田中さん提供
(画像=田中さん提供)

アメリカン・エキスプレス®・プラチナ・カード(以下、アメックス・プラチナ・カード、もしくはアメックス・プラチナ)は、一定の信用と実績のある人のみが保有できるステータスカードです。

本記事では、アメックス・プラチナをはじめ、数々のステータスカードを保有する田中さん(仮名、30代会社役員、東京都在住)に、ステータスカードを入手した経緯や、カードの活用方法について話を伺いました。

ステータスカードを活用するうえでの実用的なヒントや、エリート会員だけが享受できる特典について紹介します。

16万円を超える年会費を払ってでも「十分ペイする」という、ステータスカードのメリットとは?

ハイエンド層のみぞ知る、上質なライフスタイルをこっそり覗いてみましょう。

プロフィール

学生時代、アメックス・グリーン・カードに申し込み

ーー田中さんは数々のステータスカードを持っていますが、一番よく使うのはどのカードですか?

田中さん

アメックスのカードをよく使っています。普段の買い物はアメックスで一本化していて、水道光熱費、日々の買い物、出張・航空券の手配もすべてアメックスです。家族で会員になっていて、家族カードの利用分も私に請求されます。

アメックス
(画像=田中さん提供)

ーー初めてアメックスのクレジットカードを手に入れた経緯について教えていただけますか?

田中さん

学生時代、アメックスから郵送DMでグリーンカードの提案が来たのがきっかけですね。もともと、アメックスブランドに魅力を感じていて、社会人になってクレジットカードを作るならアメックスを作りたいと思っていたので、すぐに申し込みました。

アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード

アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード

ーーそのときはグリーンカードを選ばれたんですね?

田中さん

そうです、最初はグリーンカードでした。学生だからまだ支払い実績がなかったんです。それまで伊勢丹のカードは親の家族カードとして持っていたのですが、自分名義のクレジットカードはそれが初めてでした。

3ヵ月でアメックス・ゴールド・プリファード・カード(※)にランクアップ

ーーその後、ゴールド・カードにランクアップするまでどのぐらいかかりましたか?

田中さん

結構、早かったです(笑)。

アメックスのカードを主に使い始めたのは社会人になってからで、新卒1年目で1ヵ月におよそ30万円ぐらい使っていたら、3ヵ月ほどですぐアメックス・ゴールド・カードのインビテーションが届きました。

※当時のカードはアメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カードですが、現在はアメリカン・エキスプレス®・ゴールド・プリファード・カードへの名称変更とリニューアルがされています。

アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・プリファード・カード

アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード

ーー月に30万円はどのように使っていたのですか?

田中さん

新卒で商社に勤めていたのでコンパの支払いとか、スターバックスでカードをチャージしたり、コンビニで1000円以上の買い物をしたりするときにも使っていましたね。基本、自炊はせず外食をしているので、食費も結構多かったんじゃないかな。あとは携帯電話、通信費、電気代などのライフラインの支払いは基本的にクレジットカードでした。

ーー外食はどのくらい頻繁にしていたんですか?

田中さん

商社にいた頃、よく外食をしていましたね。単価が高いエリアで、ピザ屋さんなどに先輩や同期とよく行きました。

ーーゴールドカードのDMが来たとき、とても喜んだのでは?

田中さん

もともとクレジットカードのブランドには詳しくてどんなものかはわかっていたので、「おー、来たか」くらい。その特典を最大限に活用しようとは思いました。

社会人2年目でアメックス・プラチナ・カードのインビテーション

ーープラチナカードを手に入れるにはどのくらい時間がかかりましたか?

田中さん

社会人2年目ですぐにインビテーションが来ました。早かったですね。これはさすがにうれしくてSNSで友人にも報告しました(笑)。

ただ、年会費が15万円プラス税で16万円以上するので、さすがに費用対効果を考えて、すぐには作りませんでした。

ーープラチナカードのインビテーションが届いた後もしばらくはゴールド・プリファード・カードを利用し続けていたわけですね。

田中さん

はい。ただ、プラチナカードのインビテーションはその後も半年に1回くらいのペースで届いていて、それなりの封筒に入って、キャッチコピーもいろいろ書いてあるわけですよ。栄光のなんとかとか、ステータスシンボルとか……正確なコピーは覚えていませんけど。DMはとっておきましたね。

ずっしり重く、高級感あふれるメタルカード

プラチナカード
(画像=田中さん提供)

ーープラチナカードを手に入れたのはいつだったんですか?

