投資には証券会社での口座開設が必要ですが、投資初心者の場合、手軽に申し込みや取引をしやすいネット証券会社を利用するのがおすすめです。とはいえネット証券会社もたくさんあるため、「どこを選べばいいのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、代表的なネット証券会社のうち楽天証券と松井証券の特徴や各サービスの内容などを紹介していきます。
楽天証券と松井証券の比較
楽天証券と松井証券は、両社ともに人気のあるネット証券です。両社が取り扱う金融商品や手数料などを比較し以下の表にまとめました。
口座数は圧倒的に楽天証券が多く、手数料やNISA口座でのポイントの貯まりやすさの観点でも楽天証券が優れている点が多いといえます。
しかし、ポイント面では今後松井証券もJCBカードを利用したクレカ積立に対応していくことが発表されており、松井証券の今後のサービス拡充によっては楽天証券と競り合う項目も多くなるでしょう。
ここでは松井証券と楽天証券の取引手数料、取引ツールについて詳しく解説します。
取引手数料を比較
楽天証券と松井証券はどちらもNISA口座では、取引商品に関わらず手数料は発生しません。しかし、課税口座では取引手数料に違いがあります。ここでは国内株式の手数料について比較します。
松井証券では、1日の約定代金合計によって手数料が決まるボックスレートを採用しています。
50万円までは手数料が0円ですが、50万円を超えると、26歳以上の場合は1,100円の手数料がかかります。そのため1日の売買金額が50万円を越える場合には、楽天証券のほうがお得といえるでしょう。
楽天証券は2023年10月からゼロコースが選択できるようになり、ゼロコースに設定すると1日の取引金額に関わらず国内株式の手数料は0円となります。
課税口座で取引する機会が多い場合は楽天証券を選んだ方がコストを抑えられるためおすすめです。
ツールを比較
両社ともに便利な取引ツールやアプリを無料で提供しています。楽天証券は松井証券と比較して、ツールが1つにまとまっている点が特徴です。松井証券は「古めかしく使いにくい」という口コミも見かけますが、初心者向けのツールも多々用意されています。
■松井証券のツール
①マーケットラボ
四季報や各種指標、決算情報など投資判断に必要な情報が一元化されています。
②QUICKリサーチネット
株主優待の検索やアナリストによるマーケットや個別銘柄の分析、幅広いレポートを閲覧できます。
③株価教えて! by 松井証券
Amazon Echoなどのスマートスピーカーを使って音声で株価情報や銘柄ランキングなど教えてくれます。
■楽天証券のツール
MARKET SPEED Ⅱ
1つのツールで国内株式、米国株式はもちろんCFD取引なども可能です。詳細なテクニカル分析にも対応したチャートが備わり、直感的な取引操作ができます。
これらを踏まえるとチャートなど自分で分析できる人は楽天証券、株のことはあまり分からない初心者は松井証券を選ぶとよいでしょう。
楽天証券の口コミ・評判
実際に楽天証券を利用している人の口コミ見てみましょう。良い評判と悪い評判に分けて紹介します。
■楽天証券の良い口コミ・評判
楽天証券を利用するメリットはなんといってもさまざまな分野に展開している楽天経済圏にあります。ネット上でもそうした意見が多くみられました。
30代 男性
5
楽天銀行口座と連携させることで、金利が0.1%になるので楽天証券を使っています。また当時は(4,5年前)は利用者が多いとの評判だったので楽天一択だと思いました。また使ってみるとトップページに購入した株の値動きが一目でわかるので資産額の把握が行いやすいというのをYouTubeの紹介動画に掲載されていたので使いやすいと思い選びました。
20代女性投資歴:2年~3年
4
投資信託の積み立て購入に楽天ポイントが使用できるため効率が良く、良いサービスだと思います。 また資産推移のグラフ表示や残りの購入可能金額の表示が簡単に出来るため、投資初心者に寄り添った会社だなと感じています。
30代 女性
4
楽天キャッシュによる積立が可能な点がまず大きなメリットだと感じる。楽天キャッシュをお得に取得できれば積立投資の利回りを実質上げることができると同義になる。楽天キャッシュと楽天カードでの積立が可能なため、月15万円まで積立ができる。また、サイトの操作性が良く、感覚的にも分かりやすいと感じる。過去の履歴や利益状況も情報が見やすく、使いやすい。
■楽天証券の悪い口コミ・評判
なにかと使いやすい楽天証券ですが、取引ツールのメンテナンスや、ポイント制度の改悪などが一部悪い評判として挙げられました。
30代男性投資歴:5年以上
2
