VYMは、米国株式市場の高配当利回り銘柄で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークした海外ETFです。株価上昇が続いており、高配当も期待できます。
この記事では、VYMの特徴やメリット・デメリット、株価チャートや投資方法、おすすめの証券会社について解説します。
この記事でわかること
- VYMの基本情報と特徴
- VYMの取引におすすめの証券会社
- VYMのメリット・デメリット
IG証券なら、VYMのCFD取引が可能です。CFD取引とは現物をやり取りせず、売買の差額のみをやり取りする「差金決済取引」のことです。 幅広い金融銘柄(株価指数、個別株、商品、債券先物)を一つのプラットフォームで取引できるIG証券なら、初心者でも気軽にCFD取引をスタートできるでしょう。
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VYMの基本情報
まずは、VYMの概要や価格、構成銘柄など基本情報について確認していきましょう。
VYMの概要
VYMは「バンガード・米国高配当株式ETF(Vanguard High Dividend Yield ETF)」のことで、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスに連動する投資成果を目指すETFです。FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスは、米国株式市場の高配当利回り銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数になります。
●上場投資信託(ETF) 一般的に、ある指標に連動する運用を行う、証券取引所に上場する投資信託のこと。指値や成行注文が可能です。
引用元:金融庁|用語集
●投資信託(ファンド) 「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」のこと。 「集めた資金をどのような対象に投資するか」は、投資信託ごとの運用方針に基づき専門家が行います。
引用元:金融庁|用語集
VYMを運用するのは、1975年にアメリカペンシルバニア州で創業されたバンガードです。バンガードは、ブラックロックやステートストリートとともに世界3大運用会社といわれており、世界中で3,000万人を超える投資家に400本以上のファンドを提供しています。
世界の市場で運用する資産は約7.2兆ドルと世界最大級の規模です(2021年1月31日時点)。2016年には、バンガードが世界で初めてアメリカの個人投資家に向けてインデックス・ファンドを発売してから40周年を迎えています。
「すべての投資家の皆さまと公平に向き合い、投資目標達成のための最良の機会をご提供する」という使命のもと、顧客第一主義を軸として「長期・分散・低コスト」の投資信託・ETFを提供しています。
バンガード・米国高配当株式ETF以外に提供している主なETFは、次のとおりです。
コード | ファンド名 |
---|---|
VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
VOO | バンガード・S&P500 ETF |
VWO | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF |
VGT | バンガード 米国情報技術セクター ETF |
BND | バンガード・米国トータル債券市場ETF |
VGK | バンガード FTSE ヨーロッパ ETF |
バンガード・米国高配当株式ETFは価格上昇が続いており、多くの投資家から注目を集めています。
※バンガードの日本支社は、2021年2月に撤退しています。
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VYMの価格
現在、VYMの株価は105ドル前後で推移しています。純資産総額は約3.8兆円です。
※2021年9月16日時点
VYMの構成銘柄
VYMの主な構成銘柄は次のとおりです。
※2021年9月16日時点・JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
・ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
・ホーム・デポ
・プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
・バンク・オブ・アメリカ
・コムキャスト
・ファイザー
・シスコシステムズ
・エクソンモービル
・ベライゾン・コミュニケーションズ
VYMは、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークしているため、高配当利回り銘柄が中心です。
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VYMの売買におすすめの証券会社ランキング
米国株投資用の口座には、銘柄数が多い口座を選ぶのがおすすめです。
米国株を購入できる代表的な証券会社は、以下のようになっています。
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総合ランキング
※国内株式手数料に関して |
