【FX取引】トルコリラの特徴や投資スタイル、人気の理由まで詳しく紹介!
(画像:NET MONEY編集部)

FX取引にはさまざまな通貨ペアが存在します。最近ではトルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨の通貨ペアでの取引も人気を集めています。新興国通貨は高金利なためスワップポイントが高い点が魅力ですが、投資としてのリスクは高いので注意して取引する必要があります。

⚠️ トルコリラ投資に関する重要な注意
トルコリラは2020年代に大幅な下落を経験しました。高金利通貨として人気がありますが、極めて高いリスクを伴います。十分なリスク管理と慎重な判断が必要です。

今回は、そうした新興国通貨の中でもトルコリラに注目し、特徴やFX取引を行ううえでの注意点を紹介します。トルコリラへのスワップ投資を検討する場合には、参考にしてみてください。

この記事の専門家
鈴木拓也(すずきたくや)
コメント協力株式会社フィンテラス代表取締役
詳細はこちら 1987年生まれ。明治大学理工学部卒業、東京工業大学大学院修士課程修了後に、株式会社三井住友銀行に入行し、市場営業部門(東京本店)と香港支店にて為替ディーラー業務に従事。
金融投資教育のWebメディア事業を運営する株式会社フィンテラスを設立し、代表取締役に就任。公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)

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著者金融メディア
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トルコリラはどんな通貨?

トルコは、東ヨーロッパのトラキア地方と西アジアのアナトリア半島にまたがる国です。かつてはオスマン帝国という一大帝国を築き、バルカン半島をはじめ、クリミア半島やアラビア半島、北アフリカなどを支配していたこともあります。

トルコの特徴は、若年層の人口が多いことです。2024年時点でのトルコの人口はおよそ8,500万人を超え、0~14歳の人口割合は依然として高い水準を維持しています。日本での0~14歳の人口割合は12%程度となっており、人口構成の面では将来性が期待される国と言えます。

また、トルコはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に次いで、21世紀有数の経済大国になる可能性を秘めているとされるNEXT11の一つとして扱われています。NEXT11にはトルコのほか、韓国やイラン、ナイジェリアやインドネシア、エジプトやフィリピンなどの国が含まれます。これらの国々と並び、トルコは広大な土地と資源を持つ、成長可能性の高い国なのです。

トルコリラの特徴

トルコリラの特徴は、高金利であることです。ただし、高金利は通貨の不安定性を反映している側面もあり、投資リスクが高いことを示す指標でもあります。参考までに、2026年2月時点での主要国の政策金利は以下のとおりです。

国名 政策金利名 政策金利
日本 無担保コールレート(オーバーナイト物) 0.75%
米国 フェデラルファンド金利 3.50~3.75%
欧州(ユーロ) 中銀預金金利 2.00%
英国 準備預金金利 3.75%
豪州 キャッシュレート 3.85%
ニュージーランド オフィシャル・キャッシュレート 2.25%
スイス SNB政策金利 0.00%
南アフリカ レポ金利 6.75%
カナダ 翌日物金利 2.25%
トルコ 1週間物レポレート 37.00%

※ 上記は2026年2月時点のデータです。
トルコの政策金利は2024年3月の50%をピークに段階的な利下げが実施されており、2026年現在の最新金利については、中央銀行の公式発表をご確認ください。

トルコの政策金利は、ほかの国の金利と比較しても突出して高い水準で推移しています。しかし、高金利はインフレ抑制やリラ安対策のために設定されており、経済の不安定性を示す側面もあります

FX取引においてトルコリラの通貨ペアを選んだ場合、金利差によって高いスワップポイントを受け取ることができますが、為替レートの変動による損失リスクが非常に高い点に注意が必要です。スワップポイントよりも為替損失が大きくなるケースが多く見られます。

トルコリラ円の過去の推移

トルコリラのFX取引を行ううえでは、トルコリラ/円の過去の値動きの推移を把握しておくことが重要です。過去10年間のトルコリラ/円のレート(※年間の平均レート)は以下のとおりです。

レート(1トルコリラ)
2011年 47.9742円
2012年 44.4373円
2013年 51.3400円
2014年 48.3955円
2015年 44.7113円
2016年 36.1153円
2017年 30.7732円
2018年 23.5225円
2019年 19.2412円
2020年(3月時点) 16.9789円
2021年 12.7103円
2022年 7.9861円
2023年 6.0581円
2024年 4.6225円
2025年 3.8063円

このデータからも分かるとおり、2011年以降円高/トルコリラ安が継続されています。2020年以降もこの下落傾向は続いており、2025年には約3.8円まで下落しています。長期的に見て下落トレンドが継続しており、高いリスクを伴う通貨です。

⚠️ 投資リスクについて
トルコリラは高金利通貨として注目されますが、為替レートの下落により投資損失が発生する可能性が非常に高い通貨です。スワップポイント収益よりも為替損失が大きくなるケースが多く、慎重な判断が必要です。

