株式会社メディアシーク
(画像=株式会社メディアシーク)
西尾 直紀(にしお なおき)
株式会社メディアシーク代表取締役
大学卒業後アンダーセンコンサルティング(現・アクセンチュア)に入社。同社でITコンサルタントとして企業のIT化を支援。2000年3月に同社退職、当社を設立、代表取締役就任。同年12月に史上最短9ヶ月で東京証券取引所マザーズに上場。スクール管理システム「マイクラス」、バーコードリーダアプリ「アイコニット」等の幅広いサービスを世に生み出す。ベンチャー企業創出活動も併せて事業展開し「善いビジネス、善い企業を生み出し続ける」を目標に鋭意活動中。
株式会社メディアシーク
コンサルティングからシステム構築、運用まで一気通貫で顧客のシステム開発をサポートする法人向けカスタムメイドシステムソリューションの他、400以上の教室に導入されている教育事業者向けスクール管理システムパッケージ「マイクラス」、累計3500万DL超のバーコードリーダーアプリ「アイコニット」、脳神経科学とITを融合させたブレインテックサービス「ニューロスイッチ」などを提供しているIT企業。あわせてベンチャーインキュベーションを創業時より行っており、2023年までにIPO6社を実現

目次

 

  1. 事業の変遷について
  2. これまでの経営戦略と今後の方向性について
  3. 経営者としての強みについて
  4. 今後の展望について
  5. ZUU onlineユーザーや投資家に向けてのメッセージ

 

事業の変遷について

冨田:インタビューのお時間をいただきありがとうございます。まずは、メディアシーク様のこれまでのターニングポイントについてお聞かせいただけますか?

株式会社メディアシーク 代表取締役・西尾 直紀氏(以下、社名・氏名略): ひとつ目のターニングポイントは、2000年に当社を設立した際にiモードが立ち上がったことです。多くのiモードチャンネルを展開したことが、会社の成長につながりました。

ふたつ目のターニングポイントは、2000年代後半から携帯電話にカメラが搭載され始めたことです。当時あるメーカーに声をかけていただき、バーコードの読み取りソフトをガラケー向けに提供し始めました。このソフトが数億台の端末に搭載されたことで、多くのメーカーとお付き合いするきっかけとなりました。

3つ目のターニングポイントは、初期の段階からベンチャー投資をおこなっていたことです。これまでIPOした企業が6社あり、それが当社の財務基盤を固めるきっかけになりました。

冨田:ベンチャーインキュベーションに力を入れている印象があります。メディアシーク様は史上最短で上場されましたよね。

西尾:はい。当時はマザーズができたばかりで決算書の3年分というルールも確定していなかったのもあり、利益が出ていることも含めて審査をしていただき、9ヶ月で上場させていただきました。

これまでの経営戦略と今後の方向性について

冨田:これまで様々な経営判断があったかと思います。経営戦略や意思決定の際に重要視されている点について伺えますでしょうか。

西尾:これまで未上場の企業のみへ投資をしてきましたが、最近は上場企業にも投資をしています。特に私たちがその企業と一緒に何かやることによってシナジーが生まれ、企業価値が上がるような会社へ投資することを重要視しています。

冨田:なるほど、具体的にどのような取り組みをされているのですか?

西尾:たとえば、私たちの技術やスキルを上場企業に提供して、その企業のデジタル化を促進することで企業価値を上げるといった取り組みをおこなっています。IT技術の提供によって企業価値が上がるケースが多いため、力を入れています。

冨田:なるほど。ソフトバンクグループのネットアセットバリュー(NAV)のように、技術力を元に投資先企業の評価を高めていくというのが強みかと感じました。

西尾:そうですね。PLでは見えないので評価がされづらいのですが、私たちのサービスはコンサルティングとSIのような形で人件費が固定されている一方で、投資と技術を組み合わせることで企業価値を上げることができてます。

冨田:不動産などの実業をおこなっているが技術を入れてテック企業にしたいといった会社とも相性が良さそうですね。

西尾:おっしゃるとおりで、まさに不動産会社からは1社相談をいただいています。最初に株を買わせていただいて、その上で我々の技術陣を何名か送り込むことで、不動産だけでは低くなってしまう企業価値をテック会社に転換し改善するお手伝いをしています。通常のコンサルティングフィーは年間で約1億円前後ですが、企業価値が上がったことによるキャピタルゲインは、その何倍も期待できます。

経営者としての強みについて

冨田:社長の経営者としての強みを伺えますでしょうか。

西尾:私自身は技術者で、システムをつくることが得意です。あとは、初期のメンバーや役員にはそれぞれ自分の持っていないスキルや強みがあります。たとえば、コンテンツ業界に経験のある方がいたり、営業やベンチャーインキュベーションに関して得意な役員がいたりします。それぞれ違った強みを持つ役員が揃っていることが、我々の強みだと思います。

冨田:技術だけではなく、コンテンツのマーケティングやプロモーションをセットで提供できる会社は多くないと思うのですごいなと思いました。社長ご自身のルーツやバックグラウンドについても伺えますでしょうか?

西尾:私は大学時代に遺伝子の解析をしていたのですが、その情報を極めようとするとコンピューターの世界にいく必要があるということで、ITの世界に進みました。最初に入社したアンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)は、研修が充実しており、ITのスキルを身につけられる点に惹かれて入社しました。そういったルーツがあるので、私自身の経営に対するアプローチは、データや法則性、アルゴリズムに基づいて発想をすることが多いですね。

今後の展望について

冨田:今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか?

西尾:ひとつ目の目標は、現状のやり方で純資産をとにかく大きくすることです。具体的には2年で50億円、その次は100億円を目指しています。株券やキャッシュを運用して安定的に投資原資を生み出し、それをまたベンチャーやブレインテックに投資をすることで、何十倍ものリターンを得ようと考えています。最終的には利息を投資しているだけで回るような状況を目指しています。

冨田:純資産を増やすには投資先を見極めることが重要かと思いますが、具体的にどのような会社を見つけていく予定ですか?

西尾:ベンチャーの目利きができているかどうかは別として、厳しく見て投資先を選んでいます。また、投資する際にはSI部隊や企画部隊、管理部隊を送り込むため、立ち上がりは早いと思います。日本を元気にするような技術を持った会社を次々と見出し、つくっていきたいと考えています。

冨田:今後思い描いている未来構想について伺えますでしょうか。

西尾:最近社内でずっと言っているのが、100年続く企業構造をつくっていこうと考えています。たとえば、コロナの影響で売上がゼロになった場合に我々の会社がどれだけ持つのかを計算してもらったことがあります。その時は27年持つという結果でしたが、現在はそれがさらに伸びており、100年は倒産しない構造がつくれると考えています。100年続く企業を目指すというわけではないですが、そういった構造を生み出せるルールをつくることに注力しています。

ZUU onlineユーザーや投資家に向けてのメッセージ

冨田:最後に、ZUU onlineのユーザーや投資家の方々に向けて、何かメッセージがあればお願いします。

西尾:まだまだ会社のことを理解いただいていないところも多いと思うので、皆様にしっかり理解いただけるよう丁寧に説明していきたいと考えています。あとは、我々は会社を大きくしようというよりは、日本に一個でもいいので新しいものをつくろうという思いで取り組んでいるということを知っていただきたいです。

冨田:お話を伺っていると、ネクストソフトバンクグループのようなITの技術と投資の力を持った会社になれる可能性があると思いました。本日はありがとうございました。