イーサリアムクラシック(ETC)は、すでに高い知名度を有する仮想通貨で、イーサリアムから分裂して誕生した仮想通貨だ。ハッキング事件を契機に、問題点やリスクを解消する目的で設計されたこともあり、イーサリアムと似た性質を持ちつつも、はっきり異なる点がある。
特にIoTにより、さまざまな機械がインターネットに接続される社会において、イーサリアムクラシックは性質的に親和性が高いとされ、こうした分野での決済手段に広く使用されていくのではないかと期待されている。
この記事では、将来性も含めて、イーサリアムクラシックの特徴や値動きの傾向、保有するメリットやデメリットなどについて解説していく。
イーサリアムクラシック(ETC)の概要 | |
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通貨名 | イーサリアムクラシック(Ethereum Classic) |
シンボル | ETC |
発行上限枚数 | 約2億1,000万枚 |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Work |
現在の価格(2021年9月21日時点) | 5,500円前後 |
時価総額(2021年9月21日時点) | 約7,100億円 |
時価総額ランキング(2021年9月21日時点) | 28位 |
取扱取引所 | Coincheck(コインチェック) bitFlyer(ビットフライヤー) DMM Bitcoin |
公式サイト | イーサリアムクラシックの公式サイト |
イーサリアムクラシック(ETC)おすすめ取引所ランキング
イーサリアムクラシック投資をするにあたって、国内ではイーサリアムクラシック(ETC)を扱っている取引所は、現在bitFlyer、Coincheck、DMM Bitcoinのみとなっている。
ETC投資をする場合はこの三社でよく検討しよう。
仮想通貨イーサリアムクラシックの歴史
イーサリアムクラシックの特徴としてまず知っておきたいのは、イーサリアムクラシックが「本家」のイーサリアムから分裂して生まれた仮想通貨であることだ。
名称を見ると、イーサリアム「クラシック」なので、こちらのほうが最初からあったように見えるが、先に存在していたのはイーサリアムである。そこから分裂して誕生したのがイーサリアムクラシックなのだ。
イーサリアムは過去に何度かハッキングの被害に遭っている。仮想通貨は「暗号資産」とも呼ばれており、その暗号の堅ろう性によって通貨としてのセキュリティが保たれているが、仮想通貨の一角であるイーサリアムにハッキングの被害が生じたことは大きなインパクトがあった。
イーサリアムクラシックを語るうえではずせない「THE DAO」事件
イーサリアムに対するハッキング事件の中で特に有名なのが、2016年に起きた「THE DAO」事件だ。イーサリアムのプラットフォーム上に立ち上げられたベンチャー支援プロジェクトだったが、「THE DAO」のセキュリティにはバグがあり、そこから日本円で50億円相当のイーサリアムが盗み出されてしまった。
イーサリアムだけでなく、仮想通貨全体のセキュリティ性に疑義がつくほどの大事件となり、この事件への対応でイーサリアムのコミュニティ同士の意見が対立し、結果としてハッキングの被害をなかったことにする対応が採用された。
ハッキング事件を契機に分裂したイーサリアムクラシック
「THE DAO」事件の被害をなかったことにした対応に不満をもち、本来のイーサリアムではないという考えの勢力によりコミュニティが分裂し、そこで誕生したのがイーサリアムクラシックだ。「THE DAO」事件に端を発したものの、イーサリアムの方針に疑問を感じていたところが出発点になっているため、イーサリアムクラシックにはいくつかの特徴がある。
ブロックチェーンはイーサリアムのものを引き継いでいるため基本的な構造は同じだが、イーサリアムが中央集権的な対応をとったことへの不満や反省から、イーサリアムクラシックには中央集権的な介入はない。
中央集権的とは?
- 不特定多数のユーザーが運営している仮想通貨を「非中央集権型」、特定の企業など運営している仮想通貨を「中央集権型」という。
- 非中央集権型の代表通貨:ビットコイン・中央集権方の代表通貨:リップル
もう1つ特徴的なのが、発行枚数の上限だ。イーサリアムには発行枚数の上限が定められていなかったが、イーサリアムクラシックには約2億1,000万枚の上限が定められている。ビットコインのように半減期はないが、500万ブロックが生成されるごとにマイニング報酬が20%減少するため、減少率は異なるものの半減期と同様の仕組みが採用されている。
これはとても重要で、発行枚数の上限がある仮想通貨は「有限の資産」であるため、需給の状況によっては価格の上昇が起きやすくなる。
イーサリアムクラシック取扱取引所紹介
イーサリアムクラシック投資へ興味があるなら、まずは口座開設をしておくべきだ。
ETCを取り扱っている会社をおすすめ順に紹介していくので是非参考にして欲しい。
Coincheck(コインチェック) - ETC以外の仮想通貨も検討したいならここ!