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VYMの株価チャート
これまでの株価推移を知ることは、今後の相場展開を予測するうえで大切なことです。ここでは、VYMの「直近の株価チャート」と「過去5年・設定来の株価チャート」について見ていきましょう。
直近の株価チャート
以下は、VYMの直近1ヵ月のチャートです。
1ヵ月前の8月16日は108ドル台でしたが、翌日には106ドル台まで下がっています。その後107ドルまで上昇しますが、9月2日以降下落が続き、現在は105~106ドル前後で推移しています。
過去5年・設定来の株価チャート
以下は、VYMの過去5年と2006年設定来のチャートです。
5年前には70ドル台だったのが、現在は105ドル前後まで上昇しています。5年間の上昇幅は約35ドル(48%)です。5年前の2016年9月から緩やかな上昇が続いており、2020年に入る頃には93~94ドル前後で推移しています。しかし、2020年2月にコロナショックによって急落し、わずか1ヵ月で63ドル台まで下がりました。再び上昇し、半年間で約40ドル高くなっています。
VYMの設定日は2006年11月です。設定当初の株価は50ドル程度でした。2009年にかけて下落が続き、一時23ドル台となっていましたが、その後上昇しています。設定来の上昇幅は約55ドル(109%)です。
VYMのメリット
VYMのメリットは、配当利回りが高く、値上がり益も狙えることです。また、構成銘柄数が多くリスクを軽減でき、経費率は低い水準となります。買った後は放置したままで利益を狙うことも可能です。
ここでは、VYMのメリットについて見ていきましょう。
VYMのメリット
- 高い配当利回り
- 値上がり益も良い
- 構成銘柄数が多い
- 信託経費が低い
- 買った後は放置という選択肢も
高い配当利回り
VYMは、米国株式市場の高配当利回り銘柄で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークしているため、比較的高い配当利回りが期待できます。配当利回りが1%前後のETFや個別株も多い中で、VYMの直近の配当利回りは約2.8%(Bloombergより)あります。配当は年4回受け取ることが可能です。
値上がり益も良い
VYMの株価は上昇が続いています。5年間で+48%、設定来では+109%の成長です。また、短期的な値動きも比較的大きいため、配当に期待するだけでなく、値上がり益を狙うことが可能です。
構成銘柄数が多い
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークしているVYMは400銘柄程度で構成されています。非常に多くの業種・銘柄に分散投資ができるため、リスクを軽減することが可能です。個別株のように1社だけに投資をしていると、株価が下落した際に大きな影響を受けます。分散投資であれば、株価が下落する企業があっても、多数の投資先があるためリスクを限定できます。
リスクを減らす方法の一つに分散投資があります。分散投資には、「資産・銘柄」の分散や「地域の分散」などのほか、投資する時間(時期)をずらす「時間(時期)分散」という考え方があります。
引用元:金融庁|分散投資
信託経費が低い
信託報酬など経費率が低いことも、VYMのメリットです。VYMの経費率は0.06%(2021年9月16日時点)で、SPYD(0.07%)など、他の高配当ETFの経費率と比べると比較的低い水準です。経費率は純資産総額に対する運用コストの割合のことで、VYMなら低コストで運用できます。
買った後は放置という選択肢も
VYMは、多くの銘柄に分散投資を行うためリスクを軽減できます。また、投資先は高利回り株中心のため、高いリターンが期待できます。値上がり益を狙うこともできますが、配当狙いの中長期投資が可能です。高配当ETFのVYMであれば、買った後は放置でも利益を稼げる可能性があります。
VYMのデメリット
VYMのデメリット
- 分配金をもらったら確定申告の必要がある
- 他の高配当ETFと比べると配当利回りは低い
VYMのメリットだけでなくデメリットも知ることで、他のETFと比較がしやすくなります。ここでは、VYMのデメリットについて見ていきましょう。
分配金をもらったら確定申告の必要がある
VYMに限った話ではありませんが、配当控除を受けたり、損益通算や繰越控除をしたりする場合は、確定申告が必要です。
確定申告が必要な場合は、2月16日~3月15日(年度によって異なる場合があります)に申告を行い、所得税を納付しなくてはなりません。スムーズに確定申告ができるように、事前に必要書類などを準備しておきましょう。
他の高配当ETFと比べると配当利回りは低い
VYMは、米国株式市場の高配当利回り銘柄で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークしており、配当利回りは比較的高い水準です。しかし、突出して利回りが高いわけではなく、VYMより高利回りのETFは他にも多数存在します。
VYMの今後の動向予測
2021年に入りS&P500が過去最高値を更新するなど、多くの米国株は株価上昇が続いています。中長期的にはさらなる上昇が続くと見る専門家やアナリストは多いです。ただし、テーパリングや利上げなどのネガティブ要因があるため、目先の相場は不透明な部分があります。短期的には下落することも考えられるため、リスク管理をしながら運用することが大切です。
VYMに投資する方法
