も少なくないでしょう。
初心者の方は、まず自分がどのようなスタイルでトレードしていきたいのかを決めることから始めると、使用すべきインジケーターが見えてきます。
バイナリーオプションには大きく分けて「順張り型」と「逆張り型」の2つの手法があります。順張りはトレンドと同じ方向にポジションを持ち、流れに乗って利益を狙う手法です。一方で逆張りは、トレンドの転換を見込んで反対方向にポジションを取り、利益を狙うものです。

初心者であれば、まずは順張りに有効なインジケーターを使うのがおすすめです。なぜなら、トレンドに沿って取引した方が比較的楽に利益を得やすい傾向があるからです。実際、「トレンドは友達」という投資の格言があるほど、トレンド重視のトレードは基本とされています。
順張りの人が使うべきおすすめの2つのインジケーター
順張りでは相場のトレンドに沿って取引を行うため、トレンドの方向を正しく判断することが欠かせません。ここでは、順張りトレーダーにおすすめのインジケーターを2つ紹介します。
移動平均線
移動平均線はテクニカル分析における基本中の基本ともいえるインジケーターです。一定期間の価格の平均値を算出し、それをグラフ化することで価格の流れを視覚的に捉えられます。
一般的には5、25、75、200などの期間がよく使われますが、バイナリーオプションは短期取引が多いため、5期間と25期間の移動平均線を組み合わせるのがおすすめです。
また、より敏感に値動きを捉えたい場合は、指数平滑移動平均線(EMA)を利用するトレーダーも多くいます。自分のスタイルに合った期間・種類を試しながら見つけていくのが最適です。
ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは「標準偏差」をもとに、価格がどの程度の確率で一定範囲に収まるかを示すインジケーターです。中心の移動平均線から上下にラインが描かれ、バンド状に広がります。
例えば、中心線の両側に引かれたラインのうち、内側を±1σ(シグマ)、外側を±2σと呼びます。この範囲に価格が収まる確率は以下の通りです。
- ±1σに収まる確率:68.2%
- ±2σに収まる確率:95.4%
つまり、±2σのラインを超える確率はわずか4.6%しかありません。多くの場合は2σの範囲内に収まることがわかります。
ボリンジャーバンドは逆張りで使われることも多いですが、そもそも考案の背景には順張りでトレンドをフォローする目的がありました。そのため、まずは順張りでの活用をおすすめします。
順張りの場合は、ローソク足が±2σに沿って推移する「バンドウォーク」と呼ばれる動きを狙うのが基本です。バンドウォークはトレンドの継続を示唆するため、この状態が続く限り利益拡大に期待できます。
一方で逆張りで利用する際には注意が必要です。「2σを突破したからといって、必ずすぐに戻るわけではない」という点です。強いトレンドが発生すると、価格は戻らずにそのまま進むケースも少なくありません。
その結果、大きな含み損を抱えてしまう投資家もいます。したがって、まずは順張りでの利用方法をマスターし、その後に逆張りへの応用を検討すると良いでしょう。
逆張りの人が使うべきおすすめの2つのインジケーター
逆張りは相場のトレンドに逆らって取引を行う手法であり、トレンドの反転ポイントを見極めることが何より重要になります。ここでは、逆張りトレーダーにおすすめの、反転タイミングを把握できるインジケーターを2つ紹介します。
ただし最初に強調しておきたいのは、逆張りは損切りが難しい手法だという点です。初心者にはトレンドに沿った順張りの取引をおすすめしますが、それでも逆張りに挑戦する場合は、このリスクを十分理解したうえで慎重にトレードしてください。
RSI
最初に紹介するのは、RSI(Relative Strength Index:相対力指数)です。
RSIは「オシレーター系」と呼ばれるテクニカル指標の中でも、最もメジャーなものの一つです。過去の一定期間における価格変動をもとに、値動きの勢いを数値化して示します。

上の画像はローソク足とRSIを表示したチャートです。RSIは一般的に30以下で「売られ過ぎ」、70以上で「買われ過ぎ」と判断され、相場の過熱感を視覚的に把握することができます。
また、数値の基準はトレーダーによって異なり、20以下を「売られ過ぎ」、80以上を「買われ過ぎ」とする人もいます。逆張りの場合は20~80の水準を使うことでシグナルの精度が高まりますが、その分水準到達の頻度は減り、エントリーチャンスも少なくなる点に注意が必要です。
ストキャスティクス
次に紹介するのは、スローストキャスティクスです。
スローストキャスティクスは、価格の振幅や値幅から相場の過熱感を測定する「ストキャスティクス」というインジケーターの一種です。ストキャスティクスには2種類あり、感応度が高い「ファストストキャスティクス」と、スムージング化されダマシが少ないスローストキャスティクスが存在します。実際のトレードでは後者が使われることが多いです。
この指標もRSIと同じく「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」を判断するのに用いられますが、異なる点は2本のラインが表示され、交差(クロス)によって売買サインを判断できることです。