Coincheckの概要 | |
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取扱通貨数(販売所) | 22通貨 (BTC,ETH,ETC,LSK,XRP,XEM,LTC,BCH,MONA,XLM,QTUM,BAT,IOST,ENJ,OMG,SAND,DOT,FNCT,CHZ,LINK,MKR,DAI) |
取扱通貨数(取引所) | 5通貨 (BTC,ETC,FCT,MONA,PLT) |
最低取引数量(ETC) | 500円相当額(販売所) 500円相当額(取引所) |
取引手数料(販売所) | 無料 |
取引手数料(取引所) | 無料 |
送金手数料 | 0.01ETC |
入金手数料 | 銀行振込:無料 コンビニ入金:770円~ クイック入金:770円~ |
出金手数料 | 407円 |
レバレッジ取引 | - |
コインチェックは取り扱っている仮想通貨の種類が多くその数なんと17種類。ETCも含め、チャートを見ながら他の仮想通貨に投資しやすくなっている。
その利点に加えて、積立投資、貸仮想通貨などさ投資サービスの豊富さもコインチェックの魅力だ。
コインチェックが向いている人
コインチェックが向いている人はいろいろな通貨の購入を考えている人だ。取扱い通貨数は22種類で、マイナーなアルトコインまで揃っているので上級者も満足できるだろう。
コインチェックが向いていない人
コインチェックが向いていない人はレバレッジ取引をしたい人だ。コインチェックでは現在、レバレッジ取引に対応していないため、現物取引のみとなっている。
Coincheck(コインチェック)の評価ポイント
①国内取引所最多の22通貨を扱っている
コインチェックは22種類の通貨数を誇っている。販売所では22種類、取引所では5種類の通貨を売買することができる。
②取引手数料が無料
販売手数料、取引手数料が無料の他、入金手数料も銀行振り込みからは無料になる。(コンビニ入金、クイック入金を利用する際には770円~の手数料が必要)
③初心者にも使いやすい作りのアプリ
Coincheckアプリは初心者にも使いやすいシンプルな作りとなっている。2021年7月に累計ダウンロード数が415万を突破し、2021年上半期のアプリダウンロード数でNo.1を獲得した。
\アプリダウンロード数 NO.1!/
bitFlyer(ビットフライヤー) - ETCを低額で始めたい人におすすめ!
bitFlyerの概要 | |
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取扱通貨数(販売所) | 21通貨 (BTC,ETH,ETC,LTC,BCH,MONA,LSK,XRP,BAT,XEM,XLM,XTZ,DOT,LINK,XYM,MATIC,MKR,ZPG,FLR,SHIB,PLT) |
取扱通貨数(取引所) | 6通貨 (BTC,ETH,BCH,MONA,XRP,XLM) |
最低取引数量(ETC) | 0.00000001ETC(販売所) -(取引所) |
取引手数料(販売所) | 無料 |
取引手数料(取引所) | 0.01~0.15% |
送金手数料 | 0.005ETC |
入金手数料 | 銀行振込:無料 クイック入金 住信SBIネット銀行:無料 住信SBIネット銀行以外:330円 |
出金手数料 | 220~770円 |
レバレッジ取引 | 2倍 |
ビットフライヤーは、最低注文数量が少ないことで有名な取引所である。少額から始めたい人にとってはおすすめの取引所だ。
ETCとあわせてビットコイン投資も考えているなら、よりおすすめだ。
bitFlyer(ビットフライヤー)が向いている人
bitFlyer(ビットフライヤー)が向いている人は初めて口座開設をする人だ。取扱通貨数は21種類あり、レバレッジ取引ができるなど口座を開設しておけば幅広い投資ができる。
bitFlyer(ビットフライヤー)が向いていない人
bitFlyer(ビットフライヤー)が向いていない人は出金手数料が気になる人だ。出金手数料は220円~770円と幅があるが、最高手数料は他社に比べると高めになっている。
bitFlyer(ビットフライヤー)の評価ポイント
①イーサリアム含め21通貨を扱っている
ビットフライヤーは販売所ではイーサリアム(ETH)を含む21のコインを扱っている。取引所でも6通貨扱っており、複数の通貨に投資をしやすくなっている。
②レバレッジ取引が可能
ビットフライヤーは最大2倍のレバレッジ取引が可能だ。例えば5万円を担保として10万円の取引ができ、通常よりも多くの投資の利益を得ることができる。
③入金手数料が無料
ビットフライヤーは銀行振り込みの手数料が無料である。さらに24時間365日いつでも入金ができる「クイック入金」も住信SBIネット銀行であれば手数料が無料(他社は330円)だ。
