つみたてNISAおすすめ銘柄の組み合わせは?初心者に適した証券会社も紹介
(画像=NET MONEY編集部)

つみたてNISA(新NISAつみたて投資枠)のおすすめ銘柄は、WebメディアやSNSなどで多数取り上げられています。

おすすめ銘柄を見た人の中には、「数が多すぎてなにを買えばいいのかわからない」「1銘柄でいいのか、複数銘柄買ったほうがいいのか」「複数銘柄買う場合はどう組み合わせるのがよいのか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

本記事では、つみたてNISAの銘柄をどう組み合わせるのがおすすめかを解説します。リターンやリスクに対する考え方別に組み合わせ例も紹介しているので、どの銘柄を選べばいいのかわからない人は参考にしてみてください

  1. つみたてNISAの銘柄はいくつ組み合わせればいい?
    1. 海外株式に投資するインデックスファンドなら1銘柄で十分
    2. リスクを抑える目的で2銘柄以上組み合わせるのはあり
  2. つみたてNISAのおすすめ銘柄の組合わせ例
    1. 例①積極的にリターンを追求したい人
    2. 例②リスクとリターンのバランスを取りたい人
    3. 例③できる限りリスクを抑えたい人
  3. 個人投資家が実際に運用している銘柄の組合わせを紹介
  4. つみたてNISAで銘柄を組み合わせるときの注意点
    1. 投資先が似ている銘柄同士ではリスク分散にならない
    2. 銘柄が多すぎると管理しづらい
  5. つみたてNISAで銘柄を組み合わせたいときにおすすめの証券会社
    1. SBI証券
    2. 楽天証券
    3. マネックス証券
    4. auカブコム証券
  6. つみたてNISAについてよくある質問
    1. つみたてNISAの金融機関は変更できますか?
    2. SBI証券と楽天証券でおすすめ銘柄に違いはありますか?
    3. 新NISAが始まる2024年からはどうなりますか?
NET MONEY編集部
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つみたてNISAの銘柄はいくつ組み合わせればいい?

NISAのつみたて投資枠(旧つみたてNISA)で組み合わせる銘柄の数は、投資する銘柄やリスクをどれくらい抑えたいかによって異なります。

海外株式に投資するインデックスファンドなら1銘柄で十分

海外株式に投資するインデックスファンドなら、組み合わせせず1銘柄で十分でしょう。インデックスファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの指数に連動した運用を目指す投資信託のことです。

1銘柄で十分だといえる理由は3つあります。

理由①つみたてNISAの対象商品には必ず株式が含まれているから

1つ目の理由は、つみたてNISAの対象商品には必ず株式が含まれているからです。つみたてNISAの対象商品は金融庁が公表しており、選定条件として「主たる投資の対象資産に株式を含むこと」としています。

投資信託によって株式への投資割合には差があるものの、2銘柄以上組み合わせると投資先の一部が海外株式または国内株式で重複します

理由②国内株式より海外株式のほうが長期的なリターンが安定しているから

2つ目の理由は、国内株式より海外株式のほうが長期的なリターンが安定しているためです。2023年4~6月、2023年10月~2024年3月にかけて日経平均株価は大きく上昇していますが、米国株(S&P500)のほうが長期的なリターンは高くなっています。

■日経平均株価と米国株(S&P500)の比較(2003年1月~2023年6月)

TradingView
画像引用:TradingView
理由③投資信託は1銘柄だけで分散投資できているから

3つ目の理由は、投資信託は1銘柄だけで分散投資できているからです。

例えば、S&P500に連動した運用を目指す投資信託なら、約500銘柄の米国株に分散投資しています。米国株投資でAppleだけを買うのとは全く異なります。

■S&P500に連動した運用を目指す投資信託の主な投資先
会社名 投資割合
Apple 6.9%
Microsoft 6.4%
NVIDIA 6.1%
Amazon 3.3%
Alphabet(Google) 2.4%
META(Facebook) 2.4%

日本株や米国株といった個別の株に投資する場合に2銘柄以上に分散投資をする意味はあります。しかし、投資信託では自動的に分散投資されているうえ、投資先や投資割合の見直しも定期的に行われているので無理に2銘柄以上に分散投資しなくてもよいでしょう。

