新NISAを始めるなら銀行と証券会社のどっちがおすすめ?地方銀行で始めるのは正解?と気になる方も多いのではないでしょうか。
結論として新NISAは、手数料が低いのに加えて取扱銘柄数が多く、サービスが充実しているネット証券で始めるのがおすすめです。
本記事では、新NISAは銀行と証券会社のどちらがおすすめかをそれぞれのメリット、デメリットとともに解説します。ぜひ参考にしてください。
- 新NISAを始めるなら銀行ではなくネット証券がおすすめ
- 銀行の新NISAは商品が少ない、株が取引できないといったデメリットがある
- 銀行の新NISAには対面で相談できるというメリットはある
新NISAを始めるならネット証券がおすすめ
新NISAは取扱商品数が多く、サービスが充実しているネット証券で始めるのがおすすめです。
ネット証券は他の金融機関と比べて、以下の点でサービスが充実しています。
- 投資信託、株の銘柄数が多い
- 少額からNISAを始められる
- 積立頻度も柔軟に設定できる
- クレカ積立を始め、ポイントサービスが充実
- 証券会社が潰れても財産は全額保護される
証券会社には、店舗を持っている会社と、店舗は無くインターネット上で取引が完結できるネット証券の2種類があります。
ネット証券と対面証券(店舗あり)、ネット銀行、銀行(店舗あり)のサービスの傾向を比較すると、窓口相談ができない点以外は全てネット証券が優れていることがわかります。新NISAはネット証券で始めましょう。
■会社タイプ別 新NISAのサービス傾向
ネット証券 | 証券 (店舗あり) |
ネット銀行 | 銀行 (店舗あり) |
|
---|---|---|---|---|
投資信託 | ○ 多い |
△ 少ない |
△ 少ない |
△ 少ない |
株 | ○ 多い |
○ 多い |
× 取扱なし |
× 取扱なし |
積立金額 | ○ 100円~可能 |
△ 1,000円~が 一般的 |
△ 1,000円~が 一般的 |
△ 1,000円~が 一般的 |
積立頻度 | ○ 柔軟に設定可能 |
△ 毎月のみ |
△ 毎月のみ |
△ 毎月のみ |
クレカ積立 | ○ 対応 |
× 非対応 |
△ 非対応が一般的 |
△ 非対応が一般的 |
ポイント サービス |
○ 充実 |
△ 非対応が一般的 |
△ 非対応が一般的 |
△ 非対応が一般的 |
窓口相談 | × | ○ | × | △ |
財産の 保護制度 |
○ 預けている資産 全て保護 |
○ 預けている資産 全て保護 |
△ 購入した投資信託は 全て保護。預金は元本1,000万円 とその利息分まで |
△ 購入した投資信託は 全て保護。預金は元本1,000万円 とその利息分まで |
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新NISAを銀行で始めるのはデメリットが多い
新NISAを銀行で始めるのはデメリットが多くあるため、ネット証券で始めるのがおすすめです。
銀行で新NISAを始めると具体的にどのようなデメリットがあるのか、それぞれ解説します。
投資信託の取扱商品数が少ない
銀行の新NISAは、投資信託の取扱商品数が少ないというデメリットがあります。
ネット証券と銀行で新NISAの「つみたて投資枠(旧つみたてNISA)」と「成長投資枠(旧一般NISA)」の取扱商品数を比較すると、銀行がいかに少ないかわかるでしょう。
■金融機関別 新NISA取扱商品数
金融機関名 | 投資信託の取扱商品数 (つみたて投資枠) |
投資信託の取扱商品数 (成長投資枠) |
|
---|---|---|---|
ネット証券 | SBI証券 | 219本 | 1,166本 |
ネット証券 | 楽天証券 | 221本 | 1,125本 |
銀行 | 三菱UFJ銀行 | 24本 | 347本 |
銀行 | りそな銀行 | 13本 | 87本 |
銀行 | みずほ銀行 | 14本 | 114本 |
銀行 | ゆうちょ銀行 | 15本 | 58本 |
金融機関名 | 投資信託の取扱商品数 (つみたて投資枠) |
投資信託の取扱商品数 (成長投資枠) |
|
---|---|---|---|
ネット証券 | SBI証券 | 219本 | 1,166本 |
ネット証券 | 楽天証券 | 221本 | 1,125本 |
銀行 | 三菱UFJ銀行 | 24本 | 347本 |
銀行 | りそな銀行 | 13本 | 87本 |
銀行 | みずほ銀行 | 14本 | 114本 |
銀行 | ゆうちょ銀行 | 15本 | 58本 |
投資信託は商品によって投資する対象や手数料が異なり、投資によるリターンが大きく変わります。少ない選択肢の中から選ぶより、多くの商品を比較して慎重に選ぶようにしましょう。