「DMM Bitcoin」 - ETC投資の際、送金・入金・出金手数料が無料かつレバレッジもかけられる
DMM Bitcoinの概要 | |
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取扱通貨数(販売所) | 現物:27通貨 (BTC,ETH,XEM,XRP,ETC,LTC,BCH,XLM,MONA,BAT,QTUM,OMG,XTZ,ENJ,XYM,TRX,ADA,DOT,IOST,ZPG,CHZ,AVAX,LINK,MKR,MATIC,FLR,NIDT) レバレッジ:25通貨 (BTC,ETH,XRP,OMG,BAT,QTUM,XLM,MONA,XEM,LTC,ETC,BCH,XTZ,ENJ,XYM,TRX,ADA,DOT,IOST,ZPG,CHZ,AVAX,LINK,MKR,MATIC) |
最低取引数量(ETC) | 1 ETC(販売所 レバレッジ BitMatch注文を除く) 10 ETC(販売所 レバレッジ BitMatch注文) |
取引手数料(販売所) | 無料 |
取引手数料(取引所) | - |
送金手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
レバレッジ取引 | 2倍 |
DMMビットコインは送金、入金、出勤手数料が無料だ。利益が出た時や入金したい時に少しでも出費を抑えたい方にはDMM Bitcoinはおすすめだ。
送金、入出金手数料など、長く取引すれば長くするほど回数が増えかさんでくるので、これからがんがん投資したい方にもおすすめである。
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DMM Bitcoinが向いている人
DMM Bicoinが向いている人はアルトコインでレバレッジ取引をしたい人だ。27種類の銘柄を取扱い、通貨ペアは全33種類と豊富に用意されている。
DMM Bitcoinが向いていない人
DMM Bitcoinが向いていない人は取引所形式で取引したい人だ。DMM Bitcoinは販売所形式の取引所なので、自分が指定した価格で取引をするなど購入方法を選択することはできない。
DMM Bitcoinの評価ポイント
①各種手数料が無料
入金はクイック入金が5,000円から、銀行振込は下限なしでともに手数料無料。また、仮想通貨を他の取引所へ送金する場合の手数料も無料だ。
②豊富なレバレッジ可能通貨数
DMM Bitocoinは全27種類の通貨でレバレッジ取引が可能になっている。さらに仮想通貨同士のレバレッジも25種類できるため、通貨ペアは33種類となる。
③LINEでの問い合わせが可能
使い方がわからない場合やトラブルが起きた際、DMM Bitcoinでは24時間365日LINEでの問い合わせを受け付けている。
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イーサリアムクラシックの過去の高騰
前述したイーサリアムクラシックのチャートからは、2017年6月に1度、次に2018年の1月から倍近く高騰している。その後は数年にわたって4~5ドル近辺で低迷していたが、2020年2月に13ドル台をつける反発があった。
そこから再び10ドル未満で推移していたが、2021年になってからは20ドル付近をつけた後、一気に上昇相場が加速し、170ドル台という驚異的なボラティリティを見せた。これだけの荒い値動きはさすが仮想通貨といえるものだが、これらの高騰からわかることがある。
それは、仮想通貨バブルと呼べるような高騰があると、イーサリアムクラシックも同様に高騰し、さらにイーサリアムクラシック特有の材料によっても高騰する可能性がある点だ。
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イーサリアムクラシック(ETC)の現在の価格動向
イーサリアムクラシックは2019年頃から、400円から900円台を長らく推移していた。しかし、2021年に入り、イーサリアムの価格上昇につられる形で大きく上昇を見せる。2021年2月10日には1,000円を突破、4月16日には1年前の約7.5倍にあたる4,189円となった。
4月24日には一時3,191円に下がるものの、再びイーサリアムの影響を受けて急上昇し、5月6日には1万4,647円となった。わずか8日間で、約3.5倍に成長を遂げたことになる。
ところが、5月に入り、ビットコインの下落に引きずられて多くの仮想通貨が下落することとなった。イーサリアムクラシックも例外ではなく、5月23日には5,662円、6月22日には4,032円と、ピーク時の3分の1以下の価格に下落した。
