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(画像=株式会社コメ兵ホールディングス)
沢田 登志雄(さわだ としお)
株式会社コメ兵ホールディングス常務取締役執行役員
大学在学中にアルバイトスタッフとして当社の業務に従事し、大学卒業後に合資会社米兵入社。
出張買取、道具(家電・カメラ)部門を経て、時計・カメラ部門の部門長に就く。
1999年取締役に就任し、2002年には常務取締役に就任。コメ兵の東京進出1号店有楽町店の出店時には、東京担当役員として事業拡大を牽引。
現在は、グループの事業会社4社の代表取締役社長であるとともに、流通の垣根を越えて偽造品撲滅に取り組む日本流通自主管理協会の代表理事も務め、不正商品排除活動にも注力している。
株式会社コメ兵ホールディングス
1947年の創業以来、75年以上一貫してリユースビジネスを営むブランドリユースシェアNo.1(※)企業。
主力ブランドである「KOMEHYO」は、家電や生活用品も扱う総合リユースの形態から、時代や消費者のニーズの変化に合わせ、90年頃ブランド品の取扱いを開始。
仕入れた商品をメンテナンス等により、付加価値をつけて再販するアップサイクルにこだわる。
2004年に東証2部・名証2部に上場。2020年に持株会社体制となり、現在グループ16社で国内外に200店以上を展開。今後の成長に欠かせないグローバル展開強化のため積極的に投資を行う。
(※:リユースデータブック2023)

目次

  1. 現在までの事業変遷について
  2. 貴社における沢田様の役割について
  3. 沢田様が意思決定の際に重要視をしている点について
  4. 沢田様の思い描いている貴社の未来構想について
  5. ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

現在までの事業変遷について

ーー事業変遷についてお聞かせいただけますか?

株式会社コメ兵ホールディングス 常務取締役執行役員 沢田 登志雄氏(以下、社名・肩書略):原点は創業者の石原大二が戦後まもなく、人々が着るものにも食べるものにも困っていた時代に、着物を中心とした衣類の売り買いをする行商を始めたことです。1947年に古着屋「米兵商店」を名古屋大須に出店。貴金属やブランドの時計・バッグなど、消費者のニーズに応じて取り扱う商品を広げていきました。事業は順調な成長を遂げ、リーマンショックなど、いくつかの危機を経験したものの、2003年9月に株式公開を果たしました。翌年に東京に進出した後も、大阪をはじめ全国に店舗展開を進め買取・販売ともに拠点を広げていき、2020年に持株会社体制に移行。現在ではブランドリユースNO.1 のシェア※を誇ります ※リユース市場データブック2023

ーーリユース事業における貴社の競争優位性や強みは何だとお考えですか?

沢田:当社の強みは、2点あります。1点目は、長年の業界経験から培われた鑑定力です。長年経営をする中で、さまざまな商品に触れる機会が多く(創業時は衣類を扱い、その後宝石・ブランドアイテムへ展開)、商品知識や鑑定技術は蓄積されています。さらに最近ではAI技術を利用して真贋や型番を判定するツールを導入することで、これまでより効率的に活用することができています。 2点目は、多様な販売チャネルを持っている点です。国内店舗だけでなく、EC、法人向けオークションや海外への販売手段など、幅広いチャネルを持っています。これらのチャネルから拾い上げた様々な情報をお客様のニーズを的確に捉え、最適な商品を提供や効果的なマーケティング、適切な在庫コントロールができていると思います。

ーー素晴らしいですね。貴社がお客様のニーズを明確に把握することができているのはどのような仕組みがあるからなのでしょうか?

