Uniswap
(画像=PIXTA)

Uniswapは、現在注目を集めている分散型取引所(DEX)の1つです。

安価な手数料や、預けているだけで高い利回りを得られる事で人気の高い取引所であるUniswapですが、利用していく上で危険性やリスクもあります。

今回は登録方法や使い方の手順、実際に取引を行った際に起こり得るUniswapに関するリスクや今後の動きや将来性までをご紹介していきます。

  1. Uniswapとは
    1. 1.AMM型のDEX
    2. 2.Ethereum上で最も使われている
  2. Uniswapの登録から使い方までの手順
    1. 1.Uniswapの登録方法
    2. 2.Uniswapのウォレット接続方法
    3. 3.Uniswapの取引方法
    4. 4.Uniswapにないトークンの探し方
    5. 5.UNIトークンの流動性マイニングのやり方
    6. 6.Uniswapのpoolの使い方
  3. Uniswapの今後の予想・将来性
    1. 1.UNIトークンのこれまでの価格推移
    2. 2.Uniswapの将来性
  4. Uniswapの特徴
    1. 1.手数料が安い
    2. 2.本人確認の手続きが不要
    3. 3.セキュリティが強固
  5. Uniswapの危険性
    1. 1.ハッキング
    2. 2.操作が複雑
    3. 3.ガス代が高い
    4. 4.詐欺トークンも上場している
  6. Uniswapのまとめ

Uniswapとは

Uniswap(ユニスワップ)は、DEXとも呼ばれる仮想通貨の分散型取引所で最も有名な部類に入る取引所です。仮想通貨取引所は特定の企業がサーバーを設置して運営する中央集権的な取引所(CEX)と、このUniswapのような分散型取引所(DEX)に大きく分けられます。

coincheck

DEXには特定の運営企業があるわけではなく、また中央集権的なサーバーも存在しません。利用者同士がDEXを使って仮想通貨の売買をして、その流動性を供給するのも利用者です。本来、分散型のネットワークを構成してブロックチェーンに取引を記録していくのが仮想通貨なので、その考え方を取引所に体現したものであるともいえます。

CEX
(Centralized Exchange)
中央集権的な仮想通貨取引所
Coincheck(コインチェック)、bitFlyer(ビットフライヤー)など、国内の代表的な取引所はCEXに分類される。
DEX
(Decentralized Exchange)
分散型取引所
Uniswap(ユニスワップ)、PancakeSwap(パンケーキスワップ)など、取引はユーザー同士が直接行い、仲介者となる企業は存在しない。

1.AMM型のDEX

分散型取引所で取引を成立させるには、利用者同士が出している注文の条件が一致して「商談成立」となる必要があります。しかし、それだと利用者は好きな価格を提示できるため、価格が相場から乖離していたりすることもあり、うまく売買が成立するとは限りません。

そこでDEXに一度仮想通貨を貯めておいて、それを市場の妥当な価格で売買できるようにする仕組みが考案されました。このようにDEXに仮想通貨を貯めておく仕組みを「プール」、そしてそこから妥当な価格を算出・提示するプログラムを「スマートコントラクト」といいます。

このようにスマートコントラクトによって仮想通貨の取引が円滑になるDEXは、AMM(自動マーケットメイカー)型と呼ばれています。UniswapはAMM型のDEXとして高い知名度を誇りますが、こうした仕組みはDEXで新たな利益を狙うチャンスをもたらしているので、簡単に概要を理解しておいてください。

2.Ethereum上で最も使われている

Uniswapは仮想通貨に関連するサービスなので、Ethereumのブロックチェーン上に存在しています。このEthereumは仮想通貨の名称ではありません。仮想通貨が持つ分散型プラットフォームの名称であり、そこで採用されている「ERC20」という規格に従って発行・使用されている仮想通貨が同じ名前の「イーサリアム(ETH)」です。

分散型プラットフォームとしてEthereumは広く普及していますが、そのEthereum上でUniswapはもっとも多く利用されているDEXという位置付けです。そのためUniswapで上場・取引できるのはEthereumの規格であるERC20に準拠したトークンのみです。

coincheck

ここまでの解説が難しいと感じた方も多いと思います。ここまではUniswapの概要ですが、「とにかく優れた取引所なので利用者が多い」とイメージを理解していただければ問題ありません。

Uniswapの登録から使い方までの手順

実際にUniswapがどんなものか知るためにも登録して使ってみたいという方のために、ここではUniswapの登録方法や利益を上げる方法について解説します。

Uniswapを利用するのには、まず国内の仮想通貨取引所で口座を開設しておく必要があります。取引所で購入した仮想通貨をウォレットへ送金するためなので、どの取引所で開設しても良いですが、ここでは国内最大級のCoincheck(コインチェック)での開設をおすすめします。

