成長性や高配当株の多さから、近年アメリカ市場への投資を始める人が増えている。アメリカ市場を読み解くためには、中央銀行の金融政策を注視する必要があるが、市場との関連性をどのように考えれば良いのだろうか。田中泰輔リサーチ代表、楽天証券グローバルマクロ・アドバイザーの田中泰輔氏に解説してもらった。

田中泰輔
田中泰輔氏
長年にわたり米欧日メガ金融機関9社にて市場予測・戦略業務を担当。国内外主要アナリスト調査で20年以上トップ級に選出(日経ヴェリタス金利・為替部門で2010年から5年連続1位など)。2019年より楽天証券経済研究所グローバルマクロ・アドバイザー就任、2021年よりピクテ投信投資顧問株式会社客員フェロー就任の他、米欧金融機関、投資教育、事業承継コンサルタント、メディアなど各社と提携している。
Twitter:@tanaka_taisuke
公式HP:田中泰輔リサーチ

中央銀行と密接な関係があるアメリカ市場

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(画像=PIXTA)

――最初に、中央銀行の金融政策と相場の関連性について教えてください。

FRB(アメリカの中央銀行)の場合、日本銀行やECB(欧州中央銀行)のように物価だけではなく、雇用にも責任をもっているという特徴があります。FRBは「完全雇用を達成する」ことを目指していて、そのために失業率は4%に抑えなければいけません。物価については、過去にインフレ率が高かった時期は「2%に抑えたい」という政策を行っていましたが、最近は2%よりも低いことが多いので「2%を確保したい」という政策を進めてきました。

マクロ経済には、循環・サイクルがあります。景気が悪化し、失業率が高まり需要が足りなくなると、中央銀行は金融緩和をして景気を刺激します。逆に景気が良くなってきて完全雇用を達成すれば、さらに経済を成長させるために企業は賃金を高めて人を採用しないといけなくなり、インフレが進みます。こういう状況になれば、金融を引き締めて経済の加熱を抑えないといけません。

景気を刺激するための金融緩和が進んで金利が下がってくると、まだ景気が悪いうちに、一番金利に敏感な住宅部門などが反応して動き出します。そして、短期金利がまだ低いままである一方で、「先々景気が良くなる」という見通しから長期金利は上がり始め、長短金利の差が開いていくのです。

長短金利差の拡大というのは、金融機関にとっての収益の源泉です。「長短金利が開いてきて、金融機関が楽になってきた」という状態になると、株は上がり始めます。よく「不況下の株高」といわれますが、これは「金融相場」の典型で、「景気は悪いけど金融緩和したら株高」という現象がまず起こります。その後、景気が回復していってもまだ盤石ではない間は金融緩和が続くので、金融相場も継続します。やがて「いよいよ景気回復も進んだし、このような金融緩和をいつまでも続けたらインフレになるのでは」となれば、金融緩和をやめる方向に動き始めます。

実は、この金融引き締めの当初は、多少利上げをしてもまだ金融緩和状態であることには変わりません。金利ゼロから0.5%になっても、サイクル全体で見ればかなりの金融緩和状態だからです。しかしマーケットは先々を織り込んでいくところもあって、金融相場で十分含み益を持つまで株が高くなっているところで、「いよいよ金融引き締めに転じるんだ」となると一旦、「利益確定売り」が出て相場が下がるという過程を経るのです。

それからしばらく景気は再拡大・加速していきますが、こうした状況は「金融引き締めはしているけど、景気は良い。業績は良くなっていく」という「業績相場」と呼ばれるものです。この業績相場も、金利がある程度まで上がってきて、「景気中立水準」といわれるところまで来ると、株価が反落してしまう傾向が強いですね。FRBにしてみると、景気そのものはまだ上向いているが、インフレの芽が出てきたら金利をある程度冷やすまで利上げをせざるを得ませんから。

そうして金利を上げていき、住宅市場に陰りが出てくる(つまり住宅ローンを借りにくくなった)と、通常はほどなくして株も反落していきます。このように、FRBは、景気の低迷・過熱を抑えて、できる限り完全雇用(失業率4%)と2%のインフレを実現するように政策運営をしており、市場はそれに沿って動くようになっています。