また、2019年4月から2020年3月におけるトルコリラ円のレートの推移は以下のとおりです。

年月 レート(1トルコリラ)
2019年4月 19.4071円
2019年5月 18.1544円
2019年6月 18.5457円
2019年7月 19.0870円
2019年8月 18.9137円
2019年9月 18.8178円
2019年10月 18.6943円
2019年11月 18.9699円
2019年12月 18.6879円
2020年1月 18.4579円
2020年2月 18.1751円
2020年3月 16.9817円

2019年のトルコリラ/円は、緩やかな円高トルコリラ安であったことが分かります。中期的に見ても売りのトレンドが継続していることが分かります。

トルコリラの見通し(2026年2月)

トルコリラは10年以上にわたり長期的に値下がり傾向にあります。
この傾向は2026年現在も変わりなく、周辺諸国との緊張状態が続いています。2025年1月にはアメリカでトランプ大統領が就任し、トルコとの関係にも影響を与える可能性があります。かつてアメリカからの経済制裁によってトルコショックが起こったことからも、周辺諸国との動きには注意が必要です。

トルコリラ投資をするうえで注意したいこと

トルコリラ/円のFX投資をする際には、今後起こる可能性のシナリオについて把握しておくことが大切です。トルコリラ投資をするときに注意しておくべきこととして以下のものが挙げられます。

トルコ経済破綻のリスク

トルコリラへの投資を行うときには、経済破綻のリスクに注意が必要です。トルコは、慢性的な財政赤字と経常赤字が続いています。海外から資金調達をしているうえにトルコリラ安が継続しているので、利子が膨れ上がっている状態となっているのです。

トルコの経常収支は以下のように推移しています。

経常収支
2012年 -470.96億ドル
2013年 -630.64億ドル
2014年 -430.61億ドル
2015年 -320.15億ドル
2016年 -330.14億ドル
2017年 -470.35億ドル
2018年 -270.25億ドル
2019年 +15.01億ドル
2020年 -309.80億ドル
2021年 -62.20億ドル
2022年 -462.80億ドル
2023年 -414.70億ドル
2024年 -104.60億ドル

このとおり、経常収支は慢性的に赤字の状態となっており、このままの状態が続くと経済破綻の可能性もあるといわれています。赤字を補うためにはトルコリラの発行が必要ですが、すでにインフレが過熱しているのでさらなる金利の上昇が起きる可能性があります。その結果、トルコ経済がさらに悪化する恐れがあるので注意が必要です。

政治的リスク

トルコリラへの投資を行う場合には、政治的リスクにも注意が必要です。トルコと米国は、NATO加盟国として同盟の状態が続いています。しかし、2016年に発生したクーデターによる、アンドリューブランソン氏の解放をめぐって米国との関係が崩れています。

その結果、アブドゥルハミト・ギュル法務大臣とスレイマン・ソイル内務大臣の持っていた米国の資産が凍結されました。加えて、トルコからのアルミ製品や鉄鋼の関税が2倍に引き上げられています。そのため、米国との関係が改善されない場合には、トルコ経済は伸び悩む恐れがあるでしょう。

トルコは、地理的に中東諸国との問題も抱えています。首都のイスタンブールで起きたジャマル・カショギ氏殺害事件をきっかけに、サウジアラビアとの緊張状態が続いている状態です。現在では、サウジアラビアに加えて、UAEやエジプトとの対立軸もあり、予断が許されません。

国債格付けの問題

トルコリラのもう一つの懸念材料は国債格付けです。2026年2月時点における、主要国の国債格付けは以下のとおりとなっています。

国名 S&P フィッチ ムーディーズ
日本 A+ A A1
米国 AA+ AAA Aaa
英国 AA AA Aa1
ドイツ AAA AAA Aaa
オーストラリア AAA AAA Aaa
フランス AA AA Aa2
トルコ BB- BB- Ba3

S&Pの場合、格付がBBB-以上ならば投資適格債、BB+以下は投資不適格債とされます。また、フィッチの場合、BBB-以上ならば投資適格債、BB+以下は投資不適格債とされます。ムーディーズについては、Baa3以上ならば投資適格債、Ba1以下は投資不適格債とされます。

トルコ国債の格付けについては、信用力が低く投機的とみなされています。そのため、リスクの高い投資となっているのが現状です。格付けが低いということは、デフォルトになる可能性も高いということであり、急激な通貨変動が起こる可能性があることを頭に入れてFX取引を行う必要があるでしょう。

トルコリラが天国?

トルコリラは高金利からスワップポイントトレードでは天国と呼ばれていた時期がありました。

一時期には金利が19%を超えたこともありましたが、エルドアン大統領は金利の引き上げを嫌う傾向がありました。しかし、2023年以降はインフレ対策として積極的な利上げに転じ、2024年3月には政策金利が50%に達しました。
その後は段階的な利下げが行われ、2026年2月時点では37%となっています。今後の金利動向はインフレ率の推移や政治的要因に左右される可能性があります。

条件別でFX会社を比較

初心者は最低取引単位で選ぶ

FXの最低取引単位は会社によって異なり、取引単位が小さいと少額で取引することができます。

  • 1通貨(ドル/円)→資金100円
  • 10000通貨(ドル/円)→資金45000円

少額取引ならリスクなく、FXの実践経験を積むことができます。

そこで、初心者の方には松井証券のFXをお勧めします。

松井証券のFXは1通貨単位から取引することができるFX会社です。
手数料(スプレッド)も業界最狭水準に設定されていて、FXを始める方におすすめです。

トルコリラのスワップポイント投資は可能?

