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(画像=株式会社ステムセル研究所)
磯村 実穂(いそむら みほ)
株式会社ステムセル研究所 ブランディング統括及び、サステナビリティの企画・推進を担当
大学卒業後、助産師として東京都内の大学病院に勤務。ハイリスク妊婦の看護や分娩介助、新生児看護を経験する。さらに多くの方へ高度なホスピタリティを提供したいと思い、大手航空会社へ入社。客室乗務員として多くのお客様とのコミュニケーションを経験する。 2023年4月より現職。
株式会社ステムセル研究所
株式会社ステムセル研究所は「あたらしい命に、新しい医療の選択肢を。」をコーポレート スローガンに、再生医療・細胞治療を目的とした「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業及び、それらの細胞を利用した新たな治療法、再生医療等製品の開発を行っております。そしてこれらの事業基盤をベースに、再生医療・不妊治療・出産・子育て等の領域での事業開発及び投資等によるサスティナブルな社会への貢献を目指しております。

現在のESGへのお取り組み事例

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(画像=株式会社ステムセル研究所)

まず、最近の取り組みとして、”SDGsクラシックコンサート”についてご紹介いたします。 今回は初めての取り組みとして2つのポイントに注力しております。

1点目は、我々が毎月食材の寄付というかたちで支援させていただいている、子ども食堂さんとの連携です。また本コンサートでは港区のNPO法人みなと子ども食堂さんにご登録いただいている、ひとり親世帯の方々を無料でご招待させていただいております。

コンサートでは、ストラディバリウスという貴重なバイオリンでの一流の演奏をお届けすることで、多くの子供に対し教養を高めていくという部分でお手伝いできればと考えております。

2点目は、音楽活動の文化保護という観点です。コロナ禍もあり演奏家の方々も音楽活動だけで生計を立てていくのが難しいという現状に対し、本コンサートを皮切りに全国の病院などを始め様々な場所で演奏する機会を作っていけるよう計画しております。

また、今年5月の本社オフィスの移転の際にも、様々な取り組みを実施しました。例えば、働きやすい職場環境として、窓際の景色の良い席をリフレッシュスペースとして社員に開放したり、オフィス内に多くの植栽を設置いたしました。更に、この植栽については、枯れて廃棄物が出てしまう生の植物ではなく、フェイクグリーンにすることで管理の手間や廃棄物の削減に取り組みました。

他にもオフィスの中心に文具ステーションを設けることで、全社で文房具を共有し、各備品を本当に必要な分だけ使用するなど、無駄をなくすための小さな取り組みをたくさん行っております。

産休・育休においても、男性の育休取得率も100%です。ガバナンスにも力を入れており、女性役員が2名参画しており、女性役員比率が約28%です。また社外役員比率においても85%で、代表以外が社外役員です。

ESGの取り組みと企業の強み

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(画像=株式会社ステムセル研究所)

これまで、積極的にESG活動に取り組んでまいりましたが、弊社の取り組みは単発的なボランティアではなく常に企業価値を向上させるものであるということを大事にしております。

前述のコンサートについても、弊社が日頃からお世話になっている医療従事者の方々を無料でご招待させていただいたり、関わりのある企業様に協賛いただいたりすることで、当社への支持を高める効果があります。また特定の企業や人への負荷を軽減することで、サステナブルな取り組みになっています。

一方、ガバナンスにおいても力を入れており、働きやすい環境を作成することで社員のモチベーション向上に繋がっていると考えています。 取締役会のうち代表を除く全員が社外で構成されていることや、女性役員の増加により役員の女性比率は30%程度になっています。これにより、透明性と信頼性を高く評価いただけるような体制が整ってきております。

これら一連の取り組みが毎年、過去最高収益の更新という結果に繋がっていると思います。

現状だけではなくESGの取り組みでこれから目指すところ

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(画像=株式会社ステムセル研究所)

現在、2名の女性役員が参画しておりますが、さらに増員を検討しており、多様性を高めていきたいと考えています。

また多様な働き方への柔軟な対応や、社長室や役員室を設けない吹き抜けワンフロアのオフィスや、全社員が日報で役員陣へ意見できる場を作ることで、風通しの良い組織文化を整備しています。そして、社員のモチベーション向上のためにも積極的な賃上げを行っております。

このように一つ一つに着実に取り組み、PDCAサイクルを回していくことで社会に貢献しつつ企業価値を向上させていきたいと考えています。

今後の上場企業の意義や投資家ユーザーへのメッセージ

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(画像=株式会社ステムセル研究所)

私たちの事業は継続性と人々の健康と直結するため、その特性上、信頼性と透明性が非常に重要です。このようなポイントを意識しながら、ガバナンスにも力を入れ、企業価値を向上させていきたいと考えています。

また、今後の事業としては、妊娠・出産に関わる部分だけでなく、不妊や育児など女性のライフステージに合わせたサービスに取り組んでいく予定です。

我々の現在の時価総額は現在約270億円ですが、これらの活動を通し、1000億円の時価総額を達成することを全社一丸となって目指しております。これからも、事業とESG取り組みを通じて、豊かな社会の実現に貢献していけるよう一層の努力を重ねてまいりますので、ご注目いただけたら嬉しいです。

(執筆・構成=川村 真史)