リスクを抑える目的で2銘柄以上組み合わせるのはあり

1銘柄だけでどうしても不安な人は、リスクを抑える目的で2銘柄以上組み合わせるのはありでしょう。例えば、バランス型ファンドと海外株式に投資するインデックスファンドを組み合わせることで株式への投資割合が下がり、リスクが抑えることができます。

バランス型ファンドとは、株式と債券など2種類以上の金融商品を組み合わせて運用する投資信託です。債券とは国や会社がお金を借りるときに発行するものであり、返済期日や利息の支払日が決まっているので、株式と比べて値動きが安定しています。

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つみたてNISAのおすすめ銘柄の組合わせ例

つみたてNISAのおすすめ銘柄の組合わせ例について、リターンやリスクに対する考え方から3パターンにわけてご紹介します。

なお、ここで紹介する銘柄の組合わせは、当メディアが厳選したおすすめ銘柄から選んでいます。おすすめ銘柄や選び方は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

例①積極的にリターンを追求したい人

■積極的にリターンを追求したい人のポートフォリオ
銘柄の内訳 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):70%
ニッセイ日本株ファンド:30%
リターン
(直近1年)
24.56%
信託報酬
(年率)
0.3296%
主な販売会社 SBI証券
楽天証券
マネックス証券
auカブコム証券
松井証券
(2024年10月8日時点)

積極的にリターンを追求したい人は、海外株式に投資するインデックスファンドとアクティブファンドを組み合わせるのがおすすめです。アクティブファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの指数を上回る運用を目指す投資信託を指します。

具体的な銘柄の内訳は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が70%、ニッセイ日本株ファンドが30%でよいでしょう。日経平均株価は直近大きく上昇していますが、銘柄によっては出遅れているものもあるので、アクティブファンドのほうが今後のリターンは期待できます。

日経平均株価はコロナショック以降、米国株と比べて出遅れていた分を取り戻すように上昇を続け、2024年2月には最高値を更新しました。さらに、2024年7月には4万2,000円台に到達しました。

しかし、米国の景気不安やハイテク株安などを背景に、8月に史上最大の下げ幅を記録してからは、不安定な値動きが続いています(2024年10月8日時点)。そのため、日本株に投資するアクティブファンドの比率は30%までにしておくのが無難でしょう。

例②リスクとリターンのバランスを取りたい人

■リスクとリターンのバランスを取りたい人のポートフォリオ
銘柄の内訳 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):50%
ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型:50%
リターン
(直近1年)
19.09%
信託報酬
(年率)
0.1059%
主な販売会社 SBI証券
楽天証券
マネックス証券
auカブコム証券
松井証券
(2024年10月8日時点)

リスクとリターンのバランスを取りたい人は、海外株式に投資するインデックスファンドとバランス型ファンドの組合わせがおすすめです。具体的な銘柄の内訳は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が50%、ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型が50%でよいでしょう。

ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型は、株式よりリスクの低い債券に全体の50%を投資する方針のため、海外株式に投資するインデックスファンドと組み合わせることでリスクを抑えられます。

ポートフォリオよりも高いリターンを求める人は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の投資割合を増やして調整してみてください。

例③できる限りリスクを抑えたい人

■できる限りリスクを抑えたい人のポートフォリオ
銘柄の内訳 DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型):80%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):20%
リターン
(直近1年)
10.79%
信託報酬
(年率)
0.1348%
主な販売会社 SBI証券
楽天証券
マネックス証券
auカブコム証券
松井証券
(2024年10月8日時点)

できる限りリスクを抑えたい人は、海外株式に投資するインデックスファンドとバランス型ファンドを組み合わせたうえで、バランス型のなかでもリスクの低い債券への投資割合が高い投資信託を選ぶのがおすすめです。

具体的な銘柄の内訳は、DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)が80%、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が20%でよいでしょう。

DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)は、債券のなかでもリスクが低い日本国債に全体の45%、海外債券も含めると全体の65%投資する方針であるため、株価下落時の損失リスクを抑えられます。

一方で株価上昇時は、ほかの銘柄の組合わせと比べてリターンは少なくなります。もう少し高いリターンを求めるなら、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の投資割合を増やして調整してみてください。

つみたてNISAで銘柄を組み合わせるときの注意点

つみたてNISAで銘柄を組み合わせるときの注意点は、以下の2つです。

投資先が似ている銘柄同士ではリスク分散にならない

投資信託の場合、投資先が似ている銘柄同士ではリスク分散になりません。例えば、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を組み合わせても、全世界株式(オール・カントリー)の約60%は米国株式であるため、リスクを分散していることにはなりません。

