イーサリアムクラシック
(画像=PIXTA)

イーサリアムクラシック(ETC)は、すでに高い知名度を有する仮想通貨で、イーサリアムから分裂して誕生した仮想通貨だ。ハッキング事件を契機に、問題点やリスクを解消する目的で設計されたこともあり、イーサリアムと似た性質を持ちつつも、異なる点もある。

特にIoTにより、さまざまな機械がインターネットに接続される社会において、イーサリアムクラシックは性質的に親和性が高いとされ、こうした分野での決済手段に広く使用されていくのではないかと期待されている。IoTは今後の成長余地が大きく、この分野で「勝者」になることができれば、イーサリアムクラシックの地位向上も大いに考えられるだろう。

この記事では、そうした将来性も含めて、イーサリアムクラシックの特徴や値動きの傾向、保有するメリットやデメリットなどについて解説していく。

イーサリアムクラシック(ETC)の概要
通貨名 イーサリアムクラシック(Ethereum Classic)
シンボル ETC
発行上限枚数 約2億1,000万枚
コンセンサスアルゴリズム Proof of Work
現在の価格(2021年6月14日時点) 6,800円前後
時価総額(2021年6月14日時点) 約8000億円
時価総額ランキング(2021年6月14日時点) 19位
取扱取引所 Coincheck(コインチェック)
bitFlyer(ビットフライヤー)
DMM Bitcoin
公式サイト イーサリアムクラシックの公式サイト

イーサリアムクラシック(ETC)おすすめ取引所ランキング

イーサリアムクラシック投資においてどの取引所で口座開設するべきか迷っている方には以下の取引所がおすすめだ。

仮想通貨イーサリアムクラシックの特徴とは

イーサリアムクラシックの特徴としてまず知っておきたいのは、イーサリアムクラシックが「本家」のイーサリアムから分裂して生まれた仮想通貨であることだ。

名称を見ると、イーサリアム「クラシック」なので、こちらのほうが最初からあったように見えるが、先に存在していたのはイーサリアムである。そこから分裂して誕生したのがイーサリアムクラシックなのだ。

イーサリアムは過去に何度かハッキングの被害に遭っている。仮想通貨は「暗号資産」とも呼ばれており、その暗号の堅ろう性によって通貨としてのセキュリティが保たれているが、仮想通貨の一角であるイーサリアムにハッキングの被害が生じたことは大きなインパクトがあった。

coincheck

イーサリアムクラシックを語るうえではずせない「THE DAO」事件

イーサリアムに対するハッキング事件の中で特に有名なのが、2016年に起きた「THE DAO」事件だ。イーサリアムのプラットフォーム上に立ち上げられたベンチャー支援プロジェクトだったが、「THE DAO」のセキュリティにはバグがあり、そこから日本円で50億円相当のイーサリアムが盗み出されてしまった。

イーサリアムだけでなく、仮想通貨全体のセキュリティ性に疑義がつくほどの大事件となり、この事件への対応でイーサリアムのコミュニティ同士の意見が対立し、結果としてハッキングの被害をなかったことにする対応が採用された。

biyFlyer

ハッキング事件を契機に分裂したイーサリアムクラシック

「THE DAO」事件の被害をなかったことにした対応に不満をもち、本来のイーサリアムではないという考えの勢力によりコミュニティが分裂し、そこで誕生したのがイーサリアムクラシックだ。「THE DAO」事件に端を発したものの、イーサリアムの方針に疑問を感じていたところが出発点になっているため、イーサリアムクラシックにはいくつかの特徴がある。

ブロックチェーンはイーサリアムのものを引き継いでいるため基本的な構造は同じだが、イーサリアムが中央集権的な対応をとったことへの不満や反省から、イーサリアムクラシックには中央集権的な介入はない。

dmmbitcoin

もう1つ特徴的なのが、発行枚数の上限だ。イーサリアムには発行枚数の上限が定められていなかったが、イーサリアムクラシックには約2億1,000万枚の上限が定められている。ビットコインのように半減期はないが、500万ブロックが生成されるごとにマイニング報酬が20%減少するため、減少率は異なるものの半減期と同様の仕組みが採用されている。

これはとても重要で、発行枚数の上限がある仮想通貨は「有限の資産」であるため、需給の状況によっては価格の上昇が起きやすくなる。

イーサリアムクラシックの値動きから見る今後の展望

イーサリアムクラシックは他の主要な仮想通貨と同様、かなり激しい値動きを繰り返してきた。これは、イーサリアムクラシック/米ドルの日足チャートだ。

イーサリアムクラシック チャート
出典:TradingView

何度か小さな山を作ったあとで、2021年5月に大きく高騰しているのがわかる。しかしこれは直近の高騰があまりにも極端であったために、それまでの山が小さく見えてしまっているにすぎない。2021年5月の仮想通貨はバブル相場と呼ばれるほどすさまじいもので、イーサリアムクラシックも大相場を演じた。

