高校卒業後、お笑い芸人を目指して吉本総合芸能学院(NSC)22期に入学するも挫折。営業マンや起業などで1000万円を貯め、2005年から株の世界へ足を踏み入れたトレーダー、むらやん。テレビや雑誌、セミナーなどにも引っ張りだこで、コロナ前にはトレーダー仲間を集めて全国各地で交流会をするほど「人との関わり」を大切にしている。

トレーダーから慕われる兄貴分的存在のむらやんの経歴やトレード、投資の考え方に迫る。

むらやん
むらやん
個人投資家。 高校卒業後、NSCへ入学するも挫折。営業マン、起業などを経て500万円元手にデイトレーダーへ。株式投資の普及を目指し、テレビ、雑誌、セミナー、YouTubeなどにも力を入れる。
Twitter:@cadillac600

芸人を諦め、辿り着いたデイトレーダーの道

デイトレード.投資
(画像=PIXTA)

――むらやんは、NSC出身という異色の経歴の持ち主ですよね。

19歳のときにバイトで貯めた50万円と親に借りた30万円を握りしめて大阪に行き、吉本総合芸能学院(NSC)に入学しました。22期の同期にはキングコング、南海キャンディーズの山里亮太さん、NON STYLE、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さん、平成ノブシコブシなど、最初から実力が飛び抜けている人たちがいたんです。

才能あふれる同期たちが伸びていく傍ら、僕はコンビ結成と解散を10回くらい繰り返すばかり……。NSC通いでバイトもほとんどできないなか、バイト先の給料不払いにあって、お金が尽きてしまったのをきっかけに芸人を諦めることを決めました。かわりに、「芸人は諦めるけど絶対金持ちになってやる!」という気持ちで切り替えましたね。

それまで営業のバイトをしていたので、NSCを辞めてからは歩合制の営業をしようと。健康器具、浄水器、ふとん、教材の訪問販売、不動産営業など、いろんな営業をしてきました。20歳くらいのときで、ありがたいことに月給は50万円くらいもらっていて、21歳のときには1年半で1000万円を貯めることができました。

営業の仕事で独立したもののあまりうまくいかず悩んでいたとき、取引先の人から「ライブドアの株で1億円儲かった人がいるよ」という話を聞いたんです。すぐに証券口座をつくりました(笑)。2005年4月に500万円を入金して株を始めたのですが、投資を教えてくれる人も知り合いもいないので、適当にやっていたら3カ月で250万円になってしまいました……。

アベノミクス相場に乗って、資産1億円を達成

――むらやんは当初からデイトレードをしていたのですか?

はい、最初の頃は本当に適当なトレードしかしていなくて、適当に買って、上がったら適当に売る。ただそれだけでした。「全然儲からないなあ」と悩み、まずは1銘柄だけを集中して監視し、バーチャルトレードで試し、その後にようやく1単元買ってみたんです。こんなふうに少額でデイトレの練習をしていって徐々にコツをつかみ始めたころ、夏に郵政解散、小泉バブルがやってきたんです。

ただ、1日のうちに決済を完結するデイトレだったので、小泉バブルのような長期上昇トレンドの恩恵はあまり受けられなかったのですが、逆にその後のライブドアショックもリーマンショックも、あまり被害を受けずにすみました。むしろリーマンショックでは、暴落からのリバウンドが強く、2009年には4000万円以上の利益を稼がせてもらいましたね。そして、アベノミクス相場がはじまって2年後くらいで1億円を達成しました。

――デイトレをする際、損切りなど、必ず守っている「マイルール」はありますか?

デイトレーダーにとって、「損切りルール」はとても大切です。初心者の頃に株の本をいくつか読んだのですが、「マイルールを守ることが大事」と書いてあるのに、具体的なルールのつくり方は書いていないことが多かったんですよ。自分のトレード経験からつくった損切りルールは、たとえば「この株を買えば15分後までに30万円の利益になるだろう」とイメージした場合、想定利益の30%、つまり9万円の含み損になったら必ず損切りするというもの。自分の投資スタイルに合わせて損切りの目安を決めないと、大きな含み損を抱えてしまい、身動きが取れなくなってしまいますから。

投資スタンスによって証券会社を使い分け

――デイトレーダーに向いている証券会社はあるのでしょうか?