8月と9月は一時8,000円台に回復するも、2021年9月28日現在、5,000円前後を推移している。
イーサリアムクラシック価格上昇のポイント
イーサリアムクラシックは他の主要な仮想通貨と同様、かなり激しい値動きを繰り返してきた。これは、イーサリアムクラシック/米ドルの日足チャートだ。
イーサリアムクラシックの価格上昇を見逃さないために、いくつか見ておいた方が良い観点が存在するので紹介していく。
①新規仮想通貨取引所への上場
イーサリアムクラシックを取り扱っている主な仮想通貨取引所は、コインチェック、ビットフライヤー、DMM Bitcoinだ。今後、新たな仮想通貨取引所がイーサリアムクラシックの取り扱いを開始すれば、期待感から価格が上昇する可能性がある。
上場すれば、ニュースなどに取り上げられることで知名度が上がることにくわえ、新規上場する仮想通貨取引所が魅力的なキャンペーンを実施することも多く、流入する資金が増えて価格が上がる傾向があるといわれている。
ビットコインやイーサリアムは知名度・時価総額ともに高く、すでにほとんどの仮想通貨取引所で上場している。しかし、未上場のイーサリアムクラシックには、今後の上場の可能性、つまりは価格上昇の伸びしろが残されているといえるだろう。
②新規プロジェクトの立ち上げ
イーサリアムクラシックはIoT技術とブロックチェーン技術を融合させる存在として、活用が期待されている仮想通貨だ。
IoT技術とは、直訳すると「モノのインターネット」で、さまざまなモノをインターネットに接続できるようにし、モノ同士が通信できるようにすることだ。IoTは今後の目覚ましい発展が期待されている分野であり、IoTの発展とともに、イーサリアムクラシックも今以上の存在感を示すようになるかもしれない。
イーサリアムクラシックの開発や資金援助をする組織ETC Cooperativeは、2021年7月にイーサリアムの共同設立者の1人でカルダノの創設者でもある、チャールズ・ホスキンソン氏が役員に就任すると発表した。同氏の力によって、今後イーサリアムクラシックの発展はより加速していくだろう。
③アップグレード「Magneto」に対して市場がどう動くか
イーサリアムクラシックは、2021年7月下旬にハードフォーク「Magneto(マグネトー)」を予定していた。
大規模なアップグレード等で実行される「ハードフォーク(分裂)」では、ブロックチェーンに互換性がないことから、ソフトウェアのアップデートが必要になる。イーサリアムの大型アップデートの内容が含まれており、セキュリティ向上や手数料の削減を目的としている。
2021年9月現在、「Magneto」に関するニュースはないものの、アップグレードが実装されたという情報が開示されれば、市場が反応する可能性がある。
セキュリティの工場はイーサリアムクラシックの課題の1つでもある。大型アップデートの公表とともにイーサリアムクラシックへの期待感が高まり、価格が上昇するかもしれない。
④ビットコインの価格動向
イーサリアムクラシックは、主要な仮想通貨であるビットコインやイーサリアムの価格の影響を受けやすい。特に2021年に入ってからは、イーサリアムの価格上昇を受けてイーサリアムクラシックも大きく上昇し、その後、ビットコインの急激な下落を受けて、イーサリアムクラシックも下落した。
他の多くの仮想通貨も、ビットコインの影響を少なからず受けることは間違いないが、イーサリアムクラシックは特にビットコインの影響を受けやすいといえるだろう。また、ハードフォークする前のイーサリアムとの関連もいまだに深い。
今後も、イーサリアムクラシックに投資するなら、あわせてビットコインやイーサリアムの値動きにも注目しておき、急激な価格の上昇・下落に備えるようにしたい。
⑤セキュリティの強度
イーサリアムクラシックは、3度の「51%攻撃」を受けた過去を持つ「51%攻撃」とは、特定のマイナー(採掘者)が過半数を独占し、不正なチェーンをネットワークに反映させてしまうことで起きる。2020年には、イーサリアムクラシックが「51%攻撃」を受けたことで、コインチェックなど国内外の暗号資産取引所の一部は、イーサリアムクラシックの購入・売却・積立等を一時停止するなどの措置をとった。
「51%攻撃」は、そもそもビットコインやイーサリアムと比べて、マイナーの数が少ないからこそ起きたとも考えられる。そうなると、突然マイナーが増えることは考えにくいため、今後も「51%攻撃」を受ける可能性は簡単には排除できない。
イーサリアムクラシックはセキュリティの面で、課題を抱えている。逆にいえば、アップデート等でセキュリティが向上するにともない、不安材料がなくなり価格が上昇する可能性を秘めている。
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イーサリアムクラシックの買い時とは?
