チャンネル登録者数25万人を超える人気YouTuberで、かつ投資家としての腕も確かなぽんちよさん。節約や副業を駆使して資金を捻出し、米国株への積極的な投資などを手掛けることで、20代ながらすでに資産は4,000万円を超えている。
FIREに向けて邁進するぽんちよさんに、投資を始めたきっかけや投資手法、今後の目標などについて聞いた。
投資対象は日本株、米国株、投資信託など。高配当株を権利確定前に売却するという独自の投資法も行っている。
投資額を増やすために節約や副業にも力を入れており、ブログやYoutube、せどりなどにも挑戦中。YouTubeのチャンネル登録者数は、2021年9月時点で25万人を突破している。昨年、念願かなって転職を果たし、現在はのびのびと田舎で働いている。
Twitter:@pontiyoblog
ブログ:投資家ぽんちよ 目指せ!FIREブログ
YouTube:目指せ!FIRE 投資・節約・副業 初心者の背中を押すチャンネル
資産が4,000万円を突破し、FIREを目前にした若き投資家
――まずはぽんちよさんが投資を始めたきっかけを教えてください。
社会人として働き始めて間もなくのことです。大学時代の友人とご飯を食べに行った際に、友人が投資をしていたことがきっかけで興味を持ちました。友人からは「インデックス投資がおすすめだ」とアドバイスを受けましたが、せっかくなら個別株に投資したいと思い、その日のうちに証券口座を開設しました。
投資について勉強していくうちに、FIRE(Financial Independence, Retire Early)に対して強い憧れを抱くようになりました。正直な話、当時勤めていた職場があまり好きではなかったので、なんとかこの環境から抜け出したいという思いがありました。
投資を始めた当初は、ニュースを見て気になった銘柄をとにかく買ってみるというスタイルでした。相場にも助けられて順調に利益が出て、それを再投資するというサイクルを回していました。貯金は400万円ほどあったのですが、投資を始めて1ヶ月も経たないうちにほぼすべてを株につぎ込んでいました。
より多くの資金を投じられるように節約や副業にも力を注いでいった結果、2021年8月時点で約4,000万円まで資産が膨らみました。
――今年で28歳ということですが、FIREへと着実に近づいていますね。現在の資産配分について教えてください。
日本株18.0%、米国株52.3%、投資信託6.8%、仮想通貨1.5%、そして現金が21.5%となっており、米国株に積極的に投資をしています。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスなどを見ると米国株の比率は6割弱ですから、それに近いという意味で理想的な分散ができていると感じています。
米国株に次いで現金比率が高いですが、これは暴落時に買い増すための備えです。コロナショックで世界的に株価が急落した際にも、余力を残していたおかげでそこまで動じることはありませんでした。
構成銘柄数は日本株が10銘柄程度、米国株は50銘柄程度です。特に米国株は1株単位で購入できますから、気になった株はとりあえず買ってみて、良さそうなら追加で買い増しています。
成長力の高さが魅力の米国株へ積極的に投資
――米国株が資産の半分以上を占めていますが、米国株に投資をしたきっかけはありますか。
もともと投資を始めたときから米国株は視野に入っていて、「Googleの株主になった」と友人に言ってみたかったのがその理由です(笑)。実際に投資をしてみると、米国経済や企業の力強さに気づいたので、自然とその比率が増えていきました。
――言語の壁もあると思いますが、どのように米国企業を選別しているのでしょうか。
基本的には日本株と同じように、決算の数値で投資判断をしています。米国企業の決算開示といっても、基本的には国内企業の決算開示項目と同じですから、そこまで苦労はありません。また、マイナーな企業というよりは比較的大手企業が投資対象ですので、そうした銘柄であれば日本語のサイトでもさまざまな形で情報収集が可能です。
特に米国株は長期投資がメインですので、決算などの細かい数字にはそこまでこだわっていません。業界全体としての成長性や、その銘柄の前年比売上高営業利益率の伸びに注目しています。
また、「開示情報を見てワクワクするか?」という点も投資判断の決め手になります。その企業が描く未来像や新たに開発された技術に心が動くと、ついつい投資をしたくなります。結果として、IT系セクターの比率が高くなっています。
――投資タイミングはどのように判断していますか。
エントリーのタイミングは、一度調べて魅力的に感じたそのときで、1株で構わないから買うことをルールにしています。今までの経験からして、購入を保留にした後に株価が伸びると焦って買いに走り、そこから反落するケースが多いです。そこでまずは1株買ってみて、その後に追加するかどうかを決めるようにしています。
節約や投資にも注力してFIREをさらに近づける
――FIREを目指す上で、投資だけではなくブログやYouTubeなどさまざまな副業をされていますが、どのようなきっかけで始めたのでしょうか?
