新NISA制度が始まり、利用している証券会社を見直したい方も多いのではないでしょうか?
証券会社の変更にはデメリットもあるため、確認した上で慎重に手続きを進めていきましょう。
本記事では、新NISAの証券口座を変更する際のデメリットと、口座を変更すべきタイミングについても解説していきます。
証券口座を見直そうと考えている方は、この記事を読めばピッタリな口座を見つけられるでしょう。
新NISAで証券会社を変更するデメリット4選
新NISAで証券会社を変更する主なデメリットを4つ紹介します。口座変更は、デメリットを把握した上で慎重に検討しましょう。
保有商品を移管できない
新NISAの口座変更には、現在保有している商品を変更先の金融機関へ移管できないというデメリットがあります。
NISA口座内に保有されている商品を他の年分の勘定又は金融機関に移管することもできません。
引用:SBI証券公式サイト
保有商品は変更前の金融機関で持ち続けるか、一度売って新しい口座で再度購入する必要があります。
ただし、どちらの場合でも手間は少しかかりますが、大手ネット証券であれば売買手数料などのコストはほぼ発生しません。
- 成長投資枠→大手ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券)なら売買手数料が無料
- つみたて投資枠→全てがノーロード(購入(販売)手数料が無料)※解約時に信託財産留保額がかかる場合あり
手間はかかりますが、コスト面におけるデメリットはないのでご安心ください。
投資機会を逃す可能性がある
新NISAの口座変更は、大体数週間から1か月ほどかかります。
新しい金融機関の口座開設が完了するまでは新NISA口座を利用することができないため、投資機会を逃す可能性があるのもデメリットです。
NISA口座ではなく特定口座を使えば投資自体は可能ですが、特定口座は20.315%の課税がされるので、非課税枠の範囲内で投資活動をしたい人にはおすすめできません。
新NISAの口座変更をするときは、新しい金融機関のNISA口座で取引ができるようになるまでに時間がかかることを踏まえて、タイミングを慎重に考えましょう。
口座管理の手間が増える
口座変更後に変更前の金融機関で引き続き商品を保有する場合、管理する口座数が増えるのもデメリットです。
複数の金融機関で商品を保有すると、資産や運用実績を確認する際に別々のサイトやアプリを見る必要があり、管理の手間が増えます。
口座変更前の金融機関で商品を保有し続けたい特別な理由がない場合は、保有商品を購入時より値上がりしているタイミングで売却し、管理する口座を1つに絞ることがおすすめです。
変更するタイミングが限定されている
新NISAの口座は、変更したい年の前年10月1日から翌年9月30日の間でしか口座変更手続きができません。
つまり、変更できる期間が限定されており、そのタイミングを逃すと1年スパンで次の機会を待たないといけないというデメリットがあります。
口座の変更を考えている方は、変更するタイミングを忘れずにスケジュールに登録しておきましょう。
また、金融機関の変更は原則1年に1回で、変更したい年に一度でもNISAで買い付けをしている場合はその年の変更はできなくなる点にも注意してください。
新NISAの変更先としておすすめの証券会社
新NISA口座の変更先としておすすめの証券会社は、大手ネット証券の中でも二大ネット証券として人気のSBI証券と楽天証券です。
前提として、新NISAは大手ネット証券で始めましょう。なぜなら、銀行は証券会社と比較して取扱銘柄数が少ないのに加えて、個別株を購入できないといった欠点があるためです。
また、証券会社も、取引手数料や取扱銘柄数を比較すると、店舗がある対面証券よりもネット証券がおすすめです。
SBI証券と楽天証券は、どちらも商品が豊富で低コストで投資が始められることから初心者にぴったりの証券会社です。
また、クレジットカードで決済する「クレカ積立」や各種ポイントプログラムも充実しているため、お得に投資することができます。
現在他の金融機関でNISA口座を開設している方は、ぜひ変更を検討してみてください。
SBI証券と楽天証券の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
新NISA口座を変更するタイミング
新NISAには口座変更ができる時期や、口座変更が好ましいタイミングがあります。ここではそれぞれの期間について解説します。
口座変更が可能な時期
新NISA口座変更が可能な時期は、変更したい年の前年の10月1日から変更したい年の9月30日となっています。
ただし、変更したい年の1月1日以降にNISA口座で新規買い付けをしている場合は、その年の変更はできません。
例えば、2024年中に口座変更をする場合は、新規買い付けをしていなければ2024年9月30日までに手続きをすると2024年中の変更が可能です。
一方で、2024年1月1日以降にNISA口座で新規買い付けをしていたり、2024年10月1日以降に変更手続きをした場合は、変更先の金融機関でNISAの取引ができるのは最短で2025年1月からとなります。
新NISA口座の好ましい変更タイミング
新NISA口座の変更を行うタイミングは、10月から12月の間がおすすめです。
なぜなら、10月から12月に手続きを行うと翌年の1月からNISA口座が変更となるため、変更先で非課税枠を最大限活かすことができるからです。
また利用している証券会社のサービスが改悪された場合や、他社のサービスが改善されたときも、証券会社を変更するタイミングとして好ましいです。
サービスの改善や改悪は、例えば以下のようなものがあります。
■サービス改善の例
- 取引手数料の無料化
- ポイント還元率アップ
