生活サポート基金でお金を借りる方法を解説!審査や貸付条件も紹介
(画像=NET MONEY編集部)

生活費や医療費の支払いで困っている方に向けて、生活サポート基金を活用する方法を徹底解説します。条件や申請方法、必要書類などを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

さらに無利息または低金利でお金を借りられる生活サポート基金を活用し、生活を豊かにしていく情報も合わせてお届けします。

  1. 生活サポート基金とは?
    1. 支援対象者は生活保護受給者や低所得世帯などの困窮者
    2. 債務整理や債務後の生活再建を目的とした貸付を行っている
    3. ひとり親世帯と社会的養護下で暮らしたことのある方を対象にした貸付もある
    4. 無利息または低金利でお金を借りられる
    5. 最大借入可能額は用途によって異なる
    6. ほかの支援制度と異なり返済計画が柔軟に設定できる
  2. 生活サポート基金でお金を借りる際の条件
    1. 生活再建への強い意思があること
    2. 身分証明書や収入証明書の提示
  3. 生活サポート基金を利用するメリットとデメリット
    1. 【メリット】無利息または低金利で借りられるため返済負担が軽い
    2. 【メリット】審査基準が収入状況に寄り添っているため利用しやすい
    3. 【デメリット】借入額が限定的で大きな出費には対応できない
  4. 生活サポート基金を利用する際の注意点
    1. 返済が滞ると信用情報に悪影響が出る可能性がある
    2. ほかの支援制度との併用が制限される場合がある
  5. 生活サポート基金の申請手順
    1. 生活サポート基金の窓口で面談を行う
    2. 申請から審査完了までは通常2~3週間程度
  6. 生活サポート基金に関するよくある質問(Q&A)
    1. 生活サポート基金を利用すると生活保護費に影響しますか?
    2. 他の支援制度との併用は可能ですか?
    3. 返済が難しくなった場合どうすれば良いですか?

生活サポート基金とは?

生活サポート基金は、経済的に困難な状況にある方を支援するために貸付を行う制度です。この基金は、生活費や医療費などの急な出費に対応しており、無利息または低金利での貸付を行っています

生活サポート基金の主な特徴は以下の通りです。

支援対象者は生活保護受給者や低所得世帯などの困窮者

生活サポート基金の支援対象者は以下の通りです。

生活サポート基金の支援対象者
  • 生活保護受給者
  • 低所得世帯
  • 収入が不安定な方
  • そのほか、経済的に困難な状況にある方

こうした方が資金を必要とする場合、生活サポート基金を利用できる可能性があります。

例えば、突然の病気やケガで医療費が必要になった場合や、家賃の支払いが困難になった場合など、緊急性の高い出費に対応するために利用されることが多いです。

債務整理や債務後の生活再建を目的とした貸付を行っている

生活サポート基金では、債務整理や債務後の生活再建を目的とした「生活再生資金貸付」を行っています。

具体的な貸付の内容は以下のとおりです。

貸付内容
  • 消費者金融からの債務を整理するための資金を貸付け
  • 諸事情により税金、公共料金、家賃などの滞納した場合に整理するための資金の貸付け
  • 個人信用情報などにより金融機関などから借り入れできない場合の生活資金の貸付け
  • 債務整理後、生活再建をはたせるように自立支援のための資金の貸付け
  • 一時的な生活資金の貸付け
  • 不動産の競売や給与の差し押さえをされている場合の生活再建が見込めるときの再建のための資金を貸付け

参照:一般社団法人生活サポート基金

ひとり親世帯と社会的養護下で暮らしたことのある方を対象にした貸付もある

生活サポート基金では、ひとり親世帯と社会的養護下で暮らしたことのある方を対象にした貸付制度「ソーシャル・エンジェル・ファンド」も設けています。

この制度は、ひとり親世帯の日常生活に必要な資金や、公的支援ではカバーできない費用を融資することで、生活をサポートすることを目的としています。

貸付条件は以下のとおりです。

金利 なし(0.0%)
延滞損害金 なし
借入れ額 20万円以内(ただし年収の1/3まで)
返済金 40回以内(最長1年間の返済猶予あり)
担保・保証人 なし(ただし生活伴走人をつけること)