田中さん

その後、商社を辞めて一度家業に入りまして、2016年か17年くらいだったと思うのですが、プラチナカードのインビテーションが引き続き届いていたので、申し込みました。

ーーアメックス・プラチナのメタルカード(金属製のカード)は2018年ごろ日本に上陸したので、田中さんが申し込んだ頃はまだ金属製ではなかった?

田中さん

そうです、アメリカで初めてメタルカードが導入され、その後日本でも導入されましたよね。「メタルカードが日本で導入される」というのがわかったとき、私は早く欲しかったのでアメックスの担当者に電話しましたよ。「いつぐらいにメタルカードが届きますか?早く見たいんですけど」って(笑)。結局、1週間かもう少しぐらい日数はかかったかもしれません。
手元に届いたときはさすがに感動しましたね!

16万円の年会費を超えるメリットとは?

ーーそうして手に入れた念願のプラチナカードですが、年会費は税込16.5万円もします。当初、申し込みをためらっていたと思うのですが、どのように活用しているんですか?

田中さん

正直な話、このプラチナカードを持つ理由が「見栄」っていう人が8割くらいいるんじゃないかと私は思っていて、実際にサービスを活用している人はそんなに多くはないんじゃないでしょうか。

私の場合だと、例えば出張の航空券を取るときに使います。本当は航空会社のステータスカードで取るほうがいいんですが、アメックス・プラチナのポイントの還元率が高いから使っているんです。

ーーその他にもありますか?

田中さん

アメックス・プラチナカードになると、ヒルトングループやマリオットグループのゴールドステータスが自動で取得できるんですよ。それで、高級ホテルにすぐに宿泊できるのもいいですね。出張のときに高級ホテルに泊まることも多々あって、ホテルの部屋をアップグレードしてもらえることもあるんです。

田中さん

ヒルトングループでは、ヒルトン・オナーズ会員特典としてゴールド以上になると飲食代が25%割引になるので、ホテル内での飲食はかなりお得になります。

ーー部屋代のアップグレードは無料でできるんですか?

田中さん

アップグレードは無料ですよ。通常、外資系ホテルでいい部屋にアップグレードすると数万円はかかるところ、年間20泊分くらいアップグレードしているので、年間16万円の年会費はペイしていると思います。

部屋代のアップグレード
(画像=田中さん提供)

ーー職業柄、出張も多いということなのですが、年間どれぐらいホテルに宿泊しているんですか?

田中さん

1年で150泊以上はしますけど、アップグレードしているのはそのうちの1割程度ですよ。でも、アップグレードされる確率は高いですし、チェックアウトの時間を延ばしてもらえるから良いんですよね。

ーーチェックアウトの時間も伸びるんですね!

田中さん

ホテルの空き状況にもよりますけれど、12時から16時ぐらいまで伸びますよ。

あとは、ファイン・ホテル・アンド・リゾートっていうサービスも良くて、結構利用していますよ。

ファイン・ホテル・アンド・リゾート
(画像=NET MONEY編集部撮影)

ーー「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」を活用すると、世界中の一流ホテルでアーリーチェックインや部屋のアップグレードができるようですね。

田中さん

あと、朝食が2名分無料になるサービスもありますよ。100米ドル分(約1万4,000円分)のエクスペリエンスクレジットで、ホテル内の飲食ができたりもしますね!これは世界共通のシステムなので、ハワイで使ったこともあります。

「フリー・ステイ・ギフト」といって一流ホテルに1泊大人2名まで無料で泊まれるサービスもあって、家族でよく活用していますね。

フリー・ステイ・ギフト
フリー・ステイ・ギフト
(画像=いずれも田中さん提供)

コンシェルジュを活用しレストランの提案・予約も

ーープラチナ会員向けのコンシェルジュサービス「プラチナ・コンシェルジュ・デスク」はどのように利用していますか?

田中さん

レストランの予約を取ってもらったり、提案をもらったりします。「今度、友人と食事したいんですけど関西でこういうときに使うお店ってどうですか?」と聞いたら、予算に合わせてそれなりのグレードのお店で窓際のいい席とかをとってくれますね。コンシェルジュの人は予約状況もすぐ調べられるので、話が早いです。

24時間、365日対応してもらえるのですが、ときどき「この人、寝起きかな~?」と思うこともあります(笑)。

ーーアメックスのプラチナカードは月々いくらぐらい使っているんですか?