なお、全世界株式と米国株式は、銘柄ごとの投資割合は異なるものの主な投資先は同じです。

■全世界株式と米国株式の主な投資先
全世界株式 米国株式
Apple:1.3% Apple:6.9%
Microsoft:3.7% Microsoft:6.4%
NVIDIA:3.7% NVIDIA:6.1%
Amazon:2.0% Amazon:3.3%
Alphabet(Google):1.6% Alphabet(Google):2.4%
META(Facebook):1.4% META(Facebook):2.4%

このように、投資先が似ている場合はリスク分散にはならないため、組み合わせる必要はなく1銘柄で十分と言えます。

銘柄が多すぎると管理しづらい

投資先が異なる銘柄なら2銘柄以上組み合わせる意味はあるが、銘柄が多すぎると管理しづらくなります。証券会社のサイトでは銘柄ごとの損益が確認できますが、銘柄が多ければ多いほど確認の手間が増えます。

投資信託は1銘柄だけで分散投資ができているので、リスクを抑える目的で複数銘柄を組み合わせるとしても、2銘柄までにしておくのが無難でしょう。

個人投資家が実際に運用している銘柄の組合わせを紹介

ここでは、個人投資家(著者)が実際に運用している銘柄の組み合わせをご紹介します。著者はSBI証券と楽天証券に口座を持っており、NISAはSBI証券で運用しています。

長期的に大きなリターンを狙うことを主な目的としているため、株式に投資するインデックスファンドでポートフォリオを作っています。

著者の保有資産の状況
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):70%
  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス:30%

過去のパフォーマンスから、高い成長に期待できると考え「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資しています。一方、資源が豊富で、成長のポテンシャルが高い新興国株にも魅力を感じ「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」にも投資しました。しかし、新興国にはカントリーリスクなどがあるため、割合は控えめに設定しています。

なお、両方ともeMAXIS Slimシリーズを選んでいる理由は、同種の投資信託の中で信託報酬が低水準だからです。

2024年10月時点での収益は約20万円です。このポートフォリオでの運用を始めてから約1年が経過しましたが、どちらのファンドも堅調に推移しています。

基本的に20年以上の長期間にわたって投資を続ける予定なので、十分な利益が出るまで売却は考えていません。ただし、新興国株については、政治や経済の状況を見ながら判断する予定です。リスクがあまりにも高くなった場合には、新興国株の割合を減らし、より安定性の高い日本株の投資信託を組み入れることも検討しています。

新NISA(新しいNISA)については、以下の記事で詳しく解説しています。

つみたてNISAで銘柄を組み合わせたいときにおすすめの証券会社

つみたてNISAで銘柄を組み合わせたいときにおすすめの証券会社は、SBI証券や楽天証券をはじめとした大手ネット証券です。

取扱銘柄数が200銘柄以上と豊富で、対面証券や銀行のNISA口座を圧倒しています。

大手ネット証券なら、組合わせ例で挙げた銘柄も全て購入できます。大手ネット証券のなかでも、クレジットカードによる投資信託の積立(クレカ積立)やポイント投資に対応している以下4社がおすすめです。

つみたてNISAで銘柄を組み合わせたいときにおすすめの証券会社

SBI証券

SBI証券は、つみたてNISAの取扱銘柄数が業界No.1のネット証券です。つみたてNISA対象商品の約85%にあたる195銘柄(2023年6月13日時点)を取り扱っています。

三井住友カードがあればクレカ積立が可能で、条件達成で年会費が無料になるカードでも0.5~1.0%のポイント還元が受けられます。

■クレカ積立のポイント還元率(年会費が無料になるカード)
カード名 ポイント還元率 年会費
Olive
ゴールド
1.0% 初年度無料
(翌年以降は税込5,500円)
条件達成(※)で無料
三井住友
カード
ゴールド
(NL)
1.0% 5,500円(税込)
条件達成(※)で無料
Olive 0.5% 永年無料
三井住友
カード
(NL)
0.5% 永年無料
※年間100万円の利用で翌年以降の年会費に適用
(2023年6月13日時点)

2023年2月27日からはつみたてNISAでのポイント投資にも対応し、TポイントやPontaポイントがつみたてNISAで使えるようになりました。

クレジットカードの登録やポイント投資の設定、積立注文は「かんたん積立 アプリ」から簡単に操作できます。ポイントの種類にこだわりがない人は、SBI証券でつみたてNISAをはじめてみましょう

