クレジットカードを申込む際に必ず記入する「年収」欄。どのように書けばいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。
本記事では2025年12月時点の情報をもとに、クレジットカードの審査と年収の関係について詳しく解説します。年収はいくらあれば審査に通るのか、年収欄には何を書けばいいのかといった疑問にお答えします。
また、学生や専業主婦、転職したばかりの人など、年収の書き方に迷うケースについても属性別に説明していますので、ぜひ参考にしてください。

年収に不安がある人は審査が甘いクレジットカードの解説記事もおすすめです。審査に通りやすくなるコツも紹介しています。
クレジットカードの審査に必要な年収の目安
クレジットカードの審査において、年収は重要な判断材料の一つです。ただし、年収だけで審査の可否が決まるわけではなく、信用情報や勤続年数なども総合的に判断されます。
ここでは、カードのランク別に審査に必要な年収の目安を解説します。
一般カードの審査に必要な年収目安
一般カードの審査に通過する年収目安は、100万円~200万円程度とされています。一般カードは幅広い層に発行されることを目的としており、年収のハードルは比較的低く設定されています。
また、一般カードの利用限度額は10万円~100万円程度と控えめに設定されるため、返済能力の要件も緩やかです。パートやアルバイトでも安定した収入があれば、審査に通る可能性は十分にあります。
ただし、年収だけでなく、職業・勤続年数・信用情報など複数の要素で総合的に判断される点を覚えておきましょう。
ゴールドカード・プラチナカードの審査と年収の関係
ゴールドカードは年収300万円~500万円程度、プラチナカードは年収500万円以上が目安とされています。ステータスカードは特典やサービスが充実しており、相応の支払い能力が求められます。
ゴールドカードやプラチナカードの審査では、年収だけでなく年間利用額も重視される傾向があります。特にインビテーション(招待)制のカードは、年収よりも利用実績が重要視されることが多いです。
以下は、カードランク別の年収目安をまとめた表です。
| カードランク | 年収目安 | 利用限度額の目安 |
|---|---|---|
| 一般カード | 100万円~200万円 | 10万円~100万円 |
| ゴールドカード | 300万円~500万円 | 50万円~300万円 |
| プラチナカード | 500万円以上 | 100万円~500万円 |
学生・パート・アルバイトでも審査に通るのか
学生やパート・アルバイトでも、年収が低い、または0円であってもクレジットカードを作ることは可能です。
学生の場合は親権者の年収が審査において参照されるため、本人に収入がなくても審査に通る可能性があります。また、専業主婦は配偶者の世帯年収を基準に審査が行われます。
経済産業省の割賦販売法では、「専業主婦(夫)等は世帯の収入に基づいてクレジットカードを利用できる」と規定されています。さらに、利用限度額30万円以下のカードは「包括クレジットに関する例外措置」により簡易審査で発行可能とされています。
- 学生は親権者の年収が審査で参照される
- 専業主婦は配偶者の世帯年収で審査される
- 割賦販売法で世帯年収による審査が認められている
- 利用限度額30万円以下は簡易審査で発行可能
クレジットカード審査で年収はどう書く?正しい記入方法
クレジットカード申込時の年収欄の正しい書き方を、申込者の属性別に詳しく解説します。記入するのは手取りではなく税込年収(総支給額)であり、源泉徴収票の「支払金額」を参考にします。
10万円単位で記入するのが一般的で、多少の端数調整は問題ありません。
給与所得者(会社員)の年収の書き方
給与所得者は、源泉徴収票の「支払金額」(税込年収)を確認し、10万円単位で記入します。手取りではなく、税金・社会保険料が引かれる前の総支給額を記載してください。
源泉徴収票の「支払金額」欄に記載されている金額が、クレジットカード申込時に記入すべき年収です。源泉徴収票は毎年12月~1月頃に勤務先から交付されます。
年収が380万円の場合、400万円と記入しても問題ありません。10万円単位での端数調整は一般的に許容されています。
自営業・個人事業主の年収の書き方
自営業・個人事業主は、売上ではなく「所得金額」(収入から経費を差し引いた金額)を年収欄に記入します。確定申告書の所得金額欄を参照してください。
