投資はある程度まとまった金額が必要なイメージが根強いが、最近では少額投資ができる商品や制度が増えている。十分な資産がない投資初心者でも、少額投資がしやすい証券会社で口座を開設すれば、簡単に投資を始められるだろう。

本記事では、投資初心者向けの少額投資について解説する。商品や制度ごとにおすすめの証券会社も紹介するので、証券会社選びの参考にしていただきたい。

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  1. 少額投資は100円から始められる
  2. 主な少額投資
    1. 投資信託
    2. ポイント投資
    3. 単元未満株(ミニ株)
    4. おつり投資
    5. ロボアド
    6. FX
    7. 少額投資非課税制度(NISA・つみたてNISA)
    8. 個人型確定拠出年金(iDeCo)
  3. 少額投資ができる証券会社
    1. SBI証券
    2. 楽天証券
    3. マネックス証券
    4. auカブコム証券
    5. LINE証券
  4. 少額投資についてよくある疑問や質問
    1. 少額投資は意味がないと聞いたことがありますが本当ですか?
    2. 投資初心者は何から始めればいい?
  5. 投資初心者は少額投資から始めよう

少額投資は100円から始められる

投資信託、ポイント投資、おつり投資、FXなら100円という少額から投資が始められる。
給料日前の余剰資金で投資することも可能だ。お金を貯めてから投資を始めるのではなく、まずは100円からでもよいので始めてみよう。

少額投資を始めるなら、アプリで簡単に投資信託が積み立てられるSBI証券のつみたてNISAがおすすめだ。

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主な少額投資

主な少額投資の種類としては、制度であるNISAやiDeCoも含めると8つある。どの商品や銘柄を選ぶかにもよるが、最低投資金額は100円~1万円だ。ポイントを貯めている人ならお金を使わず投資できる場合もある。

■主な少額投資の最低投資金額

投資信託 100円
ポイント投資 0円(※)
単元未満株(ミニ株) 500円程度
おつり投資 5円
ロボアド 1,000円
FX 約5円
NISA 100円
iDeCo 月5,000円
(2023年5月10日時点)
※0円で投資するには投資金額分のポイントが必要

投資信託

投資信託とは

不特定多数の投資家から集めたお金をプロが運用する商品のこと

運用成果は、それぞれの投資家が投資した金額に応じて分配される。運用対象は株式、債券、不動産(リート)、商品(コモディティ)、複数の商品を組み合わせたバランス型がある。

最近では、信託報酬などの手数料が安いインデックスファンドが人気だ。

インデックスファンドとは

日経平均株価やNYダウなどの指数に連動した運用を目指す投資信託のこと

一方で、指数を上回る運用を目指すアクティブファンドは、手数料が高いだけでなく、期待したほどの利益が出ないこともある。

投資信託は、できる限り手数料が安い商品を選ぶことが大切だ。手数料の詳細は、以下の関連記事を参考にしてほしい。

投資信託を買うときは、金融機関選びにも気をつけたい。銀行は証券会社と比べて取扱銘柄数が少ない傾向にあり、手数料が安い商品を扱っていないこともある。

取扱銘柄数が豊富なネット証券のほうが、手数料の安い投資信託を選びやすいのでおすすめだ。

■取扱銘柄数の比較表

  SBI証券 楽天証券 マネックス証券 auカブコム証券 松井証券 GMOクリック証券 岡三オンライン証券 DMM株
投資信託 2,639 2,630 1,354 1,645 1,695 133 303
つみたてNISA 195 192 169 192 190

投資信託を少額投資で始めるなら、取扱銘柄が豊富でアプリから投資信託の注文ができるSBI証券を選ぼう。「かんたん積立 アプリ」を利用すれば、つみたてNISAを含む投資信託の積立がアプリで完結可能だ。

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ポイント投資

ポイント投資ができる証券会社では、現金の代わりにポイントで投資信託や日本株(単元未満株)、米国株が買える。証券会社によって対応ポイントや商品は異なるが、楽天ポイント、Pontaポイント、Tポイントなどが投資に利用可能だ。

ポイント投資の詳細は、以下の記事をチェックしてほしい。

ポイント投資を始めたい人は、普段から貯めているポイントが対象になっているか確認しよう。たとえ対象商品が多くても、投資に使えるポイントを貯めていなければ意味がないからだ。