アメリカ市場のメリットは、成長性と「計算のしやすさ」

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(画像=PIXTA)

――FRBの政策が大きな影響を及ぼしているアメリカ市場ですが、日本の株と比べて、どんな点が魅力ですか。

アメリカはいまだに経済成長率もプラスで、金利も(今回は新型コロナウイルス流行の影響でゼロに近いところまで下げましたが)日欧対比で高いプラス金利を維持しています。まだ経済が金融政策に対する感応度があり、経済成長率も高く、金利が生きているといえますね。

これが日本や欧州ですと、マイナス金利をするほど金融緩和で大盤振る舞いをしているにもかかわらずデフレですし、金融政策に対する感応度というのが失われている状態なのです。

その点ではアメリカ市場というのは、これまで説明してきたように、FRBの金融政策が依然として影響を及ぼしており、政策に反応してきちんとロジカルに動いています。アメリカ株はその成長性と景気サイクルに沿った動きの測りやすさ・計算しやすさが第一の魅力だといえます。

それらに加えて、今世界ではポストコロナで大きな経済の構造転換が進もうとしていますが、ハイテクやDXなど、新しい領域はアメリカの企業が圧倒的に強い傾向にあります。アメリカ一国だけでなく、そこから発展して他国の需要を取り込むような企業がたくさんあり成長が期待できるため、将来性も高いといえるでしょう。

またETFが充実しているのもメリットです。例えば「半導体業界をまとめたETF」であれば、業界内の複数企業に投資していることになるので、かつて最強だったインテルが、先端的な半導体で出遅れて株価に浮き沈みが発生するといったことが起きても、半導体業界そのものが伸びていけば、全体的には利益は出ますし、リスク分散もできます。

そのため、アメリカ株投資は、個別企業がよく分からない、バランスシートや損益を見て判断する方法がよくわからないという場合でも、「景気良くなってきたから株は上がりそう」とか、「景気悪いけど金融緩和し始めたから株が上がるのでは?」というところから始まって、「これからグロース株で大きく伸びていくのは、半導体なのでは?」とか「EVのリチウムバッテリーじゃないの?」という予想だけでも、投資する術がひらけているといえるでしょう。

――為替リスクについてはどう考えればよいでしょうか?

海外に投資する場合は為替が必ず絡んできます。大きく円高が進めばアメリカ株投資で得た利益が帳消しになってしまうという可能性もあります。ただ長い目でみた投資においては、為替相場もある程度中立化されてくるものだと考えられます。なので、ドルの投資はドルのパフォーマンスだけで考えながら、いずれ為替が良いところで円に戻せば良いくらいのつもりでやればいいと思います。

確かに外国株は為替の変動リスクはありますが、日本は震災などの影響や、人口が減って低成長になっているといった不安要素もありますし、海外の高い成長性が見込まれる国の資産をバランス良く持っておく時代が来ていると思います。

大チャンスだった2020年のアメリカ市場

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――コロナ禍を経たアメリカの株式市場の動向については、どのように考えていますか。

アメリカでは、経済が比較的良い状況にあるときに、コロナによって突然過去に例がない経済の落ち込みが起こりました。その際FRBは、史上空前の金融緩和を行ったのです。財政も、とにかくみんな資金繰りがつくようにと、給付金など大盤振る舞いして、経済の下振れを回避しました。

結果として、ここでやった大盤振る舞いの政策が、「超ド級の金融緩和による超ド級の金融相場」を生み出しました。そのため、コロナ禍が始まった頃にあちこちで言いましたが、2020年の市場はおそらく人生で滅多に出会わないチャンスだといえたのです。

初めはロックダウンなどの影響で市場も落ち込みましたが、財政出動に加え、コロナの毒性や感染力がおよそつかめてくると、「相当な金融相場になる」ということで、グロース株が跳ね上がりました。そこから「どうやらワクチンが上手くいきそうだ」という理由で、出遅れていたバリュー銘柄も一気に上がり始めたのです。