例えば、1年間の収入が600万円、経費が100万円の場合は、収入から経費を引いた500万円を年収として記載します。給与所得者の税込年収とは計算方法が異なる点に注意が必要です。
学生・専業主婦の年収の書き方
学生・専業主婦で収入がない場合は「0円」と記入して問題ありません。アルバイト収入がある場合はその金額を記入します。
収入がなくても、カード会社は世帯年収や配偶者・親権者の収入を考慮して審査を行います。イオンカードなど、専業主婦を選択すると自動的に年収0円となるカードもあります。
- 世帯年収や配偶者の収入が考慮される
- 学生は親権者の信用情報が参照される
- 利用限度額を低く設定することでリスク管理される
転職・内定者の見込年収の書き方
転職したばかりで年収がわからない場合は「見込年収」を記入します。月給×12ヶ月に賞与見込みを加えて計算し、勤続年数は「1年未満」と申告してください。
例えば、月給30万円、ボーナス2回(各2ヶ月分)の場合は、(30万円×12ヶ月)+(30万円×2ヶ月×2回)= 480万円が見込年収となります。
内定者でまだ入社前の場合は、現在の収入状況を記入するのが基本です。アルバイト収入がある場合はその金額を、収入がない場合は「0円」と記入します。新たな勤務先での見込年収を記入できる場合もありますが、カード会社によって対応が異なります。
なお、転職のタイミングでカードを作りたい場合は「転職前」がおすすめです。勤続年数が長い方が審査で有利になることが多いためです。
| 属性 | 年収欄の記入方法 | 参照する書類 |
|---|---|---|
| 給与所得者(会社員) | 税込年収(総支給額)を10万円単位で記入 | 源泉徴収票の「支払金額」 |
| 自営業・個人事業主 | 所得金額(収入-経費)を記入 | 確定申告書の所得金額欄 |
| 学生・専業主婦 | 収入がなければ「0円」、アルバイト収入があればその金額 | 給与明細など |
| 転職者・内定者 | 見込年収(月給×12+賞与)を記入 | 雇用契約書、内定通知書など |
クレジットカード審査で年収を低く申告するリスク
年収を実際より低く申告したり、逆に高く偽って申告した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
カード会社は職業や年齢から年収を推測しており、大きく乖離した申告はバレる可能性があります。虚偽申告が発覚すると社内ブラック入りや信用情報への影響、最悪の場合は詐欺罪に問われるリスクもあります。
虚偽申告が発覚するケース
カード会社は過去の申込データから職業・年齢別の平均年収を把握しています。そのため、申告内容と業界水準が大きく乖離していると虚偽を疑われます。
例えば、勤続年数1年で年収1,000万円と申告した場合、業界水準との差が大きいため念入りに確認が行われます。
また、キャッシング枠を希望する場合は源泉徴収票の提出を求められることがあり、申告内容と照合されてバレるケースもあります。
- 申告年収が職業・年齢の平均から大きく外れている
- キャッシング枠申込時に収入証明書を求められる
- 増枠審査時に収入証明書の提出を求められる
- 他社カードの申告内容と異なる
虚偽申告のペナルティ
虚偽申告が発覚すると、審査落ち・社内ブラック入り・信用情報機関への記録など深刻なペナルティがあります。
虚偽申告者は社内ブラックにリスト化され、同一グループでは二度とカードを作れなくなる可能性があります。また、CICやJICCなどの信用情報機関に虚偽申告の履歴が残り、他社の審査にも影響する可能性があります。
悪質な虚偽申告は詐欺未遂罪や詐欺罪に該当する可能性もあるため、正確な年収を申告することが重要です。
なお、380万円を400万円と書く程度の端数調整は問題ありませんが、200万円を1,000万円と書くような虚偽は避けてください。
年収が低くても審査に通りやすいクレジットカードの特徴
年収に不安がある人でも審査に通りやすいカードの特徴を解説します。消費者金融系や流通系のカードは審査基準が柔軟といわれています。
また、年収だけでなく信用情報や勤続年数、居住形態なども審査項目として重視されるため、これらを意識することで審査通過の可能性を高められます。
審査基準が柔軟なカードの特徴
消費者金融系や流通系のクレジットカードは、独自の審査基準を持ち、年収が低くても審査に通りやすい傾向があります。
一般的に、審査難易度は「消費者金融系 > 流通系 > 信販系 > 銀行系」の順に低いとされています。消費者金融系は融資業務のノウハウを活かした独自審査を行っており、過去の信用情報だけでなく現在の支払い能力を重視する傾向があります。