- ポイント還元対象となる商品の拡充
- 証券会社独自の商品拡充
■サービス改悪の例
- 取引手数料アップ
- ポイント還元率ダウン
例えば、2022年4月に楽天証券がポイント還元を受けるための条件を厳しくしたことがサービス改悪として評判になりました。
ちょうど同じ年にSBI証券が、投資信託の移管時の手数料を無料とする「投信お引越しプログラム」というお得なキャンペーンを始めたため、口座変更の好ましいタイミングだったと言えるでしょう。
SBI証券では、投信お引越しプログラムに加えて、米国株式の出庫手数料をSBI証券が負担する「まるっとおまかせプログラム」も実施中です。(国内株式については引越しプログラムの対象外)
これらのお得なキャンペーンの効果もあり、SBIホールディングスの決算資料によると2023年10~12月には他社からSBI証券に移管した人が22万人を超え、急増しています。
現在も同キャンペーンが引き続き実施されているので、SBI証券に移管を検討している人はぜひ移管時に出庫手数料の還元手続きを行いましょう。
\新NISAの口座開設におすすめ/
新NISAを別の証券会社に変更する手順
新NISAを証券会社に変更する方法を解説します。新NISA口座の金融機関は、以下の手順で変更が可能です。
- 現在利用しているNISA口座の廃止手続きをし、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を取り寄せる
- 変更先の金融機関でNISA口座の開設手続きを行う
今回はネット証券大手のSBI証券、楽天証券に変更する方法を画像を使って紹介します。
なおNISA口座の金融機関変更を行うためには、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が必要です。
変更前の金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を事前に取り寄せてください。
SBI証券に変更する方法
新NISAの楽天証券からSBI証券への移管方法について、動画で詳しく説明しました。
移管方法が不安な方はこの動画を見ながら一緒に移管をしましょう。
新NISA口座をSBI証券に切り替える方法は、以下の通りです。
- 現在利用している金融機関でNISA口座を廃止手続きをし、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を取り寄せる
- SBI証券のウェブサイトで新規口座開設を申込みを完了させ、「NISA口座開設届出書」を請求する
- 「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と、SBI証券から届いたNISA口座開設届出書を、本人確認書類のコピーとともにSBI証券に郵送する
提出した書類は、SBI証券と税務署で審査されます。問題がなければSBI証券への切り替えは完了となり、新NISA口座の変更が完了です。
\乗り換えには口座開設が必要/
楽天証券に変更する方法
新NISA口座を楽天証券に切り替える方法は、以下の通りです。
- 現在利用している金融機関でNISA口座を廃止手続きをし、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を取り寄せる
- 楽天証券のウェブサイトで新規口座開設を申込みを完了させ、「NISA口座申込書類」を請求する
- 「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と、楽天証券から届いたNISA口座申込書類を、本人確認書類のコピーとともに楽天証券に郵送する
提出した書類は、楽天証券と税務署で審査されます。問題がなければ楽天証券への切り替えは完了となり、新NISA口座の変更が完了です。
\NISA口座開設数No.1/
新NISAの証券会社についてよくある質問
- 新NISA制度では非課税保有限度額があるが、金融機関を変更できるのか?
- 金融機関の変更は可能です。利用者それぞれの非課税保有限度額については、国税庁において一括管理がされており、新NISAでは変更前の金融機関と変更後の金融機関で合計で1,800万円(成長投資枠の上限1,200万円とつみたて投資枠の上限600万円の合計)まで非課税で上場株式や株式投資信託等の保有が可能です。
- 新NISA制度を始める際、2023年までのNISA制度(一般・つみたて)で保有している商品は、売却する必要があるのか?
- 2023年までのNISA制度(一般・つみたて)で保有している商品は売却する必要はありません。一般NISAは購入時から5年間、つみたてNISAは購入時から20年間、そのまま非課税で保有することが可能で、売却も自由です。ただし、非課税期間終了後に、新しいNISA制度に商品を移管することはできないので注意しましょう。
- NISA口座を変更したら保有銘柄はどうなるの?
- 変更前の金融機関で保有している株式や投資信託はそのまま変更前の金融機関で管理されます。売却する場合も変更前の金融機関で行うことになります。商品を他の金融機関に移管することはできません。現行の新NISAは無期限、2023年までの一般NISAの場合は5年、つみたてNISAの場合には20年の非課税期間内で、変更前の金融機関で非課税で売却することが可能です。
- 新NISAの証券会社を変更するにはいつまでに何をしないといけない?
- 新NISA口座の変更をするには、変更したい年の前年の10月1日~翌年9月30日までの期間で変更手続きをする必要があります。手続きは以下の2点が必要です。 なお、変更したい年の1月1日以降にNISA口座で新規買い付けをしている場合は、その年の変更はできず最短で翌年の1月となる点に注意しましょう。