デビットカードを作りたいけれど、審査に落ちるのではないかと不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、デビットカードは基本的に審査がありません。銀行口座から即時に代金が引き落とされる仕組みのため、クレジットカードのような与信審査は不要です。
しかし、デビットカードの申し込みが通らないケースも存在します。本記事では、2025年12月時点の情報をもとに、デビットカードの審査の有無や、申し込みが拒否される原因、その対処法について詳しく解説します。
デビットカードの発行を検討している方や、申し込みが通らなかった方は、ぜひ参考にしてください。

「本当はクレジットカードを作りたいけど、審査に通らなさそうで不安」という人は審査が甘いクレジットカードの解説記事もおすすめです。審査に通りやすくなるコツも紹介しています。
デビットカードの審査の有無について
デビットカードは基本的に審査がないといわれていますが、その理由と例外について解説します。クレジットカードとの決済方式の違いを理解することで、なぜデビットカードには審査がないのかが明確になります。
デビットカードに審査がない理由
デビットカードは銀行口座から即時に代金が引き落とされる仕組みのため、クレジットカードのような与信審査は原則不要です。
クレジットカードは後払いの仕組みであり、カード会社が一時的に代金を立て替えるため、利用者の返済能力を確認する必要があります。一方、デビットカードは利用と同時に口座から引き落とされるため、銀行側に立替払いが発生しません。
つまり、口座残高の範囲内でしか利用できないため、返済リスクがなく、信用情報機関への照会も不要となります。デビットカードの発行条件は、銀行口座を持っていることと、各銀行が定める年齢条件(多くは満15歳以上、中学生除く)を満たしていることです。
- 即時決済のため、利用者が支払えないリスクがない
- 口座残高の範囲内でしか利用できない
- 銀行側に立替払いが発生しない
- 返済能力を確認する必要がない
審査があるデビットカードも存在する
デビットカードは基本的に審査がありませんが、一部のデビットカードには審査があります。
残高不足時の立替払い機能やローン機能が付いたデビットカードは、与信が発生するため審査が必要となります。たとえば、三井住友銀行のOliveフレキシブルペイは、デビット・クレジット・キャッシュカード機能を併せ持つカードですが、クレジットモードを利用する場合には審査が行われます。
また、セブン銀行の「ポチっとチャージ」のような後払いサービスを利用する場合も、別途審査が必要です。これらのカードに申し込む際は、安定した収入が継続してあることが求められます。
- 残高不足時の立替払い機能付きカード
- ローン機能付きカード
- クレジット機能一体型カード(クレジットモード利用時)
- 後払いチャージ機能付きカード
デビットカードとクレジットカードの審査の違い
デビットカードとクレジットカードでは、決済方式の違いが審査の有無を決定づけています。
クレジットカードは後払いのため、カード会社が一時的に代金を立て替え、利用者は後日返済する仕組みです。そのため、CICやJICCなどの信用情報機関に照会し、過去の支払い実績や現在の借入れ状況を確認します。
一方、デビットカードは即時決済のため、銀行口座から即座に引き落とされ、立替払いが発生しません。そのため、返済リスクがなく、信用情報を確認する必要がありません。
| 項目 | デビットカード | クレジットカード |
|---|---|---|
| 決済方式 | 即時払い(即時引落し) | 後払い(翌月以降に支払い) |
| 審査 | 原則なし | あり(与信審査) |
| 信用情報の確認 | 不要 | 必要 |
| 利用可能額 | 口座残高の範囲内 | 利用限度額の範囲内 |
| 発行条件 | 銀行口座保有、15歳以上が一般的 | 18歳以上、安定収入など |
デビットカードの審査に落ちる5つの原因
デビットカードは基本的に審査がないにもかかわらず、申し込みが通らないケースがあります。これは「審査落ち」というより「申込拒否」に近いものですが、その原因を5つに分類して解説します。
銀行口座に関連したトラブルがあった
過去に口座凍結、強制解約、不正利用などのトラブルがあった場合、同じ銀行でのデビットカード発行は拒否される可能性があります。
銀行は顧客の取引履歴を社内で管理しており、過去のトラブルは記録されています。口座の不正利用履歴がある場合、銀行はリスク管理の観点から新規発行を拒否することがあります。また、強制解約された場合は、同じ銀行での口座開設自体が難しいケースもあります。
このような場合は、トラブルがあった銀行を避け、別の銀行で申し込むことが対処法となります。
本人確認書類に不備があった