流通系カードは店舗での利用促進が目的のため、間口を広げて多くの利用者にカードを発行しています。イオンカードや楽天カードなど、主婦・学生も申込可能なカードが多いのが特徴です。
| カードの種類 | 審査難易度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 消費者金融系 | 低め | 独自審査、現在の支払い能力を重視 |
| 流通系 | 低め | 主婦・学生も申込可能、店舗利用促進が目的 |
| 信販系 | 普通 | バランスの取れた審査基準 |
| 銀行系 | 高め | 安定した収入と信用情報を重視 |
年収以外に重視される審査項目
クレジットカード審査では年収以外に、信用情報(クレヒス)、勤続年数、雇用形態、居住形態、他社借入状況なども重視されます。年収が低くてもこれらの項目で良い評価を得られれば審査に通る可能性があります。
特に信用情報(過去の支払い履歴・延滞の有無)は年収以上に重視される項目です。過去に延滞がなく、クレジットカードやローンの支払いを遅れずに行っていれば、年収が低くても審査に通りやすくなります。
また、キャッシング枠を0円にして申込むと審査に通りやすくなるといわれています。キャッシング枠を付けると貸金業法の総量規制(年収の3分の1まで)の対象となり、より厳しい審査が行われるためです。
- キャッシング枠を0円にして申込む
- 延滞なく支払い実績を積む
- 勤続年数が長い状態で申込む
- 年会費無料の一般カードから始める
- 流通系・消費者金融系のカードを選ぶ
クレジットカードの審査と年収に関するよくある質問
最後に、クレジットカードの審査と年収に関してよくある質問をQ&A形式でまとめました。
年収は10万円単位での記入が一般的で、端数は四捨五入や切り上げで問題ありません。ただし、実際の年収と大きくかけ離れた金額を申告することは虚偽申告となるため避けてください。380万円を400万円と書く程度の誤差は問題ありませんが、200万円を1,000万円と書くのは不可です。
税込年収(額面)を記入します。手取りではなく、税金や社会保険料が引かれる前の総支給額を記載してください。源泉徴収票の「支払金額」を参照するとよいでしょう。税込年収は手取りの約1.2~1.25倍程度が目安です。
学生は年収0円でもクレジットカードを作れる可能性があります。親権者の年収や信用情報が審査で参考にされるため、本人に収入がなくても発行されることがあります。学生専用カードは利用限度額を10万円程度に抑えることでリスク管理しています。
カード会社は職業・年齢・勤続年数から平均的な年収を把握しており、極端に低い(または高い)申告は虚偽を疑われる可能性があります。ただし、正確な年収を把握しているわけではないため、多少の誤差は問題にならないことが多いです。虚偽申告は社内ブラック入りのリスクがあるため、正確な金額を記入しましょう。
収入がない場合は「0円」と記入してください。専業主婦の場合、配偶者の年収(世帯年収)を基準に審査が行われます。割賦販売法では専業主婦は世帯年収に基づいてカードを利用できると規定されています。パート収入がある場合はその金額を記入してください。
見込年収を記入してください。月給×12ヶ月に賞与見込みを加えて計算します。例えば月給25万円、賞与2ヶ月×年2回なら、25万円×12ヶ月+25万円×4ヶ月=400万円となります。勤続年数は「1年未満」と申告してください。
入社前の内定者は、現在の収入状況を記入するのが基本です。アルバイト収入がある場合はその金額を、収入がない場合は「0円」と記入してください。新たな勤務先での見込年収を記入できる場合もありますが、カード会社によって対応が異なります。
年収150万円でもクレジットカードを作ることは可能です。一般カードの審査通過目安は100万円~200万円程度とされており、パートやアルバイトでも安定した収入があれば審査に通る可能性があります。流通系や消費者金融系のカードは比較的審査に通りやすい傾向があります。
ゴールドカードは年収300万円~500万円程度が目安とされていますが、明確な基準は公表されていません。年収だけでなく、年間利用額や勤続年数、信用情報なども審査で考慮されます。インビテーション制のゴールドカードは利用実績が重視されます。
独自審査とは、通常のスコアリング審査に加えて、自社サービスの利用実績や現在の支払い状況など独自の基準で審査を行うカードのことです。消費者金融系や流通系のカードが該当し、過去の信用情報だけでなく現在の支払い能力を重視する傾向があります。