節約だけで投資に回すお金を増やすのは限界がありましたから、本業以外の収入源が欲しいなと思ったのがきっかけです。YouTubeの前にブログを始めましたが、ブログ記事をそのまま動画でも発信すれば一石二鳥だと思いつき、しばらくしてYouTubeのチャンネルを開設しました。もともと、人に何かを発信することが好きだったこともあります。
YouTubeは今でこそ十分な収入源になっていますが、半年間はほぼ無給状態で動画を上げていました。それでも続けられたのは、学生時代に趣味で動画を上げていた時期があり、当時もなかなか再生数が伸びないことを経験していたからです。むしろそのときよりは伸びていたくらいですから、それがうれしくてYouTubeに注力していったという流れです。
情報発信することは実は投資にも役立っていて、他人に納得してもらうには合理的な説明が必要になりますから、自然と投資対象が洗練されていきます。
――視聴者の方からはどういった質問が寄せられますか。
積立NISAや投資の始め方、貯金と投資のバランスなどに関する質問が多く、個別銘柄に対する評価についても聞かれることがあります。中には僕が知らない銘柄もありますが、その場合は正直にわからないと答えます。さまざまな情報発信のスタンスはあると思いますが、できるだけその方のためになるかどうかを回答の基準にしています。
――資産もかなり増えてきていると思いますが、ぽんちよさんの中でのFIREの進捗はどのような状況でしょうか。
実は、来年2月で一旦退職しようかと考えています。かなり慎重に検討していましたが、現在の仕事を通して十分なスキルを得られたことで決心がつきました。理化学系の実験に関するスキルなのですが、これがあれば復職する際にも一定の需要がありそうです。
また、YouTubeによる副業収入も十分になってきましたし、もし仮に現在のチャンネルがダメになったとしても、もう一度作り直して稼げるだろうという自信がついています。YouTubeでの活動も楽しめているのですが、最近では自転車など「それ以外の趣味にも時間を使いたいな」という気持ちが強くなってきました。
――私の場合、ある程度のお金があるとかえって贅沢をしてしまい、むしろFIREが遠ざかるような気がします。ぽんちよさんの金銭感覚は変わらないのでしょうか。
意識的に変えている部分と変えない部分の2種類があります。変えている部分としては、仕事の効率が高まったり収入が大きくなったりするものに対しては、惜しまず投資することです。節約志向が強い今までの自分の感覚では、安物買いの銭失いで失敗することもあったので、将来的に損をする可能性があるなと感じました。
変えない部分は生活費で、実は今でもまったく変わりません。ミネラルウォーターを買う人もいますが、僕は水道水で十分なくらいもともと節約志向です(笑)。これは、YouTubeがいつまで稼げるかわからないのと、別に贅沢したくてお金を稼いでるわけではないからです。
将来的に働かずに配当などで生きていくためには、多少使っても減らないくらいの資産を築かないといけないのですが、それには億単位の額が必要です。そもそも、今のお金は配当で得たものではなく自分で働いて稼いだお金ですから、資産家になった気もありません。
また、毎月1回エクセルシートで資産の状況を管理しているのですが、その額が増えていくのが好きだというのもあります(笑)。RPGで経験値がたまってレベルアップしているような感覚です。FIREを目指す長い道のりの中では、こうした日頃のモチベーションの維持が大切ですね。
――最後にFIREを目指す方へ向けて、投資や副業に関するアドバイスがあればいただけますか。
投資について言えば、さまざまな情報の中から正しいものを見分けることが大切だと思います。今はSNSやYouTubeといった多様な媒体があり、投資に関する情報にもアクセスしやすくなってきています。
気軽に勉強できるという良い側面はありますが、その情報が正しいとも限りません。これだけ情報があふれているからこそ、一度立ち止まって批判的に考えることも大切なのだと思います。
副業に関しては、やるかやらないかに尽きるでしょう。ただし、僕の場合は職場が嫌で抜け出したいという強烈なエネルギーがあったからこそ、副業に打ち込むことができました。今の仕事に満足していて充実感があるのなら、わざわざ副業に時間を割かなくてもいいのかなと思います。「自分にとって何が大切なのか?」を考えることが重要ですね。