コインチェックは初心者でも使い方がわかりやすく、通貨数も17種類と豊富なので、取引に慣れてきた方でも満足できる取引所です。

コインチェック
(画像=Coincheck公式サイトより)

\17種類の仮想通貨が売買可能/

1.Uniswapの登録方法

Uniswap自体には運営会社があるわけではないので、口座開設やそのための審査を受ける必要はありません。そのため特に登録といった手続きはないのですが、Uniswapを利用するにはそこで取り扱う仮想通貨を保管するウォレットが必要です。

bitFlyerやCoincheckなどの中央集権的な取引所であれば口座内にウォレットもついているのであまり意識しませんが、DEXは単に取引機会を提供するだけなので、それを保管しておくウォレットは自前で用意する必要があります。

Uniswapに対応しているウォレットにはいくつかの種類がありますが、「Metamask」というウォレットがメジャーなので、それを利用するのがよいでしょう。ブラウザによってダウンロードの方法が異なるため、Metamaskを使用する場合は次項の解説に進んでください。

2.Uniswapのウォレット接続方法

次にUniswapとウォレットを接続します。まずUniswapにアクセスして、画面上部にある「ウォレットに接続」をクリックします。

Uniswapにアクセス

Uniswap, 使い方

(Uniswap公式サイトより)

ここで「メタマスクのインストール」をクリックし、画面の指示に従ってインストールと接続をしてください。ここから先は英語になりますが、それほど難しい文章は出てこないので、ひるまず先に進みましょう。

3.Uniswapの取引方法

Uniswapでの取引方法は、実にシンプルです。上に自分が売りに出したい仮想通貨を選択、そして下に自分が欲しい仮想通貨を選びます。そして交換したい通貨量を入力して注文を出すだけです。

Uniswap, 使い方

(Uniswap公式サイトより)

4.Uniswapにないトークンの探し方

Uniswapでは誰もが自由に仮想通貨を売りに出すことができるため、すでに1000を超える種類のトークンが売買されています。これだけ多くの種類があるとメジャーな通貨以外のものも多数取引されています。売買画面で一覧にないような通貨であっても取引が可能なので、その場合は検索して探しましょう。

その場合は「ETH」となっている通貨選択タブをクリックし、「トークン名またはアドレス」と書かれている欄に任意のトークン名もしくはアドレスを入れて検索します。

Uniswap, 使い方

(Uniswap公式サイトより)

5.UNIトークンの流動性マイニングのやり方

Uniswapでは、流動性マイニング(イールドファーミング)という方法によって利益を狙うことができます。これは自分の資産を仮想通貨としてUniswapに預け、それによって売買をする人たちに流動性を提供し、その対価として報酬を得る新しい稼ぎ方です。仮想通貨の売買で差益を狙うだけでなく、こうして仮想通貨を預けておくだけで利益を狙えるのはUniswapを含むDEXの面白いところです。

Uniswapに資金を預けておくことで流動性の拡大に貢献すると、Uniswapのトークンである「UNIトークン」がもらえます。もちろんこのUNIトークンも仮想通貨なので、他の仮想通貨に交換することもできます。

coincheck

このように仮想通貨を預けてDEXの流動性の貢献するビジネスのことを「流動性マイニング」、もしくは「イールドファーミング」といいます。

6.Uniswapのpoolの使い方

Uniswapで流動性マイニングをするには、資金を預けるため「プール」を使います。Uniswapの画面上部にあるメニューに「プール」があるので、それを選択します。

Uniswap, 使い方

(Uniswap公式サイトより)

次にプールする通貨をペアになるように選択し、その量を指定します。これで両通貨を預け、流動性の拡大に貢献することができます。この手続きにはMetamaskなどのウォレットが接続されていることが前提で、そのウォレットにあらかじめ保管している仮想通貨の金額が上限になります。

ただし取引手数料としてイーサリアムが必要になるので、ウォレットの全額をプールに入れてしまうのではなく、少しだけ残しておきましょう。

Uniswapの今後の予想・将来性

Uniswapの今後はどうなっていくのでしょうか。DeFi(分散型金融)の一種として、近年取引高を拡大しているDEXのなかでも代表格とされるUniswapだけに、Uniswapの今後は分散型金融システムの将来にも深く関わることになるでしょう。

1.UNIトークンのこれまでの価格推移

UNIトークンはUniswapの基軸通貨のような存在です。このUNIトークンの浮沈を見ることでUniswapの市場からの評価をうかがい知ることができます。それでは、UNIトークンの価格推移を見てみましょう。

2021年になってからUNIトークンは急騰し、1月の異常な上髭を除くと5月に最高値の44ドル台をつけています。その後は下落するもダブルボトム形成後に反騰、比較的安定した値動きが続いています。ここからはUniswapそのものの価値が安定しているとみなすこともできそうです。