楽天証券

楽天証券は、つみたてNISAを含むNISA口座の開設数が業界No.1のネット証券です。楽天カードや楽天銀行をはじめとした楽天グループとの連携による特典も充実しています。

■楽天証券と楽天グループとの連携による特典
  条件 特典
楽天銀行 マネーブリッジの登録 300万円までの普通預金金利が0.1%
楽天市場 マネーブリッジの登録
月3万円以上の投信積立/米国株
1ポイント以上のポイント投資
投資信託と米国株で楽天市場のポイント還元率が+0.5%ずつUP
楽天
カード
クレカ積立の設定 0.5~1.0%のポイント還元
(2023年6月13日時点)

楽天証券のクレカ積立は、2022年9月買付分からつみたてNISAのおすすめ銘柄を中心にポイント還元率が0.2%に改悪されましたが、2023年6月買付分から0.5%に引き上げられています。年会費永年無料のクレジットカードで比べると、SBI証券と同じポイント還元率です。

楽天ポイントをよく使う人は、楽天証券でつみたてNISAをはじめるのがおすすめです。

マネックス証券

マネックス証券は、年会費実質無料のクレジットカードでもクレカ積立のポイント還元率が最大1.1%になるネット証券です。

口座開設後にマネックスカードを発行すれば、毎月の積立金額に応じて1.0~1.1%のマネックスポイントがもらえます。マネックスカードは、年1回でも利用すれば年会費が無料になるので、クレジットカードをあまり使わない人でも発行しやすいカードです。

また、年会費実質無料のカードに限れば、クレカ積立のポイント還元率が大手ネット証券のなかで最も高くなっています。

■クレカ積立のポイント還元率(年会費実質無料のカード)
マネックス証券 1.0~1.1%
auカブコム証券 1.0%
楽天証券 0.5%または1.0%
(※)
SBI証券 0.5%
※信託報酬のうち販売会社が受け取る手数料が年率0.4%以上の銘柄のみ1.0%
(2023年6月13日時点)

貯まったマネックスポイントは、Tポイント、dポイント、Pontaポイント、Amazonギフトカードなどと交換できます。クレカ積立のポイント還元率を重視する人は、マネックス証券でつみたてNISAをはじめてみてください。

auカブコム証券

auカブコム証券は、au PAYカードで投資信託を積み立てると1.0%のポイント還元が受けられるネット証券です。au PAYカードは年1回以上の利用があれば年会費が無料になるだけでなく、au、UQ mobile、povoいずれかの利用者だと、新規入会時にPontaポイントが最大1万ポイントがもらえます。

クレカ積立で貯まったPontaポイントは、ローソンなどのお店で使えるほか、au PAY残高にチャージして使うことも可能です。auユーザーやau PAYカードを持っている人は、auカブコム証券でつみたてNISAをはじめてみましょう。

つみたてNISAについてよくある質問

ここでは、つみたてNISAについてよくある質問をまとめました。

つみたてNISAの金融機関は変更できますか?
以下の3ステップで変更可能です。ただし、手続きには2週間程度かかるほか、今年中に1回でもつみたてNISAで投資をしている場合は、2023年のNISA口座は変更できません。2024年の新NISA口座については、2023年10月以降に申請すれば変更できます。
 
つみたてNISAの金融機関の変更
  • 変更前の金融機関にNISA口座の変更を申し出て、手続きに必要な書類をもらう
  • 変更先の金融機関にNISA口座の申込書類を請求する
  • 申込書類とその他必要書類をそろえて変更先の金融機関に送る
SBI証券と楽天証券でおすすめ銘柄に違いはありますか?
ほとんど違いはありません。SBI・V・全米株式インデックス・ファンドは楽天証券では買えませんが、eMAXIS Slimシリーズといった低コストで人気のある銘柄はどちらでも買えます
新NISAが始まる2024年からはどうなりますか?
つみたてNISAは一般NISAと一本化され、新NISA(新しいNISA)のつみたて投資枠に生まれ変わります。年間の非課税投資枠も120万円に拡大し、成長投資枠とあわせると非課税投資枠は年間360万円です。非課税保有限度額(生涯投資枠)1,800万円という制限はあるものの、現行のNISA制度と比べて使いやすいと言えるでしょう