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(画像=株式会社イメージ・マジック)
山川 誠(やまかわ まこと)
株式会社イメージ・マジック 代表取締役社長
1966年2月、愛知県生まれ。モノづくりの世界での企業経営を志向しており、さまざまな商材に挑戦してきたが、その中で消費者の「一点もの」への強いニーズにビジネスの可能性を感じ1995年にオンデマンドプリントサービスを軸に起業。
長年R&Dと挑戦を続けた結果、これまでメーカーが実現できなかった、消費者のクリエイティブな要望を実現するオンデマンドプラットフォームを開発した。
株式会社イメージ・マジック
イメージ・マジックは、インターネットを利用して行うアパレルや雑貨を主とした商品へのオンデマンドプリントサービス、及びオンデマンドプリントの仕組み(ソフトウェアやハードウェア)をアパレルメーカー、印刷会社などの事業者へ提供するソリューション(オンデマンドプリントソリューションズ、以下ODPS)事業を展開している。
22年3月に東証マザーズ(現東証グロース)に新規上場。

創業から上場までの事業変遷

ーー創業から現在までの事業戦略についてお聞かせいただけますか?

株式会社イメージ・マジック 代表取締役社長 山川 誠氏(以下、社名・氏名略): 当社は、1995年にTシャツやキャップ、ライブグッズなどアパレル製品のオリジナルプリント用機材販売及び加工受託事業を軸に設立しました。設立当初から事業の原則として、一点から注文を受け、お客様にオリジナル製品を届ける姿勢は変わっていません。

ただ、設立当時は、小ロットでオリジナルプリントを注文するニーズが少なく、ある程度複数点をまとめての発注がスタンダードでした。しかし、時代の変化とともに、SDGsをはじめとして余分なものを作らないという考えが広まり、また、消費者の趣味・趣向も多様化してきた結果、一点から発注されるお客様も次第に増加していきました。その中で、当社は常にコストを下げる方法を追求し、時代に合った戦略を打ち出してきました。

例えば、コスト削減の工夫として、生産の効率化を図るシステムの開発や自動化などを行ってきました。しかし、それでは一定以上コストが下がらないことが判明し、プリンターメーカーとのシステム連携など、新しい取り組みも行いました。また、一点ものの印刷から出荷までの工程には様々なステップが存在し、非常にコストがかかります。しかし、すべての工程に適した少量多品種向けの印刷や仕分け、梱包装置は存在しないので、自分たちの知見を活かしたハードウェアについても開発しています。

加えて、今ではこれまで培ってきたノウハウをクラウドシステムとして仕組み化し、オリジナルプリントがインターネットで注文から出荷までが完結するオンデマンドプリントソリューションズ(ODPS)を開発し提供も行っています。これによって、作業時間の大幅な削減だけでなく、倉庫や工場での人手不足解消、人件費の削減にも繋がっています。

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そもそもエクイティを活用しようと思った背景や思い

エクイティや新規上場という選択肢を活用しようと思った背景や思いについて教えていただけますか。事業拡大という観点もあるかと思いますが、他にも何かポイントがあるのでしょうか。

山川:新規上場を選択した理由は2つあります。 1点目は認知度向上です。 当社では20年以上前からオリジナルプリントサービスを提供していましたが、数年前に同様のサービスをユニクロ社がリリースした際、世間的に大変話題になったことで、自社サービスの認知度の低さを痛感しました。そこで、当社の認知度を向上させることでサービスの更なる普及に繋げようと考え、上場という選択肢を選びました。

2点目は、優秀な人材の獲得です。 以前から更なる事業拡大のためには、優秀な人材の獲得は必要不可欠だと考えていました。そこで、上場することでブランド力や信用力・知名度が向上し、採用力の強化、ひいては優秀な人材の確保に繋がるだろうと考えて、上場を選択しました。

ーーなるほど、ありがとうございます。主にブランディングや認知向上が重要だと感じられたのですね。

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今後の貴社における事業戦略や展望

ーー今後の貴社における事業戦略や展望について教えていただけますか?

山川:究極の目標は完全自動化のオンデマンドプリントを実現することです。人件費が年々上がり、人材不足も深刻化する中で、無人化を目的としたロボット導入など自動化への投資を積極的に行っています。人の手がほとんど加わらない自動化のオンデマンドプリントをいち早く実現し、たとえ一点もののオリジナル製品だとしても、現状の生産コストと同等のコスト感で効率的に生産できるような仕組みを構築しています。

また、完全無人化を実現すれば、世界的にも圧倒的なコスト優位性を持つことができると考えています。今、世界中でオンデマンドプリントの需要が増加しており、中国やベトナム、インドなどアジア中心に大量生産が行われている一方で、少量多品種化の動きも進んでいます。今後、大量生産がなくなることは考えにくいですが、徐々にロット数は減少していくことは確実だと考えています。少量多品種化の波が今以上に訪れた際に、当社が完全無人化のオンデマンドプリントを実現できていれば、圧倒的な優位性を持つことができると思います。現在はその足がかりとして、ソフトウェアやハードウェア、プリンターとのDX連携などに徹底的に投資をして、いち早く実現できるように取り組んでいきたいと思っています。

ーーありがとうございます。先ほどお話しになった、現在構築中の貴社内の仕組みが完璧に構築されると、さらに加速していくというイメージが湧きました。

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ZUU onlineのユーザーに一言

ーーZUU onlineのユーザーに向けて一言お願いできますか?

山川: 世間的にはものづくり産業において、これまで以上の成長は見込めないと思われがちですが、日本だけでなくグローバルまで視野を広げると、アメリカやヨーロッパでは巨大なマーケットが存在しています。 特にアメリカでは、私たちと同様のサービスを提供する大企業が多く、アメリカのマーケットは今後も伸びると言われており、そういった需要の大きい地域で通用する装置を作っていくつもりです。加えて、DX化・デジタル化が遅れているものづくり産業において、オンデマンドプリントソリューションズ(ODPS)だけでなく、ロボットアームで動かす印刷機の開発などハードウェアの分野においても次世代のものづくりのデファクトスタンダードになるような装置を開発し、普及させていくことが私たちの重点テーマだと捉えています。

完全自動化のオンデマンドプリントを日本だけでなく、グローバルで牽引する会社を目指していきますので、皆様の応援をいただけると嬉しいです。

氏名
山川 誠(やまかわ まこと)
会社名
株式会社イメージ・マジック
役職
代表取締役社長