本人確認書類の不備や有効期限切れは、デビットカード申込が拒否される最も多い原因の一つです。
犯罪収益移転防止法(犯収法)により、金融機関は口座開設時に厳格な本人確認が義務付けられています。運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの本人確認書類であれば1点で手続きが可能ですが、健康保険証など顔写真のない書類の場合は追加書類が必要となります。
なお、2027年4月からは本人確認方法がマイナンバーカードの公的個人認証に原則一本化される予定です。申し込む際は、有効期限内の書類を用意し、記載内容と申込情報が一致していることを確認しましょう。
申込条件を満たしていなかった
年齢制限や居住地の条件を満たしていない場合は、デビットカードの申込が拒否されます。
多くの銀行では満15歳以上(中学生除く)を申込条件としています。また、日本国内に居住していることが必須条件の銀行が多く、海外在住の場合は申込できないことがあります。
さらに、デビットカードは銀行口座と紐づけて発行されるため、その銀行の普通預金口座を持っていることが前提条件となります。申し込む前に、各銀行の発行条件を確認しておきましょう。
- 満15歳以上(中学生除く)が一般的
- 日本国内に居住していること
- その銀行の普通預金口座を持っていること
- 本人確認書類を提出できること
信用情報に問題がある(一部のデビットカードの場合)
ローン機能や立替払い機能付きのデビットカードに限り、信用情報機関への照会が行われ、事故情報があると審査に落ちる可能性があります。
与信機能があるカードは、CICやJICCなどの信用情報機関に照会し、延滞や債務整理などの事故情報を確認します。事故情報が登録されている期間中は、審査に通らないことがあります。
ただし、通常のデビットカード(与信機能なし)は信用情報を確認しないため、信用情報に問題があっても影響ありません。立替払い機能付きカードを避ければ、デビットカードを発行できます。
反社会的勢力に該当する
反社会的勢力に該当する場合、銀行口座の開設自体が拒否されるため、デビットカードも発行されません。
すべての銀行は反社会的勢力排除条項を規約に設けており、口座開設時に反社会的勢力でないことの確認・誓約が求められます。該当する場合は、既存口座も解約される可能性があります。
デビットカードの審査に落ちた場合の対処法
デビットカードの申し込みが通らなかった場合でも、諦める必要はありません。原因を特定し、適切な対処法を取ることで、別の方法でデビットカードを取得できます。
別の銀行で申し込む
銀行によって審査基準や受入条件が異なるため、別の銀行であれば発行できる可能性があります。
各銀行は独自の口座開設基準を持っています。過去にトラブルがあった銀行でなければ、他行で口座開設・デビットカード発行が可能です。特にネット銀行は比較的口座開設のハードルが低い傾向があります。
楽天銀行、住信SBIネット銀行、みんなの銀行など、スマホから簡単に口座開設できるネット銀行を検討してみましょう。
申込内容や本人確認書類を見直す
申込内容の入力ミスや本人確認書類の不備を修正して再申込することで、発行される可能性があります。
住所や氏名の入力ミス、書類との不一致が原因のケースは少なくありません。本人確認書類の有効期限が切れていないかも確認しましょう。
顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)を使用すると手続きがスムーズに進みます。申込情報は書類の記載内容と正確に一致させることが重要です。
審査不要のデビットカードを選ぶ
ローン機能や立替払い機能のない一般的なデビットカードを選べば、与信審査なしで発行できます。
通常のデビットカード(J-Debit、国際ブランドデビット)は審査がありません。立替払い機能付きカードを避ければ審査対象になりません。
たとえば、Oliveフレキシブルペイはクレジット審査に関わらずデビットモードは利用可能です。ネット銀行のデビットカードは審査なしで即日発行できるものも多いため、急いでいる方にもおすすめです。
任意整理中でもデビットカードは作れるのか
任意整理などの債務整理を行った方や手続き中の方でも、デビットカードは作成・利用できます。デビットカードは信用情報を参照しないため、ブラックリストに載っていても影響を受けません。
任意整理とデビットカードの関係
通常のデビットカードは信用情報を参照しないため、任意整理中でも新規作成・利用が可能です。
デビットカードは与信審査がないため、信用情報機関への照会が行われません。即時決済のため返済能力を確認する必要がなく、任意整理、個人再生、自己破産のいずれの手続きでもデビットカードは作成可能です。