その結果、2020年から2021年の2月くらいまでにかけてというのは、代表的な指数を買っていても2倍になるような、とてつもない相場になりました。そして、2021年に入り、現在も通常の景気サイクルとは違う展開が起こり始めています。先程「景気が回復してきたら、金融引き締めをし、そこで金融相場が終わる」という話をしましたが、今回は、景気回復自体が並外れて速いのです。

コロナの変異種が次々出てきて景気の回復がもたついているといわれていますが、基本的に落ち込み方がきつかった分、回復が速い局面があります。さらに2月に、バイデン政権が1兆ドルの経済対策を決めました。ワクチンの普及で経済が正常化して、「相当な成長率になるぞ」と言っているときに、輪をかけて凄まじい経済対策を打ったわけです。

通常、景気が悪いとき状態、需要不足で「完全雇用になっていない」という状態では金融緩和によってFRBが経済を支えるという話をしましたが、今年中に現在の需要不足は一気になくなってしまい需要過多の状態まで経済は成長する公算です。

――そうなると早い段階で景気が回復して、早々に金融緩和をやめるという展開になりそうでしょうか。

そうともいえない点もあります。今回の相違点として、アメリカも世界もコロナ禍で経済を止めてしまったところからの回復過程で、あちこち生産、物流、需給にミスマッチが生じています。

例えば今、労働市場において、企業が景気回復に備えて、数多くの求人を出しているんです。一方で、コロナ禍における失業者を支えるために、経済対策の一環として給付金を追加したり、9月上旬までは失業保険に上乗せを出したりしました。そのため、失業者が「無理して働かない」状況が続きました。しかし企業としては賃金を高くしても雇用しようとして、賃金だけ見るとインフレ示唆的に思える状態になっているのです。

労働市場だけでなく物の流れにもミスマッチがあります。一旦、物の流れを止めてしまったがために、企業は原材料を調達できず次の製品が作れない、また物流も滞るという事態が世界中で起きているので、経済が足踏みしているように見えるところもあります。これに対して、家計はお金を余らせていて、無理して働かないけれど、いざ経済が正常化したときに貯蓄があるため、旅行や買い物など「消費に回ったら凄いことになる」という潜在力も持っている状態です。

今のアメリカ市場は、「財政政策などで経済は回復基調にみえるが、物流や雇用のミスマッチといった不確実性もあるため、金融緩和を継続しなければならない」という部分と、「インフレになるから金融引き締めをしなくてはならないのではないか」という部分を両睨みする不確実なステージです。

そして今年の2月、去年からの超ド級の金融相場で上がってきたグロース株などが、バイデン政権の財政政策に反応して「こんなに景気を速めたら、さすがに早期に金融緩和解除に向かうだろう」といった雰囲気となり、反落してしまったのです。

――あまりにも動きが速い展開の中で、金融緩和の引き締めが行われる前に先に株式市場が反応してしまったと。

そうですね。FRBが具体的に動くよりも前に「何かここまで景気回復が速まれば」という段階で一旦落ちてしまったんですね。

その後も投資家サイドは、FRBによる金融緩和の解除、今年に関してはどこかでテーパリング、つまり量的緩和で資産を買い入れてお金をじゃぶじゃぶに供給していたのを、徐々に買い入れ額を減らしていくと決めた段階で、上がっている株価が急反落し、金融相場が終わるのではと警戒していました。しかし実際は2~3月の段階で、上昇してきたグロース株が下落しているので、金融相場が終わったときに下落するような銘柄の一部は、すでにガス抜きされてしまっており、プラスアルファで落ちるということもないと考えられます。

そもそも、今回のテーパリングは、そこまで相場にインパクトはないはずと見てきました。2013年にテーパリングをやった際に、バーナンキFRB議長(当時)の突然の表明、リーマン危機後に打たれた米国初の量的緩和の幕引きという初体験から、市場が過剰反応した面があります。その経験からトラウマのように「テーパリングが始まったら株はまた落ちる」との懸念が市場に燻っています。