トルコリラの通貨ペアでFX投資をしている人の中には、スワップポイント目的でエントリーしている人も多くいます。トルコリラは、ほかの通貨と比較してスワップポイントが高く設定されているからです。

2026年2月時点における、トルコリラ/円の通貨ペアの主要FX会社のスワップポイントは以下のとおりです。

FX会社名 スワップポイント(1日/1万通貨あたり)
セントラル短資FX 約28.68円
GMOクリック証券 約28.31円
GMO外貨 約27.32円
サクソバンク証券 約27.07円
インヴァスト証券 約26.38円

引用元: セントラル短資FXGMOクリック証券外為どっとコムみんなのFXインヴァスト証券(2026年2月時点)

セントラル短資FXを利用した場合、1万通貨で1日約28.68円、1年で約10,468円の収益が可能です。ただし、トルコリラは為替レートの下落リスクが非常に高いため、スワップポイント収益を為替差損が上回るケースも多く見られます。慎重な判断が必要です。

スワップポイント投資はリスクがあるといえる3つの理由

トルコリラでスワップポイントの投資を行うときには、以下の3つのリスクに注意しなければなりません。

流動性が低いためファンドに狙われやすい

トルコリラは、米ドルやユーロなどに比べて流動性が低くなっています。そのため、ファンドが売りを仕掛けて個人投資家の買いポジションを狙ってくる可能性があります。

例えば2019年1月にはファンドの仕掛けによって、個人投資家が持っていた87億円相当のトルコリラ/円のポジションが溶かされています。このときには、トルコリラ/円のレートが一時的に9.2%下落しました。

トルコリラ/円のレートが下落している

トルコリラ/円のレートは、長期にわたって下がり続けています。そのため、スワップポイントで利益を得ても、レートのポジションによっては、利益分が相殺されてしまう恐れもあるので注意が必要です。

政策金利が下がる可能性がある

トルコの政策金利は、2026年2月時点で37%となっています。2024年3月には50%まで引き上げられましたが、その後段階的に利下げが実施されています。一例として、トルコの過去の政策金利は以下のとおりです。

年月 政策金利
2011年1月 6.25%
2012年1月 5.75%
2013年1月 5.50%
2014年1月 10.00%
2015年1月 7.50%
2016年1月 7.50%
2017年1月 8.00%
2018年1月 8.00%
2019年1月 24.00%
2020年1月 10.75%
2021年1月 17.00%
2022年1月 14.00%
2023年1月 9.00%
2024年1月 45.00%
2025年1月 45.00%
2026年1月 37.00%

トルコの政策金利は、2023年に9%まで下がった後、インフレ対策として2024年3月に50%まで急激に引き上げられました。その後は段階的に利下げが実施され、2026年1月時点では37%となっています。金利が下がれば、スワップポイントも少なくなるため、利益が得られなくなる可能性もあります。

スワップポイント投資をするなら低レバレッジで

トルコリラ/円でFX投資を行うならば、低レバレッジでエントリーすることをおすすめします。理由は、ロスカットのリスクを軽減できるからです。

例えば1トルコリラが20円のときにエントリーするとします。レバレッジ1倍の場合、トルコリラが0にならない限りロスカットは起こりません。レバレッジ2倍の場合、9円下がったときにロスカットが発生します。ただし、短時間でトルコリラは9円以上の暴落が起こることは考えにくいので安心と言えるでしょう。

しかし、高レバレッジになると状況は変わります。レバレッジ10倍の場合、1.8円下がるとロスカットとなります。レバレッジ25倍にした場合は、0.72円でロスカットです。トルコリラ/円については、2円程度の変動は起こりえます。そのため、1~3倍程度の低レバレッジでエントリーするのがよいでしょう。

ループイフダンで堅実に稼ぐ

ループイフダンとは、決められた値幅ごとに自動で注文を繰り返して、利益が出たところで決済する方法です。スワップポイントを利用することで安定的に稼ぐことができます。ループイフダンの方法を用いてエントリーすれば、円安トルコリラ高になったときは決済益で稼ぐことができるうえに、円高トルコリラ安になったときはスワップポイントで含み損を相殺できます。

ただし、ループイフダンにもリスクはあります。スワップポイントが低い場合は、すぐに含み損を相殺できなくなるでしょう。そのため、スワップポイントの大きさによってリスクの度合いが異なります。

現役FXトレーダーのコメント

まとめ

トルコリラの特徴は、スワップポイントの高さです。政策金利が高いので、ほかの通貨よりも高いスワップポイントを受け取ることが可能です。ただし、経済破綻のリスクや政治的リスクを抱えているため、ループイフダンなどで戦略的な投資をすることがおすすめです。