クレジットカードの審査に通らない期間でも、デビットカードを活用することでキャッシュレス決済やネットショッピングを続けることができます。
任意整理中にデビットカードが使えないケース
債務整理を行った金融機関のグループ内では、デビットカードの発行・利用が制限される可能性があります。
任意整理の対象となった銀行では口座関連サービスが制限されることがあります。また、銀行グループ内で情報が共有されている場合もあります。
ただし、別のグループの銀行であれば問題なく発行できます。任意整理を行った銀行とは異なるグループの銀行でデビットカードを申し込むことが対処法となります。
デビットカードの更新時に審査はあるのか
デビットカードには有効期限があり、通常は自動的に更新カードが送付されます。更新時に改めて審査が行われることは基本的にありませんが、一部のケースでは更新が拒否されることもあります。
通常の更新では審査なし
デビットカードの有効期限更新時は、原則として再審査は行われず、自動的に新しいカードが発行されます。
多くの銀行では、有効期限の約1ヶ月前に自動で更新カードが送付されます。住所や氏名に変更がなければ特に手続きは不要です。更新カードは転送不要の簡易書留で届くため、住所変更がある場合は事前に届出が必要です。
- 楽天銀行:有効期限の約1ヶ月前に送付
- 三菱UFJ銀行:有効期限の1ヵ月前の上旬~中旬に発送
- 住信SBIネット銀行:有効期限月の中旬までに発送
更新が拒否されるケース
長期間利用がない場合や住所変更未届けの場合、更新カードが発行されないことがあります。
多くの銀行では過去1~2年間に利用がないと自動更新の対象外となります。たとえば、三井住友銀行では有効期限から2年間利用がない場合は自動解約、あおぞら銀行では過去24ヶ月間に利用がある方にのみ更新カードが発行されます。
また、住所変更をしていないと更新カードが届かず、解約扱いになることがあります。住所変更は有効期限の2~3ヶ月前までに完了させておきましょう。
審査なしで即日発行できるデビットカード
今すぐデビットカードを使いたいという方向けに、審査なしで即日発行できるデビットカードを紹介します。特にネット銀行のバーチャルデビットカードは、アプリから申し込み後すぐに利用開始できます。
即日発行可能なデビットカードの例
ネット銀行のスマホデビット(バーチャルカード)なら、口座開設と同時に即日利用開始できます。
バーチャルカードはアプリ上で即時発行されるため、物理カードの郵送を待つ必要がありません。口座開設と同時にデビット機能が利用可能になる銀行もあります。
- みんなの銀行:口座開設と同時にバーチャルデビット発行
- auじぶん銀行:スマホデビットがアプリから即時発行可能
- 住信SBIネット銀行:スマホデビットで即日利用開始
バーチャルデビットカードという選択肢
バーチャルデビットカードは物理カードなしでオンライン決済やスマホ決済が可能で、即日発行のメリットがあります。
アプリ上でカード番号が発行されるため、すぐにネットショッピングで利用可能です。Apple PayやGoogle Payに設定すればQUICPay+加盟店で実店舗決済もできます。物理カードは後日郵送されるため、届くまでの間もバーチャルカードで利用可能です。
すでに口座を持っている場合は、銀行窓口で最短15~30分で物理カードを発行できる銀行もあります。
デビットカード以外の審査なしカード
デビットカードが作れない場合や、より手軽にカードを持ちたい場合の代替手段として、プリペイドカードと家族カードを紹介します。どちらも審査なしで発行できます。
プリペイドカード
プリペイドカードは事前にチャージした金額の範囲内で利用するため、審査なしで発行できます。
後払いではなく前払い方式のため、与信審査が不要です。クレジットカードと同じ国際ブランド(Visa、Mastercard等)の加盟店で利用できます。デビットカードより手軽に作れるため、カードを持つ練習にも最適です。
代表的なプリペイドカードとして、Kyash、バンドルカード、au PAY プリペイドカードなどがあります。
家族カード
クレジットカードの家族カードは本会員の審査で発行されるため、家族会員は審査なしでカードを持てます。
家族カードは本会員の信用で発行されます。本会員がすでに審査に通っていれば、家族は審査対象外です。クレジットカード機能が使えるため、デビットカードより利用範囲が広いのがメリットです。
ただし、利用明細が本会員に見られる点や、利用限度額を本会員と共有する点には注意が必要です。
デビットカードの審査に関するよくある質問
デビットカードの審査に関して、読者から多く寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
基本的にデビットカードには審査がありません。銀行口座から即時に代金が引き落とされる仕組みのため、与信審査は不要です。