沢田:様々なツールを活用してお客様のニーズを分析し、それに応じた商品展開を行っています。例えば、LINEなどを活用した1to1のコミュニケーションによって 、ニーズを把握しお客様に適した商品を提案することができています。

また、直近では、フリマアプリの「楽天ラクマ」にて、商品を購入したユーザー様が、必要に応じて商品の検品を弊社に依頼することができる「ラクマ鑑定サービス」の本格提供を開始しました。当社の強みである「鑑定力」と精度の高い「AI」を活用した検品ビジネスの展開もスタートさせています。 二次流通のユーザーなら、誰でも気になる”安心”に対するニーズを拾い上げた一つの帰着点といえます

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貴社における沢田様の役割について

ーー貴社における沢田様の役割についてお聞かせいただけますか。

沢田:私の役割は、会社の本質的な部分である、不易の価値観を守ることだと考えています。具体的には、経営陣が意思決定に至れない要因を引き出したり、さまざまな意見を参考にしながら経営陣と連携や会話を行い、合議を行うことです。社長をはじめとする次世代の経営層にこの価値観を伝える存在として、会社での合議や社長とのやり取りの際にアドバイスする役割を果たしています。 このようにトップである社長の手が届きにくい部分をカバーしながら、不易流行の経営をすることが私の役割だと思います。

沢田様が意思決定の際に重要視をしている点について

ーー沢田様が意思決定の際に重要視しているポイントや軸について教えていただけますでしょうか。

沢田:ビジネスを通して信頼を獲得する点です。当社は、リユース業界全体の売上拡大・信頼性向上に寄与し、自身の利益だけでなく、業界全体に好影響をもたらすことが非常に重要だと考えています。 そうすることで、同業者さんとも連携しながらお客様のメリットを追求することができます。その結果、ビジネスを通じて、消費者の方々に認められる世界観を作ることができると考えています。

沢田様の思い描いている貴社の未来構想について

ーー貴社の未来構想についてお聞かせください。

沢田:今後は、海外含めリユースの世界観を広げ、リユース市場の価値向上を目指していきたいと考えています。日本と海外を比較すると、古いものを大切にするという文化がある一方、ビジネスとしての”もの”に関する文化の違いもあり、海外におけるリユース業は社会的地位が低いとされている雰囲気がありました。上場当時、海外の方々から日本ではリユース業者が上場できるのかと言われ、悔しい思いをしたこともありました。 昨今では、リユースは「持続可能な社会」等の価値観から、社会により求められるようになりました。海外には日本の6倍以上の市場があると推計しており、出店や物流網の構築など積極的に投資していきます。

ーーリユースした商品への考え方は日本国内でも変化が起きていますね。今後、貴社が扱うリユース商品のカテゴリを増やしていく予定はありますでしょうか?

沢田:現段階で具体的に扱う内容は決まっていないですが、考慮はしています。実際にグループ会社として、タイヤホイールやプレミアスニーカーなども扱っており、M&Aも含めて会社の成長に合わせて拡大する可能性はあります。ただ、現段階ではまず注力している主力商品の国内・グローバル展開の市場シェアの拡大に注力していきます。

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ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

ーー弊社のZUU onlineユーザー様に一言いただきたいと思います。

沢田:我々が取り組んでいるリユース市場は、車やヴィンテージ品など、世界的に2次流通の方が、一次流通よりマーケットサイズが大きいものが多々あります。さらに最近の世間の流れとして、消費者のリユースに対する需要が高まり、我々が出店をしている買取専門店も3年間で100店舗以上と拡大をすることができています。今後、宝石・ブランドアイテムに限らずさまざまな”もの”がたくさんあふれることを考えると、我々の使命や役割への期待が高まっていると強く感じるため、国内外を問わずに活躍していきたいと考えています。 またネイチャーポジティブな考え方の世界的な広まりなどもあり、ものを”大切にする考え方の大切さに気づく消費者が増えることによって、我々が価値を提供できる機会が増えると考えています。 今後、日本国内の人口が減るという状況の中でも、まだまだ我々が活躍できる部分は国内外を問わずあると信じています。ブランドリユースのリーディングカンパニーとして、ビジョンである「リレーユースを「思想」から「文化」へ。」するべく、絶えず挑戦し成長し続てまいりたいと思います。

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氏名
沢田 登志雄(さわだ としお)
会社名
株式会社コメ兵ホールディングス
役職
常務取締役執行役員