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(画像=株式会社ラキール)
平間 恒浩(ひらま つねひろ)
株式会社ラキール 取締役
1963年生まれ。1988年株式会社エイ・エス・ティ入社。1999年株式会社イーシー・ワンに入社し、オフショア開発本部長に就任。
2005年6月レジェンド・アプリケーションズ(現ラキール)の取締役就任。創業メンバーとして、事業拡大を支えてきた。
現在は、コーポレート本部人事グループ責任者とプロダクトサービス本部にてHRとBI製品のコンサルティンググループの責任者を兼務し、社内の戦略人事を推進しながら、顧客の戦略人事を支援している。
株式会社ラキール
2005年6月10日創立。2012年8月より独自のプロダクトブランドLaKeel(ラキール)シリーズの提供を開始。
クラウド型アプリケーション開発運用基盤「LaKeel DX」を中心に、先進的なアーキテクチャと深い業務理解を基に構築された14種類のプロダクトを展開しています。
2021年7月東京証券取引所マザーズ(現グロース)市場に上場。ビジネスのコアに変革をもたらすプロダクトを提供し続け、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。
2022年には一般財団法人日本次世代企業普及機構(通称:ホワイト財団)が運営するホワイト企業認定においてゴールドランクを取得。
2023年3月には「健康経営優良法人2023」に認定され、従業員が安心して挑戦できる働く環境づくりにも力を入れています。

目次

  1. 人的資本経営(ダイバーシティ、従業員エンゲージメントの向上、働き方改革 など)に対するこれまでの取り組み
  2. 人的資本経営の取り組みで苦労した点と、乗り越えるための施策
  3. 取り組みを行う前後の変化や取り組み後の反響
  4. 今後の展望と従業員に対して期待すること
  5. ステークホルダーの皆様へのメッセージ など

人的資本経営(ダイバーシティ、従業員エンゲージメントの向上、働き方改革 など)に対するこれまでの取り組み

私たちは、「The Human Based Company」という企業理念に基づき、人的資本経営に注力しています。これは顧客、社員、株主への責任を果たし、継続的な企業成長を目指すということです。 現在は、2021年の上場を機に組織戦略や人事施策を改めて見直し、PDCAを回しております。

例えば、従業員エンゲージメントの向上については、月一で実施される従業員のエンゲージメントサーベイを通じて、組織の状態を可視化し、必要な対策を講じています。 また、ダイバーシティについては、出産および子育ての支援制度も拡充しており、妊娠から13年間に渡るサポートと復帰時のボーナスや休みの取りやすい勤務制度など、法令を大きく上回る基準で制度を設けています。これらの取り組みを通して、2021年にはホワイト企業アワードにおいてワーク・ライフバランス部門で受賞しました。

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(画像=株式会社ラキール)

人的資本経営の取り組みで苦労した点と、乗り越えるための施策

私たちは、ワークスアプリケーションズグループから独立してから毎年30~60人規模で新卒採用を行い、組織力・人材力を強化することで、企業を成長させてきました。これにより、20代の社員が急増し、組織の中により多様な価値観がうまれました。海外人材の採用も始まったことでこの流れは更に加速しています。 このような変化の中で、多様性を尊重しつつ会社への帰属意識やビジョンの浸透について非常に苦労してきました。

そこで、これらの課題を解決するために、主に、健康経営の強化と、社内のコミュニケーションの促進に取り組みました。まず、健康経営については、健康診断だけでなく、歯科検診や婦人科検診(乳がん・子宮頸がん検査)まで無料で受診可能にする制度や、ウォーキングなど健康増進活動による特典が付与される福利厚生サービス、多様な働き方の推奨などに取り組み、「健康経営優良法人2023」やホワイト企業アワードの連続受賞など、様々な外部の賞をいただくことができました。これらの取り組みは、社外へのアピールだけでなく、働く社員の自社に対する評価やエンゲージメントに繋がっています。