イーサリアムクラシックに投資するなら、まずはビットコインやイーサリアムの価格動向には注目しておきたい。特にイーサリアムが上昇しイーサリアムクラシックはまだ上昇していないタイミングなどは、投資のチャンスになる可能性がある。
また、さまざまな分野での活用が期待されている仮想通貨でもあるので、新規プロジェクトの開始や新メンバーの参画、アップデートなどのニュースをいち早くキャッチし、価格が上昇する前に投資すれば、値上がりに乗じて利益を上げられるだろう。
仮想通貨は値動きが激しく、価格が上昇している最中も一時大きく落ち込むことが少なくない。イーサリアムクラシックに投資する時も、価格が上昇している最中の「押し目買い」をねらうのも1つだろう。
ETCの特徴(メリット・デメリット)
投資対象としてイーサリアムクラシックを保有するメリットやデメリットまとめておいたので検討材料にして欲しい。
流動性の高さ
イーサリアムクラシックは、これまで解説してきたように、高い知名度を誇るイーサリアムから分裂して誕生した。イーサリアムクラシックもイーサリアムと同じブロックチェーンを使用しており、円滑なスタートを切ることができた部分がある。主要な仮想通貨取引所への上場もスムーズで、流動性の高さが1つ目のメリットだ。
中央集権型の運営のスタイル
もう1つのメリットとして挙げられるのが、イーサリアムと違って完全な非中央集権型の運営を確立していることだ。もちろん「THE DAO」事件の教訓によるもので、一部の人たちの意向や利害によって運営方針が決められるといったことはない。イーサリアムクラシックは仮にブロックチェーンに攻撃があったとしても市場の原理に任せることを目指しているため、より民主的で市場原理に沿った通貨であると言える。
サイドチェーン
さらに、イーサリアムクラシックは本体であるブロックチェーンだけでなくサイドチェーンという仕組みもあり、大幅なスピードの向上が図られている。ビットコインやイーサリアムは流通量の多さゆえに送金の遅延が問題化しているが、イーサリアムクラシックはこの問題を解消している。この点が評価されれば、普及が進み、価格上昇を遂げる可能性もあるだろう。
イーサリアムクラシック保有のデメリット
イーサリアムクラシックのデメリットやリスクとして挙げられるのは、セキュリティ性と開発力だ。
セキュリティ
セキュリティについては仮想通貨全体の問題ではあるが、イーサリアムクラシックは過去に3度も「51%攻撃」を受けている事実がある。被害額はそれほど大きくなかったようだが、不正行為が極めて困難であることが仮想通貨の存在意義でもあるので、それが脅かされているというのは、長期保有に向けて不安が残るだろう。
開発力
また、開発力の乏しさもイーサリアムクラシックの課題だといわれている。そもそもイーサリアムの開発陣から分裂した人たちがイーサリアムクラシックを作り出したので、開発資源がそれほど豊富なわけではない。移り変わりの激しい仮想通貨の世界において開発力の高さは順応性の高さにも直結しているため、今後の展開次第ではイーサリアムクラシックが他の仮想通貨から取り残されてしまうおそれがある。
これからも注目が集まる仮想通貨のイーサリアムクラシック
IoTとの親和性やイーサリアムにはない優位性など、イーサリアムクラシックの将来は明るいと言える。過去にあったような高騰が今後も起きる可能性は高く、持っておいて損はない仮想通貨の一つと言えるだろう。
特に「THE DAO」事件の教訓によって同じ轍を踏まないことを意識した設計には好感をもてる部分が多く、さらに発行枚数の上限が定められていることから、上限がないイーサリアムを超える価値をもつ仮想通貨になる可能性も秘めている。