そこでFRBは前回の経験を踏まえて市場との対話を非常に上手くやったと言えます。6月には、口頭でテーパリングを示唆する前に、経済・金利見通しの数値で「景気がこれだけ強いから、さすがにテーパリングもあるだろう」とマーケットに前もって織り込ませました。そして、FRBの中のタカ派と呼ばれる人たち、つまり「金融引き締めを早めるべきだ」という人たちが折々に「早くテーパリングを検討し始めた方が良い」と言いはじめたのです。

その影響を受けてマーケットがぐらつくと、FRBの総元締めのパウエル議長が「いや、我々はまだまだ金融緩和で支えていますよ」と言い続けました。そうしながら8月の下旬に、パウエル氏自身が「年内にテーパリングを開始するのが、今の経済の回復スピードから見ると適切だ」ということを言ったんです。

マーケットはすでにテーパリングを織り込んでいて、8月に公表された雇用統計も強い中での発言だったので、「あぁやっぱりそうなんだ」という自然な流れができました。そして9月のFOMCで、11月にもテーパリングを決めることを示唆するまできました。FRBが市場との対話をうまく行ったことで、市場の混乱は避けられ、むしろこのFOMC後には株式相場が急伸しました。

――テーパリングが確定的になりましたが、その次の「利上げ」の影響も気になりますね。

はい、テーパリングについては、市場は11月開始で2022年半ば完了と、ほぼ織り込んでいます。市場の目は既に、利上げの開始時期とどこまで上がるに移りつつあります。

通常、「金融相場が終わった後は業績相場になる」というパターンとなりますが、今回あまりにも景気回復が速いので企業業績も良く、金融相場でありながら業績相場としても絶好調です。大相場ゆえの、あるいは景気回復の早さゆえの両方が混ざったような展開で進んでいます。

そうすると、金融相場から金融引き締め開始を挟んで業績相場に移行するというサイクル論の基本パターンとは、ズレや異なる動きが見られます。それでも、基本パターンを押さえていればこそ、この通常と異なる景気変動の中でも、相場展開について、どこが相異するかを抽出でき、今回はどうなるか推理を働かせることができるのです。

これからアメリカ市場に参入するには

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(画像=PIXTA)

――これからアメリカ市場に参入する人へのアドバイスはありますか?

先程申し上げたように、コロナ禍による現在の相場は、人生に滅多にないような大相場なので、早めに入った人たちは追い風に乗って素晴らしい利益を出していると思います。しかし、「今年に入って相場に参加」というなら、金融相場でいうと後半戦に入っている状態になります。

年初に入っていれば2~3月の暴落に見舞われた可能性もあります。4~6月なら立ち直りプロセスに入っているので、ほどほど良いポジションなのですが、金融相場としては中腹以上の水準でポジションを作ったことになります。

早く買ったものは中期・長期という長い期間の投資に繋げていくのもいいですが、相場のサイクルの終盤で入ったものは、サイクル高値での波乱、更にその先のサイクルの下方屈折に巻き込まれるリスクを踏まえて、短期投資の目線も必要になります。

今回はコロナ禍でちょっと変則的ですが、今が相場のサイクルのどの位置かを判断するにあたって、金融政策というのは常に重要なシグナルといえるでしょう。

――昨年から参入した人は、利益が出ている可能性が高いですが、ずっと順風満帆に来たものが逆風となると対応できない可能性もありますね。

投資では、理屈はわかっていても、理屈通りにいかないところがあります。お金を投じて儲かったら、誰も頭の中からドーパミンが出て舞い上がってしまいがちです。つまり、相場が上がってきてサイクルの後半で大きな利益が出ていると、リスクに対する判断が甘くなったり、自分の読みの確かさを過信したりして、「まだまだ行ける」という楽観を強めやすいのです。