一方、コミュニケーションの活性化については、コロナ禍により社員間における縦横のコミュニケーションが不足していたことを受け、経営層と若手の懇親会を定期的に開催するようにしました。この活動は、コミュニケーションの活性化だけではなく、会社のパーパスやビジョンを理解し浸透させていく事にも繋がっております。これに加え、メンター制度や1対1の取り組みも行っています。さらに私たちならではの施策として、夕食を無償のビュッフェ形式で提供しています。これは、若手社員の食生活をサポートするだけでなく、部署や役職の垣根を超え、仕事以外の内容も含めたコミュニケーションの促進にも繋がっています。

取り組みを行う前後の変化や取り組み後の反響

私たちの会社では、元々、社内の風通しが良く、月報などを通じて、社員の声を直接経営層に届けられるような体制が整っております。これにより、社員からの貴重なフィードバックが経営判断に反映することが可能になっています。

先程の社内での無料夕食ビュッフェの提供も、社員の一声から始まったもので、この取り組みは社員からも非常に好評の声を頂いています。今後は、さらに社員からの要望を取り入れ、アルコールの提供を含む新たなイベントも計画しているところです。

また、これらを始めとした社内制度について採用ブログなどを通して外部に発信することで、採用においても良い影響を与えています。IT業界の人材不足を踏まえ、採用市場での競争が激化していますが、私たちは、それぞれの社員が持つ力を最大限に発揮できるよう支援を行い、社員が長く働きがいのある環境を作り、そのような魅力的な環境に、人が集まるという好循環を回せるようになってきたと感じています。

今後の展望と従業員に対して期待すること

私たちはこれまでのIT業界の在り方にパラダイムシフトを起こし、「明日の日常を創り出す」というビジョン・パーパスを掲げています。そのために、私たちは社員ひとりひとりの価値を最大化するということを重視した人的資本経営を行っています。

この考えを浸透させるため、先程のビュッフェや社内のオフラインのイベントなど社員に対して企業の理念や全社の方針を伝える機会を意図的に作っています。こうした活動を通して社内に共通認識を形成することで、社員が企業の将来像を理解し、個々のキャリアプランとの整合性を図ることができるようになり、社員全員が同じ方向を向いて取り組むことが可能になると考えています。

そこで、社員に期待することは、自律的な行動です。社会の変化が激しい時代において、今まで以上に事業のスピードを向上させることが必要で、そのためには自力で課題解決できる社員が増えていくことが必要です。

自律的な社員に成長してもらうために、企業としては、ITの専門知識だけでなく、論理力や理解力を高めるための研修プログラムを実施しています。さらに、転職が当たり前になっている社会においては、離職する人は一定数出てくるものと考えておりますが、私たちを離職した社員についても「ラキール出身者は優秀な人材」として認識されることを望んでいます。いずれは元社員との協業を通じて新たなビジネス機会を創出するようになっていくことも目指しています。

ステークホルダーの皆様へのメッセージ など

昨今、人的資本経営が注目されたことで、私たちが以前から取り組んでいた、BIツールや統合型人事システムに追い風が吹いてきたと感じています。顧客に対して人的資本経営のソリューションを提供し、データドリブンな経営を提案しています。私たち自身も、データに基づいた人的資本経営に積極的に取り組んできましたが、この経験を活かし、製品とともにノウハウを顧客に提供することで、HRテック業界のリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにすることを目指しています。

世の中にある、HR系のサービスの多くは、人事部門単体で見たときには効果的なものは多いのですが、企業の人的資本経営の全体を支援することができないものがほとんどです。 一方、私たちのサービスは、単に人事領域だけではなく、コンプライアンスや生産性といった情報も統合的に扱うことができるため、なにから始めるべきかわからないような企業様からISO30414の認定を目指すような企業様まで幅広くご支援することが可能です。

これらを実現するために、わたしたちは人材育成と組織開発に注力しています。論理的思考力を持ち、ビジョンに共感して貰える人を採用し、それらの人材が成果を出せるよう育成に力を注ぎます。さらに、大学やAI企業提携なども進めており、優秀な人材を採用し、高度な技術にチャレンジし続ける強い組織を作り上げていく所存ですので、今後の活動にご期待いただけたら嬉しいです。

氏名
平間 恒浩(ひらま つねひろ)
会社名
株式会社ラキール
役職
取締役