田中さん

平均すると月60~80万円くらいですかね。私の場合は生活費や自分の外食費ももちろん含まれていますが、出張費が一番大きいです。家族会員の分の請求も私に来ているのでそういったものがいろいろ重なってこの金額になっている感じです。

コロナの影響で出張が減ったときは利用額がガクンと減ってしまいましたけど。

ーーブランド品もたくさんお持ちということですが、そういったものの購入はしないんですか?

田中さん

ブランド品については主に伊勢丹で買い物をしていて、伊勢丹のカードを使っているのでアメックスを使うことはほとんどないかな。

アメックスでブランド品を買うときは、大体が路面店での購入です。それでも、エルメスなどでは割引がないので、それらのブランドは伊勢丹とアメックスを使い分けています。

目指すはアメックスのブラックカード「センチュリオン」

ーー今後、アメックス・プラチナカードのさらに上を目指しますか?

田中さん

私の目標はアメックスのブラックカード「アメックス・センチュリオン」を手に入れることです。ただ、それは起業するなどの大きな動きがない限りは難しいかもしれません。

ーープラチナカードは今や申込制になってしまいましたが、センチュリオンカードは現在もアメックス・プラチナ・カードで実績を積んだ一部の人のみに声がかかるインビテーション制とされていて、公式サイトには情報がまったくありません。「幻のブラックカード」と呼ばれることもあります。そのブラックカードを手に入れるためにはどれほどの使い方や金額が必要なんですか?

田中さん

都市伝説とかいろいろありますけどね、私は身内でセンチュリオンを持っている人がいるのでなんとなくわかっているところがあって。

その人の世帯年収は、本人と奥さんを入れて3億円は超えているのではないかと思います。

ーーその方のご職業はやはり経営者でしょうか?

田中さん

そうです。その身内が言うところによると、年間3,000万円使います、とかじゃなくて、一度に大きな金額を使うことが彼の特徴ですね。たとえば、アメックスで年間3,000万円使うとしても、これを1回でという、大胆な使い方をすることが多いんです。

なので、ブラックカードを持つにはたくさん使うことに加えて、一度にまとまった金額を使うというのも大事なんじゃないかなと私は思っています。

アメックス・センチュリオン保有者の実態とは?

ーーアメックス・センチュリオンを保有している身内の方は、一度に3,000万円をどのようにして使っているんですか?

田中さん

例えば、彼は毎年ハワイに家族旅行に行っています。親や甥っ子など、親戚一同を連れて行って、全員の航空券をビジネスクラスで一括購入します。4歳児とかもビジネスクラスなんですよ(笑)。それに、ホテル代も含めると、一度の旅行で約1,000万円かかることもあります。

彼はブランド物が好きで、いかにもというブランド物を着てはいますが、カードでクルマを買うといったことはしなくて、旅行みたいな「コト消費」でドーンと使っていますね。

ーー田中さんもその方のブラックカードを見たことはあるんですか?

田中さん

ブラックカードを触らせてもらったことがあるのですが、材質がチタンなんですよね(※)。プラチナは単なる「メタル」なのですが、材質の高級さが最大の違いですね。さらに、ブラックカードはマットなつや消しの仕上げが施されていて、見た目もとてもクラスが高いです。

※編注:2023年現在、チタン製のカードは廃止されメタル製になったという情報が一部ネット上であります

ーーブラックカード、持てそうですか?

田中さん

持ちたいですね!でも、私自身は年間で1,000万円弱ぐらいはアメックスカードだけで使っていますが、ブラックカードとなるとそういうレベルじゃないんですよ。

あるとき、百貨店で扱っていないブランドの時計が欲しくなって注文して買おうとしたら、たしか350万円ぐらいだったと思うのですが、アメックス・プラチナ・コンシェルジュデスクに聞いてみたんですよね。そしたら、「高級なものを買うなら早めに言ってもらえれば500万円ぐらいは(カードを)切れるようにしておきます」って言われました。

結局、その時計は手に入らなくて買えなかったのですが、ブラックカードは上限はリミットレス。

起業しないとさすがに無理かなぁ……。

百貨店外商カードの活用法とは?

取材をした日、田中さんが身に着けていた時計や指輪、財布などはどれもブランド物ばかり。てっきり、アメックス・プラチナ・カードを使って購入したのかと思いきや、「ブランド品は百貨店の外商カードを使っているんです」と田中さん。

聞けば、三越伊勢丹、高島屋など有名百貨店の外商カードはほぼすべて持っているのだとか。インタビュー後半は、外商カードの活用術を伺います。

田中さんインタビュー後編へ続く)