■ポイント投資の比較表

  SBI証券 楽天証券 マネックス証券 auカブコム証券 松井証券 GMOクリック証券 岡三オンライン証券 DMM株
対象ポイント ・Tポイント
・Pontaポイント
・Vポイント
楽天ポイント マネックスポイント Pontaポイント 松井証券ポイント DMM 株ポイント
投資信託
つみたてNISA
(※)
単元未満株
米国株
※Vポイントは非対応

ポイントにこだわりがないなら、対象ポイントが貯めやすく投資にも使いやすい楽天証券がおすすめだ。
 

楽天証券ポイント投資画像

引用元:楽天証券

楽天グループには楽天市場、楽天銀行、楽天カード、楽天モバイルなど、普段の生活で利用しやすいサービスが揃っている。
楽天グループのサービスを利用すればするほど楽天市場のポイント還元率が上がるため、ほかのポイントと比べて楽天ポイントは貯めやすいと評判だ。

ポイント投資をきっかけにしてお得に少額投資を始めたいなら、楽天証券を選んでみよう。

\楽天ポイントで投資ができる/

単元未満株(ミニ株)

単元未満株は、100株未満の日本株のことだ。日本株は原則として100株ずつでしか買えないが、単元未満株を扱う証券会社なら1株から買える。

1株から買えるなら、トヨタをはじめとした日本を代表する企業の株も1万円以内で購入可能だ。単元未満株で少額投資を始めたい人は、対応しているネット証券を選ぼう。

■単元未満株の比較表

  SBI証券 楽天証券 マネックス証券 auカブコム証券 松井証券 LINE証券 GMOクリック証券 岡三オンライン証券 DMM株
銘柄数 3,800
以上
473 3,800
以上
3,800
以上

(売却のみ)
3,800
以上

(売却のみ)
3,800
以上

(売却のみ)
購入手数料 無料 0.0022 無料 0.55%
(52円~)
0.35~0.7% 0.66~1.1%
(220円~)
売却手数料 0.55%
(55円~)
11円+0.22% 0.55%
(52円~)
0.55%
(52円~)
0.55% 0.35~0.7% 2.2%または1,100円 0.66~1.1%
(220円~)
550円

単元未満株への投資でネット証券を選ぶなら、SBI証券がおすすめだ。取扱銘柄数が多く、手数料無料で株が買える。同じ会社の株を少しずつ買って合計100株にすれば、売却時の手数料も無料にできる。配当や優待目的で単元未満株に投資するなら、SBI証券を選ぼう。

\手数料無料で単元未満株が買える/

おつり投資

おつり投資とは、その名の通りお釣りで指定商品を購入して投資することだ。運用方法は選べても数種類しかないが、サービス会社によっては一度設定すれば5円から自動的に投資してくれる。

代表的なおつり投資サービスとしては、「トラノコ」「マメタス」「THEO+ docomo」などが挙げられる。お釣りでコツコツ投資したい人は、ぜひチャレンジしてみよう。トラノコの詳細は、関連記事をチェックしてほしい。

ロボアド

ロボアドはロボアドバイザーの略で、AIを活用して投資診断やアドバイス、運用を行うサービスのことだ。

ロボアドにはアドバイス型と投資一任型の2種類あるが、一般的には投資をすべておまかせする投資一任型をロボアドと呼ぶ。

投資一任型のロボアドで最も人気のあるサービスはウェルスナビだ。オリコンの顧客満足度調査で2年連続の総合1位を獲得している。

ウェルスナビ

引用元:ウェルスナビ

商品の選定や投資割合の調整をすべておまかせできるだけでなく、商品から発生する分配金や手数料の透明性も高い。

ウェルスナビはNISAにも対応している。分配金や利益に対して税金を払うことなくロボアドが始められる点は魅力的だ。ロボアドで少額投資を始めたい人はウェルスナビを使ってみよう。

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FX

FXは外国為替証拠金取引とも言われ、米ドルをはじめとした外貨に投資するものだ。同じく外貨に投資する外貨預金とは、仕組みが大きく異なる。

■FXと外貨預金の違い

  FX 外貨預金
取引コスト
(米ドル/円)
0.2銭
(※)
6銭
(※)
レバレッジ 1~25倍 不可
倒産時の保護 あり なし
(2023年5月10日時点)
※FXは外為どっとコム、外貨預金は住信SBIネット銀行のコストを参照