僕は楽天証券、auカブコム証券、松井証券の3つの証券会社を使い分けています。デイトレだと手数料の安い松井証券を使っていますね。一日信用取引なら手数料は0円ですし、デイトレ時の金利貸株料も1注文あたりの約定金額が100万円以上なら年利0%。持ち越さずにその日に決済を完結するデイトレをしている人には非常に安く、向いている証券会社です。

スイング投資や中長期で持つときは、auカブコム証券と楽天証券を使っています。楽天証券はバランスよく手数料が安いですね。時間外に取引できるPTS(私設取引所)もあって使い勝手がいいです。auカブコム証券もバランスよく安いのですが、夜間PTSがないのは残念な点ですね。

トレーダーにとって証券会社のトレードツールは非常に重要で、僕は主にauカブコム証券の「kabuステーション」を使っています。発注方法もたくさんあるし、注文スピードも速い。機能が充実していて、板や歩み値の表示も早く、使っていてストレスがありません。某大手ネット証券では、たまにチャート画面がバグって使えないこともあるので、今でもシステムが安定していることは大事ですね。

外出中はスマホのアプリも使っています。株価をチェックしたり、持っているポジションを調整するくらいですが、楽天証券のアプリが使いやすくて好きですね。

デイトレ仲間たちが、スイングや中長期投資に方向転換

――今もデイトレードを中心に取引をしているのですか?

1年半前から短期トレードを減らし、時間軸を伸ばしたスイングや中長期投資をはじめています。2020年3月のコロナショックから夏まではリバウンドで相場がよく、決算跨ぎで大勝ちしている友人がいたんです。「むらやんもやればいいのに!」と教えてもらって、「よしやるぞ!」というタイミングで潮目が変わってしまって……。単に決算跨ぎをしてもまったく勝てなくなってしまった。だいたい1000万~2000万円くらいのポジションを持って持ち越しをするものの、10~15%くらいギャップダウンして負けが続いてしまう……。

なかなか難しいですね。今までデイトレードで稼いできた投資仲間たちも時間軸を伸ばして、切磋琢磨しています。FRB(米連邦準備理事会)では、金融緩和縮小(テーパリング)議論も出はじめていて雲行きが悪いので、最近はある程度の方向性が見えてきて地合いよくなるまで耐えて待つイメージですね。

――投資初期からブログを書いていましたよね。

はい、当時は投資ブログが流行っていたので、自分も投資をはじめた2005年からブログを書きはじめましたし、ほかのトレーダーさんの投資ブログも読んで交流するようになって、株友達ができるようになっていきました。みんなでワイワイするのが好きなので、トレーダーとの交流を率先してやっています。50~100人規模のオフ会をやったこともありますし、北海道で投資仲間がオフ会を開くと聞けば、飛んで行ったこともありました。

――最後に初心者や投資未経験の人へアドバイスを

「投資」は絶対に知っておいたほうがいいと思います。ただ、自分はボコボコにやられてお金を失うことの痛さもわかっています。ですから、リスクを取れる範囲で投資をはじめてみてほしいですね。たとえば、元手20万~30万円で月1万円儲けたとき、この10倍の資金200万~300万円を入れたら月10万円儲かるのか、と考えますよね。最初は20万~30万円でもいい。仮に全額失ってもまた稼げる金額であれば、やり直しがききますから。徐々にステップアップしていけばいいんです。

食わず嫌いで投資をやらないのではなく、少額でもいいからまずはやってみてほしい。僕もお笑い、営業マン、起業といろいろチャレンジしてようやく「これが合ってる!」「株がおもしろい!」と見つけることができました。逆に投資をやってみて「自分は投資に向いていない」とわかることも大事。「投資じゃなくて、やはり仕事で頑張るしかない!」と知ることも一歩前進です。「何もしない」というのを選択肢から外してほしいですね。