ただし、立替払い機能やローン機能が付いたデビットカードは、与信が発生するため審査があります。通常のデビットカードを選べば審査なしで発行できます。
デビットカードの申し込みが通らない主な原因は、銀行口座に関連したトラブル(口座凍結、強制解約など)、本人確認書類の不備、申込条件未満(年齢制限、居住地)、一部カードでの信用情報の問題、反社会的勢力への該当などです。
これらのうち、書類不備や入力ミスは修正して再申込することで解決できる可能性があります。
はい、通常のデビットカードは任意整理中でも作成可能です。デビットカードは与信審査がなく、信用情報機関への照会が行われないため、ブラックリストに載っていても影響を受けません。
ただし、任意整理を行った銀行やそのグループ会社では発行が制限される可能性があるため、別のグループの銀行で申し込むことをおすすめします。
通常のデビットカードの更新時に再審査は行われません。有効期限の約1ヶ月前に自動で更新カードが送付されます。
ただし、長期間(1~2年)利用がない場合や住所変更未届けの場合は、更新カードが発行されないことがあります。定期的にカードを利用し、住所変更があれば早めに届け出ることが重要です。
はい、ネット銀行のバーチャルデビットカードなら審査なしで即日発行できます。みんなの銀行、auじぶん銀行、住信SBIネット銀行などでは、口座開設と同時にアプリ上でカード番号が発行され、すぐにネットショッピングやスマホ決済で利用開始できます。
物理カードは後日郵送されますが、届くまでの間もバーチャルカードで利用可能です。
はい、通常のデビットカードであれば作成可能です。デビットカードは信用情報を参照しないため、延滞や債務整理などの事故情報(いわゆるブラックリスト)があっても影響を受けません。
クレジットカードの審査に通らない期間でも、デビットカードを活用することでキャッシュレス決済を続けることができます。
はい、原因を解消すれば再申込が可能です。本人確認書類の不備や入力ミスが原因の場合は、修正して再申込することで発行される可能性があります。
銀行口座のトラブルが原因の場合は、別の銀行で申し込むことが対処法となります。
はい、クレジットカードの審査に落ちてもデビットカードは作れます。デビットカードは与信審査がなく、クレジットカードとは審査基準が異なるためです。
収入が不安定な方や信用情報に不安がある方でも、デビットカードなら審査なしで発行できます。
デビットカードは銀行口座と紐づいており、利用と同時に口座から即時引き落とされます。一方、プリペイドカードは事前にチャージした金額の範囲内で利用します。
どちらも審査なしで発行できますが、デビットカードは口座残高がそのまま利用可能額となり、プリペイドカードはチャージ額が利用可能額となる点が異なります。
はい、国際ブランド付きデビットカード(Visa、Mastercard、JCB)であれば海外でも利用可能です。世界中の加盟店で決済でき、海外ATMから現地通貨を引き出すこともできます。
海外旅行や出張が多い方は、国際ブランド付きのデビットカードを選ぶことをおすすめします。J-Debitは国内専用のため、海外では利用できません。
まとめ
デビットカードは銀行口座から即時に代金が引き落とされる仕組みのため、基本的に審査がありません。クレジットカードのような与信審査は不要で、口座を持っていれば発行可能です。
ただし、申し込みが通らないケースもあります。主な原因は、銀行口座に関連したトラブル、本人確認書類の不備、申込条件未満、一部カードでの信用情報の問題などです。対処法としては、別の銀行で申し込む、書類を見直して再申込する、審査不要のカードを選ぶといった方法があります。
任意整理中でも通常のデビットカードは作成可能です。デビットカードは信用情報を参照しないため、ブラックリストに載っていても影響を受けません。
更新時は原則として再審査はありませんが、長期未使用や住所変更未届けの場合は更新が拒否される可能性があります。
即日発行を希望する場合は、ネット銀行のバーチャルデビットカードがおすすめです。口座開設と同時にアプリ上でカード番号が発行され、すぐに利用を開始できます。
デビットカードが作れない場合の代替手段として、プリペイドカードや家族カードも検討してみてください。どちらも審査なしで発行できます。
- デビットカードは基本的に審査なし(即時決済のため)
- 審査に落ちる主な原因は口座トラブル、書類不備、申込条件など
- 対処法は別の銀行、書類見直し、審査不要カード選択
- 任意整理中でもデビットカードは作成可能
- 更新時は原則審査なし(長期未使用で更新拒否の可能性あり)
- 即日発行ならバーチャルデビットカードがおすすめ
- 代替手段としてプリペイドカードや家族カードも選択肢