FXはハイリスクなイメージがあるものの、レバレッジを1倍にすれば外貨預金と同程度のリスクしかない。

低コストで外貨への投資を考えている人は、FXを始めてみよう。

FXの始め方は以下の記事で解説している。興味がある人は要チェックだ。

少額投資非課税制度(NISA・つみたてNISA)

利益や配当金、分配金が非課税になるNISA、つみたてNISAは、少額投資を考えている人が覚えておくべき制度だ。

通常の証券口座(課税口座)と異なるNISA口座を開設することで利用できる。

証券会社では課税口座とNISA口座を同時に開設できるので、まだ開設していない人は検討してほしい。

2023年まではNISAまたはつみたてNISAの選択制になっている。つみたてNISAを選ぶ場合は、投資対象が大きく制限される点に注意しよう。

■NISAとつみたてNISAの比較表

  NISA
(一般NISA)
つみたてNISA
年間投資枠 120万円 40万円
非課税保有期間 5年
(2027年まで)
20年
(2042年まで)
投資対象 単元未満株
日本株
米国株
投資信託
ロボアド
一部の投資信託
(227本)
参照:金融庁

なお、一般NISAやつみたてNISAは2023年12月末までの制度だ。

2024年1月からは新しいNISAが導入される予定となっている。2023年に一般NISAやつみたてNISAを開設した人でも、2024年からは新しいNISAに自動的に切り替わるので心配はいらない。

少額投資を始めたいなら今すぐNISA口座を開設しよう。

口座を開設するなら、取扱商品が豊富な証券会社を選ぼう。

■NISA、つみたてNISAで購入できる商品の比較表

  SBI証券 楽天証券 マネックス証券 auカブコム証券 松井証券
投資信託
(つみたてNISA)
2,639本
(195本)
2,630本
(192本)
1,354本
(169本)
1,645本
(192本)
1,695本
(190本)
単元未満株
日本株
米国株
IPO
(2023年6月20日時点)

一般NISAやつみたてNISAで少額投資を始めるなら、取扱商品が充実しているSBI証券がおすすめだ。投資信託やポイント投資をするなら「つみたてNISA」、単元未満株に興味があるなら「NISA(一般NISA)」を選ぼう。

\取扱商品が充実/

個人型確定拠出年金(iDeCo)

iDeCoとは、国民年金や厚生年金とは別に加入できる私的年金制度だ。月5,000円(年間6万円)の掛金から始められ、掛金が全額所得控除される点が特徴だ。

生命保険と同様に年末調整や確定申告で控除が受けられ、税制面では生命保険よりも有利と言われている。

例えば、年収300万円の人が年間6万円の掛金を支払った場合、年間9,000円程度の節税効果がある。

ただし、開設時に2,829円の手数料がかかるだけでなく、一度開設すると原則60歳まで年間1,000~2,000円程度の口座管理料を払い続けることになる。

また、障害や死亡を除き、途中でiDeCoから脱退することは原則認められない

60歳まで安定的に掛金を拠出できる可能性が高い会社員や公務員なら、有効な節税策のひとつだ。iDeCoに興味がある人は以下の記事も読んでみよう。

少額投資ができる証券会社

少額投資ができる証券会社は主に5社ある。ここで紹介していない証券会社でも少額投資は可能だが、ポイント投資や単元未満株への投資を考えているなら以下の5社から選ぼう。

■少額投資ができる証券会社の比較表

  SBI証券 楽天証券 マネックス証券 auカブコム証券 LINE証券
投資信託 2,639本 2,630本 1,354本 1,645本 32本
ポイント投資
(対象商品)
投資信託 ・投資信託
・国内株式
(単元未満株を含む)
・米国株
投資信託 ・投資信託
・単元未満株
・投資信託
・国内株式
(単元未満株を含む)
単元未満株
(購入手数料)
無料 0.0022 無料 0.55%
(52円~)
0.35~0.7%
つみたてNISA 195本 192本 169本 192本 9本
(2023年6月20日時点)