2.Uniswapの将来性

先ほど述べたように、UNIトークンの浮沈はDEXとしてのUniswapの価値向上次第といえます。Uniswapの成功に刺激され、他のDEXも着実に取引量を伸ばしているため、今後はDEXの地位が高まることに伴って他のDEXとの競争も視野に入れておく必要があります。

coincheck

イーサリアムのガス代高騰によってUniswapのコスト増も懸念される中、こうした問題を解決して他のDEXとの差別化に成功できれば、Uniswapにはさらなる発展余地があるでしょう。

Uniswapの特徴

Uniswapの特徴を、利用者目線で解説します。もっと多くの特徴がありますが、知っておきたいポイントは主に3つです。

1.手数料が安い

仮想通貨の交換をするために取引所を利用すると、手数料が発生します。中央集権的な取引所ですと、その企業の利益や取引所の運営費用をまかなう必要がありますが、DEXにはそれがありません。売買のマッチングはスマートコントラクトが自動的に行うため、手数料はかなり安くなります。

2.本人確認の手続きが不要

誰でも好きな時に好きな通貨を売りに出し、それを買うことができるのがDEXです。運営主体がないため、もちろん仮想通貨を売りに出す際の審査はなく、口座を開設する際に本人確認の手続きもありません。

このため、未成年者や何らかの事情で既存の取引所で口座開設の審査に通らない人などであってもUniswapであれば簡単に利用できます。こうしたことへの是非を問う声はありますが、誰でも自由に参加できるというのは、DEXが持つ一つの思想でもあります。

3.セキュリティが強固

UniswapはEthereumのブロックチェーン上に存在する取引所です。ブロックチェーンが優れているのは、分散型のネットワークで取引台帳を記録していることです。これによって一部の取引台帳だけを改ざんしたとしても、残りの台帳の内容と一致しなければ不正とみなされ、訂正されます。

Uniswapもこうした仕組みによって運営されているため、取引所での不正行為も同様に困難です。ハッキングや改ざんなどに強いことは、大切な財産を扱う取引所として極めて重要な機能です。

Uniswapの危険性

仮想通貨を預けておくだけで高い利回りが得られるとして人気のUniswapですが、もちろんリスクや危険性もあります。どんなリスクがあるか見ていきましょう。

1.ハッキング

ブロックチェーンそのものがハッキングや改ざんに強いことはよく知られていますが、だからといってハッキングの可能性が全くないわけではありません。

Uniswapを含むDEXではスマートコントラクトが取引の中枢を担っているわけですが、このスマートコントラクトに不具合が起きてしまうと、中枢部分を乗っ取られる可能性があります。それによって実際に巨額の仮想通貨が盗まれる事件も起きています。

2.操作が複雑

当記事の解説をお読みになって、仮想通貨のことを全く知らない状態の方がUniswapを使いこなし、流動性マイニングで利益を上げるとなると、かなりハードルが高いと感じたのではないでしょうか。

慣れている方にとってはそれほど難しくない概念や操作性ですが、初めての方にハードルが高いことは否めません。これは今後も新しい技術が誕生し、それが普及していく過程において同様のことが起きると思われるので、操作の難しさに起因する操作ミスで資産を失ってしまうリスクも否定できません。

3.ガス代が高い

「ガス代」とは仮想通貨業界の俗語で、取引に要する手数料のことです。これは取引所に支払うものではなく、主にイーサリアムのブロックチェーンで発生した取引に伴って発生する手数料のことです。

UniswapはEthereumのブロックチェーンに依存しているため、Uniswapでの取引手数料も仮想通貨イーサリアムでの支払いになります。しかしイーサリアム自体の取引量が増大することによってコスト(ガス代)が高騰し、Uniswapでは手数料が安く抑えられていても、イーサリアム決済のガス代が高くなってしまっては意味がありません。

今後さらにイーサリアムのガス代が高騰するとUniswapの価格優位性が損なわれてしまうかもしれません。

4.詐欺トークンも上場している

Uniswapの特徴について、誰でも自由に仮想通貨の売買ができて本人確認も不要と述べました。この段階で「ちょっと怪しいのでは?」と思われ方もおられるでしょう。実はその懸念が現実になるような、詐欺トークンの問題があります。

実在する仮想通貨に似た名前のものや、そもそも何なのかもわからないような仮想通貨を上場し、実在する仮想通貨と交換して持ち逃げをするといった犯罪も可能になってしまいます。

こうした詐欺トークンの被害事例もあるため、怪しげな通貨を買わないようにするなど自己防衛が求められます。

Uniswapのまとめ

DeFi(分散型金融)の成功例ともいわれるDEXの筆頭格、Uniswapについてその概要や仕組み、稼ぎ方などを解説してきました。とても魅力的で将来性も豊かなUniswapですが、日本の金融庁の監督下にあるわけではなく日本の法律も及ばないので、投資は自己責任であることを忘れないようにしてください。