無利息または低金利でお金を借りられる

生活サポート基金は、無利息または低金利でお金を借りられます。これは、生活困窮者や低所得者といった経済的に厳しい状況にある人々を支援するために設立された制度であるためです。

生活サポート基金の主な目的は、生活費や医療費などの急な出費に対応することにあり、高金利の融資を利用することが難しい人々にとって、生活再建のための重要な選択肢となります。

通常の金融機関では融資を受けることが難しい状況でも、生活サポート基金では個々の状況に合わせた相談支援と融資が行われるため、生活の立て直しを図る上で大きな助けとなります。

最大借入可能額は用途によって異なる

生活サポート基金の最大借入可能額は用途によって異なります。

例えば、生活再生のための資金、債務整理のための資金、一時的な生活資金など、様々な用途に応じて貸付限度額が設定されています。

また、生活サポート基金は貸金業法に基づく貸付を行っているため、総量規制の対象となり、年収の3分の1を超える借り入れはできません

現在の経済状況を正直に伝えることで、困らないように最適な限度額を提案してもらえます。

ほかの支援制度と異なり返済計画が柔軟に設定できる

生活サポート基金は、返済計画を柔軟に設定できるところが大きな特徴です。

返済期間は1ヶ月~120ヶ月(10年)に設定でき、返済方式についても元利均等または元利一括から選択できます。

元利均等返済 元利一括返済
毎回の返済額(元金と利息の合計)が、返済期間を通して一定になる返済方法 返済期間中は利息のみを支払い、最終回に元本(借りたお金)を一括で返済する方式

経済状況や生活実態に即した無理のない返済計画を立てやすいため、少ない負担で利用できることが特徴です。

生活サポート基金でお金を借りる際の条件

生活サポート基金でお金を借りるには条件があります。具体的に、以下2つの条件について解説します。

生活サポート基金でお金を借りる際の条件

生活再建への強い意思があること

生活サポート基金でお金を借りる際の条件として、生活再建への強い意思があるかどうかが重視されます。また、生活再生資金の貸付とソーシャル・エンジェル・ファンドでは貸付対象は異なるので注意しましょう。以下は、生活再生資金の貸付対象者です。

生活再生資金の貸付対象者
  • ローンの利用により日常生活を再建できる見通しがある
  • 返済可能な家計の見通しが確認できる
  • 生活再建への意思がある
  • 収入がある
  • 貸金業法の適用の範囲内である
  • 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に在住している
    ※永住権のある外国籍の方も含む

身分証明書や収入証明書の提示

生活サポート基金でお金を借りる際の条件として、身分証明書や収入証明書の提示が求められます。

これは、基金が融資の可否を判断するために、申込者の本人確認と返済能力の確認を行う必要があるためです。具体的には、以下の書類の提示などが求められます。

必要な書類
  • 本人確認書類(運転免許証、保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • 収入証明書(源泉徴収票、給与明細、確定申告書など)
  • 借り入れ状況の証明書類(各ローンの返済計画書、返済口座の通帳など)※任意
  • 健康状態の証明書類(健康診断書、障害者手帳など)※任意

生活サポート基金を利用するメリットとデメリット

生活サポート基金を利用する際には、メリットとデメリットも押さえておきましょう。以下では生活サポート基金を利用するメリットとデメリットを整理して、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

