株式会社オーダースーツSADA社
(画像=株式会社オーダースーツSADA社)
佐田 展隆(さだ のぶたか)
株式会社オーダースーツSADA代表取締役社長
1974年9月生まれ。一橋大学経済学部卒。高校までサッカー部、大学時代はノルディック複合選手という体育会系。
大学卒業後、東レ株式会社でテキスタイル営業。2003年、父に乞われ、株式会社佐田入社。2005年、代表取締役社長就任。
バブル時代の大手取引先そごう倒産の傷跡が深く、破綻寸前の企業を黒字化するも、莫大な有利子負債は如何ともしがたく、2007年、金融機関の債権放棄と共に、会社を再生ファンドに譲渡。
2008年、引継ぎを終え株式会社佐田を退社。しかしリーマンショックで再生ファンドが解散となり、会社の所有権は転々とする。そして東日本大震災で国内の仙台工場が被災し、会社の引き受け手が居なくなり、2011年7月に会社の再々生のため株式会社佐田に呼び戻される。
2012年代表取締役社長復帰し、オーダースーツの工場直販事業強化を柱に企業改革を進め、3期連続増収増益を達成し会社業績を安定化。以後も売上の拡大を継続。
現在では自社をオーダースーツチェーン店舗数日本一に成長させる。 自社オーダースーツPRの為、自社スーツを纏い、スキージャンプを飛ぶ、富士山頂から山スキーを滑る、東京マラソンを走る等のチャレンジを行い、動画をYouTubeにアップしている。
株式会社オーダースーツSADA
オーダースーツの着心地と楽しさで日本のビジネスシーンを明るく元気にする!
初回お試し19,800(税込21,780)~のオーダースーツを46店舗全国展開(2024年3月現在)
初回お試し価格の生地からオリジナルのストレッチ・撥水など機能性生地や「ゼニア」「ロロ・ピアーナ」など高級ブランド生地まで幅広くお仕立て可能です

これまでの事業変遷について

―株式会社オーダースーツSADAのこれまでの事業の変遷を教えていただけますか?

株式会社オーダースーツSADA・佐田 展隆氏(以下、社名・氏名略):関東大震災後に佐田定三が米川本店より独立し、服飾雑貨卸商を開業したのが弊社の始まりです。当時はお客様の多くが呉服屋でした。

滑り出しから順調でしたが、戦争に突入し、強制疎開のため商売も一時中断しました。その後、戦後に佐田定三の婿養子となり引き継いだ佐田茂司が「和装という時代は終わり、これからは洋装の時代が来る」と予想し、洋装に強い問屋になるための戦略を立てました。その結果大成功し、さらに紳士服地卸商として設立した佐田羅紗店や、縫製業のために工場を作った佐田被服工業も繁盛しました。

株式会社オーダースーツSADA社
(画像=株式会社オーダースーツSADA)

その後、佐田羅紗店を引き継いだ父である3代目・佐田久仁雄がフルオーダースーツをラインで縫う縫製業に力を入れ、国内に3工場、中国に1工場の計4工場まで増やしました。バブル崩壊や東日本大震災を経験し、一時は非常に厳しい状態にもなりましたが、製造と卸売だけでなく小売事業にも参入することで復活し、現在は売上の85%を小売事業が占める会社になっています。

自社事業の強みと成功実績・功績

―自社事業の強みについて教えて下さい。

弊社の一番の強みはコスト競争力です。国内に大手のオーダースーツメーカーは5社ありますが、そのうちの1社である弊社は間に問屋や商社、ディーラーなどが入っておらず、直接小売までやっているため、コスト競争力ではどこにも負けません。

また、CADやCAMを用いて極限まで製作工程を機械化・自動化している点も強みです。当初は百貨店などの要望に応えるのに苦労しましたが、それによって合理化の技術が日本一と言えるほど磨き上げられました。さらに、海外縫製でフルオーダースーツを作るオペレーションを回している会社としてトップという点も弊社ならではの強みです。

ただし、弊社は良いものを安く販売できる強みを持っていますが、まだまだ既製品のスーツを購入される方が多い状況です。そこで弊社では、知名度と信用度を担保していくためにSNSや動画マーケティング、Web広告も強化しています。

思い描いている未来構想や目指す世界観

―思い描いている構想はありますでしょうか?

ビジネススーツの市場はコロナで随分縮まりました。しかし、一定の市場規模は残っているため、ここでより存在感を発揮する会社になっていきたいです。既製品のスーツ販売店でもオーダースーツの取扱いが増えている背景もあり、今後オーダースーツ市場はより伸びていくと考えています。現在の年商は35億円程度ですが、強みを活かせば100億円の企業にもできると考えています。

また、「ビジネススーツは会う相手に感謝と敬意を伝えるためのおもてなしアイテム」ということを改めて広めていきたいと考えています。昔はスーツは非常に高価なもので、相手におもてなしをする勝負の場で着る服でしたが、時代が進むにつれて安い既製品のスーツも広まり、サイズが合わないスーツを着る人も増えました。それによってスーツが格好悪く見えることが増えていることも、スーツ離れの一因にもなっていると感じています。弊社としては、ビジネススーツは本来格好良いもので、相手に礼を尽くす勝負の場で着るものだということを日本人に思い出してもらえるように取り組んでいきたいです。

株式会社オーダースーツSADA
(画像=株式会社オーダースーツSADA)

次世代の経営者へメッセージ

―それでは、御社がこれからどのような展望を持って事業を進めていくのか、お聞かせいただけますか?

各国の首脳会談でも全員がビジネススーツで参加しているように、スーツはビジネス場において最上級のおもてなしアイテムです。その点を再認識していただき、感謝や敬意を伝えなくてはいけない方に会うときには、その要件を満たすアイテムとしてサイズの合ったフルオーダースーツを着ていただきたいと考えています。

戦後奇跡の復興を成し遂げた経営者たちは皆その点をしっかり認識しており、世界に商談に行く際には一流のビジネススーツを着ていました。日本のビジネスパーソン、経営者が世界から一流だと認められるためにも、このマインド、志を改めて持っていただきたいです。