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こうした値動きから読み取れるのは、イーサリアムクラシックがすでに主要な仮想通貨として多くの投資家に認知され、ビットコインやイーサリアムが上昇すればイーサリアムクラシックも上昇するという構図だ。今後も仮想通貨全体の高騰が起きれば、イーサリアムクラシックも同様に高騰することが十分考えられるだろう。

イーサリアムクラシックの過去の高騰とこれからの高騰を予測

前述したイーサリアムクラシックのチャートからは、2017年6月に1度、次に2018年の1月から倍近く高騰している。その後は数年にわたって4~5ドル近辺で低迷していたが、2020年2月に13ドル台をつける反発があった。

そこから再び10ドル未満で推移していたが、2021年になってからは20ドル付近をつけた後、一気に上昇相場が加速し、170ドル台という驚異的なボラティリティを見せた。これだけの荒い値動きはさすが仮想通貨といえるものだが、これらの高騰からわかることがある。

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それは、仮想通貨バブルと呼べるような高騰があると、イーサリアムクラシックも同様に高騰し、さらにイーサリアムクラシック特有の材料によっても高騰する可能性がある点だ。

前述のとおり、イーサリアムクラシックはIoTへの活用が期待されている。IoTは今後さらに拡大することが見込まれている有望な市場である。仮想通貨全体にわたるポジティブなニュースが流れたタイミングと、IoT市場やイーサリアムクラシックに関するポジティブなニュースが流れると、これまでに起きたような高騰が今後も起きる可能性は大いにあるだろう。

イーサリアムクラシックを保有するメリットとデメリット

投資対象としてイーサリアムクラシックを保有するメリットやデメリットには、どんなものがあるのか。それぞれ解説しよう。

イーサリアムクラシックを保有するメリット

イーサリアムクラシックは、これまで解説してきたように、高い知名度を誇るイーサリアムから分裂して誕生した。イーサリアムクラシックもイーサリアムと同じブロックチェーンを使用しており、円滑なスタートを切ることができた部分がある。主要な仮想通貨取引所への上場もスムーズで、流動性の高さが1つ目のメリットだ。

もう1つのメリットとして挙げられるのが、イーサリアムと違って完全な非中央集権型の運営を確立していることだ。もちろん「THE DAO」事件の教訓によるもので、一部の人たちの意向や利害によって運営方針が決められるといったことはない。イーサリアムクラシックは仮にブロックチェーンに攻撃があったとしても市場の原理に任せることを目指しているため、より民主的で市場原理に沿った通貨であると言える。

さらに、イーサリアムクラシックは本体であるブロックチェーンだけでなくサイドチェーンという仕組みもあり、大幅なスピードの向上が図られている。ビットコインやイーサリアムは流通量の多さゆえに送金の遅延が問題化しているが、イーサリアムクラシックはこの問題を解消している。この点が評価されれば、普及が進み、価格上昇を遂げる可能性もあるだろう。

イーサリアムクラシックを保有するデメリット

イーサリアムクラシックのデメリットやリスクとして挙げられるのは、セキュリティ性と開発力だ。

セキュリティについては仮想通貨全体の問題ではあるが、イーサリアムクラシックは過去に3度も「51%攻撃」を受けている事実がある。被害額はそれほど大きくなかったようだが、不正行為が極めて困難であることが仮想通貨の存在意義でもあるので、それが脅かされているというのは、長期保有に向けて不安が残るだろう。

また、開発力の乏しさもイーサリアムクラシックの課題だといわれている。そもそもイーサリアムの開発陣から分裂した人たちがイーサリアムクラシックを作り出したので、開発資源がそれほど豊富なわけではない。移り変わりの激しい仮想通貨の世界において開発力の高さは順応性の高さにも直結しているため、今後の展開次第ではイーサリアムクラシックが他の仮想通貨から取り残されてしまうおそれがある。

イーサリアムクラシック(ETC)の取引におすすめの取引所とは?

イーサリアムクラシックは、有名なイーサリアムから派生した仮想通貨ということもあって同じブロックチェーンを引き継ぐなど親和性が高く、国内の多くの仮想通貨取引所で取り扱っている。

マネックス証券グループの「Coincheck」や「DMM Bitcoin」、さらに仮想通貨取引所として高い知名度を誇る「bitFlyer」などで購入できる。

イーサリアムクラシックの取り扱いがある取引所の中では、これら3社が主要取引所となる。いずれも仮想通貨取引において必要なスペックはしっかり整備されているので、遜色なく取引ができるだろう。

これからも注目が集まる仮想通貨のイーサリアムクラシック

IoTとの親和性やイーサリアムにはない優位性など、イーサリアムクラシックの将来は明るいと言える。過去にあったような高騰が今後も起きる可能性は高く、持っておいて損はない仮想通貨の一つと言えるだろう。

特に「THE DAO」事件の教訓によって同じ轍を踏まないことを意識した設計には好感をもてる部分が多く、さらに発行枚数の上限が定められていることから、上限がないイーサリアムを超える価値をもつ仮想通貨になる可能性も秘めている。