VYMに投資する方法は「現物取引」と「CFD取引」の2種類です。それぞれの取引方法で特徴や仕組みが異なりますので、事前に確認しておきましょう。
現物取引
現物取引は、口座内の資金の範囲内で株式等現物を売買する取引方法です。資金の範囲内でしか株式を購入できず、保有する株式しか売却はできません。株式・ETF投資において代表的な取引方法です。
CFD取引
CFD取引は、差金決済取引です。差金決済取引とは差金だけでやり取りする取引のことで、証拠金を預けて売買を行い、反対売買の差額によって決済をします。利益が出たら利益分のみ、損失が出たら損失分のみをやり取りします。
VYM投資におすすめの証券会社5選
VYM投資におすすめの証券会社は、IG証券、SBI証券、サクソバンク証券、楽天証券、マネックス証券です。どの証券会社も手数料が安く、情報コンテンツやサポートが充実しています。
ここでは、VYM投資におすすめの証券会社5選について紹介します。証券会社選びの参考にしてみてください。
おすすめの証券会社
- SBI証券
- マネックス証券
- 楽天証券
- IG証券
- サクソバンク証券
各証券会社の海外ETF取引手数料
SBI証券
SBI証券のおすすめポイント
SBI証券はSBIグループが運営するネット証券で、証券口座開設数は1,000万を超えています。「2021年 みんなの株式ネット証券比較ランキング総合」で第1位、HDI-Japan2020(ヘルプデスク協会)「問合せ窓口格付け」「Webサポート格付け」にて国内最高評価の三つ星を獲得するなど高い評価を得ています。
米国や中国、韓国、シンガポールの海外ETFを取り扱っており、米国ETFの最低手数料は0ドルです。さまざまな条件から理想のETFを探せる「Eサーチ」や毎月好きな日に好きな銘柄を自動買付できる「米国株式・ETF定期買付サービス」、株をSBI証券に貸し出し貸株金利を受け取れる「米国貸株サービス」などを利用できます。
アナリストレポートや四季報情報、日経CNBC市況オンラインセミナーなど、投資に役立つ情報が充実しています。口座申し込みをして最短翌営業日に取引ができるので、急いでいる人も安心です。
SBI証券のデメリット
- デモ取引がない
- 米国株日本株の取引アプリが別
- IPOの取扱数が多いが、倍率が高い
SBI証券では仮想資金をを使って取引シミュレーションを行うデモ取引を利用できません。損失を出しても実際の資産に影響がないため、デモ取引は初心者にとって嬉しい機能でしょう。
ただしSBI証券ではデモ口座がない代わりに、数百円の1株単位から株を購入することができます。失敗しても大きな損失には繋がらないので、少額から取引を始めてみましょう。
また、SBI証券では国内株と米国株の取引アプリが分かれています。1つのアプリでまとめて取引できるわけではないのでその点は面倒に感じるかもしれません。
そしてIPOの取扱い銘柄数が多い(2021年 86社)ものの、逆に多くの投資家がSBI証券で申し込みをするため当選確率が高くないという点もデメリットの一つです。しかし、IPOで当選するためには複数の証券会社から申し込みをするのが基本路線です。SBI証券でも申し込み、他の証券会社での申し込みも行うと良いでしょう。
マネックス証券
マネックス証券のおすすめポイント
マネックス証券は、マネックスグループが運営するネット証券で、米国株と中国株合わせて6,000銘柄超を取り扱っています。みんなの株式による「2021年 米国株おすすめネット証券ランキング 米国株部門」において1位を獲得しています。一部の米国ETFの買付手数料が全額キャッシュバックされる「米国株ETF買い放題プログラム」を実施しているため、コストを抑えた取引が可能です。
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楽天証券
楽天証券のおすすめポイント
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サクソバンク証券
サクソバンク証券のおすすめポイント
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また、自動分析ツール「オートチャーティスト」や取引タイミングをアラート通知する「取引シグナル」などの機能も利用可能です。株式やETFの他に、FXやCFD、先物・オプションなども取り扱っています。
VYMに関するよくある質問
VYMの特徴とは?
米国株式市場の高配当利回り銘柄で構成され、株価上昇が続いており、高配当も期待できます。構成銘柄数が多くリスクを軽減でき、経費率は低い水準となっており、また、買った後は放置したままで利益を狙うことも可能です。
VYMの投資方法は?
VTIに投資する方法は「現物を購入して投資(現物取引)」と「CFD取引で投資」の2種類です。現物取引では証券口座の資金の範囲内で売買をするため、資金以上の取引はできません。CFD取引は、買い・売りの両方から取引を始めることができ、レバレッジにより資金効率を高めることもできます。
まとめ
VYMは、世界3大運用会社のバンガードが提供するETFで、米国株式市場の高配当利回り銘柄で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークしています。多くの証券会社で売買ができ、現物取引やCFD取引が可能です。利回り重視なので、中長期で投資をしたい人におすすめです。
VYMに興味がある人は、こちらで紹介した内容や証券会社を参考にして、早速投資を検討してみましょう。