銀行の新NISAでは、購入したい投資信託の取り扱いがなかったり、限られた商品の中から選ばざるを得なくなる可能性があります。そのため、新NISAは取扱商品数が多いネット証券で始めましょう。
取扱商品の信託報酬が高い商品を勧められる可能性がある
銀行では信託報酬が高い商品を勧められる可能性があるのも注意しましょう。
信託報酬とは、証券会社に投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間支払い続ける必要がある費用です。
新NISAで利益を高めるためには、リターンが大きく見込めそうな商品を選ぶのとともに、信託報酬などの手数料が安い商品を選ぶことも重要です。
ネット証券と違って担当者がいる銀行では、信託報酬が高い商品を勧められる可能性もあります。
ネット証券は自身で商品を決める必要があるのは手間な一方で、意図せず信託報酬が高い商品を購入してしまう危険性は避けられるというメリットがあります。
積立設定の選択肢が少ない
銀行の新NISAは、積立設定の選択肢が少ないというデメリットもあります。一方で、ネット証券は積立設定の金額や頻度の選択肢が多く、柔軟な投資が可能です。
■金融機関別 投資信託積立頻度
金融機関名 | 積立頻度と最低積立金額 | |
---|---|---|
ネット証券 | SBI証券 | 毎日、毎週、毎月、複数日、隔月100円~ |
ネット証券 | 楽天証券 | 毎日(つみたて投資枠のみ)、毎月100円~ |
銀行 | 三菱UFJ銀行 | 毎月1,000円~ |
銀行 | りそな銀行 | 毎月1,000円~ |
銀行 | みずほ銀行 | 毎月1,000円~ |
銀行 | ゆうちょ銀行 | 毎月1,000円~ |
金融機関名 | 積立頻度と最低積立金額 | |
---|---|---|
ネット証券 | SBI証券 | 毎日、毎週、毎月、複数日、隔月100円~ |
ネット証券 | 楽天証券 | 毎日(つみたて投資枠のみ)、毎月100円~ |
銀行 | 三菱UFJ銀行 | 毎月1,000円~ |
銀行 | りそな銀行 | 毎月1,000円~ |
銀行 | みずほ銀行 | 毎月1,000円~ |
銀行 | ゆうちょ銀行 | 毎月1,000円~ |
銀行よりも証券会社やネット証券のほうが積立頻度や金額を細かく設定できるため、使い勝手が良いでしょう。
特に少額から毎月100円といった少額から投資できるのは、初めて投資にチャレンジする方にとって安心できる点です。積立設定にこだわりたい方は、ネット証券を選びましょう。
財産保護の観点でも証券会社の方が安全
財産保護の観点でも銀行より証券会社で新NISAを始めるのがおすすめです。
証券会社に預けている資産(お金、株式、債券、投資信託など)は、金融商品取引法によって「分別管理」が義務付けられています。
分別管理とは、顧客の資産を証券会社が保有する資産と区分して管理することで、証券会社が破綻しても顧客の資産が保護される管理方法のことです。
つまり、SBI証券や楽天証券といった証券会社が破綻したとしても預けていた資産は、全て返還してもらえます。
一方、銀行については購入した投資信託は分別管理されているため安心ですが、預けているお金は預金保護制度により預金者1人当たり金融機関ごとに元本1,000万円とその利息分までしか保護されません。
つまり証券会社にお金を預けておいた方が安全性も高いと言えるでしょう。
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株やETF(上場投資信託)の取引ができない
新NISA口座で株やETF(上場投資信託)の取引ができないのもデメリットです。株やETFを取引するには証券会社の口座が必要なため、銀行では購入ができません。
株式の取扱 | ETFの取扱 | |
---|---|---|
銀行 | 無し | 無し |
証券会社 | あり | あり |
新NISAでは、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)と成長投資枠(旧一般NISA)の併用が可能となったため、投資信託の積立をしながら株へ投資することも可能です。
現時点で株式投資に興味がない、する予定がない人も、投資を続けるうちに株式投資をしたくなる可能性はあります。
銀行で口座開設してしまった後に後悔しないよう、事前に株やETFの取扱もあるネット証券を選んでおきましょう。
銀行で新NISAを始めるメリット
銀行にも新NISAを始めるメリットはあります。一番大きなメリットは、店舗の窓口で担当者に相談しながら口座の開設ができる点です。