SBI証券

SBI証券は、おつり投資以外の少額投資をすべて取り扱っているだけでなく、銘柄数も豊富なネット証券だ。

NISA(一般NISA)も使いやすく、個人投資家に人気のあるIPO(新規公開株)が買えない楽天証券や、米国株が買えないauカブコム証券のような制約がない。

スマホアプリにも力を入れている。つみたてNISAを含む投資信託の積立注文ができる「かんたん積立 アプリ」や、単元未満株を含む日本株の注文ができる「SBI証券 株アプリ」など、用途に応じた使い分けが可能だ。

取引手数料も業界最安水準を謳っているので、コスト重視の人も安心して取引できる。どれか1社だけを選ぶなら、万能型のSBI証券を検討してみるとよいだろう。

\少額投資でも取扱商品が豊富/

楽天証券

楽天証券は、楽天ポイントが投資に使えるネット証券だ。ポイント投資では、投資信託はもちろん、単元未満株を含む日本株や米国株、簡易的なFXにあたるバイナリーオプションにも対応している。

楽天グループのサービスを普段から使っていて、楽天ポイントが貯まっている人なら0円から投資が始められる。楽天ポイントは1ポイント(=1円)から利用可能だ。ポイント投資に興味がある人は、楽天証券で少額投資を始めてみよう。

\楽天ポイントで0円投資/

マネックス証券

マネックス証券は、年会費実質無料のクレジットカードで投資信託を積み立てる際、高いポイント還元率が期待できるネット証券だ。

年会費実質無料のクレジットカード同士で比べると、SBI証券や楽天証券が0.5%の還元率であるのに対し、マネックス証券は1.1%もある。

また、米国株購入時の為替手数料が無料になるのもマネックス証券の魅力だ。投資信託積立時のポイント還元率や、米国株の購入コストを重視する人におすすめの証券会社といえるだろう。

\クレカ積立や米国株に強い/

auカブコム証券

auカブコム証券は、auを使っている人やau PAYカードを持っている人にお得なネット証券だ。

au PAYカードで投資信託を積み立てると、1.0%のPontaポイントが貯まる

また、au回線の利用者にメリットがある点も見逃せない。「auで株式割」の対象者であれば、日本株の取引手数料が1.0%割引となる。

ほかにも、auカブコム証券にNISA口座を持っていると、日本株の取引手数料が最大5.0%割引される「NISA割®」も要チェックだ。

取扱商品ではSBI証券、楽天証券、マネックス証券に及ばないものの、au PAYカードを持っている人やPontaポイントをよく使う人にとっては、選択肢のひとつになるだろう。

\Pontaポイントが貯まる/

LINE証券

LINE証券は、LINEアプリだけで投資が始められるスマホ証券だ。

LINEポイントを持っている人なら、入金にポイントを利用することで事実上のポイント投資ができる。単元未満株や投資信託も取り扱っており、ほかのネット証券と比べて手軽に少額投資できる点が特徴だ。

取扱商品や銘柄数はほかの4社に劣るものの、LINEポイントをよく使う人で手軽に投資を始めたい場合は検討してみるとよいだろう。

\LINEアプリで投資ができる/

少額投資についてよくある疑問や質問

ここでは、少額投資についてよくある疑問や質問をまとめている。何から始めたらよいか、そもそも始めるべきなのか迷っている人は確認しよう。

少額投資は意味がないと聞いたことがありますが本当ですか?
投資は資金力がモノをいうのは事実だが、少額投資に意味がないわけではない。投資金額がどんなに少なくても、利益率は変わらない。投資経験を積むためにも、まずは少額投資からスタートするのがおすすめだ
投資初心者は何から始めればいい?
特にこだわりがないなら、100円から買える投資信託から始めてみよう。SBI証券でつみたてNISAを開設し、月100円からでもよいので積み立てるのがおすすめだ。

投資初心者は少額投資から始めよう

少額投資はリターンが小さい一方で、失敗しても損失の少ない点がメリットだ。初心者なら、まずは少額から投資に慣れてみよう。少額投資で成功体験を積めば、まとまったお金で投資をするときにも役立つ。

少額投資を始めるなら、まずはSBI証券で口座を開設しよう。SBI証券なら7種類の少額投資に対応しているだけでなく、取扱銘柄数もほかの証券会社より豊富だ。

SBI証券は日本株の個人売買代金シェアで4割以上を獲得しており、投資経験者からも支持されている。少額投資はもちろん、投資経験を積んだあとでも使いやすい証券会社といえるだろう。

\初心者からプロまで使いやすい/