しかし相場が上昇し後半に入ると、むしろ「どういう形で利益を確定させるか」ということが重要になります。儲かって気持ちが盛り上がっている、誰に聞いても浮かれて強気を語っている、そういうときに冷静に、サイクルの変節を見極める状況判断をして売るロジックと胆力の習得です。皆が儲けに浮かれる段階は、相場としてはある程度煮詰まった状態でしょう。その時の市場がどの段階にあるのかを冷静に分析することがまず基本です。

その中で、FRBの金融政策と景気回復の兼ね合いを見て「金融引き締めがきそうだな」とか、「金融引き締め中でもここまで業績相場で上がってきたが、金利水準がここまで上がると、住宅に陰りが出ており、やはり株価も一旦冷やされるのでは」など、淡々と判断し、理屈に沿った行動ルールを貫徹する、これがサイクル投資の基本です。

投資では、「予想は適切だったのに」とか「反転の兆しはあったのに」という失敗事例が本当に多いのです。経済と市場のつながりについての理屈と、理屈を見失わせる程の心理を結びつけてアプローチが、成功のための肝と考えています。

――アメリカ市場の今後の見通しを教えてください。

テーパリングについては、恐らく11月開始で、現行の毎月1200億ドルの資産買い入れを毎月150億ドルずつ減額し、2022年半ばに完了という見立てが、市場のコンセンサス予想になっています。テーパリングがほぼ確定となったことで、市場の焦点は利上げの時期、そしてそれを規定する景気回復の強さ、インフレ動向へ移り、相場としても新たなステージになります。

FRBは「コロナの克服過程では、過渡的なインフレ上昇がありえる」と事前にアナウンスしてきました。今回の超ド級の財政・金融政策を戦時体制の政策に喩えられもしましたが、「戦争後の高インフレ」という過去のケースを引き合いに、コロナ禍との戦いの後にはやはり「過渡的どころではない、真性のインフレがあるのではないか」という指摘があります。

その一方で、米国もトレンドとしてディスインフレに向かっているとする見方から、コロナ禍下での過渡的なインフレを過ぎたら、物価は鎮静化するとの見方もあります。アメリカは最近10年以上も好景気が続いて、折々にそろそろインフレかと不安視されながら、次第に低インフレ化が進みました。アメリカも日本やヨーロッパのようなディスインフレ、デフレに向かうのでないかという長期停滞論が、コロナ禍前にはじわじわ広がってもいたのです。

テーパリングを織り込んだ後の相場は、いよいよ、インフレと金利に直接対峙する新ステージへと移ります。しかし、現時点では、FRBにも誰にも、インフレの行方を断じることはできないでしょう。過渡的なインフレから真性インフレの兆しを分離することができる段階ではありません。そのことで逆に、インフレの先行きに市場がヤキモキし、不安視する場面が増える可能性があります。

2021年10~12月期は、まず雇用の増加ペースが上がり、次いでクリスマス商戦での消費需要の強さが確認されるとみています。他方で、製造業には半導体不足など障害が続いており、一部生産ができないとか、船便など物流が滞って商品が届かないなど、供給側の問題が浮上しています。つまり、需要は旺盛、でも供給が追いつかない、それで価格上昇といった事態が起こる可能性があります。

インフレは、過渡的でなく、真正ではないかとの憶測が刺激されれば、利上げ時期の前倒しを懸念して、中長期金利が上昇し、株式相場を神経質にする恐れがあります。ただし、こういう不安定な場面を乗り越え、その間の株式相場の調整も重なっていれば、FRBは金融緩和継続による経済・市場のサポートを強調する、そうした是々非々対応をとると見られます。

このように、金融相場と業績相場が重なり、経済正常化とインフレの行く末が不透明という、普通のサイクルと違っていることを踏まえつつも、基本を理解した上での応用問題と心得て、見ていく必要がありますね。初心者の人が全く自分の判断でやろうとしても難しいかもしれません。私も、楽天証券やピクテ投信など提携先から動画などで毎週情報発信しているので、一助になれば幸いです。

その上で、経済と市場のロジックと、理性的な判断を歪めてしまう心理の両面をつなげるアプローチを学んでいただきたい、そして、自分なりの予測・判断をする力を育んでいただきたい、そう願っています。

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