ネット証券は手数料が安い、取扱商品数が多い、各種サービスが充実しているといったように多数のメリットがある一方で、担当者はつかず、申込みから商品の決定まで一人で全て対応する必要があります。
銀行であれば運用期間中に相談したいことがあれば、都度担当者に相談することができます。インターネットの利用に不安があり担当者へ相談しながらじっくり投資を検討したい方は、銀行で新NISAを開設するものありでしょう。
ただし、ネット証券でも電話やチャットによるサポートはしっかりと用意されています。対面でなくとも電話で十分と感じる方は、メリットの多いネット証券を利用するのをおすすめします。
\電話でのサポートが充実/
【銀行のNISA口座保有者向け】新NISAを証券会社に変更する方法
既に銀行のNISA口座保有社向けに、新NISAを証券会社に変更する方法を解説します。
新NISA口座の金融機関は、以下の手順で変更が可能です。
今回は、「ゆうちょ銀行」を例にそれぞれの手順を解説していきます。
変更前の金融機関で利用しているNISA口座を廃止する
まずは、現在NISA口座を利用しているゆうちょ銀行へNISA口座を変更したいことを伝えましょう。
なお、今年の非課税枠の使用がある場合は、今年の金融機関を変更することはできません。来年からの変更となり、お手続きいただけるのは10月以降となります。
今年の非課税枠の使用がない場合は、投資信託の口座を保有している店舗へ行き、NISA口座の金融機関変更の手続きをしましょう。
- 決済口座指定の総合口座通帳
- お届け印
- 本人確認書類
手続きが完了すると、1週間程度でNISA口座の廃止に関する通知書「勘定廃止通知書」が普通郵便で届きます。
今回はゆうちょ銀行を例にしましたが、金融機関によっては電話での連絡が必要だったり、Webだけで手続きが完結することもあるため、一度ご自身が利用されている金融機関に確認しましょう。
変更先の金融機関でNISA口座の開設手続きを行う
「勘定廃止通知書」が届いたら、新しくNISA口座を開設したい金融機関でNISAの申し込み手続きを行いましょう。
新NISAの口座開設をするためには、新しい金融機関で「総合口座」の開設を行っている必要があります。事前に開設しておきましょう。
新しい金融機関でNISAの申し込み手続きをした後、「非課税口座開設届出書」が送付されます。必要事項を記入し、ゆうちょ銀行から届いた「勘定廃止通知書」を同封して変更先の金融機関に郵送しましょう。
書類に不備がなく、税務署のNISA口座のチェックが完了すれば新しい金融機関で新NISA口座が開設できます。
新NISAについてよくある質問
ここでは新NISAについてよくある質問をまとめています。新NISAを始める前に確認して、口座選びに役立てましょう。
- 新NISAを銀行で始めてしまった場合はどうすればいい?
- 新NISAを銀行で始めてしまった場合は、今の口座に満足していなければネット証券の口座に変更しましょう。銀行は対面窓口がある点がメリットですが、ネット証券はネット上での手続きが主になるので注意しましょう。利用しているNISA口座を廃止した後に、変更先の証券会社でNISA口座の開設手続きを行うことで口座変更が可能です。
- 新NISAを銀行で始めるのはやめたほうがいい?
- ネット上での情報収集や相談が可能であれば、新NISAを銀行で始めるのはやめた方がいいでしょう。銀行ではなくネット証券で新NISAを始めることで、充実したポイントサービスを受けることができるほか、自分に合った銘柄を豊富な選択肢から選ぶことができます。
- 新NISAを銀行で始めると手数料が高い?
- 新NISAは銀行や証券会社などの金融機関に関わらず、投資信託商品の手数料は無料の場合が多いです。しかし銀行や店舗型証券会社は取り扱っている銘柄数がネット証券に比べて少なく、銘柄ごとに決まった信託報酬(取引コスト)が高い商品しか選べない可能性もあるため、ネット証券の方が手数料が低いといえるでしょう。
- 証券会社と銀行はどっちが安全?
- 証券会社と銀行を比べると、証券会社の方が安全だといえるでしょう。銀行と証券会社では財産の保護制度が異なり、証券会社の場合は証券会社が潰れたとしても預けている資産が全て保護されます。一方で、銀行の場合は購入した投資信託は全て保護されますが、預金は元本1,000万円とその利息分までと定められています。
- 新NISAはどこでも同じ?
- 新NISAは選ぶ口座によって取り扱っている商品やポイントサービスが異なるため、どこでも同じではありません。自分がよく使うポイントの種類や取り扱い商品の豊富さ、アプリの使いやすさ、顧客サポートの充実度などをもとに選びましょう。