コロナ禍をきっかけに資産運用への注目度が高まっている。なかでも、日本株と比較すると継続的に上昇傾向にあることや連続増配銘柄が多いことから、人気を集めているのが米国株への投資だ。

こうした動きに対応するべく、ネット証券大手のSBI証券が4月9日、「SBI証券 米国株アプリ」をリリースした。アプリに搭載されている機能やSBI証券の米国株取引関連サービスの特徴について同社マーケティング部の磯中直樹氏に話を聞いた。

「誰でも気軽に投資デビューできる」環境づくりに注力

 
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(写真=SBI証券マーケティング部の磯中直樹氏)

―コロナ禍に伴い資産運用ニーズが高まっていると言われています。御社でもそうした実感はありますか。

おかげさまで当社の口座開設数は600万の大台を突破しました。なかでも20~30代といった若年層の方々の多くが投資デビューをする際に当社を選んでいただいているという実感があります。これは、「どなたでも気軽に投資デビューしてもらえる環境づくり」をコンセプトとしている当社にとっては非常に喜ばしいことだと考えています。

ユーザーの方々に評価されているポイントとしては、まず「手数料」が挙げられます。投資経験がない場合、多くの方が最初に意識するポイントはコストだと思いますので、「手数料の安さ」は徹底追求しています。また、資産運用を始める際に、一定量以上の資金が必要だと考える人も多いでしょう。そうした方々の懸念を払拭するために、国内株式を1株から購入できる「S株」という仕組みも用意しています。S株であれば、数百円程度から取引することができるため、投資デビューしやすい環境を提供できていると思います。

これらに加えて、Tポイントを使って投資信託を購入できる「ポイント投資」のサービスも好評です。当社で口座を開設していただくと、期間固定Tポイントを100ポイント(=100円分)、プレゼントしています。当社では投資信託を100円から購入できるので、自分の資金をつかうことなく、実際の取引に挑戦できるというわけです。

さらに、6月末から三井住友カードが発行するクレジットカードで投資信託が買える「クレカ積立」のリリースも予定しております。

こうしたサービスを通して、さらに若年層の方々に資産運用の価値を理解していただき、当社で「投資デビュー」をしていただきたいと考えております。

―最近は、米国株への関心も高まっていますね。

米国株の伸びは非常に顕著で、ここ2年の間でお取引いただいているお客さまが7~8倍ほど増えています。「証券口座を開設して初めて取引する商品に米国株を選ぶ」という方々も増えていて、相当注目されているのではないでしょうか。特に30~40代の「これから資産形成をしていこう」という年代の方が、米国株取引を始めている印象があります。

背景には、様々な要因があると思いますが、「情報が手に入りやすくなった」ことは、大きなポイントだと思います。そのため、当社でもレポートやニュースといった形で多くの情報をユーザーに提供しています。

初心者からベテランまで満足させる機能が満載

―こうした状況に対応するため貴社でも米国株アプリがリリースされました。SNS上では評価する声も多いですね。

最近は、スマートフォンで取引する方も多いですし、特に若い方々の多くはパソコンには触らないともいわれています。そのため、スマートフォンアプリのニーズは大きかったと思います。

当社では、すでに国内株やFX取引を行うアプリがありますので、これらを利用している人たちにとって使いやすくしつつも、新しい機能やデザイン(長押しでのショートカット機能・視認性の見直し等)の採用やボタン配置などの工夫によって、直感的に取引ができるように意識して設計しました。
 

(画像=直感的に取引ができるように設計されたSBI証券の米国株アプリ)

―投資を行う際にヒントとなるような情報を提供する機能も多いですね。

米国株との接点は増えているのですが、国内株と比較すると馴染みのある銘柄が少ないという問題があります。そのため、「どうやったら銘柄に触れてもらえるか?」という点を常に意識しています。

例えば、「AI」などのような分かりやすいテーマやキーワード検索を使うことで、注目のテーマに紐づいた銘柄を探すことができるようになっています。また、アプリ内でニュースを軽くチェックしただけでも個別の銘柄との接点を持てるように意識した設計になっています。

また、銘柄選びでは「スクリーナー」という国内株でも提供しているサービスがあります。これは、「割安優良株」「値上がり追求型」「好配当銘柄」など、自分の好みの条件で銘柄を絞り込みができるというもので、初心者のみならず上級者からも好評です。

(画像=自分の好みの条件で銘柄を絞り込みができる「スクリーナー」機能)

さらに、決算速報も発表からほとんど数分、最大でも30分以内に日本語に翻訳してニュースとして提供しています。米国株には、英語というハードルがあるため個人投資家のブログやSNSを通じて情報収集をしていた方も多いと感じているので、オフィシャルの情報を迅速に伝えることができるようにしています。

(画像=決算速報も30分以内に日本語に翻訳して提供)​​​​​​

―貴社では、これまでご説明いただいた機能のほかにも、他社にはない様々なサービスを提供しています。

他社にはないサービスの一つが、米国株式の新しい投資スタイルである「米国株式・ETF定期買付サービス」です。このサービスを利用することで、買付タイミングの分散を図ることができるため、初心者から上級者の方まで幅広くご活用いただいています。

もう一つが、国内では初となる米国株式を保有したままで、金利を受け取ることができる「米国貸株サービス」です。このサービスは、申込後に「ほったらかし」にしても、一度申し込んでしまえば売買タイミングは自由で配当もそのまま受け取ることができます。そのため、難しい知識は必要なく貸株金利が支払われるため、上級者だけでなく初心者にも喜んでもらえるサービスと言えるでしょう。

そのほかにも、新規上場銘柄にたいして、お客さまが取得しづらい情報を事前にお知らせして、上場初日から取引していただける「米国/中国IPOスピードキャッチ」など、米国株式投資をサポートできるサービスを提供しています。

グループシナジーで幅広いニーズに応える

―米国株ユーザー向けに展開しているキャンペーンなどはありますか?

原則として、米国株の株価は15分遅れで表示されており、リアルタイムで見るためには550円(税込)かかります。この500円が実質無料となり、リアルタイムで米国株の株価を見ることができるキャッシュバックキャンペーンを6月末まで行っています。また、Tポイントに関連したキャンペーンも実施予定です。

ほかにも、米国株に限らず、未成年者や25歳以下のお客さまの投資デビューを応援すべく、国内株(現物)の手数料をキャッシュバックする「手数料実質0円プログラム」や「SBIハイブリッド預金 受取利息 100倍キャンペーン」なども開催中です。

当社は国内外の株式をはじめ、グループ企業でFXや仮想通貨など幅広い金融商品を取り扱っています。グループシナジーを生かし、お客さまの様々なニーズに対応することができるので、「お金=SBI」というイメージが定着すると嬉しいですね。「資産運用」と一言でいっても、個々人の資産状況により様々なニーズがあります。グループ全体でお客さまの多様なニーズにきめ細かく応えていけたらと考えています。

(取材日:2021/4/21)