例えば上の画像に赤丸で示した箇所では、動きの速い「%D」(青ライン)が、よりなめらかな「S%D」(赤ライン)を下抜けています。これは「デッドクロス」と呼ばれる売りのサインです。
もちろんストキャスティクスだけで常に利益を出せるわけではありません。しかし、他の指標と組み合わせつつ、エントリーチャンスを見極める補助ツールとして活用するのがおすすめです。
バイナリーオプションで利用するインジケーターの組み合わせ
次に、実際にバイナリーオプションでトレードする場合に、どのようなインジケーターの組み合わせがあるのかを、順張りと逆張りに分けて説明します。
この他にも組み合わせ方は様々なものがあり、トレーダーによって利用するものは全く異なるため、一つの参考例としてご覧ください。
順張りでインジケーターを組み合わせるならGMMAがおすすめ
GMMAとは前述した移動平均線の発展形であり、移動平均線を12本表示させるインジケーターです。
12本と聞くと多いように感じますが、大きく2つのグループに分けてチャートを分析することになります。
こちらがGMMAの画像です。

移動平均線の日数の設定は、下記のようになっています。
- 短期移動平均線グループ(3、5、8、10、12、15)
- 長期移動平均線グループ(30、35、40、45、50、60)
GMMAを使った基本的なトレード方法では、一度トレンドが発生したら継続するものと考えて取引を行うのが基本です。
長期移動平均線のグループをローソク足が突き抜けていない場合は、「トレンドが継続している」と判断可能です。そのためトレードでは、相場はいずれトレンド方向に回帰すると考え、戻り売りや押し目買いで取引するのが基本スタンスになります。
エントリーのタイミングはトレーダーのスタイルによって異なります。保守的に取引するなら、ローソク足が長期移動平均線のグループまで戻ってきてからエントリーする方法がおすすめです。また、短期移動平均線の動きを見ながら、複数回に分けてエントリーする手法もあります。
国内のバイナリーオプションでは取引時間が2時間に設定されているケースが多いため、2時間の取引に合わせやすい足を選びましょう。例えば5分足や15分足をメインに使うトレーダーが多いです。
一方で4時間足以上は2時間取引の時間軸としては長すぎますが、大きなトレンドの方向を確認するために重要です。最初に日足や4時間足をチェックし、現在のトレンドが上昇なのか下降なのかを把握してからトレードに臨むようにしましょう。
逆張りでインジケーターを組み合わせるならRSI×エンベロープがおすすめ

上のチャートは逆張りで利用する場合の一例で、ユーロドルの1時間足を表示しています。
チャート下にあるのがRSI、チャート上に表示されているのがエンベロープです。
エンベロープはボリンジャーバンドと似た動きをしますが、標準偏差ではなく移動平均線からの一定乖離幅をライン化して表示する点が異なります。
RSIとエンベロープを組み合わせた基本的なトレード手順は以下の通りです。
- RSIが売られ過ぎ&エンベロープの下方のラインを突破した場合:買い
- RSIが買われすぎ&エンベロープが上方のラインを突破した場合:売り
今回の設定例では、エンベロープの期間を「20」、%を「0.5%」としています。この%を変更することでエントリーチャンスの回数が変わります。保守的に取引したい場合は、%をやや大きめに設定してチャンスは減っても精度を高めるのがおすすめです。
ただし、%を大きくしすぎるとRSIとの組み合わせでエントリーチャンス自体がなくなる可能性もあります。そのため、RSIの動きと過去チャートを見比べながら適切に調整してください。
この手法はシンプルですが、ルールを守って運用すれば勝ちやすい戦略のひとつです。ぜひ活用してみてください。
FAQ
バイナリーオプションではインジケーターはいらない?
バイナリーオプションでは、インジケーターは取引に欠かせない存在と言えるでしょう。
相場分析には「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の2つがありますが、取引時間が短いバイナリーオプションではテクニカル分析の重要性が特に高いです。
テクニカル分析はインジケーターを用いてトレードの判断を行うものであり、各テクニカル指標の意味や組み合わせ方を理解して活用することが求められます。
ただし、分析を複雑にすれば勝率が上がるわけではありません。初心者の中には多くのインジケーターを重ねがちですが、シンプルな手法でも利益を出す方法は十分にあります。
忘れてはいけないのは、勝敗を左右するのは分析力だけでなくリスク管理能力です。コツコツと淡々と取引を積み重ねる姿勢が、結果的に安定した利益につながります。
バイナリーオプションで必勝のインジケーターはある?
バイナリーオプションを含め、トレードに聖杯のようなものは存在せず、必ず勝てるインジケーターの組み合わせはありません。
冒頭でも触れたように、バイナリーオプションでは「必勝ツール」や質の悪いサロンに勧誘する詐欺まがいの商品が数多く出回っています。
しかし重要なのは、それをどう理解し、どのように使いこなすかという点です。同じインジケーターでも、使う人によって結果が良くも悪くも変わります。
自分自身でインジケーターを学び、正しい使い方を身につけることで、トレードスキルを着実に高めていきましょう。
バイナリーオプションに特化した最強のインジケーターはある?
「最強のインジケーター」は存在しません。先ほども触れたように、トレードにおいて聖杯を探す人は後を絶ちませんが、いまだに誰も見つけられていないのです。
トレードは心理戦の側面もあるため、投資家心理を意識して取引を行う必要があります。
したがって、インジケーターだけに頼って思考停止で戦うのではなく、市場全体の状況やニュースなどの情報も取り入れ、自分のスキルを総合的に高めていくことが大切です。
特にリスク管理は、トレードにおける「最強の武器」の一つです。テクニカル分析と