楽天銀行に連携しているため、メンテナンスがある時間帯は株が購入することができない部分がデメリットに感じます。私は海外株を購入することが多く夜中に取引することが多いので、夜一日中メンテナンスをされると投資できないので不便に感じることがあります。
20代女性投資歴:半年~1年
2
楽天証券は初心者向けに設計されている部分が多く、海外株式やETFなど、上級者の取引まで網羅しているSBI証券には劣る部分があります。
また、楽天経済圏ではポイント制度の改悪が起きており、今後さらに改悪される可能性もあります。
ただし、メンテナンス頻度は他社と比較して飛び抜けて多いわけではなく、ポイント制度に関してもネット証券の中では貯まりやすい方に位置するのでそれほど気にする必要はないでしょう。
松井証券の口コミ・評判
続いて松井証券の口コミを紹介します。
■松井証券の良い口コミ・評判
松井証券は初めてでもNISA口座でのアプリの操作がわかりやすいという声が上がりました。
40代 男性
3
特定口座などの一般的な株の取引きとは異なり、NISA口座の取引における手数料はかかりません。また株の売買を行う際に、NISAか一般的な取引かは意識せず同一のアプリを利用して売買取引をすることができます。取引の最終段階でどの口座として取引するかを選択するので、NISAと特定口座を並行して一つのアプリで管理できます。
楽天証券のおすすめポイント
利用者の口コミにもありますが、「何にどのように投資をしたいか」など求めるものによっても適する証券会社が変わってきます。ここでは、楽天証券のおすすめポイントを具体的に確認していきましょう。
楽天ポイントで投資ができる
楽天証券は、楽天ポイントで投資できることが大きな特徴です。「1ポイント=1円」から利用でき、現金を使わずに投資を始めることも可能です。初心者でも気軽に始められるでしょう。楽天ポイントで購入できる商品は「投資信託」「国内株式(現物取引)」「バイナリーオプション」の3種類。NISAやつみたてNISAでも利用できます。
楽天カードや楽天銀行など楽天ユーザーは、まず楽天証券でポイント投資から始めてみてはいかがでしょうか。
投資信託が豊富
楽天証券は、約2700本(2021年8月時点)の投資信託を取り扱っています。この豊富さは、ネット証券においても業界最多水準です。投資信託の買付手数料は無料で、取引コストを抑えた投資ができます。なお「楽天カード」決済で毎月投資信託の積み立てをすると、決済額100円につき最大2%が毎月たまっていきます。ポイントをどんどんためて新たな投資信託を購入していくのもいいでしょう。
スマホアプリと「マーケットスピード」が便利
楽天証券は、便利な取引ツールを無料で提供しているのもおすすめのポイントです。例えば「MARKET SPEED」は、投資初心者だけでなくアクティブトレーダーにも利用されている便利な投資サポートツール。20種類以上のテクニカルチャートや30種類近くのリアルタイムランキングが利用でき、投資判断に役立てることができます。
実際に「MARKET SPEED」を使って国内株式・米国株式・為替・日経225先物・オプション・海外先物を取引することも可能です。
松井証券のおすすめポイント
次に松井証券のおすすめポイントを具体的に紹介していきます。松井証券が気になっている人は、参考にしてください。
手数料が安い
利用者のコメント評価にもあるように松井証券は、手数料の安さが一番のおすすめポイントです。かつては、「1日10万円以下」の株式現物取引手数料を無料としていました。しかし2019年12月20日より「1日50万円以下」の株式取引(現物・信用取引)に手数料無料化を拡大しています。そのため株式売買で1日の約定合計額が50万円以下に収まれば手数料はかかりません。
また投資信託の購入手数料(ETF、ETN、REIT除く)も無料です。
サポートが手厚い
手厚いサポート体制が整っている点もおすすめのポイントです。松井証券は、HDI-Japan(ヘルプデスク協会)が主催する「2020年度問合せ窓口格付け(証券業界)」において、10年連続で最高評価の「三つ星」を獲得しています。ウェブサイトや電話のサポートだけでなくリモートサポートを利用することも可能です。
リモートサポートとは、インターネットを通じて自分のパソコンの画面を松井証券顧客サポートのオペレーターと共有し、同一画面を見ながら操作方法などを説明してもらえるサービスです。パソコン操作が苦手な人でも、安心して取引環境をセッティングできるようになっています。
老舗のネット証券だから安心
1918年に創業した松井証券は、100年以上の歴史がある老舗のネット証券です。1998年に日本で初めて本格的なインターネット取引を導入するなど数多くの業界初のサービスを生み出しています。近年増えている新興のネット証券とは異なる老舗の安心感があるでしょう。