【メリット】無利息または低金利で借りられるため返済負担が軽い

生活サポート基金の最大のメリットは、低金利もしくは無利息で借りられる点です。通常の金融機関からお金を借りる場合、利息が発生するために総返済額は増えてしまいます。

一方、生活サポート基金の場合は無利息または低い金利で借りられるため、返済負担を軽減できる点がメリットです。

【メリット】審査基準が収入状況に寄り添っているため利用しやすい

審査基準が収入状況に寄り添っているため利用しやすいことも、生活サポート基金ならではのメリットと言えます。

生活サポート基金は低所得者や生活困窮者を支援することを目的としているため、一般的な金融機関とは審査基準が異なります。

特に審査の際には、収入の状況や生活状況に配慮した基準が適用されるため、収入が不安定な方や、急な出費に困っている方でも、再建への見通しを証明できれば、審査を通過できる可能性があります。

【デメリット】借入額が限定的で大きな出費には対応できない

生活サポート基金のデメリットは、借入額が限定的で大きな出費には対応できないことです。

生活サポート基金は、年収が低い人向けの制度設計となっており、総量規制により借入上限額は年収の3分の1までに制限されています。例えば、年収150万円の方であれば、最大で50万円までしか借り入れることができません。

まとまった資金が必要となる高額な医療費の支払いや、住宅のリフォーム費用など、大きな出費には対応が難しいと言えるでしょう。

このような場合は、生活サポート基金だけでなく、他の融資制度、例えば銀行のローンや、状況によっては公的な支援制度なども検討する必要があるでしょう。

生活サポート基金を利用する際の注意点

生活サポート基金は上手に活用すればとても便利な制度ですが、利用に際していくつか注意点があります。以下では、生活サポート基金を利用する際の主な注意点を解説します。

返済が滞ると信用情報に悪影響が出る可能性がある

生活サポート基金は無利息または低金利で貸し出されますが、返済が滞った場合には、信用情報に悪影響を与えるリスクがあることを忘れてはいけません。

万が一返済が遅れたり、滞納してしまったりすると、信用情報機関にその情報が登録されます。

将来的なローンやクレジットカードの審査に悪影響を与えてしまう可能性があるため、無理のない返済計画を立てることが大切です。また、万が一返済に困った場合は、早めに相談窓口に連絡しましょう。

ほかの支援制度との併用が制限される場合がある

生活サポート基金は、原則、どこからもお金を借りられない状況にある人を対象としています。そのため、利用の際にほかの支援制度との併用が制限される可能性があることも押さえておきましょう。

ほかの公的融資制度を利用できる場合はそちらの申請が優先され、生活サポート基金を利用できない可能性があります。

生活サポート基金の申請手順

生活サポート基金の申請手順は、まず生活サポート基金の窓口で面談を行うことから始まります。申請から審査完了までは通常2~3週間程度かかります。具体的に見ていきましょう。

生活サポート基金の窓口で面談を行う

生活サポート基金を利用する際は、電話または公式ホームページで面談予約を取ります。その後、窓口で面談を行い、生活再生ローンの申し込みが提案された場合は必要書類を提出しましょう。

必要書類
  • 本人確認書類(運転免許証、保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • 収入証明書(源泉徴収票、給与明細、確定申告書など)
  • 借り入れ状況の証明書類(各ローンの返済計画書、返済口座の通帳など)※任意
  • 健康状態の証明書類(健康診断書、障害者手帳など)※任意

このうち、利用者全員が共通して必要となるのは、本人確認書類と収入証明書です。審査を通過するために重要となるため、事前に準備しておきましょう。

申請から審査完了までは通常2~3週間程度

生活サポート基金の申請後、申請から審査が完了し、融資を受けるまでには通常2週間以上かかります。急を要する場合であっても一定の期間が必要となり、融資が間に合わない可能性もあるため注意しましょう。

生活サポート基金に関するよくある質問(Q&A)

生活サポート基金を利用すると生活保護費に影響しますか?
借入金が収入認定される場合、生活保護費が減額される可能性があります。
他の支援制度との併用は可能ですか?
一部の支援制度との併用は制限されるため、事前に窓口で確認してください。
返済が難しくなった場合どうすれば良いですか?
返済計画の変更や返済猶予について、相談窓口に早めに連絡してください。